烏森に選ばれた少女   作:琴原

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 原作、第7話「情熱の花」は、真守美のキャラ的に、あまり私用に式神を使うことはないと思い、飛ばさせていただきました。

 でも個人的に個性のある式神(オリジナル)は何時かは出したいです(願望)。


異能者

烏森学園、生徒指導室ーーー

 

 

「ハーイ、では改めてご紹介!!私、不思議英語教師三能たつみとその仲間たち、右からーーー攻撃担当、ロクサーヌ!防御担当、シモーヌ!癒し担当、ジョセフィーヌ!それでは一同ーーー礼!」

 

 三能が合図をすると、三匹の蛇は一斉に礼をする。

 その光景を墨村真守美と雪村時音は何も言えず見ていた。

 

「おっと!もちろん、お楽しみはこれからさ。君達のために仕込んだ特別の芸をお見せしよう!」

 

 「さぁ並んで」と、蛇達と準備を始める。

 

「……三能先生、どうしてその様なことを?」

 

 真守美が三能の奇行の理由について聞くと、嬉しそうに話し始める。

 

「だって僕、うれしくて…君達みたいに変わった力を持った人に会えたの…初めてだから…。それに君達は僕の恩人だしね!」

 

 そう言いながら時音の手を握る。真守美にしないのは以前したら訴えられそうになったからである。

 

「だから愛すべきお仲間に、ここ数日、寝る間も惜しんで鍛え上げた渾身の芸をプレゼントするよ!!ヘイ、ロクサーヌカモォーン!!」

「帰るわよ、真守美」

「ん」

 

 

 

 

「悪い人ではなさそうだけどね…」

「…そうだね」

「でも正直、前の方がかっこよかったかなーー」

「…?」

 

 真守美はいまいちピンとこなかった。

 

「そういえば、真守美って他の異能者の人に会ったことってあるの?」

「…まぁ、兄さんが裏会の夜行で頭領しているから、何人かは。時音さんは?」

「あるよ。裏会の紹介で、流しの術者の人、何人か家でお世話したし」

「…うちはそういうの無いな」

「ああ…あんたのお母さん、すごい術者なのに裏会の要請さんざん蹴ってたからね…。お母さん今、どうしてるの?」

「…さぁ。”あの人”の事は私もよく分からないから」

「そう…」

 

 二人の間に微妙な空気が流れる。

 

「じゃぁあたし、図書室に本返しに行くから、先に帰ってて」

「…待ってる」

「え?」

「待ってるよ」

「で、でも!もう遅い時間だし...」

「なら尚更、時音さん一人で帰すわけにいかないよ。待ってるから一緒に帰ろ」

「う、うん...///」

 

 

 

 

 

夜、烏森学園ーーー

 

 

 斑尾と散策していると、直ぐに異変に気付く。

 

「斑尾」

《あぁ、あっちだよ!》

 

 急いで異変の起きた場所に向かう途中、時音と白尾と合流する。

 

《まだ匂いは残ってるけど、邪気がすぐ消えた。もう外に逃げてるかもねェ》

《侵入はこの辺りからだな》

 

 周辺を警戒していると、

 

パキッ

 

「キャーーーーーーーーー!!」

 

 ズザーーーーーードスゥン!!!!と、何かが落ちてきた。

 

「いたぁ…」

「え?夜未さん!?こんな所で何を…」

「わーーーー!!違う!違うのよ!!実地調査の対象が、実はこの土地で、こそこそかぎ回ってたなんてことは、絶対にないのよ!!」

 

 聞いてもいないことを説明してくれた。

 

「そうよ、極秘任務なのだから…」

「…知り合い?」

「うん…裏会の紹介で今、家でお世話してる人…」

「(裏会の…?)」

「もしかしてさっきの異変って、夜未さんが…?」

「あ、そうそうごめんなさい!それは私の能力が…」

 

 そこまで言うと、彼女はハッとし、口を手で押さえる。

 

「あわわ、嘘よ!そんな術者が能力を自ら明かすなんて失態、あり得ませんわ!!」

 

 「フーーーッ」と、勢いよく息を吐き、落ち着く。

 

「ところでそちらのあなた…もしや墨村さんの…?」

「…えぇ、そうですが」

「わぁっ、やっぱり!どーも私、春日夜未と申しますっ」

「…墨村真守美です」

 

「で、お二人とも。私が此処に居たことは秘密ということで…ね」

「「はぁ…」」

「でもせっかくですから…お茶にしません?」

 

 

 

 春日夜未の用意された敷物に座る真守美と時音。

 

「これがないと生きていけないってものあるでしょ?私はお茶ね。お茶が無いともーダメ。本当は淹れたてが良いのですけど…移動が多いものですから、水筒でガマンですわ」

 

 彼女の話を興味なさげに、膝に置かれた斑尾の頭を撫でる真守美。

 

「あの、失礼ですけど…あなたが墨村の22代目の…?」

「…えぇ」

「へーー…」

「…」

 

「あ、私ね…雪村の時雄さんとは親しくしていただいてましたのよ」

「…そうなんですか」

「えぇ。あ、でも…墨村の方とはあまり…やっぱり、私などとは格が違ってらっしゃるので…。でも、時雄さんには本当によくしていただいて…」

 

 真守美が横で座っている時音を見ると、その横顔は、なんだか寂しそうであった。

 

「…」

 

 

 

 

墨村家ーーー

 

 

 真守美は帰ってくると、電話を掛ける。

 

「…もしもし…うん、久しぶり。ごめんなさい、こんな時間に…うん、少し聞きたいことがあって………そう、よかった。時子さんからもう連絡がいってたんだね。うん…うん…わかった。何とかしてみるよ、おじいちゃんにも報告しておくね。……うん、明日また連絡する……うん、お休み

兄さん」

 

 

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