海軍所属のオリ主の話   作:かろんたバンズ

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4話、西の海の海軍船

「僕を海軍にしてください!」

 

姉ちゃんの貴族の館を出た僕は港に停泊している海軍船の前で叫んだ。いざ海軍になろうと思ってもどうすれば海軍になれるかがよく分からなかったから取り敢えず叫んだ。

 

すると船から海兵の人が降りてきた。顔が見るからに弱そうな人で多分階級も低そうだ。身長は僕の方が全然大きいし。

 

 

「どうしたんだい君、なにか大きな声を出していたようだけど」

 

「海軍に入りたいんです!」

 

どうやら聞こえなかったようなのでもう1度叫んでみた。

すると海兵の彼はこりゃうるさいと言うように耳を抑えた。

 

「そんな目の前で大声出さなくてもいいから」

 

どうやら今度はしっかりと聞こえたようだ。それで僕は海軍になれるのだろうか。

 

「つまり君は入隊希望者ね。僕はこの船で一等兵の地位に就いているものだ。よろしくね。じゃあなにか、身分を証明するようなものがあればいいんだけど」

 

そう言えば姉ちゃんに手紙を渡されている。なにか渡すものが必要になったらこれさえ提出すれば大体はどうにかなるらしい。

 

「えっと、名前はバロジーニ君で年齢は16歳なのかい。随分と大きくて将来有望だね。それで出身は勿論この国アネハラグーロ王国でふむふむ。特に書類に不備はないみたいだし中尉殿に伝えて来てあげるよ。運が良ければこれから面接をして貰えるかもしれないし、そうでなくても明日かその次の日には行えるよ。ちょっとここで待っててね」

 

この人は待っててと言ったけどどうしてそんな面倒なことをしなければならないのだろうか。僕はもう海軍に入る気が満々なのだからわざわざ待たなくても船に乗ってしまっても何も問題はないだろう。

 

僕はこの一等兵の海兵の後を着いて行くことにした。

海軍の船はごく普通のガレオン船で大した特徴はない。以前に一度だけ大きな犬のマークの付いた大きな海軍船を目撃したことがあるが、これはそんなに大きくもない。

乗組員は30人程度だろうか。

そこら辺の弱小海賊団よりかは人数が多いと思うが懸賞金が掛かるクラスの人員と同じかそれ以下の規模かもしれない。

 

ただ、海賊船なんかとは比べ物にならないくらい清潔だと思う。

 

後について乗り込んでざっと船内を見てみて感じたことだ。

賞金稼ぎをしていた経験が生きるね。

 

船に乗り込んで船内の屋根の中に入ると美味しそうな匂いが漂ってきた。食堂から漏れでたのだろう。今晩はカレーだ。美味しそう。

 

もちろん船内の海兵への礼儀は忘れない。訝しげにこちらを見る海兵がいたらしっかりとお辞儀をする。お辞儀は大事なのだ。

 

奥に偉そうな部屋がある。おそらくそこが中尉殿という人の部屋なんだろう。

 

弱そうな海兵さんがノックをする。

 

「失礼します。ヨワスギ一等兵です。中尉に報告があります」

 

弱そうな海兵さんの名前はヨワスギさんと言うようだ。

部屋の中から入ってよしという返事があったので弱そうな海兵さんは扉を開けました。

 

僕も中に付いていきます。

 

中尉殿はどんなに強そうな強面をしているかと思いましたが、普通の顔をしていました。背も僕より小さいですし。

 

それでも正義と描いてあるマントはかっこいい。

 

「入隊希望者が1名現れました。こちらがその資料です。どうされますか」

 

ヨワスギさんが敬礼してキビキビと動いている。弱そうだと思っていたけどかっこいい。

これが軍人の洗練された動作という奴だろうか。

 

「もし、君の後ろに控えているのがその入隊希望者かねヨワスギ一等兵」

 

中尉殿が僕に視線を向けてきたので僕も敬礼してみた。

ヨワスギさんの真似だけども様になっているだろうか。もう既に僕は海軍軍人だ。

 

ヨワスギさんが凄い叫んでいる。

船の前で待っていてと言ったじゃないかと言われても僕は姉ちゃん相手以外に人を待ったことがないことが自慢なのだ。そんなことを言われても困る。

 

「はい! 僕の名前はバロジーニ。ついさっき海軍になることを決意しました」

 

こういうのは大きな声を出して勢いを出すことが大切だ。初対面の印象というのは重要だから。そして何よりも正直にだ。

 

「ええええ、ついさっき決めたの君」

 

ヨワスギさんが驚いている。僕の礼儀正しさにかな。それと上官の前で海軍がそんな態度を取っても大丈夫なのかな。

 

「もし、ヨワスギ一等兵、彼は本当に入隊希望者ということであっているのかね」

 

「それは間違いありません中尉。何故ならその身分証明書類を見てください。その書類にはここアネハラグーロ王国の貴族の紋章が間違いなく刻まれています」

 

「もし、このまま追い返したら面倒なことになる可能性があるということかねそれは。取り敢えず話を聞こうか。丁度書類も片付いたところであるしな。ああヨワスギ一等兵は下がりたまえ」

 

ヨワスギさんは敬礼すると部屋を出ていきました。

 

「もし、バロジーニ君16歳、君はどのような理由で海軍になろうと思ったのだね」

 

「それは賞金稼ぎでいることに限界を感じたからであります。そして海軍に入隊することで自分自身の更なるレベルアップを期待出来ると考えたからです」

 

気分は大カンパニーの入社面接です。1度だけ企業の護衛をやった経験も生きてます。

 

「もし、思ったよりも話が出来る人で安心したよバロジーニ君。

その歳で賞金稼ぎをやっていたのかね。ある程度戦闘経験のある人間が入隊してくれることは我々海軍として喜ばしい限りだよ」

 

中尉殿は証明書類を読むと1つ頷いた。

 

「もし、経歴にも何も問題がないようだし入隊決定でいいね。何よりも貴族の証明烙印があるのでね。支部までこの船で向かうことにして問題ない。そこで正式な手続きを行うまでは仮入隊という形になるがね」

 

ありがとうございますと敬礼を1つ。

 

「それで、いつから勤務をしたい? ちなみに出航は3日後だ」

 

いつからなんてそんなの決まっている。

 

「今すぐであります」

「熱心なことで大変結構なことだ。ヨワスギ一等兵」

「なんでありますか中尉殿」

 

ヨワスギさんが部屋の中に戻ってきた。

 

「バロジーニ君の仮入隊がたった今決まった。案内したまえ」

 

「はっ!」

 

 

無事船に乗り込めて仮とはいえ入隊できてよかったです。




次は見習い海兵です
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