どうぞごゆっくり
紅魔館の隣の大図書館での出来事…
「パチュリー様!ちょっと来てください!」
「何よ、」
「ね、猫です。」
「そうね、黒い毛並みが綺麗な猫ね、何があったか気絶してるけど」
「どこから入ってきたんでしょう?」
「さぁ。外に出しておきなさい。」
「えー。外に放置は可哀想ですよ!」
「飼うわけにはいかないわ、こあの私室で飼うなら、話は別だけど。」
「私の部屋…」
「仕事と世話をしっかり両立させれるなら構わないわ。」
「あっ…これだめなやつだ…」
二人はそんな会話をしていると別のある二人組みがその現場に来てしまった
「見て!暁!猫だわ!」
「おー、猫ですね〜、でも気を失っているみたいですよ」
「あ、フランに暁。本を借りに来たの?」
「ああ、新しい本を借りにな、でも、なんでこんなとこに猫が?」
「ねぇ、この猫さん動かないよ?どうしたのかな。」
「気を失っているみたいですね。」
「困ったわね。外に出すにもこあが拒むし、ここで飼うわけにも行かないし」
「うっ…ううん…ここは?」
猫は目が覚めると目をこすった
「ねぇ、暁、今のは幻聴なのかな?」
「そう信じたいのですが…」
「すまない、ここはどこだか教えていただけるか、」
猫はそう話す
「やっぱり幻聴じゃないわ。」
「ええ、この猫。」
「猫が喋ったぁ?!」
こあが叫ぶ
「こあ、うるさい。」
「はいすいません…」
「さてと、言葉が通じるなら対応が楽だわ、ねぇ猫、貴方、名前は?どうしてここにいるか分かるかしら」
「先に質問したのだが…まあいい…名前…名前はなんだったか思い出せん…どうしてここにいるかと言われたら気がついたらここに居たとしか、覚えていることは何かに名を呼ばれて声を追っていたら突然何かに襲われそれから逃げていた、そうしているうちにここに来て今に至る」
「何かに名前を呼ばれていたのに。自分の名前がわからないの?おかしいと思うな」
「うむ…気絶の間に記憶でも無くしたのかもしれぬ。」
「そう。自分が猫と言う自覚は?」
「少し前…と云っても何十年も前か、以前は人だったのだがな。魔法を掛けられこうなった。魔法と言うよりか呪い、呪術の類だな」
「ふーん…もとに戻る方法とかわかるの?」
「それが、全く」
「そう。」
「ここは書斎か?」
「書斎というよりかは図書館。まぁあまり違いはないけどね」
「もしかしたら、猫さんの呪いを解く方法とかわかったりしませんか?」
「もしかしたら、ね。猫はもとに戻りたいと思うの?」
「まぁ、元は人だからな。本来なら戻るべきだろうな。」
「そう。」
「ねぇ、パチュリー?」
「どうしたのフラン?」
「せっかくだから戻してあげようよ。」
「そうね。それがいいかもね。」
「名前を教えていただけるか」
「私はパチュリー、隣にいるのが助手の小悪魔。」
「わたしはフランドールよ、フランって呼んで!、あと執事の暁!」
「パチュリーにフラン、そして小悪魔と暁か、よろしく頼む。」
「ちなみに私たち以外にもまだいるから、自己紹介はあったときにして。あと。レミリアには失礼の無いようにね」
「レミリアか。わかった。」
「できれば…様付けしたほうがいいかなぁ…お姉様は…変なところ厳しくしてるから…」
「ん?まぁ、わかった」
「それじゃ、パチュリー、本借りてくね!」
「ええ、また来て頂戴。」
暁とフランは図書館をあとにした
「さて猫。」
「うむ、猫、猫と単的に呼ばれるのはあまり気が良くないんだが…」
「なに?ニャンコとかお猫様とでも呼ばれたいの?」
「そう怒るな…」
「猫で十分じゃない」
「パチュリー様。それでは芸がないです」
「生き物の名前なんて考えたことないもの。」
「それじゃ!」
「毛並みも黒いし、クロでいいわ。」
「あー!私から言おうと思ったのにぃ…」
「クロ…か、まぁいい」
「とりあえず仕方ないからここに居なさい。何かから逃げたって言ってたみたいだしその格好じゃまともに戦えないでしょ。匿うくらいならいいし、人に戻る方法が見つかるまではここにいればいいわ」
「助かる。一応人であった頃は魔法使いだったからな、この格好でも魔力自体は使うことができるがあまり使いすぎては疲れてしまう。呪いを魔力で押さえつけて人の姿を一時的に取り戻すこともできるが…あまりにも負荷が大き過ぎる。」
「何でもいいわ、面倒だけは起こさなければ好きにしなさい。」
「わかった。」
パチュリーは机に戻る。
「さて…これだけ本があると目的の本を探すのも一苦労だな…」
「クロさん何か探すんですか?」
「ああ、呪術や魔術に関する本だ。たくさんあるだろうとは思うが…」
「こっちですよ、っと」
小悪魔はクロを抱き上げ本棚の前まで向かう
「…こう、なんというか…娘っ子に抱っこされるのは恥ずかしいものだな…」
「えへへー。猫なんて滅多に見れないですし抱っこできるだけでも役得ですね〜。」
「一応、男であって人であれば数千年は生きているのだがな…」
「でも今は猫なんですよ?いいじゃないですか〜」
「仕方あるまい…」
本棚の前に着くと小悪魔はクロを降ろした。
「ここの本棚、1列目から24列目まで全部呪術に関する本です。魔術の本はまた別なのでここを見てからにしましょう。魔術の本が読みたいときはまた声をかけてください。抱っこして案内します!」
「ああ、抱っこはともかく、ありがとう」
「あっ、本届かないですよね取りましょうか?」
「いや、魔力で引き寄せるか、自分で飛ぶかなんとかする。」
「どうせだから手伝いますよ?」
「…サボりたいのと、私を抱っこして癒されたいのが本音だな。そうは行かない」
「あ~…全部バレバレだった〜…」
「とりあえず自分の仕事というものを済ませてくるといい、それで時間があるのなら、ぜひ手伝ってもらえると助かる」
「はぁーい、ではまた呼んでくださいね!」
クロは気になる本から手当り次第に探って行った。
……
「はー…なかなかうまくいかないものね…」
その頃パチュリーもクロの呪いを解く方法を探していた、
具体的には解呪系の術をいくつか覚えようとしているのだが、まともに成功していない
「新しいことを覚えるのは疲れるのね…仮眠しようかしら…こあ?ちょっと来なさい」
「あーい、パチュリー様どうしました?」
「ちょっと仮眠をしてくるわ。しばらく留守を頼むわね、猫はどこにいる?」
「呪術関係の本の近くにいるはずですよ」
「わかった寄ってみるわ」
パチュリーがクロの所に向かうと…
「あら、寝てるわ」
本を広げたままその場で横になっていた。
「猫とはいえ、疲れて寝ることもあるのかしら。そこで本の上で寝られても困るし。仕方ないわね。」
パチュリーもクロを抱っこし、自室まで向かう
「ゆっくり休みなさい、」
クロを抱っこしたままパチュリーは寝た
「パチュリー様…それは反則過ぎます…」
部屋を覗き見ていた小悪魔が呟いた
…
クロは目が覚めると妙な感じがしていた。
「うん…?本を呼んでいるうちに寝てしまったか?しかし…ここは…?」
起き上がろうとしても体が動かず、何かに掴まれている。
「困ったな…これでは続きが探せぬ…」
体を動かすと何かに触れた
「ん…?この柔らかいものはなんだ…?」
ふにふにと繰り返すうちにそれが何かわかって触れるのをやめた
「これ以上はやめておいたほうがよさそうだ…掴まれているとはいえ、寝ている娘っ子の富んだ胸を揉むなど…品が悪い」
仕方なく大人しくすることにした
少ししたあと、部屋をノックする音が聞こえた。
「パチュリー様ぁ、起きてますかー」
小悪魔がパチュリーを起こしに来た。
「おいパチュリー。使いの者が呼んでおるぞ。」
「ううん…?こあが?」
「そうだ、起きろ。私もそろそろ体を動かしたい。早く離してくれないか。」
「ん?あっ…」
パチュリーは起きて座り込み、自分の状態を確認すると少し恥ずかしくなっていた
「ごめんなさい、ちょっと…その…」
「…言わずとも察することくらいできる。まぁ猫である以上こういうことは避けれまい。」
「案外…抱っこするのが気持ち良かったのよ…」
「あのな…いや…もう何も言わん。ほら、呼ばれているのだ早く支度して行け。」
「ええ、そうだったわね」
パチュリーとクロは部屋から出ると、
レミリアが待っていた
「パチェ?!猫!なんで猫がいるのよ!」
「レミィ落ち着いて。」
「あっ…そうね。」
「お姉様、この猫さん元々人だったんだよ?戻してあげようと思ってパチュリーは頑張ってるのよ。」
「そ、そうなのね、」
「名はクロと言う。今はそう呼んでほしい」
「レミリア・スカーレットよ。フランの姉で紅魔館の主。無礼の無いようにすることね」
「うむ。今後共宜しく頼む」
「パチェ、そろそろお茶の時間にしようと思うのだけど。」
「もうそんな時間なのね。残念だけれど、もう少し彼の呪いについて調べたいから、今回はパス、次は行くわ」
「わかったわ、見つかるといいわね」
レミリアは図書館を出ていった
「レミリアは…あれか、彼女自身は高貴を装っているが。我儘で意地っ張りな所があるんだな。」
「…あの数分でよく分かったわね。」
「まぁ、あの手の性格は読みやすいからな。そんなもんだ。」
「そう。」
「いいのか?茶会の誘いを断っても。」
「まぁ、いいのよ。久々に面白いことしてるわけだし」
「面白いか?」
「ええ、呪術なんて触れたこともないからこれを期に慣れてみようと思ったわ。魔法と違って扱いにくいのはあるけどね。まずは貴方の解呪からやらないといけないし」
「生憎、私も呪術は触れたことがない、基礎から学ばねばならないからな。お互い様か」
「そうね。さてと…」
パチュリーはクロを抱っこして、呪術本の本棚まで向かう。
「…むぅ…」
「あら、不機嫌?」
「期限を損ねているのではなくてだな…なんというか…その…頭の位置が良くないんだ」
「あら。胸に当たってたわ。ごめんなさい。」
クロとパチュリーは本を手に取り呪術について調べ始める
「先ほど眠っていたときも…同じような状態にあってだな…かなり大変な思いをしていたのだ…」
「ふ〜ん。胸は嫌いなのかしら」
「何千年と生きていても。人の体には目を背けたくなる…それだけは何故か変わらないのだ。」
「案外、ピュアなのね。」
「純粋なのではない、一種のトラウマだ。」
「トラウマ?」
「お前は、目が覚めたら裸にされた状態で縛り上げられ。目の前に同じ様に裸の人間が大量に居たらどう思う。」
「…そんな状態になったことないからなんとも言えないけど、まぁなんというか。嫌になるわね」
「…正直な話、怖かったよ、あの頃はまだ弟子として修行の身だった。そんな中、所謂魔女と言われる者達に捕まり。禁忌と言われる魔法の生贄にされかけたのだ。」
「生きてるってことは、助かったのね。」
「ああ、魔法の実験は妨害が入り失敗、生贄に集められた人間は逃げたが何人かは魔女に殺された。私はなんとか逃げることができ、無事、師の元まで帰ることができた」
「でも、それが忘れられないわけね。」
「ああ…無造作に集められ身包みを剥がされた。人の裸を見るとあの光景を思い出して嫌な思いをする。トラウマというのはそういうものなんだと…しっかり叩き込まれた。」
「知らなかったとはいえ、悪かったわ。今後は気をつけるわ。」
「済まないな。」
話を止めてクロとパチュリーは呪術に没頭した。
何時間も経ったとき。パチュリーはまたクロが寝てしまっていることに気づいた。
「本はベットじゃないのだけど…」
パチュリーはクロを抱き上げ自室に向かう。
「せっかくだから。」
パチュリーは部屋においてある中心の凹んだ座布団にクロを寝かせ、軽い毛布を掛けた。
「これなら、気持ちよく寝れるでしょ」
パチュリーは部屋の扉を静かに閉め、
図書館に戻る。
「呪術か魔術…ね」
そう呟いてまた呪術を学び始めた。
……
クロは目を覚まし。近場に置いてあった小さな皿から牛乳を飲んでいた。
「丁寧にここまで用意するのか…ありがたいといえばそうなんだが…」
しかし、猫として扱われるのを少し疎ましく思い複雑な気持ちになっていた。
「あっ、クロ、起きたのね」
丁度パチュリーが部屋に戻ってきた
「ああ、わざわざ私のためにここまでしていたと思うと感心してしまって感謝する。」
「小悪魔のしわざよ。全くだわ。」
「また娘っ子か…」
呆れながらも牛乳を飲み干した
「ねぇ、クロ、一つ聞いてもいいかしら」
「なんだ?」
「借りに呪いを解く方法が見つかったとして、あなたはそれを真に受けてくれるのかしら」
「それは、もちろんのとこだ」
「なら、魔法でも呪術でも、あなたは過去にトラウマだった被験者と同じ様な状態になってしまう。それは克服できるの?」
「…薄々気づいてはいたんだ、言われなくとも我慢しなければならないんだ。いざとなれば取り押さえてもらっても構わない。」
「私はあなたの意思を尊重するつもりよ、あなたが自分からその気にならない限りは呪いを解くことはしない、第一初めに探し始めたのはあなたな訳だから。」
「なんのためにそこまでする。」
「…最近…他人の苦しい思いをする姿を散々見てきたのよ。フランドールといい。レミィの執事のハルといい、暁だってそう。そんなことばかりで私も少し嫌気が指してきてるのよ。」
「なら、なぜ協力する。放って置けばよかっただろう。」
「私のテリトリーを勝手にされるのはごめんだわ。面倒事だけは勘弁だから、何か起きる前に先に終わらせておきたい。最初はそう思っていたのだけど、気が変わって最後まで付き合ってあげようと思っていた。」
「…」
「トラウマの話を聞いてから散々苦しまなくて良い方法はないか探してみたわ。現状、今の私にできる限りでは、薬品による解呪を試みること、でもそれは、現状猫としての体のあなたにはリスクが大きすぎて人の体に戻った時に後遺症が考えられるから現実的ではなかったの」
「薬品かソレはあまり望ましくないな、結果的に何もできなくて、例え失敗したとしても、誰もお前を責めたりしないんだが、なぜそこまでする」
「情が移っただけよ。」
「情か…」
「だから…あなたには聞きたかったのよ。」
「何を?」
「人の姿に戻りたい?」
「…失敗しても。誰だろうと責めはしない、不可能ならそれはそれで諦める。確証があるのなら先程言ったとおり真に受ける。」
「質問の答えになってないわ。」
「……ああそうだよ、人の姿に戻りたいさ、でもな怖いんだよ。」
「クロ。私にはあなたが人を嫌う理由はわからないけれど、怖いのなら克服するべきだと思うわ。私だって引き籠りで全くの他人と接するのは好きじゃないわ。でも貴方と会って情が移って変われたのは確かなのよ」
「それは、私がこの可愛らしい姿だからだろう?」
「いいえ。姿見た目じゃないわ、私にはまだ表現しづらいけれど、きっと相手を思いやることだと思うわ。」
「…お前が変われて…私が変われるという確証はないぞ…」
「ええ、そうかもね。でも、あなたにもその確率はあるわ。」
「…一応聞いておくぞ。私が人に戻れる方法は見つかったのか。」
「ええ」
「一体何だ。」
「魔法でも呪術でもない。御祓いよ。」
「御祓い…?ああ…そうか…博麗霊夢か」
「そう。魔法や呪術でも解呪はできるでしょうけど失敗するリスクと、時間がかかる。でも、御祓いなら、失敗することもなければ準備に時間もかからない。それにあの霊夢のことだから、祓えない呪いなんてないわ。最悪、神降ろしをしてもらうだけよ。」
「本人にはそれで了承をもらっているのか」
「既にね。」
「なんとも、準備が良すぎるとしか言えん」
「霊夢はいつでも神社に来なさいと言ってたわ。」
「いつでも…なのか」
「霊夢は基本暇してるから」
「はぁ…なんとも先程まで意地を張っていた自分が恥ずかしく思えてくる」
「意地を張るのは皆同じことよ、私もレミィも貴方も。」
「そうだな。落ち着いた頃に、巫女に会いに行くとするよ。」
「そう、その時は声をかけて頂戴。」
「ああわかった。」
……
その次の日のこと。
「パチュリー、そろそろ博麗の巫女の所に行こうと思う。」
「そう、わかったわ。こあ、留守を頼むわね」
「わかりました、あまり遅くなりませんよね。」
「多分ね」
クロはパチュリーの肩に乗り、ついていく、
神社に着くと霊夢が境内で待ち構えていた。
「あら、お待たせしたかしら?」
「別に待ってはないわ。それでその肩の猫がクロね。」
クロは肩から降りて霊夢に近づく。
「うむ。よろしく頼む、」
「…なんというか。ほんとに喋るのね。」
「まぁね。」
「まぁいいわ。呪いを解きに来たんでしょ」
「ああ、お願いしたい。」
「そのままそこでいいわ。パチュリーはちょっと下がってなさい、」
パチュリーが離れると、霊夢はお祓い棒を持った。
しかし…何かを考えている様子ですぐには御祓いを始めなかった。
「どうかしたか?」
「あんた…一体?」
霊夢が顔を顰める。
「いや、まぁいいわ。始めるわよ」
御祓い棒を持ち直し御祓いを始める、
少しもしない内に御祓いは終わってしまった
「終わったかしら。」
「これでおわりよ。」
「うむ、体が軽くなった感じがするな」
「まぁ当然ね」
「先程、首を傾げていたが?何かあったか?」
「全部払ったあとだからもう問題ないんだけど…」
「なんのことだ?」
「さっき、改めて見てたら。怨霊とか呪いとかそう言った類が異様なほど取り憑いてたのよね…」
「そうだったのね…」
「いや…あれだけ憑いてて正気を保てるわけ無いと思うんだけど…振り切って相殺し合ってたのかしらね。」
「なるほど。」
「ところであんた。いつまでその姿なわけ?」
「ああ、戻れるのか?てっきり自然に変わるものかと思っていたが」
「そういうもの?」
「さぁ?」
「早く戻りなさいよ。」
「わかった。」
クロは足元に魔法陣を張り光が走ると。
姿が人に戻っていた。
「ふーん…魔法使い…ね、そのまんま、それっぽい服装ね」
「まぁな。」
「霊夢、はいこれ。報酬よ。」
パチュリーが渡したのはお金の入った袋だった
「あら、ご丁寧にどうも」
霊夢は渡された袋の中身を覗くと目を丸くして驚いていた。
「パチュリー、もしかして」
「しっかりとしたお金よ、魔法で出したわけでもないからね。」
「あんた。案外金持ちなのね…」
「私は最低限しか持ち合わせてないの、レミィにお願いして用意してもらったのよ。」
「へぇ…あの我儘お嬢様がねぇ…」
「まぁ、とにかくこれで一件落着ってとこかしら。」
「そうだな。博麗の巫女。世話になった。」
「まぁ、また何かあれば来なさい」
クロとパチュリーは紅魔館に戻ると
小悪魔がすぐさま駆けつけた
「おかえりなさい、パチュリーさ…ああ!」
「こあ、戻ったわ」
「そんなに驚いて何かあったか?」
「クロさんが…人に戻ってるー!」
「ああ、また猫の状態で抱っこされるのは勘弁だからな?」
「ううー…まぁ仕方ないですね。」
「こあ、また魔理沙が来てたわね」
「そうなんですよー…まぁ、本は減ってないので立ち読みして帰って行ったみたいです。」
「そう。片付け頼むわね」
「は〜い。」
小悪魔は散らかった本のもとに戻っていく。
「さて、クロ。色々と思い出せたことってあるんじゃない。自分の名前とか。」
「ああ、私の名前はクローランノ・ラフ・ウィザード、この名でいつも通していた。本名はクロフォード・ラフ。」
「長ったらしくて面倒だからクロでいいわ」
「その方が呼びやすいだろうね」
「魔法使いと自称するからには、それなりの自身があるのでしょう?」
「まぁ、それなりにはね、ただここには沢山本がある、もっと勉強できるかもしれないな。」
「いつでも読みに来るといいわ」
「むしろ、しばらくここに滞在させてもらえないか?ここでなら、私の知らない魔法だけじゃなくて色々な知識を深めることが出来そうだ。」
「仕方ないわね。まぁ部屋はあるから好きにしなさい。こあ、ちょっといいかしら。」
「はーい、なんでしょう?」
「クロはしばらくここに滞在するって言うから、部屋を用意してあげて。空き部屋を住めるようにしなさい。」
「かしこまりましたー!すぐ用意します!」
小悪魔はすぐに空き部屋掃除に向かっていった。
「あの娘っ子は元気だな」
「多分、貴方のこと気に入ってるのよ。」
「好まれるのは悪いことではないけど。最低限魔法の研究だけは邪魔されたくないかな。」
「それは私も同じことだから、多分大丈夫よ」
「それならよかった。」
「さてと…私はクロが来る前の研究の続きでもしようかしら」
「悪いね、世話になったよ」
「まぁ、手詰まり状態手前まで来てたからいい気分転換になったわ。」
「まぁ、私も同じことがあるだろうけれどね、もし手伝うことがあれば声をかけてほしい。」
「ええ、助かるわ」
「それじゃ、私も気の引く本を探しに行こうかな。」
「それじゃ、また後で」
「ああ、今後共宜しく。」
クロは結局呪術の本を眺めていた。
パチュリーは魔法の研究をしており。
小悪魔が部屋の用意が終わるとクロはへやに篭りきりになるときが多々あるという。
また紅魔館(大図書館)に一人住人が増えました。
眠たいぃ…
ああ…体調が優れない…
良くならなぃぃ…!
ではまた会えたら会いましょう