・響(提督の事情を知っている、食堂で隣に座られるとちょっと嫌)
・電(知らない、けど提督と接するのはちょっと苦手)
・雷(うすうす知っている、その上で笑顔で提督とお話する)
・暁(しれーかん! ご機嫌ようなのです!)
・WKB「新年か! この瞬間を待っていた! 提督、今年もよろしく頼む! ああ、大丈夫だ!」
←若葉、宇宙海賊クロスボーン・バンガード説。
響の体躯ではアーケードの筐体は少し大きかった。射撃ボタンを押しながら、ジャンプボタンを同時に抑えて特殊射撃を出すのにはややコツがいった。
筐体は四つ並んで設置されていた。二対二でチームを組んだ対戦が可能で、響と電が、提督と暁がタッグを組んでいた。もう二世代以上前のものだから、この四台でのローカル対戦しかできない。百以上の機体がそれぞれ3000、2500、2000、1000コストと割り振られていて、その中から自機を選び、対戦するロボットゲームだ。
響が3000、電が2000コスト。提督が2500、暁が3000コストだ。いわゆるところのセオリー通りの組み方ではある。総チームコストは6000だから、3000機体は二回撃墜されると即敗北になるのだ。ただし、その分3000コスト帯は群を抜いて強いので、ほぼ必ずチームで選択される。
ただし、提督の機体の神いわゆるゴッドは「格闘機体」なのだ。もともと空手やってたから……らしいが、その時点で既に、響は自分たちの勝利をほぼ確信していた。そもそも提督が皆に混じってプレイしていた事もないし、暁は頭に血が上りやすい。
「……暁は前に出てこないのかい?」
「むむ、む……」
「高コストが先落ちするのがセオリーだよ。後落ちで復帰すると、耐久を十分に生かせない事が多いからね」
「う、うるさいわよ響! ごちゃごちゃ言ってて、そんなの……!」
「暁、落ち着け。戦況はまだどうとでもなる。今は冷静に射撃戦の時間だ」
「うっ……そうよね。わかったわ、司令官」
「……響ちゃん」
「うん。大丈夫だよ電。こっちが有利なのは、最初から決まってるからね……」
このゲームに最も求められるものは、機体性能でもプレイヤーの腕前でもない。ペアを組んだ二人の連携の如何なのである。
これは主に最大ブースト回数に起因するものだ。響の選択したアカい機体、最高コスト3000機体でもトップクラスの性能を持つリボでさえ、7回。一方別の、例えば機動力の最低な機体でさえ5回は確保されている。エースの一機では鈍重な敵二機を振り切れない。つまり、二対一で攻められればどんな機体でもほぼ敗北するというのが大前提で、いかにして敵に分断されないか、要所で敵機に集中をかけられるかがこのゲームの肝といってもよい。
それは要するに、海の上でのいつもの響たちなのだった。
だからこそ響はこの試合、彼に負けるわけにはいかなかった。
まず試合を一瞥すると、両チームの耐久は減っていないため互角に見える。リスクを抑えた射撃戦にお互いが徹しているからだ。高コスト機体は武装が多く、機動力もブースト回数もあり、その上火力まで高い。よってチームとしては前衛を張り、ラインを形成する。前に進んで相手チームに圧力をかけ、後衛が動きやすくするのだ。
ここで両方の前衛、提督が「格闘機」である事、そして響が「万能機」である事が意味を持ってくる。
今回提督が2500の格闘機を選んだ事で、暁はその後衛をするべく3000の後衛機を選択していた。ここで通常のコスト論のセオリーから外れ、低コストでも敵に接近するための足回りのある提督側が前衛を務める事になる。
つまり、前衛同士で500コスト分の性能差が発生しているのだ。その上格闘機はろくな射撃武装も持っていない。そのため、響はこのままだらだらと射撃戦に徹しているだけでローリスクに二対一で戦える事になる。提督の神は地走を繰り返して少しずつ格闘を当てるために距離を詰めてくるが、この時点ですでに相当旗色が悪い。
「……へ? あ、わわ……っ!」
「……Как я могу вам помочь?(さて……どうする? 司令官)」
響は提督が遠くに着地したのを確認してから、自機を暁の方へ寄らせる素振りをみせた。助けに来ないと、後衛の暁を狩り殺しちゃうよ?という揺さぶりである。同コストとはいえ、後衛機である暁の機体は近寄られて互いににらみ合った状況に弱い(自衛力が弱い、と表現される)。かたや響は完全な万能機、例え神にまんまと近づかれても、たやすく追い返せるほどの自衛力を持っている。援護に来た提督に噛みつかれてダウンを取られても、そこまで不利ともいえないぐらいなのだ。
「……今行く。暁は無理に交戦せずに下がれ」
もちろん、提督の方でも嬉々としてこの疑似一対一の状況に乗り、電へ向かう可能性もある。けれど彼は響の読み通り、戦況を丸く整える方を選んだ。ぐるりと旋回して響を追い、暁と合流を果たそうとした。
提督の恐ろしさは、こうして「守勢を維持しているだけなのに」いつの間にか戦況が好転するところにあると響は踏んでいた。それが一体どういう事なのか、その評価が正しいのかどうかさえ、指示に従う側の響にはわからない。問題なのはここまでが彼のペースだという事だ。電がいつになく不安げなのもそのためだ。響は彼に付き合うつもりは毛頭なかった。
「Новое творчество!(新しい創造主さ)」
「ちょっと、この距離で当たるもんですか!」
素早く格闘とジャンプボタンを叩く。特格、ブーキャン、そしてそのまま照射キャノン砲をぶっ放した。
後ろに宙返りをして機体が大きく変形をする。わずかなタメと共に、機体丸ごと覆う巨大なビームが放たれた。打ち切り二発、再リロードに20秒近くもかかる大技だ。だが暁はそれをやすやすと回避する。それは当然、そもそも響は、距離を詰め切る前に機体の射程圏外から撃ったためで(いわゆるブッパだ)、本当の狙いは提督の方だった。
逃げる暁を追う響の照射ビームは、当たり前だが、合流のため提督が走る先の場所を貫いている。
後ろから見ていれば提督はまるでビームに吸い込まれるかのようだった。
「し、しししれーかん!?」
「……なのです!」
ビチチチチと機体がビームを受ける音がしばらく続いた。響はオーバーヒートぎりぎりまで冷静に時間を見計らってから、その場で足を止める照射ビームを変形でキャンセルし、機体を自由落下させた。
「いい反応をしているね、司令官」
「……今のはさすがに肝を冷やしたぞ響。暁、着地をとれ」
よく今のに反応できてとっさにガードが出せたものだと響が内心感心する。とぼけた顔でよく見ている。横合いから電がミサイルとライフルでガードの裏から攻撃するまで、響は照射を止められなかったのだ。二人がかりの射撃で、提督からワンダウン。ただし直前に響の攻撃をガードする事に成功しているため、ダメージに-10%の補正がついてしまった。фу…фу……やれやれ。簡単には崩させてもらえないみたいだね。響はため息をつきたくなった。
今度は自分の番だ。着地を挟んでブーストを回復させず、変形と射撃を繰り返したため、ブーストゲージは真っ赤に焼け付いている。こちらもガードでしのぎたいが、オーバーヒートしていると盾は一瞬しか成立しないのだ。さらに着地に成功してもオバヒのペナルティとして一秒程度機体が硬直する。落下中に響は抜刀モーション、盾、変形、盾、サブ射撃の空撃ちとあがいたが、結局は狙撃によって撃ち抜かれた。暁の機体独特の武装で、あらゆる距離から敵の硬直を狙える優秀な射撃だ。
ダウン状態から機体を起き上がらせながら、響は考える。暁の狙撃は単発120ダメージ。盾補正が入ったとはいえ、火力は電の方が取ってくれたはず。なら、今の交戦は勝ちだったかな。けれど、今度は提督から電の方に接近してきているな。するとこっちが判断する番というわけか。はあ、やれやれ。まだ覚醒も溜まってないのに。自分で決断を下すというのは、どうにも疲れるね。
「行けーしれいかーん! 電もドンドン撃っちゃいなさい! そこそこ、そこよ! ほら来てるわ!!」
雷はあらゆる射撃を「バンバン」、格闘を「ブンブン」と呼称する脅威の実力者である。ゲームは種類を問わずピコピコ。
「電、そろそろ提督の覚醒が溜まるからね、用心して」
「わかってるのです。このまま二人とも沈めてやります!」
「助かったゾ~AKTK。ほらこっから、迫真空手、友情の裏技、HBKたちに見せてやるよ!」
「ちょ! 司令官、まだ気を抜いちゃダメだってば! さっきのキリッとした顔に戻って!」
「お? ……んんんぉぉおおおおおお!!(情けない被弾恥ずかしくないの?)」
「ごめんね、暁……勝負は非情なものだからね(適当)」
「やめなさい響! いやっやめて、こっち来ないで~!」
「電はこの後ろでCS溜めて引っ掛ける瞬間が一番好きなのです!」
・次回秋イベは大規模作戦だった今季夏イベよりは比較的小さな作戦展開規模を予定!
……? ……??
・試合中間違えて「ありがとナス!」通信押しちゃったら、相方くんもホモだった事があります。三時間近く遊んでくれたにいちゃん、楽しかったぜ。フレンド申請すればよかったぜ。
わしは163*90*53(クアンタ)、にいちゃんは165*75*60(3号機)や。