あれ?此処は?辺りがまっしろ…
『まだ…此処に来ちゃだめ。アナタは生きなきゃ。しっかりして、自分を見つけて、全うしてから此処に来て…』
目の前にはとても綺麗な女性が立っていた。身長は僕と一緒…ん?
「アナタは…『私』?でもなんで『僕』が?あれ?私は僕で…僕が私で…アナタは私で…私が僕で…僕がアナタで…」
頭が痛い。体が痛い。熱い、苦しい、次第に強くなって、感覚が麻痺してきて…でも痛くて…
一瞬の浮遊感の後、僕、私は闇に堕ちた。
「…!…!」
誰か呼んでる、行かなきゃ…そう思うと闇に堕ちた体が、さっきの優しい、それでいて残酷な光とは違う、冷たいけど、安心する光へと吸い込まれていく。
「…く!とく…!提督ッッ!」
その顔に見覚えがある。
目を開ければそこは士官学校時代の医務室に似ている場所だった。
恐らく、鎮守府の医務室だろう。
提督「五十鈴…さん?」
五十鈴「ッッ!」(ぎゅー
提督「んなっ!///」
五十鈴「心配したんだから…心配したんだからぁ…(泣)」グスッ
提督「心配をお掛けしました…」
そこで提督はある事に気が付いた。五十鈴を抱きしめてやれない。
正確には、〔片方の手でしか五十鈴を抱きしめてやれない〕。
それを見た五十鈴は、糸が切れた人形みたいに近くの椅子に座りました。
暫くの沈黙の後、ようやく五十鈴が状況を口にしました。
五十鈴「あの爆発で、私なんかを庇うから大きな破片が、提督の左手を…私のせい…未熟で、全部私のせい…あはは…はは…」
僕は見逃さなかった。五十鈴さんの目の辺りに小さな亀裂が入ったのを。艦娘に亀裂が入ったという事は、深海棲艦へ近づいてしまっている証拠だ。このまま放って置くと、取り返しのつかない事になってしまう…
僕「五十鈴さん…」
五十鈴「私なんて…ワタシナンテェェッ!」ガチャッ
突如、五十鈴さんが、自分の頭に銃口を突きつけた。
私「ダメぇっっ!!」
ま に あ わ な い
私の背中に、冷水をぶっかけられたような恐怖がへばり付く。
パァン…
冷たい、絶対零度なんか比じゃないくらいの冷たい音が響いた…
音の正体はドアの方だった。
阿武隈「おねぇちゃん?」 ガクガク
銃を撃った犯人は阿武隈だった。但し、標的は五十鈴でも提督でもなく、銃だった。球は見事、五十鈴の銃を使用不可まで破壊した。
五十鈴「あ…アァ…」
僕「…五十鈴…さん…」
私は、片方しかない腕で、五十鈴さんを抱きしめる。
五十鈴「ヤメテ…離レテ…」
私「嫌です…離れません…」
あれ?私の目から水滴が…
五十鈴「ナイテ…いるの?」
みるみるうちに亀裂が引いていく
僕「良かっ「おねーちゃーんっ!」ゴフッ」
五十鈴&阿武隈「「あっ」」
二回目の気絶をした。
提督さんは秘密がいっぱい。その内ひとつずつ紐を解いて行きます。
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