物語館   作:むつさん

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どうもムツサンです

お砂糖ぶちまけました
深い理由はありません

ではごゆっくり


甘味のする出来事

「…さ、寒い…」

 

暗いし…寒い…

ここはどこだろう…?

 

哨戒任務中に謎の歪みに飲み込まれて…

気が付いたら見覚えのない場所に…

 

「ここはどこなんでしょう…誰かいないかな…」

 

砂ばかりの場所に、遊具?

ところどころ木々がありますが…

 

「困った…それより…寒い…」

 

耳を澄ますと後ろから足音が…

 

「あ、あの!」

 

「はい?…え?!」

 

「あの…ここはどこなんでしょう…」

 

「えっと、ここは公園、だけど?」

 

「公園…?」

 

「ちょっと待った。んーと」

 

寒い…とにかく寒い…今やっと気が付いたけど、雪も降ってる…

 

「よかったらこれ飲んで。寒いんだよね」

 

「あっ!ありがとうございます…」

 

ボトルの容器の飲み物?甘くて温かい…まだ寒いけど震えは止まってきた

 

「訳がありそうだな…こっち来て」

 

「は、はい…」

 

「あと、これ上着、一先ずこれ着てれば多少はマシでしょ」

 

「ありがとうございます…」

 

とても分厚い上着…暖かい…

 

「あなたはいいのですか?」

 

「さっきまで走ってたから大丈夫」

 

「そうですか」

 

少しついていくと一つの家についた

 

「ここは?」

 

「僕の家上がって。」

 

「外の寒さとは格段と違う…暖かい…」

 

「暖房付けておいて良かった」

 

「あ、あの…」

 

とりあえず今どうなってるのか…

 

「はい、ココア、さっき渡したやつだよ」

 

「ありがとうございます。」

 

あぁ…温かい…

って、そうじゃなくて。

 

「あの、一つ聞きたいことがあるんですが…」

 

「まぁ。」

 

「ここはどこですか?」

 

「日本、かな」

 

外の世界…

 

「日本…そうですか…」

 

「しかし困ったな、言葉は通じるみたいだけど。どうしたもんかな」

 

「えっと…」

 

「お腹空いてない?」

 

そう思うと…確かにお腹は空いてる…

 

「はい…」

 

「いま用意するから。」

 

「あの…」

 

「まぁ待って、何をするにもまず落ち着いてからだよ。」

 

それは確かに…

 

 

本当に困った…

外の世界に来てしまってる…

妖怪の賢者は早く気づいてくれないかな…

山の皆も心配してしまうだろうし。

 

「大丈夫?まだ寒いかな」

 

「あっ、いえ、大丈夫です」

 

「煮物、温めて持ってきたから、良かったら食べて。」

 

「ありがとうございます。」

 

魚の煮付け…温かくて美味しい。

 

「それにしても、どうしようかな。」

 

「えっと、ご馳走様でした。」

 

「片付けてくるよ。」

 

何から何まで…

 

「うーん…」

 

「どうしようね。」

 

「困りました…」

 

「暫くはここにいても良いけど。」

 

「それはすごくありがたいんですが…私も帰らないと行けなくて…」

 

「異世界の人か。」

 

「そうです。幻想郷っていう世界に居たのですが…謎の歪みに巻き込まれてしまったみたいです」

 

「なるほどね。んー、見た感じ犬?」

 

「いや…狼です。白狼天狗です。」

 

「白狼天狗?天狗って聞くと鼻が長かったり、翼生えてるイメージあるけど…」

 

「そうですね。そういう天狗が多いですがそうじゃない天狗もいますよ」

 

「なるほどね、天狗ってことは妖怪か」

 

「はい、そうとも言いますね」

 

「へ〜妖怪かー、珍しいこともあるもんだな。」

 

「まぁ…私は困るんですが…」

 

「帰る方法はどうするんだ?」

 

「それが…幻想郷のある妖怪が気付けば迎えに来てくれます」

 

「最悪の場合帰れないわけか。」

 

「私はそんなことはないと思いますが、どれぐらいかかるか…」

 

「まぁ、そのうち来るなら気長に待つしかないか。」

 

「そうですね…」

 

「とりあえず、その耳と尻尾は隠すなりしないと。」

 

「そうですね…人間に化けて見えなくするくらいはできますから、それは問題ないかな。」

 

「それは良かった。化けるって言っても大して変わりないだろうけど。」

 

「これが自然体ですから…」

 

「まぁね。」

 

「突然ごめんなさい、これから暫くお世話になります…」

 

「構わないよ、一人でつまらなかったからね。名前聞いていいかな?」

 

「犬走椛と言います。」

 

「犬走さんね。読みにくいな、まぁいいか」

 

「気軽に椛でもいいですよ。」

 

「わかったよ。僕は荒原一登」

 

「かずとさんですね。」

 

「まぁ同じく気軽に呼んでくれて構わないよ、その方が慣れてるからね」

 

 

「わかりました。えっと。どうしましょう…」

 

「そうだなぁ。今日はもう暗いし、寝るとするかな」

 

私はさっき起きたばかりなんだけど…

二度寝…しますか。

 

「そ、そうですね…」

 

「こっち、客間にしてるから、好きに使ってくれていいよ。」

 

隣の部屋丸ごと客間?

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

ベットではなく布団なのは。

ちょっと安心感ありますね

 

少しもしないうちに。気が付いたら寝てしまっていた。

 

 

「ん…んー…?」

 

部屋の外からの甘い匂いに誘われて目が覚めた。蜂蜜のような甘い匂い。

 

「朝ですか…」

 

軽く伸びて服を整える。

着替えたいところだが…

代わりの服なんてあるはずがない…

 

「一先ず。」

 

部屋の外に出ると、パンの焼けた匂いと甘い蜂蜜の匂いが広がっていた。

 

「朝食食べるかい。」

 

「はい。」

 

焼きたてのパンが並んでいた。

見慣れない形のものが多い。

 

遠慮なく頂くが。どれも美味しい。

蜂蜜を軽く塗って食べると尚更

 

「ごちそうさまでした。」

 

朝食にしてはお腹がふくれた。

 

「さて…と、ちょっと着替えてくるから」

 

「え?あ、はい」

 

どこか出かけるのでしょうか。

私はこの格好のままだし…

この格好では…外の世界ではおかしいと思われるでしょうし…

 

「おまたせ。あとは椛さんの服だね。どうしたもんかな。」

 

「うーん…」

 

「身長差もあるから僕の服だと少し大きいだろうし。仕方ない…ちょっとこっち来て。」

 

「はい。」

 

案内されたのは別の部屋…

 

「妹の服なら着れるかな。たぶん大丈夫だと思うけど。」

 

「妹さんに、許可は取らなくていいんですか?」

 

「妹と両親はしばらく出かけててね。年明けて半月くらいまで居ないんだ」

 

「え?それまで一人で?」

 

「そう。僕は自分のやりたいことに向けて勉強してる。旅行とか好きじゃないのもあるけどね。」

 

「そうなんですか…」

 

「まぁ、大丈夫だよ。洗濯して戻しておけば文句言わないと思うから」

 

「まぁ…気は引けますが…仕方ありませんし…」

 

「それじゃ、着替えたらまた声かけて」

 

かずとさんが部屋を出たあと。タンスや戸棚の中を見てみる。

 

「おとなしい服が多いですね。」

 

少し安心した。

大図書館でみたときの外の世界は服が派手すぎる物が多かったから少し不安だったけど…

 

これなら大丈夫そう。

着替えてから大きな鏡で自分を見直す。

 

「うん。いいかな。」

 

茶色が基調の服装。

ちょっと地味さがあるけどこれでいい

派手じゃなければとりあえずいい

 

「こんな感じ、でしょうか」

 

「うん、いいと思う。」

 

「それで、何故着替えを?」

 

「今日の買い出しに行く。」

 

「外に出るわけですね」

 

「嫌だった?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「靴は…」

 

これも妹さんの…

サイズがピッタリなんですよねこれが…

 

「ピッタリだな。」

 

「ええまぁ…」

 

「スーパーとコンビニに行くから。」

 

「えっと、はい。」

 

全くわからない…

 

「まぁ、ついてきて」

 

外に出ると、雪が積もっている

昨日の夜から降っていて積もったようだった

今はもう雪は降っていない

寒いけど。白い景色が広がっていて少し綺麗

 

「物の見事に積もったな」

 

「寒い…」

 

首筋周りから冷たい空気が入って来る…

 

「上着足りないか?」

 

「肌は大丈夫なんですけど…」

 

「なるほど。なら」

 

「あっ…」

 

首元にマフラー…暖かい。

 

「かずとさんはいいんですか?」

 

「大丈夫。寒いのには強いんだ」

 

「そうなんですね。」

 

「まぁね。」

 

「なんで寒いのには強いって思えるんですか?」

 

「椛さんは雪女って知ってるかな。」

 

「まぁ、わかりますが」

 

「これは本当の話なのかわからないし、多分そんなことはないと思うが。

母側の祖先が雪女かそれに近しい存在なんじゃないかって言われててね。

うちの家系で母と俺は寒さに強いんだよ。母側のおばあさんもそうだった。

噂話程度にしか聞いたことないし、まぁ雪女ってことはないんだろうけど、寒さに強いってことは間違いないかな」

 

「なるほど」

 

「だからまぁ大丈夫だよ。」

 

「わかりました」

 

少し歩くと大きなお店に着いた

 

「ここがスーパー?」

 

「そう。スーパーマーケット。」

 

中に入ると様々な食材が目に写った。

見覚えのあるものから幻想郷では滅多に食べれないものまで沢山ある。

 

「すごい…」

 

「そうかな。」

 

「幻想郷はこんなに栄えてないのでちょっとびっくりしました」

 

「幻想郷ね」

 

「私の世界ではこんな大きなお店見たことないですね。」

 

「まぁ、総合的にいろんな食品が置いてあるからね。大きくもなるよ。」

 

広い上に棚がたくさん…

 

「迷路みたいで迷いそうですね…」

 

「そうならないようにちゃんとついてきてね」

 

加工品も見覚えのないものばかり。

いい匂いもするし。

不思議な感覚。

 

「あった。」

 

「それは?」

 

「薄力粉。」

 

「粉、ですか。」

 

「そう。ケーキの材料でね。」

 

「ケーキ?デザートに出る…」

 

「そう。」

 

「お菓子作られるんですね」

 

「ちょっとした趣味だね。今日はケーキを作ろうと思って。」

 

「そうなんですね。」

 

「普段は簡単なものが多いけど、今日は…ん?誰か呼んでるな」

 

今日は…なんだろう。気になる

 

「あ、加賀美か。」

 

「ここにいるってことはまた菓子づくりか?」

 

「まぁね。今日はケーキ作るから」

 

「へ〜。彼女に作ってあげるんだな。」

 

「彼女?ああえっと」

 

「いや、私はそんなんじゃ」

 

「違うのか?」

 

「うん。訳あって一緒にいるだけ。」

 

「んー、お前の事だから彼女居てもおかしくないと思ったけど、なんだ違うのか。」

 

「お前は彼女と一緒じゃないのか?」

 

「生憎、仕事入ったらしくてさ。夜会う予定。」

 

「ふーん。お幸せにな。」

 

「お前も、早く相手見つかるといいな、隣のお方でもいいとは思うけど。」

 

「あの…私は…」

 

「ははは、余計なお世話だよ」

 

「それじゃまたな。」

 

少し…恥ずかしいというか…

 

「ちょっかい出してくることは多いが。根はいいやつなんだ。」

 

「そう、ですか」

 

「さぁ。他のも探さないとな。」

 

いくつか他の食材を買ってお店を出た。

 

「そんなに沢山は買わないのですね」

 

「買っても余らせちゃ勿体無いからね。必要な分だけ買うのがいい。」

 

「確かに。」

 

さっき言いかけた話…

やっぱり気になるから聞いてみよう…

 

「そういえば。さっき言いかけて呼ばれたときの話なんですが。」

 

「えっとなんだっけ。」

 

「今日は…って言いかけた時の」

 

「ああ、今日はね、クリスマスなんだ」

 

「クリスマス、というと…」

 

えっと…クリスマス…

確か大図書館で目にした単語だ。

 

「キリストがどうとかっていう日だね、巷ではもうそんなのお構いなしで男女のカップルが幸せに時を過ごすなんて風習になってる」

 

そうか…クリスマスか…

 

「だからさっきの方は…」

 

「そう。椛さんを俺の彼女だと思ったんだろうな」

 

「なんというか…」

 

「恥ずかしいかい?」

 

「え、ええ…」

 

顔が熱い…

別に嫌というわけじゃないけど…

なんだろう…

 

「まぁこんな時期だからね勘違いされても可笑しくないよ。でもまぁ僕も悪い気はしないけどね」

 

「わ、私も悪くは思ってません。」

 

「そう、それなら良かった」

 

幻想郷では男には縁がなかったからか…

少し気恥ずかしい…

 

「あっ、ちょっと待っててすぐ戻るから」

 

「はい。」

 

コンビニかな…さっきの大きなお店に比べて小さい。

 

「おまたせ。さて。帰ろうか」

 

「はい。」

 

家に帰り着いて。

買ったものをしまっていく。

 

「あっ。」

 

「どうしました?」

 

「買うもの間違えただけ。でも代用できるから大丈夫。」

 

「そうですか。」

 

「それに。今日使うものじゃないから。」

 

「なら大丈夫ですね。」

 

「さて、もう昼か。」

 

「ですね」

 

「そうだなぁ。昼飯用意するからちょっとまってね。」

 

「はい。」

 

しばらく待っていた。

部屋を見渡すと、やはり見慣れないものが多い。

ただ、あの映像の映る機械だけはなんとなくわかる。

似たような物が河童の工房にあると思うから

 

「何か、不思議。」

 

「何が不思議?」

 

「あっ、えっと。」

 

いつの間にか戻ってきていた…

机にはパンケーキが…

 

「幻想郷と違うし、飾りや家の造りも違うなって。」

 

「ああ、そういうことか」

 

「はい。そう思うと。幻想郷はあまり発展してないかな」

 

「何にしても。住んでる世界が違うのは確かだからね。不思議に思うのは間違いじゃないよ。」

 

「そうですね。」

 

「ほら、冷めないうちに食べよう、」

 

「はい、いただきます。」

 

ほんのり暖かく。甘い

 

「そういえば、椛さんは天狗なんだよな」

 

「はい。どうかされましたか?」

 

「天狗って、団体で活動することが多いって、書籍で知ってるんだが、実際はどうなんだ?」

 

「間違いでは無いですね。私は主に山に居ます。その山で天狗同士での上下関係や妖怪としての上下関係などがある感じですね。あの山には天狗以外に河童や別の世界から来た神社もありますから。」

 

「へぇ~、人間関係はしっかりしてるんだな。」

 

「人間…ではないですけどね。まぁ社会的な感じです。」

 

「なるほどね。治安は良さそう。」

 

「そうですね。治安は悪くないです、私は哨戒天狗として欠かさず見張りをしてますし。」

 

「見張りをしてるのか」

 

「そうです。実は私はまだ下っ端くらいの天狗なので、あまり大した仕事はさせてもらえないんですよね。まぁ困ってはいないし私の能力も見張りに凄く適してるので悪く思っていません」

 

「なるほどね。そうか妖怪だから自分の力のこともあるのか。」

 

「私が適した能力があるだけでそうじゃない人もいます。下っ端なので上司に用事遣わされたりしますからね。まぁ上司には慣れてるので悪い気はしません、酒酔いするとかなり面倒ですけど…」

 

「まぁ自分が納得してるなら、良いと思う。」

 

「はい。今の所不満はありませんね。」

 

「そうか。しっかりした世界だな。こっちとは違うなぁ」

 

「まぁ。世界が違えば基準も人々の不満も違うでしょうから、仕方のないことだと思います」

 

「だな。食器片付けるよ」

 

「ありがとうございます。」

 

みんな心配してるだろうなぁ

でも帰る方法はないし。

しばらくはここにいるしかないのかな。

 

 

「ふぁ〜…」

 

満腹で眠たい…

うたた寝しそう…

 

「眠たかったら。客間使ってもらっていいから。」

 

「わざわざありがとうございます。」

 

少しだけ。昼寝しますか。

あまり気が引けますが…

 

……

 

窓からの夕陽が眩しくて目が覚める…

 

「ううん…」

 

どこからか甘い匂いがする。

美味しそうな匂い…

 

「んー…」

 

客間を出るとキッチンカウンターの上に大きなケーキが堂々とおいてあった。

 

「おおぉ…これは。」

 

「ん、おはよう。」

 

「おはようございます。すごいですね、本当にかずとさんが作ったんですよね?」

 

「まぁな。でも作ってから考えたんだが、食べ切るのに数日かかるなぁ。」

 

「あ…確かにそうですね…」

 

「まぁ、食べようか」

 

「は、はい。」

 

適当に切り皿に分けていく。

 

「2つもいらないかな…残ったのは知り合いにでもあげるか。」

 

「残しておくと悪くなりますからね…」

 

「まぁね、それじゃ、いただきます」

 

「いただきます。」

 

うん。美味しい、

生地もふわふわしていてクリームもとても美味しい、単純なショートケーキでも今まで食べたもので一番美味しい。

 

「すごいですね。こんな上手に作れる人が居るなんて。」

 

「でもプロのパティシエには及ばないよ」

 

「パティシエというと、お菓子職人ってことですよね」

 

「そう。パティシエはお菓子を作るのが仕事だからね。プロには勝てないよ」

 

「それでも、美味しいです」

 

「まぁ、そう言ってもらえるとありがたいね。」

 

…ん?この感じ…

 

「あれ、もしかして」

 

「どうかした?」

 

「迎えが来たかもしれないです」

 

「よく気づいたわね」

 

歪んだ空間…スキマから出てきたのは…

 

「紫さん、来てくれたんですね」

 

「まぁ、どっかの烏天狗と河童が騒いで煩かったから」

 

「はぁ…なるほど」

 

「と、その前に私もそのケーキ頂けないかしら?丁度小腹が空いてたとこなのよ」

 

「ああ、構わないよ。」

 

「どうも。」

 

「彼女が妖怪の賢者なのか。」

 

「そうですね、私達にとってなくてはならない存在です。」

 

「まぁねぇ。このケーキとても美味しいわね、貴方が作ったのかしら?」

 

「原材料以外は、生地とクリームは手作り」

 

「私が自信持って貴方を言うわ、あなたはきっと立派な菓子職人になれるわ。私が言うんだから、胸張って頑張りなさい」

 

「お褒めに頂き光栄です。と言ったところかな」

 

「あら、堅苦しいのはいいわ、精進するといいわ」

 

「ありがとう。あくまで趣味の範疇だから、菓子職人になるかどうかはわからないよ」

 

「勿体無いわ。まぁ好きになさい」

 

「紫さんに褒められるってことはやっぱりすごいです。」

 

「さて、天狗、早くいつもの服に着替えなさい。戻るわよ」

 

「はい、少々お待ちください」

 

 

「さて、貴方には世話になったわね」

 

「とんでもない、大したことはしてないよ」

 

「でもよく妖怪相手に怯まずに居られるわね」

 

「わざわざ聞く意味はあるのか、気づいてるとは思うけど」

 

「わざわざ言う意味もないわ」

 

「俺が陰陽師の末裔だってね。」

 

「そう、そして雪女の末裔」

 

「それ本当かどうか怪しいんだよな」

 

「あり得なくはない話よ」

 

「どうでもいいさ、人間として生きてるんだ、他と変わりない」

 

「そう。いつでも歓迎するわ。」

 

「まぁ、気が向いたらね」

 

 

「戻りました…っていつまで食べてるんですか…」

 

「だっておいしいんだもん」

 

「ほはは!食べたいだけ食べてくれ、無くなってくれた方が助かるからな」

 

「ごちそうさま。それじゃ、私達はお暇させてもらうわ」

 

「おう、さようならだな」

 

「はい、お世話になりました」

 

……

 

結局、世話になりっきりだった。

何もお返しできずに幻想郷に戻ってきていた

相変わらず、文さんと飲み屋台まで来ている

 

「椛、元気ないですねえ、そんなにクリスマスが惜しかったんですか?」

 

「惜しくないです。ただ少し後悔はしてるし、満足はできなかっただけ。」

 

「椛さん、隣、お邪魔するよ」

 

「あれぇ、椛の知り合いの方ですかぁ」

 

聞き覚えのある声…

誰だっけ…

酔が来てるせいで上手く思い出せない

 

「貴方は…」

 

青白い着物…あれ…見覚えはある?

 

「もう結構酔ってるじゃないか。」

 

思い出せない…えっと

 

「うーん…ごめんなさい、思い出せない」

 

「忘れるなんて悲しいな。」

 

「酔ってて少し考えが…」

 

「かずとですよ。ケーキ作って上げたじゃないですか」

 

あ…あぁっ!?

 

「えっ?!なんで貴方がここに?」

 

「紫さんにこっち来ないかって誘われたんだ。」

 

「はぁ。物好きですね…」

 

「まぁね。」

 

「へぇ~、椛に男がいたんですねぇ」

 

「ち、違いますよ、訳ありで知り合っただけですから。」

 

「ふ〜ん、それにしても仲良さそうですねぇ」

 

「ははは、まぁな。」

 

「まぁ…今後もよろしくお願いします…」

 

「ん?おう、よろしく」

 

「そのよろしくは、どういうよろしく何ですかねぇ」

 

「い、嫌だなぁ、幻想郷の住人としてですよ…」

 

「俺はどんな形でも構わないよ」

 

「らしいですよ椛。」

 

「ちょ。ちょっと!私はそんなつもりは」

 

「椛、素直になって良いと思いますよ?」

 

「勘弁してくださいよ…」

 

……

 

赤面する椛にそれをイジり倒す文

それを横で眺め笑うかずと

 

三人は夜が明けるまで飲んでいた。




クリスマスとか一時間で終わります
仕事上がりにゲームして終わり


ではまた会えたら会いましょう
良いお年を
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