オラリオのスタンド使い   作:猫見あずさ

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文字数ェ……

ご注意ください。

サブタイがすっきりしなかったので、2話連続投稿しています。


見習い冒険者

窓から入る日差しでマオは目を覚ます。しかし、意識ははっきりしているのに体が動かない。

 

不壊金剛(クレイジー・ダイヤモンド)》を出して視覚を同調させる。

 

――見えた景色はロキによってがっちりとホールドされているマオがいた。

 

不壊金剛(クレイジー・ダイヤモンド)》の有効範囲はせいぜい2(メドル)。ドアを開けるには届きそうにない。

 

さて、どうしようかと思案しているとドアがノックされる。

 

「ロキ、マオ。 起きてるいか?」

 

声の主はリヴェリアだ。

 

(「は、早く開けて!そして私を助けて!!」)とロキの拘束(ホールド)で声がでないマオは祈るばかりだ。

 

再度ドアがノックされる。寝ていると判断したのだろう、ようやく起こしに部屋へ入ってきた。

 

「た~す~け~て~!」

 

ベッドの上の惨状と私の声に苦笑いを浮かべるリヴェリア。咳払いを1つしてからロキを起こす。

 

――いや、ロキは起きていた。

 

「すんすん。 はぁはぁ。クンカクンカ。 ぐへへ、やっぱ美幼猫人(幼女)はいい匂いやー」

 

「ロキさま?」

 

「はっ! マオ! おおおお起きとったんかいなー。 いいいい今ちょうど起こそうと思ってたところや」

 

やけに噛み噛みで棒読みな言葉を連ねるロキ。目が泳いでいる。

 

 

――気にしないことにしよう。その方がきっと精神衛生上いいだろうから。

 

 

そうマオは心に決め、ベッドを降りて傍に居る2人に挨拶をする。

 

「おはようございます。 ロキさま、リヴェリアさん」

 

「おはよう、マオ。 ロキも起きているならさっさと返事をしろ」

 

「おう、マオもリヴェリアもおはようさん。 リヴェリアのノックで目が覚めたんや」

 

リヴェリアはロキの()にジト目で返し、マオの方に向き直る。

 

「さ、顔を洗って歯を磨いて来い。 もうすぐ朝食の時間だぞ」

 

マオがロキから借りたパジャマは大きくてどうしても片方の肩が出てしまう。それに尻尾穴もなかったから下は穿いていない。

 

ロキは歯を磨くマオを後ろから「グフフ」と変な笑みをこぼしながら眺めるのだった。

 

リヴェリアがマオに服を差し出す。昨日の服を洗っていてくれたようで、受け取ると良い匂いがした。

 

着替えて3人で食堂に向かう。

 

『朝食と夕食はできるだけ揃って食べる』

 

それがルールらしい。マオはロキたちと昨晩と同じ席に着く。

 

朝食はこれからダンジョンに向かう者はしっかりとしたメニューを、休息に当てているものは比較的あっさりとしたメニューを取っている。

 

マオは生絞りの果実ジュースとパン。それとカットフルーツ。

 

まともな食事をしていなかったから出来るだけ胃の負担にならない物と量にしている。

 

朝食を取りながら、ロキやリヴェリアからファミリアの他のルールを教えられる。

 

朝食が終わるとロキと一緒に生家へと向かう予定になっている。

 

「ホームに持って行く物とそうでないもの。 特に思い出の品はしっかり保管出来るようにな」

 

ホームを出る際に部屋に持ち込める荷物のおおよその量をリヴェリアが教えてくれた。入りきらない分は共用倉庫に置くことも出来るらしい。

 

朝食を取り終えたマオたちは、さっそくマオの生家に向かう。

 

家の前には友達がいた。昨日帰ってこなかったマオを心配して様子を見に来ていた。

 

【ロキ・ファミリア】に入ったこと。居をそちらに移すこと、改めて挨拶に向かうことをマオが伝えると自分たちも将来【ロキ・ファミリア】に入ると言ってくれた。

 

「今生の別れというわけでもあるまい。 しかし、よき友を持ったな」

 

リヴェリアから母性があふれ出ていたせいで、荷物を整理する中で、何度かお母さんと言ってしまいそうになる度、なんとか言い直して誤魔化すマオがいた。

 

雑多なもので溢れ返る中、持ちだせる父と母の思い出の品。着替えを一番大きなかばんに詰めて行く。

 

入りきらなかったものでどうしても、という物は無いと判断し、あとは全部処分しても良いと告げた。

 

「うん、これで全部」

 

「よっしゃ、ほな後はウチに任せとき!」

 

丁度良いタイミングでロキが玄関から現れた。ロキは家の場所を確認してすぐ、売却の手続きを取れるようにと準備をしてくれていた。家財道具付きの住居だ。オラリオならすぐ買い手が見つかるだろう。

 

荷物を【ロキ・ファミリア】のホームである『黄昏の館』に運び込む。お昼も近かったため、そのまま休憩を兼ねて昼食を取る。

 

今度はお世話になった人への挨拶にと、家々を回る。先に友達との挨拶を済ませ、最後にパン屋に向かう。お昼を回って一番客が少ない時間帯に狙いをつけて伺う。

 

不動産業者から連絡を受けていたロキとも合流できた。もう買い手が見つかったようで、「さすが神様!」とマオが褒めると、「それ程でもあるで!!」と決め顔で答えるロキ。やれやれと首を振るリヴェリアであったが、打ち解けているマオに安心するのであった。

 

「マオ! 酷いことされたら戻っておいで」

 

「アホか! うちがそんなことするかっ!!」

 

口喧嘩する中でパン屋の店主はロキのことを見極めていたようで、最後は如何にマオが可愛くて良い子なのかという自慢になっていた。

 

お店の中で大声で話すものだから、パンを買いに来たお客さんがニヤニヤしながら「いつでも帰っておいで」と優しい言葉をかけてくるのだった。

 

パン屋の店主の奥さんから餞別にとリンゴパンをもらい、3人で食べながらギルドへと向かう。サクサクしたパイ生地ではなく、モチモチとしたパンと甘く煮詰めたリンゴがおいしく、閉店までにはいつも売り切れてしまう人気のパンだ。

 

ギルド本部では、冒険者登録をしてしまう予定だとリヴェリアが告げる。

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