作文し終えてから気づいた。
題名全く考えてなかった。
それだけで約一週間は投稿が伸びました。
題名…案外思い浮かばないんですよ…
ではごゆっくり。
教師からの呼び出しの後、掃除を任されて教室に戻ったときだ
放課後の教室で寝ようとしている女子を見つけ、声をかけることにした
「寝るなら帰ってから寝ろよ」
「別に帰らないといけない理由なんてないでしょ。」
何を言ってるんだ…閉校までいるつもりか?
「授業も終わったんだ。掃除の邪魔だし早く出てくれないか」
「掃除?終わったんじゃないの?」
「生憎呼び出しくらってまだ終わってないんだ、ほら、早くどいてくれ。」
「めんどくさい。早く済ませてよ」
荷物を持って教室を出る女子。
ただ扉の外で座り込んだところ、
帰る気はないらしい
数十分は掃除をした。
綺麗好きな性格かいつも念入りにする。
「まぁ、こんなもんか」
「早く済ませてって言ったじゃない」
「なんだ、帰ってないのか。」
まさかまた寝る気なのか?
そう思った矢先、自分の席であろう場所の椅子に座り込みうつ伏せる。
「おいだから…」
「別にいいでしょ、あなたには関係ないんだから。」
「困るんだよ。鍵閉めてこいって言われてるんだ、」
「宇佐見がいて閉めれなかったって言えば済むわ」
何言っているんだか…
「そういう話じゃないだろ…」
ちょっと待った。宇佐美って…
……あの宇佐美か?
「宇佐見って、宇佐見董子…?」
「そうよ。」
「そうか…お前があの超能力使えるっていう。」
「そうよ、」
超能力…そんなことがホントにあるとは思えない、
「いや、ていうか寝るなよ」
「寝るわ、おやすみ」
「いや、だから寝るなよ」
「もう…あなたのせいで一時間は損したわ。これなら帰って寝たほうがいいわ…」
「元からそうしろ。全く」
気がついたら外はもう暗くなっていた。
そりゃそうか、もう閉校一時間前。
時間で言うなら18時半
冬場のこの時間は十分暗い。
最近は不審者のニュースもよく見る、
「鍵返してくるから下駄箱のところで待ってろ。」
「なんでよ、私は帰るのよ?」
「外は暗いんだ、一人で帰るには危ないだろ」
「超能力使えるって知ってるのにそういうこと言うのね。」
「それとこれとは別だろ」
「…まぁいいや、早くしてよ」
「はいはい。」
俺は職員室に、宇佐見は下駄箱まで。
鍵を返すとき遅いだの何だの文句を言われたが気にせず返した。
下駄箱まで行くと宇佐見は待っていた。
なんだ、先に行ってるんだろうと思ったが素直に待つんだな。
「おまたせ。」
「暗くなる前に早く行きましょ」
何言ってるんだか…
「もうすでに暗いんだが。」
そう言いつつも歩き始める。
「…あんた離れないでよ、」
急に距離を詰めてきた。
いつもこの時間に帰ってるんじゃないのか?
だとしたら相当危ないな。
「そう言うならお前こそ離れるなよ。」
寒さもあるせいか、宇佐見が震えている風にも見える。
「どうした?寒いか。」
「大丈夫よ…寒いのくらい。」
さっきよりも震えが強くなっている。
やっぱり寒いのだろう。
「ほら、これ使え。」
さっきまでつけていた手袋とコート。
あれば助かるが、
昔から寒いのには強い体質でこれらがなくもさほど気にしないからな。
どうせなら温まるほうがいい。
「あんたも寒いでしょ、いいよそんなの。」
「俺は気にしないからな。寒くて震えるくらいなら使え。」
「…ありがとう…」
浮かない顔で手袋をはめ、コートを羽織る
「暖かいわ…」
そりゃそうだろう、さっきまで着てたんだ。
「それ、着とけばとりあえずは大丈夫だろ。」
「うん、結構暖かいから」
黙々と歩いていると突然声をかけてきた。
「ねぇ、なんで呼び出しなんてさせられてたの?」
「ん?ただの成績不振だよ」
「なに、勉強苦手なの?」
「いや、最近までいろいろあって学校に行けてなかったんだ」
「あ…だから後ろの席一つ空いてたのね。」
「そう、俺の席だな、」
宇佐見は唐突に立ち止まって、振り返って話しかけてきた
「あっ!それじゃ、何ヶ月か前体育のときに倒れたのって!」
「そう、俺だよ」
「今は、大丈夫なの?」
「…全く大丈夫じゃない。」
「大丈夫じゃないって、何がどうしたの?」
「どうも、医者も知らないような病気らしい。」
「病気?なのね。でもそれって誰かに伝染ったりしないの?」
「あっいや、そういうのじゃなくて、身体的なものらしい。風邪とかそういう感染するものとは大きく違うんだとか。」
「そう。大変なんだね。」
「突然筋肉に力が入らなかったり、意識が薄れたりするんだ。神経系の障害らしい。」
「そうなんだ、じゃあいきなり立てなくなったりするの?」
「まぁ、そうだな、いきなり倒れたりもする。」
「それって、結構危険だよ。学校に来てる場合じゃないでしょ。」
「んー…でも家でずっと暇するよりかはいいかな、」
「そうなんだね。」
そんな会話をしていると宇佐見の家の手前まで着いた、話しているとあっという間だったな。
「ありがとう」
「どういたしまして、ゆっくり休めよ」
そう言って帰ろうとしたときだ。
「あっ、そうだ。」
「どうした?」
「名前、聞いてない」
そういえばそうだ。これだけしておいて名乗らないのはいけなかったな
「向春奏眞(むかいはる、そうま)だ」
「そうま、ありがとう。」
「それじゃ、俺も帰るから」
「ええ、また学校で」
夜道を帰るのは久々だったから
とても見慣れない風景だった。
俺も疲れていたのか家について食事だなんだかんだを済ませるとすぐに寝入ってしまった。
朝、目が覚めるが起き上がれなかった。
体が動かない、力が入らないのだ。
「こりゃ困ったな、」
なんとか首は動くから時計を見る。
いつもならもう家を出てる時間か。
とはいえ寝過ごすような時間帯ではないからまだ余裕はあるか。
急に部屋の扉が開く。
母親が心配して来てくれたようだ。
「遅いからどうかしたのかと思ったわ。また動けないの?」
「うん。首が動く程度。少ししたら戻ると思う、」
そう聞くと母親は戻っていった。
少しづつ体に力が入っていって
ようやく立って歩くところまで戻ってきた。
「ごめん朝飯食う暇ないや。」
「仕方ないわ。これ持って行って、歩きながらでもいいから。」
栄養ドリンクと、カロリーメイト。
まぁ腹は膨れないが、朝には丁度いいか
ちょっと急ぎ目に歩く。
横断歩道を歩いていたその時。
一瞬だけ意識が遠退いてしゃがみこんでしまった。普段車の通らない場所だったからよかったが…
学校に着くやすぐに疲れてしまって
立つのもやっとだった。
「おい、今日移動教室多いけど、大丈夫か?」
同じクラスの一人が心配して声をかけてくれた、まあ、行くしかないけどな、
「まぁ、行くには行くさ。心配かけて済まないな」
鐘が鳴って授業が始まる。
普段通り過ぎていった。
それでいざ移動教室だ。
「んー…困ったな。」
立ち上がったはいいが、次第に力が抜けていく感じがした。
またかと思う前に体が、横に傾く、
その瞬間体を誰かが支えてくれた
「ありがとう、助かるよ、」
「大丈夫?ゆっくりでも歩けるならついていくよ」
支えてくれたのは宇佐見だった。
ゆっくりとは言えどもう授業の始まる二分前、走れば間に合わなくはないが、
ゆっくり歩くとなれば軽く5~6分はかかる
「お前まで遅れてしまうだろ。そこまでしなくていい。」
「いいよ、予習済みだし、それに私勉強は得意だから気にしないよ。」
「済まないなありがとう」
そういえば宇佐見は五教科トップだと言うのを思い出した。
そうか、それなら別にいいのもわからなくない
宇佐見に支えてもらいながらゆっくり歩く。
「ありがとう。助かるよ」
「いいよ。」
移動後の教室に着いてすぐ
担当からお咎めがあったが
理由を話せば俺も宇佐見も特に注意もなかった
そんなことの繰り替えしで、また日は過ぎていった。
……………………………………
最近ある人物と関わり合うことが増えた
名前は向春奏眞。
どうも彼が辛そうにしているところを見ると手を出したくなる。
その時は特に大したことはなかった。
別に困っている人を助ける程度の思いだったけど、最近は学校でもよく見かけるから、手助けしている。
あんな状態で一人でやっていこうとするほうが逆に辛いはずなのに。
かと言って周りを見ても声をかける程度、
歩くペース合わせたりするわけでもない。
そそくさと自分達だけ行ってしまわれて
あとに残る彼がどうも捨て置けない。
「宇佐見、いつもありがとうな、」
「いいの、私くらいしかいないでしょ」
「確かにお前に合う前はいつも自力だったからな。平気で遅刻もあったし、授業もまともに参加できなかったときもあったな。」
やっぱり一人じゃ大変だったみたい。
誰かが支えてあげないといけないのに。
「辛くないの?」
「辛い思いはしてるけど、やらなきゃなんにもならないからな。」
できるなら、超能力を使いたい。
けど、学校で使うにはあまり方法として良くない。
気を抑えてなんとか手伝ってる。
「超能力ってどんな感じなんだ?」
「どんな感じ、か、見てみる?」
「いや、見るのはまた今度。学校では使ってないんだろ?」
「え、ええまぁ、」
普通なら疑うはずなのに。
彼は全くその気配はない。
超能力なんて聞いて信じる人が少ないっていうのは当たり前なんだろうけど。
それでも、彼みたいに話してくる人も少ないと思う。
帰り道も何度か彼がふらついていたけど何度も支えてあげていた、
いつもこんな危ない帰り道なのかと思うと
余計心配してしまう。
「ありがとう。助かるよ」
「大丈夫だよ、だって私は…」
…言いかけてやめた。
こんなふうに誰かを気にしたのは初めてだったから。言いたいけど…
「そういえば、帰り道が同じような人。他にいないの?」
「いるだろうけど、前言ったとおり、最近学校に復帰したばかりだからな。」
あぁ、そうか。
そういえばそうだった。
「お前が初めてだよ。」
そう言われると何故か胸が一瞬締め付けられるような感じがした。
「そんな、他にもいるでしょ、来れなくなる前の人とか、」
「その時はまだ友人関係とか周りもまだまだだったからな、」
「そうだったんだ。」
しばらく話しながら歩いてたからか
彼の家に着いた。
「それじゃ、気を付けてな」
「うん、あなたもゆっくりしてね。」
そう言って彼と別れた。
彼のその病気というのが気になる一方
あの一件から、向こうに行く頻度が極端に減った。
あの頃は超能力で何でもできると思って、かなり調子に乗っていたけれど。
幻想郷の人間妖怪魑魅魍魎、どれも想像とはかけ離れていた。
それ自体に恐怖感はなかったが。
自分の実力と自信が少し曲がってしまったからか。少し後ろめたく思う部分があった、そのせいかこっちでもおとなしくなってしまっている
良くも悪くも私は変わったんだなと感じた
ただ、あの頃の私のままだと今の彼は
全く気にもしなかっただろう。
次の日は彼の家まで迎えに行った。
学校ではなく彼からの誘いで
お昼を食べに行こうということらしい。
近くのファミレスでお昼を過ごした。
日頃の話をしながら食事を済ませ。
お店を出るとき。
彼が急にふらついて倒れそうになった、
すぐに支えてあげたけど。少しすると重たさがかかった。
「だ、大丈夫?!」
「すまん…限界かもしれない。」
そう聞くと嫌な予感がした。
軽く叫んで店員を呼び、
救急車を呼ぶ。
彼は床に座り込んでぐったりしてけど
救急車がつく前に意識が薄まっていた。
「しっかりして奏眞!」
「あぁ…まだ…」
救急車に乗り込み病院まで運ばれる。
私もすぐ病院まで向かう。
彼の家の電話は、教えてもらっていたから親の方にも連絡を取ってすぐ来てくれた。
「奏眞は?」
「いまベットで…」
彼の両親と奏眞の病室までいく。
「起きて…ないのかな。」
「まだ起きてないですね。」
医師の方が部屋に入ってきていろいろと話をしてくれた。
以前よりも病状は悪化していると。
最近、頻繁に具合を悪くしているのは感じてた。でも…彼はそれを我慢してた
我慢する必要なんて無いのに。
気が落ち込んでしばらく言葉が出なかった
だけど。そのおかげかあることに気がついた。
私は、超能力者で、幻想郷を知る者
向こうになら何か手段はあるはず。
「どうにかならないの?」
彼の母親が悲しむ様子が見えた
「なんとかなるかと言われたら。出来なくはない、ただ、確実に治せるとも言えないが…」
言いたいことはわかる。
100%治せると限らないのがこういう病気だから。
ただ以前は治らないと聞いたけど…?
どういうことなんだろう。
「方法はあるんですか?」
「ああ、さっき言ったとおり確実性はない、他の病院にもこういう患者がいないか聞いたところ、同じような人がいたらしい。」
「その人はどうなったの?」
「患者さんに了承を取った上でだが、治療法をいくつか試させてもらったらしい。それで判明したようなんだ。」
「なら治るんですね!」
彼の母親が泣きつくように喋って…
「落ち着いて、まだ判明したばかりだから、全てに通用するとは限らないんだ、だから確実性はないと言ったんです。」
「でも。試す価値はありますから」
確かに。
でも幻想郷にも手段があるはず。
「…わかりました。ひとまず患者さんが目を覚ますまで待ちましょう。」
「起きなかったら?その時どうするの?」
「…3日待って起きなければ、実行でも、」
「わかりました、」
3日…3日間ある。
その間に向こうに行って手段を探さないと…!
私はすぐさま家に帰った。
生憎明日は休み。
どうせ勉強何てどうでもいいから。
幻想郷に行く…
……
そして。幻想郷に着いた。
相変わらず古景色が広がってる。
着いた場所は運がいいのか悪いのか。
博麗神社だった。
「……」
前はこっちに来るたびに胸が昂って。
戦って勝って負けてってしてた。
今は違う。目的がある。
「あんたもしかして!」
後ろから声が聴こえてくる。
振り向くと博麗の巫女がいた。
「久しぶり、」
「久しぶりね。今度は何しに来たの?」
「…」
「黙っててもわからないでしょ。」
「人助け。」
「はぁ?あんたが人助けなんて、雪が降るわ、」
軽く馬鹿にされる。
そんな貶しに構っている必要はないけど…
「まぁ。いろいろとあるの。」
「いいんじゃない。それで、ここにいるってことは私に用があるってことでしょ?」
まぁ、たまたま降り立っただけなんだけど…
まぁ聴き込むなら十分な人物かな。
「幻想郷だと、難病って。どうやって治してるの?」
「そうね。大体は永琳が見てあげてるわね。薬とか直接行ったり、永遠亭に来たり。」
「そっか…薬って貰えるかな。」
「それなりに求めてくるけど、まぁもらえなくはないでしょ、」
「ありがとう、行ってくる。」
「あ、ありがとう?、まぁいいわ、行ってらっしゃい、」
振り向かず永遠亭に向かう。
前はただ逃げ回るように飛び回った。
藤原は元気にしているかな。
また会えるといいな。
永遠亭につくと。
藤原と着物を着た女性が話し込んでいた。
内容からしてあまり気が良さそうではなかったから、話しかけるのはやめておこうかな。
「あら、あなたあのときの。」
うさぎ耳の…優曇華院かな。
「あ、優曇華院、永琳って人がここに居るって聞いたの、いるかな。」
「永琳様ならこっちよ。」
案内されて永琳のところまで行くことができた。
「あら、あなたは噂に聞くオカルト少女ね、」
「はい。」
「はい、ってかなり畏まって、聞いてたのとは違うけどまぁいいわ。私に用でしょ?何かしら」
「薬を貰いに来た、もちろんお金がいるなら払うわ」
「何に使うの」
「私の…」
「一応言っておくけど両親とかその上の方に使うなんて言わないでよ、老衰なんかに使う薬は無いから。」
勘違いだって言うのはわかってたけど…
そんなこと言われてどうしても声を荒げてしまった。
「違う!彼は病気なのよ!…あっ、あの…病気を、治す薬が欲しいの…」
「まぁ、わかったわ、貴方の大切な人って言うことはよくわかったわ、」
「お金払うから」
「いいわ、そんな必死になられたら商売なんてする気起きないもの」
「せめてこれだけでも受け取ってください」
ポッケにはいっていた五百円玉、
それを出すと…
「なっ!そんな大金どうして!」
優曇華院が驚きだし気を荒げた
「まぁ、外の世界と幻想郷では通貨価値が違うから合わないのよ、だからお金はいらない、ほら、これ持っていきなさい、」
「あの、これは?」
「私特製の薬、八意印の万能薬ってみんな言ってるけど。まぁただの万能薬、ほら、彼氏が待ってるんでしょ、行ってあげなさい。」
彼氏…そう聞くと胸が苦しくなって、でも昂る何かがあった。
「ありがとう、」
お礼を言って。すぐさま戻る
………………………………
目が覚めたのは午後8時。
目の前は見覚えのない景色広がっている。
「病院…か」
あの時、結局意識を失った。
宇佐見が何度か俺を呼んでいたのはなんとなくだが覚えてる。
外を眺めていると部屋の扉を叩く音が聞こえた。
「どうぞ。」
入ってきたのは、宇佐見だった。
「宇佐見、こんな時間にわざわざ来てくれたのか。」
「当然だよ!だって…だって!」
「落ち着いて。それで来た理由は何だったんだ?」
「あの、これを。」
宇佐見が渡してくれたのは薬の入った小包。
見た目は錠剤、一般的な風邪薬とかと対して変わりはない。
「これは?」
「とにかく飲んで、きっと治るから」
俺の病気のことだろうか。
ただこれだけで治るとは思えない。
「たった三錠で?」
「うん、だから、飲んで」
まぁ、治るなら…
そこにあった水と一緒に飲む。
当然薬は飲んでから数時間後に効能が効き始める、
効き目が実感できるのは明日の朝くらいだろう。
「わざわざ薬届けてくれてありがとう、時間も遅いし、帰ったほうがいいと思うぞ、」
「ううん…今日は帰らない」
いや…いやいや。
帰らないって?
泊まってくのか?
「病院はホテルじゃないんだ。学校でもないから、ほら。」
「…親にも言ってあるし、病院の人にも許可は取ったの。だから、帰らない」
本気で言ってるのか…
これは困った…
「それなら構わないけど…布団かベットか用意してあるのか…」
「まぁ…着る毛布的なものなら…」
それだけで冬の寒さは凌げないだろ…
第一病院とはいえ暖房もそんな強くない。
風邪を引いても知らないぞ…
「まぁ…お前がいいなら…それでいいんだろうけど…」
それからというものの、
宇佐見は俺のベットの隣で座って寝ようとしている。
「そういえば、あの薬はどこから持ってきたんだ?」
「あれは…その…」
まさか麻薬飲まされたとかやめてくれよ
「幻想郷の…永琳って医者の人から、」
幻想郷…永琳…
なんだかよくわからないが。
医者からもらった薬って聴けばまぁ、大丈夫か
「その、幻想郷ってのは何なんだ?」
「多分、信じてくれないと思うけど…」
「いいよ、話して。」
「幻想郷は、人や妖怪、鬼いろんな種族がいるこことは違う別の世界、魔法だってあるし…いろんなことがある。」
「前に初めて行った時は歓迎されずに何度も追い払おうとされた。」
「なんだか物騒だな」
「いや、当たり前のことなの、あの世界にはあの世界の決まりがあって、私はそれを乱して無理矢理入り込んだから。」
「なるほど、自業自得ってことか。」
「そう…もちろん私も得意の超能力でなんとか逃げたりしたけど。結局向こうの偉い人に捕まって…」
「それから?」
「出入りは自由になったけど、問題ごとを起こせばすぐに怒られる。」
「まぁ、よくあることか」
「遊びに行くのも最近はあんまりないかな」
幻想郷…か。
「でもその世界にも医者は居るんだな。」
「うん、それでもらった」
「そうか、本当にありがとな」
「うん、どういたしまして。」
なんとなく話すこともなくなって。
寝ようと思ったとき。
宇佐見がベットの横で小刻みに揺れているように見えた
「やっぱり寒いんだろ。」
「うん…」
「布団か何か持ってきてもらうか。」
「大丈夫。」
「でもそれじゃ、」
宇佐見は頑なに拒んでくるから。
仕方なくやめた。
「風邪引いても知らないぞ」
「大丈夫だから。」
とは言ってもあまりにも寒そうだったから。少し提案をしてみることにする。
「ベット、来るか?」
「え…?いや…あの…」
「別に俺は構わないし、広いから大丈夫だろ。」
「いや、でも…病人のベットに、そんな…」
「伝染る訳じゃないんだ、大丈夫さ、」
「うぅ…わかった…」
恐る恐るベットに入る宇佐見、
手を引いて寝かせるように布団に連れる。
「あの…これは恥ずかしいよ…」
「…んー。なら出るか?、それとも俺が出ようか」
「どっちも良くないかな。」
「そっか。」
もぞもぞと動いて少しずつ寄ってくる。
よほど気が落ち着かないんだな、
仕方ないから俺から近づいてみた。
「そ、そんないきなり!」
「この方が暖かいかなって。」
「そ。そうだけど…んーもう!」
宇佐見もヤケになったのか、距離を詰めて、抱きしめてくる
「ほんと、暖かいね」
「ああ、暖かいな」
暫くその姿勢が続いていた
唐突に宇佐見の腕の力が緩んだ
どうやら眠ったみたいだ。
「おやすみ、」
そう呟いて、暫くしたら俺も寝てしまっていた。
……
目が覚めて、視線の先には立って窓の外を眺めている彼の姿があった。
「あ。おはよう」
「おう。おはよう。」
当たり前のように挨拶を交わしたあと。
彼はベットまで戻ってきた、
「なぁ、宇佐見。」
「なに?」
「あの薬、なんて薬なんだ?」
「えっと…八意印の万能薬とかって。」
「万能薬、か」
彼は思案しながらまた話しかけてきた
「うん。なんていうか、いろんな所が良くなった。ありがとな」
治った。そうわかって私もすごく嬉しかった。
「うん。ありがとう!」
それから、その日は病院で済ませた。
次の日からは学校に来ていた。
「あっ、おはよう」
「うん。おはよう」
何気なく交わす挨拶。
特別何かあったわけでもないけど。
それが毎日続くようになった
彼は学校に普通に来ている。
なんの不自由なく過ごしている。
でもそれが、私には嬉しかった。
終わりよければなんたらといいますし、
これはこれで良い良い。
また会えたら会いましょう