仮面ライダーと月城医大   作:とましの

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第十二話 仮面ライダーキバ

降り立った場所を一言で表現するなら『戦場』と言えるだろう。

 

視界の中だけでも数ヵ所で爆発が起こり土煙をあげている。数年海外にいたとは言え真琴は戦場というものをテレビでしか見たことがなかった。

 

離れた場所で一際大きな爆発が起こり煙が空へのぼっていく。音に驚く真琴に秀吉がその肩を叩いて大丈夫だからと告げた。

「近付いたら危険やから、センセはここにおってな」

いつもと変わらない明るい声でそう言い放つと秀吉は戦場に飛び込んでいく。

 

なぜこんな場所でも秀吉は平然としていられるのか。信長はどこへ行ったのか。何もわからない真琴は愕然とその場に立ち尽くしていた。

 

だが戦場をよく見れば見覚えのある仮面ライダーが化け物と戦っていた。

軽快な動きで化け物を倒す仮面ライダーオーズだがたまに戸惑ったような動きを見せる。

けれど先日真琴を助けてくれた仮面ライダーブレイドは戦い慣れているように見えた。落ち着いた動きで化け物を倒すその様子に焦りなどは見られない。

 

他にも見知らぬ仮面ライダーがいるのだが真琴は彼らの名前を知らなかった。ただ彼らはそれぞれの力を使い化け物と戦っている。

 

おそらくあの化け物たちはかつて光秀が言っていた大ショッカーというものなのだろう。

 

呆然と立ち尽くす合間も戦場では爆発が起こり土煙をあげている。どうやらそれは化け物が倒された時に引き起こされるものらしい。

その様子を眺めていた真琴は不意の耳鳴りに顔をしかめた。すぐさま片耳に手を当てて原因を探ろうとする。けれどそんな真琴の眼前に銀のヴェールが迫った。

 

 

 

一瞬にして真琴の視界が闇に包まれ、世界から音がかき消えた。けれど暗闇に目が慣れてくるとそばに海があることがわかる。空にも星がちらついているが、月が細すぎて月明かりも存在しない。

 

もしこれが満月ならもっと周囲を見ることができただろう。そう思いながら真琴は様子をうかがいつつ海岸線を歩き始めた。

爆発音に麻痺していた耳も今は波の音をとらえている。けれどどこまで歩いても仮面ライダーを見つけることはできなかった。

 

そうしてこの世界には誰もいないのかと真琴が思いかけた時にソレは現れる。

前方からやってきたのはチューリップハットの男だった。

 

「おのれディケイド……ここまで仮面ライダーを集めていたとは」

 

コートを着込んだその男は今回もぶつぶつとつぶやきながらやってくる。今まではそのまま通り過ぎるだけだったが今回は違った。

 

不意に目が合うと男はその場で立ち止まり真琴をまっすぐに睨み付ける。

「貴様がディケイドの弱点であることはわかっている」

「……なに?」

唐突な言葉に驚き何の事かと問いかけようとする。けれど問いかけを向ける前に銀のヴェールが現れ、そこから二体の化け物がやってきた。

化け物を前にした真琴は急ぎカードデッキを手にする。

 

「弱点だってわかってんなら……」

変身しようとした真琴の横に聞き慣れた声が忍び込む。反射的に振り向いたその先には見知らぬ仮面ライダーが立っていた。

「守られてるってこともわかってるよナ?」

「幸村?」

抑揚のない口調を前にして真琴は自然と問いかけてしまう。すると仮面ライダーは肩をすくめて真琴に背後を見るよううながしてきた。

それにつられるように振り向いた瞬間、真琴のそばを風のように何かが走り抜ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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