青春も、萌えもんも摩訶不思議すぎて訳が分からない   作:黒虱十航

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辿世1

きゅわん、きゅわん、きゅわん。まるで夢かのような擬音が俺の耳を

掠める。無論夢である事に変わりは、ない。なぜかって?そんなの簡単な話だ。

俺の目の前には俗に言う獣っ子がいるのである。おれの住んでいた世界には

絶対にいない。もしかしたらどこかの異世界にはいるのかもしれないけど俺が

知っている限りだとケットシーであってもここまで獣感が

漂っている事はない。俺、服部氷馬(はっとりひょうま)

異世界をワープしたり何なり色々してきた。だが、俺の知る限り俺のいた世界には

こんな獣っ子いないはずだ。そもそも獣耳。黒っぽい色だが頭は白く

もふもふできそう。どうしてかほっぺの辺りがまん丸にきれいに赤くなっているのだが

照れとかそういうのには見えない。とにかく、だ。これはどういう状況だ。

俺は・・・・寝たはずだ。おう、確か今日、すっげえ頭痛くなって・・あ、

そうそう、死んだはずだ。死んで・・・・?じゃあこれ夢?選挙が終わって

寝て、それでなんか無茶苦茶痛くなった。それで死んだとして今いるのは・・ベッド?

とはいえ、草だな、これ。まあ、やわらかいからいいのだが。その、獣っ子はというと

俺を不思議そうにもしくは心配そうにこちらの様子を伺っている。

これは・・・どういうことなのかな。声を出すか?天国なら色々聞きたいしな。

と、思っていると一瞬にして俺はどこかにワープしたような感覚になり

目の前には、神様っぽい服を着ているやつがいる。元神だしみれば分かる。

これは、運び神という死人を転生させる神だ。お?記憶が戻ってる・・・・。

まあそれはおいておこうか。それで?何か言ってくれるんだろうか。黙って聞いていよう。

その運び神は、口を開く。

「ええ、あなたは確か服部氷馬さんですね?元神属、折角鬼才とまで呼ばれていたのに

残念です。た・だ・ですね。今、面白い世界にあなたを転生させてみたのです。萌えもん、とかいう

世界なのですが・・・。何か、その世界の神が失踪しまして、なので神が存在していないと

まずいのです。なので、神として、というより一人の住人としてでいいので天国ではなく

この世界に転生してもらいます。それでいいですよね?」

運び神の言うことを要約しよう。天国行くな、転生しろ!ちょっとぉ?酷くないですか?

まあ、萌えもんとかよく分からんが神が失踪とかその時点で危なさそうだしいいけどね・・・。

「まあ、それでもいいですけど。それで?その世界はどんな世界なんですか?」

「それはですね・・・・。ふっふっふ・・・・・。その世界には人と萌えもん!その2種族が共存していた!」

何か急に語り始めたぞ。それにしてもこの台詞胡散臭い・・・・。

「人と萌えもんはお互いに尊敬し合い互いに協力していた。その世界では、人は、

萌えもんと共に旅に出ることで成長するとされていた。そこで各地に存在する村長は

村のある程度成長した子供に旅に出させることを義務とされていた!」

「はぁ・・・・。なんかメンドクサイ。まあいいです。説明は不要。要するに

そういう育成ゲームの世界みたいなことでしょ?察するに人は、弱いくせに育成したそれで

戦ってどんなに激しい技しても害を受けないんだろ?分かってるよ。定番だからな」

俺がそういうと運び神さんは、何かすごい残念そうな顔をしたがすぐに取り直して直してくれた。

「まあいいですけど。では、はい、戻ってください」

そういわれてすぐにさっきの獣っ子がいた世界に戻ってきた。ここがその「萌えもん」とかいう

世界なら、この獣っ子がさっき言ってた「萌えもん」ってことだろうか?

「んんっ」

「ひぃぃっ・・・・」

「あ、ごめん」

俺が、話す機会を作ろうと咳払いをしたら何か無茶苦茶驚かれた。この子、女の子なんだろうか?

それとも俗に言う男の娘?どっちにしろ女の子にしか見えないんだがどうやら臆病であるらしい。

それについては異議なし。ただ、さっきの運び神さんが言ってたとおりだとこの世界にも

人間はいるはず。まあ、この子も人間っぽいし俺がこうも恐怖の対象みたいな目で見られても酷い。

「ああ・・・えっと・・・その・・・・なんだ・・・」

「ひっ・・・・・・。はぅぅ・・・うううう・・」

何だろう。泣き声的な音しか聞こえないし喋れない感じなんだろうか。見てくれは人でも

人ではないってことなのか?でも共存って言ってたし喋れないと意味が無いんじゃないか・・・・?

「しゃ、喋れないならそれでもいい。これは・・・・多分お前がやってくれたんだろ?ありがとな」

一応礼を言っておこう。これ、結構寝心地いいし精神的には助かっている。あと、人間的に考えて

初めて来る世界で目覚めた時誰かいてくれたのは結構心強い。とはいえなぁ。この世界に

転生して住人になれって言われても目標が見つからないしな。まあ、ぼちぼちじっくり生きてくか。

「え?・・・・・・あ、い、いえ私もちょっとその・・・驚きすぎてしまったので。すみません」

あり?喋れたの・・・・なんか変に気遣った自分が恥ずかしい。お恥ずかしすぎて泣くレベル。

でもまあ、恥ずかしがりやというか臆病なのは確かだしな・・・・。

「あ・・・もし頼めたら何だけど何があったのか教えてくれない?」

「は、はい。えっと・・・・わ、私が森を散歩してたらその・・・あ、あなたがいて、

すごく寝苦しそうにしてたのでそ、その・・・私が草を集めてベッドを作ったんですけど・・駄目でした?」

戦闘にしろ何にしろ情報収集は鉄則である。何なら情報が全てを司るといってもいい。

ぼっち生活によって観察眼は研ぎ澄まされていたのでそこまでは分かっていたのだが問題は

今ここがどこでこの子が誰かである。その萌えもんとやらについてはよく分からんが例えば

人間でも日本人とかアメリカ人とかあるようになんか種族の違いがあってもいいはずである。

「えーっと・・・近くの村とかって場所分かったりしない?色々情報収集したいんだけど」

「あっ、じゃあ私が案内します・・・。」

何か、その獣っ子が案内してくれることを申し出てくれる。それ自体はありがたい。

だがなぁ、見ず知らずの・・・?見ず知らずの人ではないし萌えもんってのも響き悪いしなぁ・・。

とりあえず見ず知らずの子に、とでも言っておこう。で、見ず知らずの子にあんまり世話になるのもちょっと。

「いいのか?よく分からんが縄張りとかそういうのあるんじゃないのか?」

「あ、それなら、だ、大丈夫です。どうせ私の住処なんて無いので・・・・」

俺が聞いてみるとその子はうつむいていった。よく分からんが俺みたいにぼっちなのか?それとも

非力?まあ後者だろうな。臆病っぽいし戦うこと自体苦手だろう。そしてそれをしないと生きていくのは

難しい。俺的にはこの子の世話になるのもやぶさかではないのだが・・・ただ、なぁ・・・・。

俺がいた告白部ならば絶対にこの子を救済していたはずだ。臆病さをどうにかしたり周りを変えたりするはずだ。

どうするべきなんだろうか。俺は手を貸すべきか?俺が迷っているとその子は首をかしげた。




しばらくはかけますが多分数話で一時中断します。
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