物語館   作:むつさん

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どうも悠樹@夢子&松K.です

フルネームということはそれだけ想いがあること

今後に関わるようなちょっとした話です

ではごゆっくり


想いの繋がり。新たな繋がり

命蓮寺宛の手紙を届け、

里に帰る途中のこと。

 

普段の公道とは別で森に近道があるのを知っていたからたまたまその道を通りかかったときに…

 

「おはよーございます!」

 

「うわぁ!」

 

突然…大きな声が聞こえてびっくりした

その時持っていた護身用の退魔札を投げてしまった…

 

「ひゃぅぅ…」

 

重いものが落ちる音がして、

音の方を向くと、女の子が座り込んでいた。

肩に札が付いて効果があるということは

妖怪?みたいだ。

 

「あっ…えっと…」

 

見た感じ、危険そうではないけど…

 

「あの…大丈夫です?」

 

いや。

札投げつけておいて大丈夫かなんて…

なに聞いてるんだ…

 

「あっ…あの…大丈夫じゃないです…」

 

だよね…知ってる

 

「ごめんなさい、今外します」

 

肩の札を外したけど。

それでもまだ座り込んだままだった。

 

「札が効いてるってことは。妖怪?」

 

「山彦妖怪…だから…」

 

やっぱりそうか…

 

「立てそうですか?」

 

「うーん…まだ力はいらないよ…」

 

しまったなぁ…

むやみに投げるんじゃなかった。

 

「えっと…命蓮寺が近いのでそこまで行きましょうか。」

 

「うぅ。なんでこんな目に…」

 

泣いてる。

いや…泣かせてしまった…

 

「札が当たってしまって」

 

「でも、あなたは優しいんだね…」

 

「そう…ですか?」

 

「だって、天狗はみんな意地っ張りだって聞くから」

 

「あぁ、まぁそうかもしれませんね…」

 

あながち間違いではないけど、

 

「あなたはもしかして、下っ端なの?」

 

「いえ、山の天狗ではないので」

 

「えっと…そうなんだ。」

 

「そうですよ…っと。すぐつくので」

 

失礼かな…案外軽いな?

 

「えっと…ごめんね?」

 

「いいですよ」

 

「名前、聞いていい?」

 

「椿です、君は?」

 

「幽谷響子です。」

 

あまり聞いたことないな、

やっぱりこの辺の妖怪なのかな

 

「翼、痛くないですか?」

 

「とりあえず、大丈夫です」

 

「なんでこの道を歩いてたの?」

 

「んー、そんな気分だったので」

 

「そうなんだ、変だね」

 

そうかな…

まぁ、翼があれば普通飛ぶか。

確かに変なのかもはしれない

 

「たまに歩きたくなるときがあるんです、特にこういう明るい森とか」

 

「そっか。」

 

少し歩いていたらいつの間にか命蓮寺の前までついた。

 

「ありがとう、もう大丈夫。」

 

「ここでいいですか?」

 

「うん。」

 

「それでは、僕はこれで。」

 

「うん、また寄ってね。」

 

翼が軽くなったからか、

飛びたくなってきた

飛んで帰ろうかな。

 

少しもしないうちに、里についた。

 

「お帰り椿、遅かったね、また歩いてたの?」

 

「いえ、ちょっとあって」

 

上司の楓さん。

同じ烏天狗の女性

郵便屋として人里で働いていて。

山を追い出されたときにここで働き始めたって聞く。山を出て里に住んでいた僕は、同じ天狗として、ここで働くことにした。

楓さん自体は、ある人の護衛もやってるみたいだけど。それはまた別の話なので。

 

「ふーん。命蓮寺の女の子かな。」

 

「んー…まぁ。」

 

「まっ、早く仕事終わらせちゃいましょう」

 

「はい」

 

 

次は…博麗霊夢さん…か

札も使ったからついでにもらっておこう

 

「あら、文以外の烏天狗がここに来るなんて、珍しいわね。」

 

「えっと、郵便です。」

 

「ご苦労様、確か楓のところの?」

 

「そうです。人里の郵便屋、ですね」

 

「里から私宛なんて珍しいわね、まぁ貰っておくわ、ありがとう」

 

「はい、確かにお渡ししました。あとそれと、」

 

「ん?まだある?」

 

「以前もらった御札、使ってしまったのでできれば頂きたいんですが…」

 

「護身用の退魔札ね、役に立ってるみたいで良かったわ。また最近人里の外でも人攫いが増えたから、あんたも襲われないように気をつけなさいよ。」

 

「はい。ありがとう御座います、それでは。」

 

「ご苦労様またあったらお願いね」

 

一度人里に戻ろう…

そういえば起きてからまだ何も食べてない。

 

「楓さーん!お腹空きましたぁ…」

 

あれ?反応がない、楓さんも出てるのかな

 

「うーん…まぁ僕が用意しようかな」

 

普段朝は楓さんが用意していることが多いけど、今日は特に何もないみたい

 

サンドイッチ程度を用意しておけば楓さんも食べてくれるかな。

 

「さて、次は…」

 

幽谷響子…?送り主はミスティア。

また命蓮寺の方に行かなきゃ

 

「さっき渡しておけばよかったなぁ…ん?でもこんな手紙さっき見たかな…」

 

まぁ、いいか。

 

 

「すいませーん!」

 

「お客か?」

 

聖さんじゃない。ネズミ…っぽい。

ナズーリン…さんかな。

 

「何だ君か、手紙はさっき全部もらったんじゃなかったのか?」

 

「それが、幽谷さん指名の手紙が他にあったんです。」

 

「ちょっとまってて」

 

少ししたら、来てくれた

 

「あっ、さっきの、椿さん、」

 

「あー。先程はすいませんでした、これ幽谷さん宛で来てます。」

 

「みすちーからだ。ありがとう」

 

「はい、確かにお渡ししました。ほんと先程はすいませんでした」

 

「いえいえ、私こそわざわざ命蓮寺まで送ってもらったんだし、お礼がしたいよ。」

 

「お礼…ですか、」

 

「うん、ちょっと目を閉じて?」

 

ん?よくわからないけ…

 

んえ?…えっ!?

 

いきなり唇が暖かくなって…

まさか…これって…

 

「もういいよ。」

 

「あの…?」

 

「んー…少し惚れちゃったからかな、信じてないでしょ?」

 

「こういうの、初めてだったので…」

 

「ふふ、そっか、ありがとう。また来てね」

 

「はい。」

 

どっきりにも程度がほしいと思った…

 

とにかく次行かなきゃ。

 

「えっと…ハルさん、って誰だろう。」

 

聞き覚えないなぁ…

カタカナ…紅魔館?

 

「とりあえず行って聞いてみようかな」

 

 

「あのー…」

 

門番…?

立って寝てる…

 

そのまま入っていいのかな

 

「すいませーん!」

 

「はいぃ!ねてないです!ごめんなさいぃ!」

 

あっ、起きた

 

「あのー、郵便なんですが?」

 

「ふぇ?ああ、はい?、」

 

「ハルさんってここでよかったですか?」

 

「おーっと、ハイハイどうぞ」

 

案内されて歩いていると…

 

「あら美鈴、お客様かしら?」

 

「ハル様宛です。」

 

「わかったわ下がって。」

 

「はい。」

 

吸血鬼?

レミリアさんかな。

 

「私が紅魔館の主、レミリアスカーレットよ、ハルは今仕事中だから私が伺うわ。用事って何かしら?」

 

「あの、手紙を届けに来ました。」

 

「手紙?預かるわ。」

 

「あと、パチュリーさんも、ここでよかったですか?」

 

「ええ、貰っておくわ。」

 

「確かにお渡ししました。あと。」

 

「他にもある?」

 

「チルノさんとか、ルーミアさんとかもここであってますか?」

 

「チルノは向かいの湖の森に家がある、ルーミアは確か人里にいたはずよ。」

 

「あー。わかりました。多々良さんは?」

 

「それはわからないわ、人里の離れの森ってだけはわかるけどそれくらいね」

 

「わかりましたわざわざありがとう御座います。それでは。」

 

 

「湖の近くの森って…この広い森のことかな?」

 

いや…見つかるかわからないな…

 

「あれ。どうしたの?」

 

「ん?ああ、こんにちは」

 

この辺の人かな。

 

「えっと、チルノって人を探してまして。この森のどこかだって聞いたんですが…広いなって思って…」

 

「チルノは私だよ?」

 

「あっ、そうだったんですね、チルノさん宛で手紙があるので、はい、これ、」

 

「ありがとう、」

 

「それと、次があるかもしれないので、良ければ家の場所を教えてもらえませんか?」

 

「そうだね、案内するね。」

 

んー…チルノさんってなんか不思議感じがするなぁ。

なんというか、らしくない感じ…?

気のせいかな。

 

「ここだよ」

 

「結構大きな家ですね。」

 

「またあったらお願いします。」

 

「はい、それでは。」

 

おかしいな…これだけしっかりした家なのに、なんで空から見えなかったんだろう、魔法か何かかな…

まぁいいや。

 

 

「ルーミアさんは人里にいるんだっけ。」

 

人里のどこだろう…

 

「あれ?椿、ここで何してるの?」

 

楓さんとその知り合いの方たち…かな

 

「あっ、楓さん。あの、ルーミアって人探してるんです、」

 

「ルーミア?あー。悠さん確か知ってましたよね?」

 

「んー。確か団子屋の2つ隣のトウヤさんとこじゃなかったか? 」

 

団子屋…いくつかあるんだけど。

 

「家の特徴とかってわかりますか? 」

 

「んー。よく見たことないな。団子屋の名前が久団子って名前だったから、その2つ右隣だったはず、」

 

「わかりました。行ってみます。」

 

楓さんは、別のお仕事中かな。

まぁいいや。

 

 

「ここが、久団子、の右隣…2つ隣」

 

ここかな。

 

「すいませーん!」

 

「はい?」

 

あっ、男の人、トウヤって人かな

 

「あの、ルーミアさんいますか?」

 

「んー?。今はいないよ?どうかした?」

 

「ルーミアさん宛の手紙です。ここでよかったですか?」

 

「うん、もらっておくよ。ありがとう」

 

「はい、確かにお渡ししました。」

 

「あれ?あっ。」

 

「どうかしました?」

 

「いや、後ろにいるのが、」

 

後ろ?誰かいる?

 

「こんにちは。」

 

「えっと、こんにちは」

 

「ルーミアお帰り。」

 

「うん、ただいまー、」

 

「あっ、あなたがルーミアさんなんですね。」

 

「そうだよー。」

 

「手紙もらったよ。」

 

「えっと、それではこれで。」

 

「うん、またよろしく頼むよ。」

 

 

さてと…里の外の離れの森…

ってどれだ…?

魔法の森…じゃないよね…

 

「あれ?あんた、こんなとこで何してるのよ。」

 

「あっ、霊夢さん、多々良さんの家を探してるんですが。里の離れの森って言われて、どこの森かわからないんです…」

 

「あぁー…まぁいいわ、案内するからついてきなさい」

 

「あっ、ありがとう御座います。」

 

案内は助かるなぁ…

 

「この森。丁度人里を挟んで魔法の森の反対側ね。家はすぐ見つかると思うから跡は自分で探しなさい」

 

「ありがとうございます。」

 

森の中は案外明るい。

空気も綺麗で清々しい気分になれるなぁ

 

「日差しが気持ちいい、こんなところに住めるなんて少し羨ましいなぁ」

 

森の中に入って少しすると家が見えてきた。

 

ここのことかな。

 

「すいませーん」

 

家の中から女性の声の返事が聞こえる、

 

「はいどなた?」

 

「多々良さんの家はここであってますか?」

 

「うん、そうだよ。」

 

「手紙です、はいこれ」

 

「ありがとう」

 

んー…見覚えあるなぁ…

 

「えっと…どうかしました?」

 

「あっ、えっと。以前会ったことあるような気がして…気のせいかな」

 

「んー。会ったことあるとしたら命蓮寺じゃないかな?多分」

 

「命蓮寺ですか…んー。なら気のせいかな。」

 

「そっか。」

 

多々良小傘…じゃないね

こんなおとなしくはなかったし

 

「あれ、あなたって郵便屋の子?」

 

「ええ、そうですが。」

 

「やっぱそうなんだ、うん、見たことあるよ。」

 

「そうかな…思い出せないですが…」

 

「命蓮寺じゃなくて里だね。私が見たってだけで会って話しした訳じゃないよ。」

 

「そういうことですか。」

 

「多々良小傘って知らないかな?」

 

「あっ、楓さんから話を聞いたことがあります。ということは貴方が小傘さん?」

 

「そうだよ。」

 

「なるほど、実際に会えてよかったです」

 

「うんうん、私も話は聞いてたから」

 

「長話になってしまいました。さてと、手紙は確かに渡したので僕はこれで、」

 

「うん、またあったらお願いします」

 

 

さてと。もう昼過ぎになったな。

どうしようかな。

 

「一旦帰って来たけど…楓さんはいないか…」

 

とりあえず日報と通知書だけ纏めないと

それも終わったら…んー…

 

「眠たくなってきたな…」

 

「あのー…」

 

「あっ、こんにちは。」

 

ん?幽谷さんだ。

 

「お仕事中かな?」

 

「えっと…まぁ一応とりあえず一段落つけますね。」

 

「うん。わかった。」

 

書類を纏めて…提出箱に入れておいて…

 

「終わった…」

 

「今は楓さん?は居ないんだね」

 

「楓さんは別の用事で出てます」

 

「そっか。」

 

「楓さんに何か?」

 

「あっいや、楓さんではなくて、」

 

「あれ、どうかしました?手紙はさっき渡しましたが。」

 

「うん、手紙のことでもないよ」

 

どうしたんだろう、

 

「まぁ、ゆっくりしていてください」

 

「うん。」

 

明日の分を用意しておかないと。

 

「ねぇ?」

 

「はい?」

 

「椿さんは…楓さんが好き?」

 

んー?唐突な…

 

「んー…好きというよりかは、憧れですね、好きとかそういうのはないですよ?」

 

「憧れなんですね。」

 

「はい。元々、僕も楓さんも山で仕事してたんですけど。まぁ、いろいろあるんです。」

 

「そうなんだ。椿さんはなんで里に?」

 

「僕ですか。」

 

「うん、あっえっと、嫌なら話さなくてもいいけど…」

 

「いいですよ。」

 

懐かしいというか…昔の話か。

 

「…僕は元々山で仕事してましたよ。真面目に一生懸命にね。でも、僕は逃げ出したんです」

 

「逃げたんですか?」

 

「ええ、仕事が嫌だった訳じゃなくて、天狗社会自体が嫌になったんです。投げ出したくなるほどに」

 

「何があったんですか?そんな嫌になるほどのことが…」

 

「僕は悪くないんですけどね、馬鹿な上司のせいです。」

 

会いたくもない…思い出したくもない

 

「僕は…哨戒任務も事務も賊退治も真面目にやって優秀な天狗として名もありました、でも上司が全部無駄にして僕はいつまで経っても下っ端のまま。」

 

「なんで?」

 

「僕は僕の仕事を全部終わらせてます、なのに女天狗の上司は何もしないで、毎日のように男と遊び呆けてばかり。結果上司の仕事が僕に回って来て責任も何故か僕に回って来る。」

 

「おかしい…ですね。」

 

「巫山戯てますよね。人一倍仕事して功績残して。上司の仕事すらして。それなのにいつまで経っても下っ端のまま、上司が付いている以上、その上司に認められないと昇格出来ないんですよ。でもその上司は何故かずっと遊びばかり、目もくれず放置ですからね」

 

「酷いですね…」

 

「僕と同じ世代は部下を持ったり、一人前に役職をもらってそれ相応の対価を貰ってる。なのに僕は何故か最下級のまま。ありえない。」

 

「確かに…理不尽ですね。」

 

「だから、大天狗様の側近まで上がった親しい同世代に話したんです。」

 

「どうなったんですか?」

 

「結果的に上司は処罰です。天狗の名を汚すとして厳しすぎる処罰をです。でも当然の報いですね。まぁ僕は下っ端のままだったんですが。」

 

「そんな…」

 

「上げようがないんですよ。確かに僕は功績を残してたくさんの仕事をした、多くがそれを知っている。でも直属の上司ではないから昇格させることができない。先の側近の人も大天狗様に交渉してみたとは言ってたけど、決められたことを曲げることはできないと。次の上司に任せよと。」

 

「なんでなんでしょう…」

 

「決められたことを守るのは確かに大切です、だから僕は理不尽な決まり事にはもうウンザリなので里にきたんですけど、僕の指名手配が始まったんです」

 

「そうだったんですね。」

 

「ほんと。大天狗様が直々に僕を見つけろって。言ってたんです。もちろん見つかって、終わりかなって思ったんですが。」

 

「どうなったんですか?」

 

「大天狗様が頭下げて謝ったんですよ、僕はてっきり逃げた罪で命はもう無いと思ってたんですけど。もうびっくりして」

 

「意外と。」

 

「そう、意外でした、大天狗様も僕の事を認めてくれました。直接そういう記録を見たとかで、一人で二人分の仕事、告発とか、いろいろ感謝されました。」

 

「良かったですね。あれ、でもならなんで里に?」

 

「んー…逃げ出して今更天狗社会をまたなんてどうにも嫌だったからです。大天狗様も戻ってきてほしいって、大天狗様直々にしっかり見合った役職を与えるって言ってもらえたんですけどね、それでも嫌だったんです、それにその頃から人里に住み慣れてましたから。」

 

「そうなんですね」

 

「ある宿屋の召使として働いてました。その時丁度、楓さんのことを知って郵便屋をすることにしたんです、だからまぁ、好きとかじゃなくて、単純についていこうと思っただけなんですよね。」

 

「んーと…なんかすごいです」

 

「なにが?」

 

「私も…椿さんみたいに誰かの役に立たないといけないかなって思って。」

 

「んー…それは人それぞれですよ、そもそも僕は好きで仕事をしているだけですし、里に住むからには何か仕事をしないといけませんからね。」

 

「私は、いつも命蓮寺の掃除くらいしかしてないから」

 

「別にそれでいいと思いますよ?掃除なんて基本やりたがらないでしょうし、面倒だと思ってしまう人もいますから」

 

「まぁ…そうなんだけど。」

 

「幽谷さんの好きなことをすればいいと思います。」

 

「好きなこと…だね」

 

「はい。」

 

なんか、最初と話逸れたような…

 

「まぁ、話戻しますけど、里に来た理由はそういうことです」

 

「それでも、天狗の上司なんですよね。」

 

「そう思えばそうですね、あまり気にしたことないや。」

 

「ふふっ。まぁいいと思いますよ、それでは私はそろそろ帰ります、また手紙あったらよろしくね」

 

「はい、」

 

結局、何しに来たんだろう。

何か伝えたかったのかな

 

「戻ったよー」

 

「あっ、楓さん、おかえりなさい」

 

「うん、んー…?さっきまで誰か居た?」

 

「さっきまで幽谷さんがいました。」

 

「犬っぽい匂いはそれかな?」

 

え…匂いわかるの?

よっぽど楓さんも犬みたいな嗅覚してますよ…

 

「今日の仕事はもう終わりましたよ。これからどうするんです?」

 

「あっ、終わった?なら今日は自由にしようかな、」

 

「報告書とかは纏めてあるので」

 

「また見とくよ、」

 

「そう言って昨日の分処理してないですよね。」

 

「あっ…ばれた…?」

 

「箱の中に昨日の分残ってましたから?」

 

「うげぇ…忘れてた…」

 

「頼みますよ…」

 

「はぁい…」

 

「まぁ。手伝えることあるなら手伝いますよ。」

 

「いや、いいよ。どうせすぐ終わるから。」

 

「そうですか。」

 

「それじゃ!ちゃっちゃと終わらせますよ!」

 

楓さんは仕事は速いんだよなぁ…

すぐやっておけばいいのに。

 

「終わったー」

 

はや…

 

「お腹空いたね!」

 

「あ、サンドイッチ作ってあるので、是非食べてください。」

 

「おー。ありがと」

 

「僕はもう食べたのであと全部どうぞ」

 

「おいしーねー。椿も早くお嫁さん探せばいいのに」

 

…そう言われるとなんか複雑な気持になる、

 

「お嫁さん…ですか、」

 

「間違っても私なんて言っちゃだめだぞ。私は悠さんと祐奈さんの付き人なんだから」

 

「…あぁそう…」

 

そう思ったことはない。

 

「そういうのは気にしないです。」

 

「気にしない?そっか。」

 

「逃げた天狗なんてそんな」

 

「ならさ?」

 

「はい?」

 

「椿のことが好きな人を連れて来ようか?」

 

「何を唐突に…」

 

「私は知ってるし、椿も知ってる。」

 

「僕は…まだ仕事をしていたいので…」

 

「ふーん…そっか。」

 

きっと幽谷さんだろう。

さっきの質問からして僕のことを気にかけているのかもしれないとは思っている。

勘違いじゃなければ。だけど。

 

「まぁ。椿がそういうなら。いいか。」

 

この人はほんと自由だ…

 

「でも。しっかりと相手してあげてよ?響子ちゃんだってあなたに会いたくなるときだってあると思うからね。」

 

そんなにはっきり言うとは…

いやまぁ…わかってはいるけど!

 

「そ、それくらいは。」

 

「好きな人が目の前にいるのに。何もできないと苦しいのよ?」

 

それがわかっている人だから…

余計に反論できない

 

「私と同じ思いする人はいてほしくないからさー。」

 

「…何も言い返せないですね…」

 

「まぁね。結果的に椿がどうしたいかだよ。」

 

「だから…まだ仕事をするって。」

 

「そう。」

 

なんだか…調子狂うなぁ…

 

「今日は件数も少なかったし暇だなぁ。」

 

「そうですね。」

 

「私達はこうやって暇してるけど、山の天狗達は今でも仕事してるんだろうね」

 

「まぁ、仕事の内容が違いすぎますけど。きっと仕事中でしょうね」

 

「そうだよねー。」

 

何考えてるんだろう

 

「ねぇ、椿。」

 

「なんですか?」

 

「椿は仲のいい天狗はいた?」

 

「まぁ、それなりには」

 

「そっか。また戻りたい?」

 

「そんなことは微塵も思ってません」

 

「そうなんだ。ふーん。」

 

「今のここが、楽しくて気楽で良いっていうのもありますけど、山にはもう戻らないって決めてますから。」

 

「あ、そう意外だなぁ。」

 

「なんでそう思ったんですか?」

 

「まぁ、話聞いたときと今だと結構変わったなぁと思って。また戻りたいとか思ってるのかなぁ。と」

 

「そういうことですか。」

 

「まぁ、いいや。」

 

まぁいいや。

 

「まぁ、私は雪樹ちゃんでも愛でてくるかな。」

 

「行ってらっしゃい」

 

…まぁ、命蓮寺にでも行こうかな

 

 

「こんにちは!」

 

うわっ…!

誰…?

 

「か、幽谷さん?」

 

「あっ、来てくれたんだね」

 

「は、はい…声…大きいですよ…」

 

「そうですか?挨拶は大きな声でしないと!挨拶は心のオアシスともいいますから!」

 

ああ…そう…

 

「ところで。どうしました?」

 

「…まぁ、仕事も終わって暇だったので。」

 

「だったので、と言われても。暇でお寺に来るなんて、やっぱり変だね。」

 

うん、よくよく考えるとそうだと思う

でも。そういうつもりじゃなくて

 

「それはさておき。さっき幽谷さんが何か言いかけてたような気がしたので、それが気になったからもしよかったら話でも、と、思ったんですよ。」

 

「え、私?特にないよ?」

 

「そうでしたか。」

 

「でも、わざわざ会いに来てくれたのは嬉しいかな。」

 

「あ…まぁ。そういうことなんです。」

 

「そっか、向こうベンチあるから。」

 

こんな森の中にベンチ…

なんのために…?

 

「こんなところにあるんですね」

 

「休憩用にあるみたいですよ」

 

「そうなんですね。」

 

「それで、私に何かあった?」

 

「うんと。幽谷さんは僕のこと好きなのかなって」

 

「ん?うーん…いきなりだね」

 

「まぁ、さっきの話とか、もしかしたら、そうなのかなって」

 

「う、うーんと…確かにさっき惚れたといったけど…えっと…」

 

「あっ、ごめん、困らせちゃったかな。」

 

「確かに好きっていうのはそうなんだけど。でもそう言うと恥ずかしい…んだよね…」

 

「そ、そうですか。」

 

「なんか、ごめんね。」

 

「いいですよ。どうなのかなって単純に思っただけですから。むしろこんな質問して困らせて、僕の方こそすいません」

 

「私は話しできるだけでも嬉しいかな。」

 

「うん、ありがとう」

 

「お付き合いとか、そういうのはまだわからなくて…」

 

「少しづつで、いいかな」

 

「うん。」

 

「ありがとう」

 

「こちらこそ」

 

 

 

 

……

 

楓さんはあなたかしら?

 

はい?そうですか、どちら様で?

 

あなたは気づいた?

 

なんのことです?

 

この"幻想郷"のこと

 

…幻想郷の"繋がり"のことですか?

 

ふふ。よくわかったわね

 

ところで顔も見せず声だけ聞こえるんですが、あなたは誰ですか?

 

妖怪の賢者よ、これでわかるかしら?

 

なるほど。

 

それじゃ、またね

 

姿ぐらい見せればいいのに。

 

その必要はないでしょ?

 

まぁ、そうでしょうね

 

それではごきげんよう

 

 

 




こんな昼間に投稿するのは久々だな。


また会えたら会いましょう
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