魔法少女リリカルなのはvivid 〜誓いの剣〜 作:fortissimo 01
ここはとある次元世界の街。そこにある飲食店で若い男性が一人座っていた。男性は腕につけてる時計をちらちらみながら飲食店の入り口に視線を送る。すると入り口のドアが開いた。入ってきた者は黒髪のポニーテールで凛とした雰囲気の美少女だった。少女は店内を見渡す。先ほどの男性の方を向くとその視線を男性の方に固定する。男性は小さく少女に向かって手を振る。少女は足を速め男性の元に向かった。
「すいません、遅くなりました」
「いや、時間通りだよ。さっ、座って座って」
「失礼します」
少女は一礼をすると男性の向かい側の席に腰を下ろした。すると店員の女性が水を持ってきた。
「ご注文はどうしますか?」
「じゃあ僕はコーヒーとショートケーキで。
「私は……コーヒーをお願いします」
「かしこまりました!」
店員は注文を聞くとすぐさま立ち去った。男性は目の前の水を一口飲むと男性は真剣な表情でカグラを見る。
「では何故君を呼んだか話そうか。実は娘の事でね」
「
カグラがそう言うと男性は静かに首を縦にふる。
「君に頼みたいのは一つ、近くであの子を守ってほしい」
「コロナ様の近くで?」
カグラが不思議そうな顔をすると男性はカグラに耳を近づけるように手で呼ぶ。カグラは男性に耳を近づけた。
「近頃、『例の者達』がなにやら動いている」
「! 奴らが……」
カグラはその言葉を聞くと自然と手に力が入る。カグラは静かに自分の席に座る。
「私はまだやるべき事があってあの子の側に行くことは難しい。だから頼めるかな?」
「ーーこの身体は昔から、恩人である貴方達『ティミル家』の為にあります。いかなる災が来ようとも私の剣で斬り伏せてみせましょう」
カグラは右手を胸に添え、男性の前で約束を誓う。男性はその言葉に満足そうな顔で微笑んだ。
「では頼んだよ、
「はい、お任せを」
カグラは男性、コロナの父に笑顔で答えた。
「じゃあコーヒーとショートケーキが来るまで気長に待とうか」
その後、カグラはコロナの父と食事をしてから別れ自宅に向かった。
数日後、深夜にカグラはミッドチルダ行きの船に乗る。席に座ったカグラはふと自分の首にかけてあるペンダントを眺めた。
「思えば久しぶりの再開だな。元気にしてるかな?」
ペンダントを眺めていたカグラは久しぶりに会う少女に期待に胸を膨らませた。この星からミッドチルダまでまだ時間がまだかかるとカグラは睡眠を取ることにした。
「あ、そうだ……」
するとカグラは服のポケットから白銀の剣のペンダント型のデバイスを取り出した。
「『エスト』、向こうについたら起こしてくれないか?」
『わかりました、カグラ。子守唄は必要ですか?』
「私はもう子供じゃないぞ? 大丈夫だよ」
『そうですか。ではおやすみなさい、カグラ』
「ああ、おやすみ。向こうでもよろしくな」
カグラはエストにそう言うと、エストをポケットに戻ししずかに目を閉じた。