奴隷。
アリアの口から発せられたのはこの言葉だった。
「お前……頭の中まで小学生かよ」
そんなアリアにコウはそう言った。
「だ、誰の頭が小学生よ!」
「常識でモノ言え!今のご時世奴隷になれとかふざけんな!小学生でもそんなこといわねぇよ!」
「アンタ本当に失礼な奴よね!人の事小学生呼ばわりして!アンタだって、十分チビじゃない!」
「チビじゃねぇし!これからでっかくなるからいいんだよ!」
背の低い男女が口喧嘩をしている。
内容が内容の所為か、その光景はただの小学生同士の喧嘩でしかなかった。
そんな二人の喧嘩を終わらせたのは、二人の空腹音だった。
二人が沈黙する。
結局、空腹音の所為で喧嘩する気が無くなった二人は、晩飯を食べることになり、近くのコンビニまで来ていた。
コウはカップ麺とおにぎりを数個手に取るとレジで会計を済ませる。
すると、隣のレジではアリアがももまんと言うももの形をしたあんまんを大量に購入していた。
「お前………そんなもんばっか食ってるから小さいんじゃねぇの?」
「あんたこそ、カップ麺なんて栄養の無いモノ食べてるから小さいんじゃない?」
「はぁ?カップ麺舐めるなよ。お湯淹れたら三分で作れる即席料理。時間と勝負の武偵にはぴったりだろ。おまけにうまい」
「カップ麺なんてお湯を一々沸かさないといけない分時間がかかるじゃない。その点ももまんはすぐに食べれるし片手でも食べられる優秀な料理だわ」
互いに睨み合いながら会計をすませる。
なお、コンビニを出るまでの間、二人はずっと口喧嘩をしていた。
二人の年齢を知らないコンビニのバイト店員からしてみれば、中の良い小学生同市にしか見えなかった。
「てか、普通に考えて奴隷になれってなんだよ?お前は、僕に何を望んでるんだ?」
同じ食卓で晩飯を食べていると、コウはカップ麺をすすりながら、おにぎりを食べ、アリアに尋ねる。
「決まってるでしょ。
アリアはももまんを食べながら言う。
「なら、お断りだ。僕は誰とも組まないし、この先組むつもりもない。一時的なパーティーを組んでも、チームに入るつもりはない」
「いいから入りなさい。アンタが入らないとキンジもパーティーに入れれないんだから」
「はぁ?どう言う意味だ?」
アリア曰く、コウの所に来る前にアリアはキンジの所にも訪れていた。
そして、同じように奴隷になれっと言ったが、もちろんキンジは断った。
するとアリアがコウもパーティーに入れるつもりなのを知ったキンジは、コウのある事情を知っていたため、コウがパーティーに入るなら考えてやると条件を付けた。
アリアはそれを受け入れ、こうしてコウの所に来た。
「キンジの奴………人を売りやがったな………!」
キンジに対して怒りが湧いてると、アリアはソファーにどかっと座る。
「ともかく!アンタが首を縦に振るまで、ここに居座るから」
「はぁ!?ふざけんな!今すぐ出ていけ!」
「絶対嫌!長期戦は想定済みよ!」
そう言ってアリアはトランクを指差す。
トランクの中身はお泊りセットだ。
「出てけ!」
するとアリアはコウに向かってそう言う。
「はぁ!?ここは僕の部屋だぞ!出て行くならお前だ!」
「分からず屋にはお仕置きよ!暫く外で頭冷やしてきなさい!」
「どっちが分からず屋だ!出て行かないならこっちにも考えがあるぞ!」
「なによ!」
「力づくだ!」
「上等よ!」
二人は銃を抜き、発砲する。
Sランクの武偵同士による喧嘩は最早喧嘩と言うより、デスマッチだった。
どっちらかが倒れるまで銃を撃ちあい、拳や蹴りの応酬。
そして最後は――――――
「こにょ~わからじゅや~!」
「ふぉっちふぉそ~!」
互いの頬を引っ張り合い、小学生並の喧嘩にまで落ちていた。