たった一度の青春を   作:かなりあ

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姉との遭遇

予期せぬ会長との再開から数時間家に帰った俺は机に向かっていた

とにかく何かしていなければ正気を保てなさそうだったから

そして何かするのならばまた何時か再開する彼女たちの役に立てることをしたかったからだ

 

「えっと、確かここは....」

 

「タカ兄ー、何して....勉強!?あのタカ兄が!?」

 

「別に俺だって勉強するよ、んで、お前は何のようだ?」

 

「お母さんがお使いに行ってくれってさー、タカ兄に」

 

満面の笑みで買い物袋を手渡してくるコトミ、おそらくコトミが頼まれたのだろう、目が泳いでいた

 

「はぁ、今回だけだぞ」

 

「やった!あ、じゃなくて頑張ってねー」

 

そう言ってコトミは足早に部屋を出て言った

俺もめんどくさくはあったが今はとにかく気分を変えたかったのでさっさと準備をして出かけることにした

 

 

 

 

 

ゆっくりと夕方の商店街を歩いていく

昼に来た時とは違い沢山の主婦達が出歩いている

中には財布を忘れたのだろうか裸足でかけていく人も居る

 

「サザエさんかよ....」

 

そんな事を考えているとトンっとかるく何がぶつかってきた

 

「おわっ」

 

「え、あ....」

 

前を見るとぶつかったのは背の低い少女であり、その衝撃でコケそうになっていた

 

「あ、危ない!」

 

「っ!?」

 

咄嗟に手を伸ばしバランスの崩れた体を自分に寄せる

しかし力が強すぎたのか次はこちらに倒れてきた

ドサッと言う音が響き周りがこちらを見てくる

 

「す、すみません!大丈夫ですか!?怪我は!?」

 

「あ、え、その、な、ない....です」

 

よかった、と安心するのもつかの間周りが途端にざわつき出した

一体何事かと思い周りを見渡しても見ているのはこちら

そして自分の置かれている状況を確認して理解した

周りの人には少女が俺に跨って居るように見えているのだ

 

「えと、あ、あなたは、その、怪我とか....」

 

「待って!気づいて周りの目線!危ないからこれ!」

 

えっ、と少女は声を出しやっと気づいたようで顔を赤くしてどける

しかし周りのざわつきは消えずにいたので多少強引な手に出た

 

「すみません!ついてきてください!」

 

「えっ、」

 

手に出たと言うより手を引いてその場を離れたのだ

 

 

 

「はぁ、はぁ、とりあえずここまで来たら人は居ないかな、」

 

「えと、ありがとうございます」

 

俺は昔よく遊んでいたあまり人の来ない公園へと少女を引っ張ってきた

あそこにいては誤解を受けてしまうから

 

「えーと....」

 

しかし、目線がキョロキョロしている少女を見てそれが失敗だと分かった、

突然男性に手を引っ張られるのだ、もちろん混乱するだろう

というか手をつなぎっぱなしだった

 

「あ、こ、これはですね、そのあの場をいち早く離れるためでして」

 

「いえ、その大丈夫ですから、それじゃ」

 

手を離そうとした少女の手をグッと強く握った

何故かこの手を離せば後悔するそう思ってしまって

会って数分しかたっていないのに何故か少女の暗い顔が気になって

 

「あの、まだ何か?」

 

「....」

 

咄嗟だったので声が出なかった

何も考えていなかったから

でも何か言わなければ会えなくなってしまう

 

「あの!」

 

「俺の先輩が言ってました!何時までもうじうじしてちゃ行けない!変わらなきゃいけないんだって!」

 

「だからだから」

 

そこで俺が選んだ言葉は

 

「元気ですか!?」

 

だった

何だかとても恥ずかしくなってきて手を話してしまう

こんな事を聞いて相手も驚いているのではないかと顔を見てみる

しかし、その顔は驚いた顔から笑顔に変わって言ったのである

 

「ふ、ふふふ、あなたの方がよっぽど元気ですね」

 

「あ、あははは」

 

「ありがとうございます」

 

苦笑いしている俺に少女は最高の笑顔でお礼を言ってくれた

そして、「何時かまた会いましょう」と言ってその場を去っていく

 

その笑顔はとてもよく姉に似ていた

 

 

そして、その後帰った俺は買い物を忘れていた事を思い出し2度目の全力ダッシュをするハメになった

 

 

 




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