知将MUR   作:ピュゼロ

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・はい!榛名は7万で大丈夫です!(艦これAC2019サマー水着中破グラ)


第114514話 ミッドナイト・カップ麺・ウォーズ その①

 ※、

「ア、イ~ヨ~。んふふぅ、見て見て~。Pola、夏のvacanzaに新調したんです~~」

「エ”。それまずくない?」

「う~……?」

「だってほら……時期的に、その……外出とかいろいろまずいし……」

「……Polaのvacanzaは? ……エエ~~!??」

 

 良い子のみんなは、不要不急の外出は避けて、お家にいようね。

 ……生きようね!

 

 それから……ポーラは部屋に閉じこもり、泣いた(あと呑んだ)。

 やがて目覚めた後、失ったvacanzaを思い出して……ちょっと戻した。

 

 ~チカタナイ(ポジが蔓延して仕方ないね♂)という概念、言葉、その言い方はもしかしたら、日本語特有なのかもしれない。

「う、うう、Polaもこのまま、ずっとずっと働いて、カローシしちゃうんだ……」

「笑えるジョークだよね~。イヨも通風通風言われるケド、きっと先に過労死だよ~」

「ア、あの……どっちでも、まず、お酒、やめないと……」

「うるさいおっぱい、もといガンビアだなァ。

 あっそうだ(唐突)、イヨ、過労死のアメリカのやつ知ってるよ」

「イ~ヨ~?」

「栄養管理士」

 

 

 一、

 深夜零時も過ぎようかという頃合いになり、初月は廊下を歩く調子を早めた。

 行先は提督の私室だが、別段、ややこしいことをしようというのではない。提督殿はれっきとしたHMであるのだし(初月は知らないが)。

 努めて無表情を保とうとしながら、胸の中では、こんなことを思っている。

(さ……最近、忙しいようだしな。僕が手伝ってやらないと……)

 口では殊勝なことを言っているが、そんなわけはない。もちろん、恋!その素敵な好奇心が初月を行動させた!わけでもない。

 目当てはカップラーメンである。隣の給水室にはお菓子やお茶や「体力勝負やしな。よかったら、ラーメンでも食べてください」と小腹を満たせるものが用意されているのだ。

 通常、この手の用意されたものは、せっかく準備したのに、謎の遠慮しいが発生してあまり消費されないのがよくあるパターンである。しかしその点初月は、「遠慮せず食べてね」と言われたら、遠慮せず割と素直にいただける子である。偉い。

 

「も……もちろん! あくまで、お仕事の手伝いだから……そう、ちゃんと働いた分の対価なのは、わかってるからな!」

「おっそうだな(便乗)」

「……ほんとにわかってるのか?」

「わかってるゾ。夜中はなんか腹減るからなぁ。……腹減ったなぁ(知将)」

 とまれ、いくらMUR艦隊とはいえ、さすがにイベント期間は色々と忙しない。年に数度のイベントのために鎮守府は回っているのだ。

 あと秋刀魚。

 

「エ……てーとく? さあ……なんかどっか行っちゃった」

 椅子もあるのにわざわざどっかり床に座り込んで、酒を飲みながら、たわ言を話す伊14である。

 そういうと、飲んでない時があるみたいだ。いかな伊14といえど潜水中は素面だと僚艦みんな(半々ぐらいで)考えてはいたが、なにせその時は海の中なのだから、いわゆる箱の中の猫、見えざるピンクのユニコーンだ。そばにいてと酒瓶を抱きしめてももう二度と飲めない味わいは注いだコップの縁で下戸の代わりに伊14は酒を飲み続けている。

「そう……なのか」

 初月は露骨にしょんぼりした。

 声に力はなくなり、肩は落ちて、犬耳もしゅんと垂れた。

「なら……仕方ない。何か手伝えればと思ったんだが」

 口では殊勝だが、初月は露骨にしょんぼりしていた。

 

「困りましたね……」

 こちらも眉をひそめている。途中で合流した扶桑だ。別件で提督に少し話があったらしい。時間も時間なので、頭のいつものやつは外している。たぶん外国製の船に会ったら扶桑だと気づかないだろう。肩に防寒の薄いショールを羽織っているあたりが、だらしなく胡坐をかく伊14との性格やらの違いを示していた。

「夜は冷えますよ、二人とも……。女の子なんですから」

「ううん。へーきへーき」

「ありがとう、扶桑」

 初月と酒は首を振った。

 

「じゃー、待ってればいーじゃん。そのうち戻ってくるでしょ。なんかゾゾゾゾ言ってたし」

 恐るべきことに、伊14は特に何も考えずにこれを言っている。今日はもう休むので、最後に戸締りを頼む、などと伝えていた可能性もゼロではないのに。旗艦筑摩が潜水艦ごときに(もっと言うなら伊14に)お願いをするとは考えにくいが、提督ならやりかねない(※1)。

※1、MUR艦隊ではいわゆる鉛の羽、輝く煙、熱い氷、冷たい炎などよりも珍しいとされる提督love勢によると、これを“無条件の信頼”と呼ぶらしい。誰かに認められ、信頼されるということ。これが艦隊のメンタリティの維持に大きく関わってくるのだとか。不運と事故った提督殿が未だ筑摩を従えている理由として、この方面を唱えるlove勢もいるとかいないとか。

 ――しかしそもそもlove勢の把握が困難であり、あんな提督にlove勢やってるの、なんて噂されると恥ずかしいし……という風潮もはびこっている。つまり、んなわけないじゃんという感じだ。

 

「いや、でも……」

「い~じゃん~~。イヨ一人じゃさびし~よ~。

 あっそうだ。即席めんあんじゃん(空腹潜水艦)、食べる~?」

「……うん(共犯)」

 初月を丸め込むのなんて赤子の手をひねるようなものだ。世が世がなら一歩外に出た瞬間(意味深)なことになりかねないが、戦いの終結が先か、初月が先か、鎮守府が先かという三択の状況下なら、あまり問題はないのかもしれない。

 扶桑ならもっともっと話は簡単だ。扶桑はぐいぐい引っ張られるのが好きなので、好き好きオーラ全開で走ってくる伊14に滅法弱い。伊14も半分ぐらいわかってやっているのが質の悪いところだった。扶桑はたぶん悪い人に捕まっても「この人は悪くありません……!」っていうタイプ。

「やったー扶桑だいすき~!」

「もう、しょうがないわね……ふふ」

 戦艦扶桑のゴキゲン度がぐぐーんと上がった。ちょろい(確信)。




ガンビーちゃんを悪役令嬢のお話にぶちこんであげたい。
きっと喜ぶぞ……!

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