新たな仮面ライダーの登場により真琴はまたしても変身する機会を失った。真琴はそれでも良いが、それでは済まない男がひとりいた。
月城医大地下の研究室へ駆け込んだ慶次は大きな口を開ける。
「秀吉だけズルいじゃないか!みっちゃん!!」
怒声をあげる慶次の側には秀吉と真琴だけでなく、途中で拾われた信長もいる。
信長は不機嫌な顔で秀吉を睨み付けていた。
「変身後の色が赤なんて気に入らないね」
「しゃあないやないですかー。けど俺はいろいろと変えられますからねー」
不機嫌な信長の目の前で秀吉は笑顔で真琴の腕に腕を絡めた。
「徳川センセ、俺のヒーローぶりに惚れてしもうた?」
「……えっと……つまり、秀吉は何なんだ?」
「仮面ライダーウィザードやね」
研究室にいた三成が呆れる中で、秀吉と信長は話を進める。
真琴はそんなふたりから離れて三成のそばに近づいた。
「信長と秀吉は、前から仮面ライダーだったのか?」
「真琴が変身する少し前の事です。医大の敷地入り口に銀色のヴェールが現れ複数の化け物が現れました」
唐突に説明を始めた三成は手元の資料を真琴に見せてくれる。
「ディケイドという仮面ライダーがその集団を駆逐してヴェールの向こうへ追いやってくれました。そしてだからこそ鳴滝という男は仮面ライダーディケイドを憎み探しています。そしてそれと間もなく……」
三成が言葉を途切らせて信長を見た。
すると信長がカブトムシの形をした金属製の物体を見せてくれる。
「このカブトセッターが僕を選んだ、というわけだよ」
そしてそれに引き続き秀吉が指輪を見せてくれる。
「うちの枕元に指輪が置かれとってな。フレイム形態は気に入らんけど、インフィニティは俺ぽいから戦っとるわけ」
かっこええからなー。と笑う秀吉だが、そんなふたりの発言に納得いかないのは慶次だった。
「俺には仮面ライダーになる権利はないの!?」
「今のところ……前木のそばにその兆候はないようですね」
すがり付く慶次だが兆候がないと言われて肩を落とす。
しかしめげることなく兆候が無いのなら探せば良いのかと言い出した。
「信長と秀吉ばっかりズルいもんな!」
そう言い放った慶次は研究室を飛び出していく。
それを見送った信長は肩をすくめる。
「僕とアレのふたりだけではないんどけどね」
信長の言葉に真琴は自分の事かと指を指す。
しかし信長は違うよと言いながら笑顔を見せた。
「もうひとりいるからね」
「もうひとり? 誰だ?」
「仮面ライダーブレイドがいるんだよ。だけど彼は僕たちに戦うところを見せたくないらしくてね。医大では戦わないらしいよ」
信長の説明を聞いた真琴はそういう仮面ライダーもいるのかと首をかしげた。