物語館   作:むつさん

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どうも松K.です


ごゆっくり


一時とこれから

「ここが…幻想郷か…」

 

どうしてここにいるのだろうか

 

今いる場所が幻想郷だというのは、なぜだかわかる、ここに来る前、家を出て数分後くらいだろう

 

「事故でも起きたのか…?いや…そんなことはなかった気がするなぁ…」

 

車の音もしなかったと思うし、痛みもなかった気がする

 

「とにかく。困ったなぁ…」

 

それはまぁ、いろいろと困った

 

学校も家族のことも宿題や塾

まぁいろいろ。

 

「まぁいいか、誰か…いないかな」

 

幻想郷

小さい頃、博麗霊夢という女性から聞いたことがある。

どんなところかと聞くと古くて懐かしい場所だと言っていた。

 

古いかどうかはさておき、懐かしい感じっていうのはどこか感じる。

 

適当に歩いていると大きな湖が見えてきた

 

「霧の湖、か」

 

見たこともないのに何故か知っているような感覚に陥る。

博麗から聞いたことあるだけのはずなのに

 

「ここは少し涼しいな、」

 

水辺は涼しい

先程まで湿気と温度の高めな森の中に居たせいか、水辺と霧というのがとても涼しく感じる。

 

「誰かいるな?」

 

青い服、何か食べてる

アイスクリーム?

 

「誰?」

 

「朝霧っていう。気がついたら幻想郷に来てたんだ。」

 

「そう、私はチルノ」

 

チルノ…氷の妖精か

強気ですぐ突っかかってくると聞くが…

 

「近づかないほうがいいよ、今涼みたくて周りを冷やしてるから」

 

ちょっと違うみたいだ

 

「そうなのか?あまり気にならないが?」

 

「寒くないの?」

 

「寒くはないな、丁度いい感じだ」

 

「ふーん、そっか、」

 

「隣、いいか?」

 

「お好きにどーぞ」

 

チルノの隣に座ってみる、

確かに冷える、少し肌寒いだろうか

 

「何しに来たの」

 

「何かをするというのは特に考えてなくて、こっちに来てしまったことに少し困ってるんだ。」

 

「困る?何に困るの?」

 

「ここじゃない別の世界に居たんだけどな、いろいろとやり残したことがあるんだけど、どうやって戻ればいいのかわからない」

 

「それを私に聞くの?」

 

「いや…そのつもりはないよ、たださっき迄ずっと考えながら歩いてたから少し疲れてね休憩したかったんだ」

 

「ふーん、そっか。」

 

「チルノは。友達はいいのか?大妖精だっけ?」

 

「大ちゃんは今は寺子屋にいるから」

 

「チルノは行かなくていいのか?」

 

「もともと今日は行く予定はないんだけどね、大ちゃんはもっと勉強したいって、個人的に行ってるだけ、他にもそういう子達はいるけど。私は普段受ける分だけでいいや」

 

「大妖精は勤勉なんだな、」

 

「けーね先生みたいに教える立場になりたいって言ってた」

 

「そうか、頑張ってるな」

 

「あなたは?」

 

「俺が何か?」

 

「あなたの世界で寺子屋に行ってるんでしょ?」

 

「まぁな、こっちだと学校だが、もう行かないかもしれないな」

 

「サボるのは良くない。」

 

「帰れないだったら、サボるも何もないだろ?」

 

「まぁ、そうだね。」

 

特に大口叩くわけでもなさそうだな、

案外丁寧な話し方をするのか

 

「博麗さんから幻想郷についていくつか聞いたことがあるんだ。」

 

「霊夢?あなたの世界にも行ってたんだ。忙しいんだね」

 

「そうみたいでな、俺がまだ小さい頃、いくつか話を聞いてたんだ。」

 

「ここについて?」

 

「そう、でも博麗の言うチルノは強気で何にでも喧嘩売って意地張ってばかりだって聞いてた、もちろん妖精の中でも群を抜いて強いとも」

 

「ふーん。」

 

「でも今のチルノはすごく大人しいんだな。」

 

「強ち間違いじゃない…けど、今はそんなに」

 

「つまりは?」

 

「確かに今でも意地を張る、ちょっと変わるけど売られた喧嘩は買うし、いざとなれば、強気なのもそうだよ。」

 

「控えめになったって言うことか?」

 

「そうだね。」

 

「そうか。」

 

拍子抜け…というのには言いすぎか、

実際にその場面は見たことないから

 

「こっちにはさっき来たばかりなんだっけ」

 

「まぁな、宛も何も無くて帰る術もわからない、妖怪にでも喰われておしまいかもしれないな」

 

「あるいは今ここで、私があなたを凍死させるか」

 

「それもあり得るな」

 

「まぁそんなことはしないけどさ、この先どうするの?」

 

「どうするべきかもわからない、それすらも今考えないといけないからな。」

 

「まぁね。」

 

「聞いてた人里にでも行くかなぁ。」

 

「どうせ宛はないんでしょ」

 

「うん。」

 

宛はないがまぁ、何かしら探してみるしかないだろう。

 

「さて。行くかな。」

 

「そう。」

 

立ち上がって森に入ろうとしたとき。

何故か足が動かなかった。

どうも氷漬けになっている

 

「なるほど、もう少しここにいようかな」

 

「少しお昼寝したいからここにいて。」

 

無防備になるからとはいえ、

俺に対しては無用心か

 

「俺は危険視してないのか。」

 

「その足で何かできるの?」

 

「まぁほとんど無理だな」

 

「だよね」

 

その場で横になるチルノ。

まぁ、足が氷漬けでなくても妖精相手に手を出す気は元々ないが。

 

「これじゃ、里に行くことも逃げることもできないな。」

 

空を見ると木々の隙間から暗い雲が見えてきた、風が強くなってきているせいか

雲の動きも早い。すぐにでも、雨が降るだろう。

 

「ずぶ濡れ確定か。更に困った。」

 

どこか雨宿りしたいところだが、

全く…仕方ないか。

 

しばらく考えに更けていた、

うとうとしながらも、眠るわけにはいかず。

なんとか意識を保っていた。

 

「…うーん…あんまり眠れなかったなぁ。」

 

「起きたか」

 

「うん。」

 

まだ眠たそうにしているが。

しっかりと起きているようだ

 

「んー。雨かな」

 

「結構曇ってきてるな、」

 

「帰ろうかな」

 

「俺はどうなる」

 

「どうせだから。くる?」

 

「女性の家にお邪魔するわけには…」

 

「宛はないんでしょ?」

 

確かにそうだ、宛はない

歩けば近くにあるチルノの家か

どれだけ歩くか、たどり着くかすらわからない里に行くか

 

まぁ、仕方ない

 

「そう…だな、よろしく頼むよ」

 

 

そう遠くない所にあるのだろうか。

 

「こっちだよ」

 

少し浮遊しながらの道案内か

空を飛ぶなんて向こうならあり得ないが…

 

そんなことを考えていると

頭に雨があたり始めた

 

「降り始めちゃったなぁ」

 

「そうだな…」

 

「もう少しだから」

 

開けた場所に一軒の家があった。

 

「ここか」

 

「あがって。」

 

妖精の家にしては案外大人しい。

 

「これで、拭いて。」

 

タオルまで出してくれるのか。

 

「ありがとう、」

 

「どういたしまして」

 

「チルノはなんでそんなに優しくするんだ?」

 

「誰かが困っていたら助けてあげる、当たり前のことだと思うけど、」

 

「まぁ…確かにな」

 

ごく普通の事だな

 

「すなまい、愚問だったな」

 

「ううん、いいよ、不思議に思うのも普通だと思うから」

 

そうなのだろうか。

幻想郷では常識が通用しないというが、困った誰かを助ける、というのは…まぁこの世界も同じということか。

 

「本当に助かるよ」

 

「うん。」

 

椅子でゆっくりとしていると。

だんだんと眠たくなってきた。

うとうとしてきている…

 

「すまない…少し休ませてもらっていいか…?」

 

「いいよ。」

 

数分しない内に眠ってしまった。

 

この世界の時間の概念はわからないが、

そう長く眠ってはいないと思う。

起きたとき窓の外が暗く。

夜になった頃だろうか。

 

「あっ、おはようございます。」

 

「夜でおはようというのも…余り聞こえが良くないが。まぁ、おはよう」

 

話しかけてきたのは、大妖精だろうか。

まだ意識がハッキリしていない。

ただ何故か大妖精というのはわかる

 

「お茶持ってきますね。」

 

「ありがとう。」

 

「起きたんだね」

 

「ああ、」

 

さっきもそうだが、

チルノはずっと本を読んでいる、

文庫本ではない…絵本?

いや芸術とかそういう類か

 

「そこの氷の飾りはチルノが作ったのか?」

 

家を象った小さな飾り。

青く透き通る色をしてるとなれば

チルノが繰り出す氷だと思える。

 

「そうだよ。」

 

「そうか。」

 

何だろう、何故か見たことがある?

いやこれが霊夢の言う懐かしい感じか。

 

「どうしたの?」

 

「あっ、いや、なんでもない」

 

懐かしい感じか…?

そうだと思うが…

 

「でも、涙流してるよ。」

 

「あれ。ほんとだ…」

 

なんで泣いているのか…

わからない。

 

「チルノ…お前…」

 

「何?」

 

レイか、そうだ。

きっとここにはレイがいたんだ…

 

「レイ…か、そうか…」

 

「レイを知ってるの?」

 

思い出せそうで…何か引っかかる…

弟…?いや。そんな間柄ではないはず

というか…なんでレイという人物を知っているのかすら…疑問に思う

 

「すまない…あと少しで思い出せそうなんだ…」

 

「う、うん。」

 

「この家を建てた…そうだ…」

 

「もしかして」

 

急に扉の開く音がした。

誰だろうか。

 

「やっぱりあんた、こっちに来ちゃったのね」

 

「博麗さんか?」

 

「そうよ。ここにいるってことは思い出しちゃったのね」

 

「なんの話だ?」

 

「あら?まだだったのね、」

 

「霊夢、なんの話?」

 

「彼は、レイのお兄さんなのよ。」

 

「えっ? 」

 

「弟…俺に弟が…」

 

「そう、あんたは知らないと思うけどね、しかも双子なのよ、」

 

「そんなこと何も知らないぞ。どうなってる?」

 

「知らなくて当たり前よ。あなたの一歳年下だし、死産で生きて産まれてこなかったのだから。」

 

「死産…?」

 

「母親から出てきた直後に息を引き取ったと私は聞いてるわ」

 

「そんな…」

 

「だから、まだ一歳越えたばかりのあなたは当然知らないし、戸籍にも乗らなければ知らされもしなかったのよ、私は彼らの魂がこっちに来て別の母親から産まれたということは知らされた。閻魔から無理やりね」

 

「レイのお兄さんなんだね」

 

「ちなみにあんたは一度も来たことがないはず、でも懐かしく感じたわよね?」

 

「ああ、」

 

「あなたは幼い頃、私がここについて話をしたよね。」

 

「ああ、覚えてる」

 

「それがまるで過去のように感じているのよ」

 

「そういうことか…」

 

「血は繋がってないのに、兄弟なの?」

 

「まぁ、そこはなんとも言えないわ、魂がそういうふうに因縁付けているだけかもしれない、私はそういう詳しいところはわからないから、閻魔にでも聞いて頂戴」

 

「…それだけか?」

 

「ええ、それだけよ、ただあなたがこっちに来たとき、必ず伝えろって閻魔に言われてたからね。それだけ」

 

「そうか。ありがとう。」

 

「お礼をいうことでもないけどね、まぁいいわ、あんた、向こうに戻る気はある?」

 

「んー。いつでも帰れるのか?」

 

「いつでもって訳じゃないけど。帰りたいならしっかりと準備して帰すわ」

 

「それじゃあ、その時が来たら頼むよ。」

 

「そう、そのときは私の神社に来なさい。」

 

「ありがとう。頼む」

 

弟…か

どんな奴なんだろうな。

 

里のこと聞く前に霊夢は行ってしまったな…

しばらくはお邪魔するか。

 

「あの…お話し終わりましたか?」

 

大妖精のことをすっかり忘れてた

 

「あぁ、ごめんよ、終わってる、お茶ありがとうな」

 

 

「なんか、大変そうですね」

 

「まぁ、実感はないんだけど、」

 

「レイが帰ってきてこんなこと知ったらびっくりするだろうな」

 

「俺もびっくりだからな…」

 

また扉を開ける音がする。

今度は誰か。

 

「ただいま、あれ?お客さん?」

 

「おかえり、レイ」

 

ほう、これが弟か…

 

「初めまして、レイです。」

 

「こちらこそ初めまして、朝霧です。」

 

「どうぞ、ゆっくりしていってください」

 

「お言葉に甘えさせてもらいます」

 

「レイ。荷物置いたら話があるから来てね?」

 

「話?ああ、わかったよ」

 

弟か…俺よりしっかりしてそうな感じがするけど…どうなんだろうか。歳は1つしか変わらないからな…差はないか。

 

「それで、話って?」

 

「今、朝霧さんがいるでしょ?」

 

「そうだな、」

 

「朝霧さんはレイのお兄さんなんだって」

 

「んーと、兄?」

 

「そうみたいなんだ。」

 

「いや…そんなこといきなり言われてもな…」

 

「霊夢さんが言ってたんだ。血は繋がってないけど兄弟なんだって。魂がどうとかって」

 

「あ、そう…」

 

「まぁ、いきなり言われても、普通信じられないよな、」

 

「いやまぁ。仮に兄弟だったとしても、兄がいたことなんて何も知らないし。そもそも血が繋がってないのに、兄弟っておかしいと思う。」

 

「話すと長く…はならないか、けどまぁ、閻魔がそういうふうに言ってたんだと。博麗さんから聞いたんだよ。」

 

「そうか…まぁ。それなら、別にいいけど…」

 

あっ、いいんだ。

まぁ、俺も気にしてないけど

 

「それなら、兄さん、と呼ぶべきかな」

 

「んーや。別にいい。ほとんど他人みたいな感じだから」

 

「そう、それじゃぁよろしく、朝霧さん」

 

「こちらこそ」

 

今の話。必要だったか?

 

「えっと、話はこれだけだよ。」

 

「そうか。」

 

「それじゃ、今日は私が夕飯作るね、大ちゃん、手伝ってくれる?」

 

「もちろんだよ」

 

チルノって…ほんとに聞いてたのと違うな?

 

「レイさん。」

 

「なんでしょう?」

 

「チルノさんっていつもあんな感じなのか?」

 

「まぁ、昔…というか前はかなりやんちゃでしたよ。」

 

「やっぱりそうなのか。」

 

「ただ、やんちゃばかりするのも疲れたって、それで今みたいな感じですよ」

 

「へぇ…そうなんですか。」

 

「何かありました?」

 

「いやまぁ。向こうの世界にいた頃、博麗さんからチルノさんのことを聞いたことがあるんだが、今と違うなって、やっぱり変わるもんなんですね」

 

「まぁ、誰だってそういうのはあると思いますよ。」

 

「そうですよね。」

 

「私はもう、やんちゃはしないよ。」

 

「ああ、まぁ。そうか」

 

「だって、そんなことしたらレイに迷惑だから。」

 

「あはは、まぁ、何かやらかして庇うのは俺だからな。そうもなれば俺も顔がたたないよ。」

 

数分は経っただろう、

気がつくとテーブルには食事が並んでいる。

チルノと大妖精の手作りか

 

「チルノちゃん、あとは?」

 

「これでいいかな。」

 

「今日は豪勢だな」

 

「大ちゃんもいるし、お客さんもいるし 」

 

「そうですね。」

 

誰かの手作り料理なんて久々だな。

一人暮らしをだと。自分か出来合いを買うから…しばらく食べてない

 

「また泣いてるね。」

 

「朝霧さんは、涙脆いんですね。」

 

あぁ、またか。

何だろうか。情けない

 

「すまない…ここに来てからとても不思議な気分で。情けないとこ見せて。」

 

「美味しい?ですか?」

 

「ああ…とてもね、手料理なんて久々かな。」

 

「そうなんですか?」

 

「俺は一人暮らしだからね、こうやって食卓を囲むのも懐かしい感じだな。」

 

ああ…情けないな…ほんと

 

「寂しかったんでしょうか」

 

「かもしれない。」

 

御馳走だった、というか。

思い深い食事だった。

 

「雨、結構強いな」

 

「大ちゃん、帰れる?」

 

「うーん…」

 

「私のベット使っていいよ?」

 

「でも。」

 

「私とレイは座ってるから」

 

「2つしかないからな、朝霧さんも疲れてるだろうし」

 

「いや、俺はいいよ。」

 

「そうは言っても」

 

「えっと…ベットって2つなんですよね。」

 

「そうだけど?」

 

「私はいいですよ。」

 

「いいの?大ちゃん。」

 

「うん。」

 

「それなら、私とレイは同じベットでいいかな?」

 

「まぁ、それでいいなら」

 

そう来るか

 

「もう片方は俺ということか」

 

「そうですね」

 

まぁ、そういうことなら…

 

「私は食事の片付けをするので皆さんは休んでてください」

 

「俺も手伝うよ」

 

「そんな、朝霧さんはお客さんなんですから、いいですよ。」

 

「雨宿りに豪勢な食事、それに一晩泊めてもらって何もなしじゃこちらも申し訳ないんだよな。せめて片付けくらいは手伝わせてくれ」

 

「そ、そうですか、ありがとう御座います」

 

「ごめんね大ちゃん、あとお願いするね。」

 

「はい。おやすみなさい」

 

ほんとに二人とも先に寝るんだな…

まぁいいか。

 

「大妖精は世話焼きなんだな。」

 

「えっ?えっと…」

 

「ああ、すまない聞かなかったことにしてくれ」

 

「間違いじゃないと思います、でもどうなのかな。」

 

「何かあったのか?」

 

「チルノちゃんが落ち着いて、チルノちゃんは遊びに来ていいよって言ってくれてるんだけど、私が邪魔してるような感じがして」

 

「んー…適度が大切だと思うな」

 

「適度。そうですよね。」

 

「まぁ、そこは深く考える必要はないと思う。むしろ歓迎されてるんじゃないかな」

 

「歓迎されてるのかな。」

 

「だって、二人は親友だろ?レイさんだって悪く思ってたら、家に呼ばないだろうから」

 

「そう…ですね。なんだか助かりました」

 

「どういたしまして、あんまり思い詰め無くていいと思う。」

 

「はい、」

 

大妖精も、チルノが変わったことにいろいろと大変なんだな。

 

「朝霧さんは友人とか家族とかは?」

 

「んー…一人暮らしをしてるって話をさっきしたと思うんだが。」

 

「あっ、そうでしたね。」

 

「ただ、実家は元々遠いんだけど、引っ越して更に遠くなったから。もうしばらく顔を合わせてないんだ、」

 

「なんだか、寂しいですね。」

 

「まぁ、引っ越すのは仕方ないな。」

 

「友人とかは?」

 

「あはは…それが。特にそういう間柄はいないんだ、」

 

「居ないんですか?」

 

「確かに連絡先を知ってるやつもいたが。顔を合わせてないし、一緒に食事を行くこともないな。」

 

「朝霧さんも大変そうですね」

 

「どうだろ。めんどくさいと思うだけじゃないかな、普段から一人だなら、そういう交流も煩わしいのかもしれないし」

 

「私なら友人になってもらえるかな。」

 

「なんというか。いきなりだね」

 

「あっ、ごめんなさい」

 

「いいよ。」

 

友人…か、、

久しくそんなこと気にしたな。

 

「さてと。片付けも終わったな。」

 

「わざわざありがとう御座います」

 

「大妖精さんは、このあとどうすんですか?」

 

「どうしようかな。椅子でも寝れるけど」

 

「ベットいいですよ。僕は」

 

「なら。私と一緒でも、いいですか?」

 

「あっ…と…」

 

そうくるかぁ…

こりゃまいったなぁ

 

「一緒にか」

 

「だめ…でしょうか…」

 

そんな、残念な顔されると、

断ったら悪者みたいになるだろ…

 

「あぁ、まぁ、いいよ、うん」

 

「ありがとう御座います」

 

レイさん達も二人同じベットで寝ている。

やっぱり避けては通れないか…?

 

「やっぱり、俺はいいから、大妖精さん、どうぞ、」

 

「えっ。でも。一緒にって。」

 

「いやでもほら、今日あったばかりだし…」

 

「別に気にしませんが、それに、二人だってほら一緒に寝てますし」

 

それとこれとは別だろ。

 

「どうしてもか?」

 

「そういうわけではないですが…でも…」

 

またそういう…駄々をこねる…

仕方ないか…この問答を続けるのはやめた。

まぁ、泣かれても困るし。

 

「いいよ、わかったさ」

 

「…はい。」

 

「どうした?」

 

「いえ!なんでもないです」

 

ずっと二人の方見て、

まぁ、なんとなく察するけど

 

「あっ、あの…落ちないですか」

 

案外狭いベットだな…

 

「いや、こっちは大丈夫だ。」

 

「そっか。それなら…」

 

一気に身体を寄せて

そして、抱き着く、まぁ…こうなるよな

 

「これで、落ちないですね」

 

「まぁな。」

 

「こうやって誰かと同じベットで寝るなんて初めてです」

 

「まぁ、覚えてる限りでは初めてだな。」

 

「男の人ってこんなにも暖かいんですね」

 

「そ、そうか。」

 

「この感じ、まるで恋人みたいですね、」

 

またそういうことを言う…

 

「恋人か…」

 

「もしかして、朝霧さんは、恋人がいたりするんですか…?」

 

「まぁ、昔ね。今はいないよ」

 

「別れたんですね。」

 

「まぁ。仕方ない…で済ませていいのかな…」

 

「何があって別れたんですか…」

 

「俺は、一目惚れに近い形で好きになった。でも相手は親しくなるうちに好きになった。お互い両思いだったんだ、その時はな」

 

「出会いは良かったんですね」

 

「まぁ、恋人として付き合い始めてから。数日経って、変な噂を聞いたんだ。」

 

「変な噂?」

 

「そいつがどんな男にもそういうことをするやつだって。」

 

「えっ?まさか…」

 

「そのまさかだった。嘘だったんだ」

 

「酷い…」

 

「酷い奴さ、人の気持ちを玩具にして遊ぶ、そんなやつだったんだ。」

 

今でも思い出すと許せない…

二度と会いたくないが…

会って散々毒を吐いてやりたくも思う!

 

「なんであんなやつを好きになったのか今でもわからない。見た目だけだったんだ」

 

「朝霧さん…」

 

「だから俺は人と疎遠になったのかもな、」

 

「裏切られて…信じられなくなってしまったんですか?」

 

「まぁ…そんなとこだろうと」

 

「なんていうか…可哀想です。」

 

「可哀想に思うか。」

 

「はい…だって、裏切られるなんて私は耐えられないです…」

 

「…まぁ。普通起きることはないだろうからな。」

 

「ごめんなさい、軽々と恋人なんて言ってしまって」

 

「いいよ。俺が勝手に思い出してただけなんだからな」

 

「あの…」

 

「どうした?」

 

「実は…私、朝霧さんが好きというか…一目惚れって言うんでしょうか…」

 

お、おう…

まぁなんとも言えない状態だな

 

「言いたいことはわかるが…俺は…」

 

「今日だけでいいです…あの…甘えさせてもらいたくて…」

 

「…わかったよ、大妖精さんにも何かあったんだろうし」

 

「…そうです…」

 

寂しかった…それだけかな

多分そうじゃないな。

 

「私…この前チルノちゃんと喧嘩して…その時は仲直りしたんですけど…なんかまだ気になってて…」

 

「何があった?」

 

「言い争いになって…二人が付き合ってることを悪く言ってしまって…」

 

「んー…まぁ。それは良くなかったかもな」

 

「ですよね…」

 

まぁ、その気持ちもわからなくはないな…

 

「羨ましい、そう思っただけなんです…」

 

「そうか。」

 

「ごめんなさい…」

 

「俺に謝るなよ。それに仲直りはしたなら大丈夫だと思う」

 

「誰かに話しておきたくて…でも…みんなには言いづらくて…」

 

「そうか。すっきりしたか?」

 

「安心したような感じで…でももっとこのままで居たいです…」

 

「わかった。」

 

一日だけの恋人…か

 

「大妖精さん、いや、大ちゃん」

 

「はい…?」

 

「大ちゃんは俺が好きだって言ってたね」

 

「えっと、はい」

 

「なんとなくだけど、俺も大ちゃんが気になってきたんだ、あっ、変な意味じゃないぞ?普通に、そう、普通にだ」

 

「ふふっ。そっか、」

 

「だからな、今は恋人だけど、明日からは友達として仲良くしてくれるか。」

 

「それは…嫌です」

 

おっ、おう?

 

「なんでかな…?」

 

「今はじゃなくて今からがいいんです」

 

控えめに出たつもりが予想を超えていた…

 

「今から?か」

 

「そうです。今からです」

 

まぁ、こういうのも、ありか。

ただ、俺も頑張らないとな…

 

「わかったよ、よろしく大ちゃん」

 

「はい!お兄さん!」

 




次、書こうかな

それではまた会えたら会いましょう
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