青春も、萌えもんも摩訶不思議すぎて訳が分からない   作:黒虱十航

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辿世5

ギリギリの戦い。どうしたものかと考えていると草むらの奥で萌えもんらしきやつがうなり始めていた。

さてさて・・じゃあどうするかねぇ。とりあえず少しずつ後退してその子の近くに行く。そして力を

借りられないかお願いしてみる。何、別に戦うわけでは・・あるけど命がけとかって訳じゃない。それは

俺の頭脳しだい。ただ、俺の今の力だとどうにかする事は難しい。とりあえず力を借りないといけない。

「え?私が戦うんですか・・・逃げたりとかじゃ、駄目なんでしょうか?」

「ああ、多分駄目だな。なにせ俺やお前の体に甘い匂いが染み付いている。少しすれば消えるだろうけど

消えるまでにはおそらく追いつかれる。だから何かしらして気絶してから距離をおいたほうがいいと思う」

確かに数時間すれば甘い匂いは、消える。それはかなりやばい。だとすればやはり何とかして追って

来られないようにするしかない。といってもどうやったら追ってこれなくなるのかも見当がつかない。

「わ、分かりました。が、頑張ってみますけどで、でもどうやるんですか?あまり戦闘は得意じゃないですよ?」

その子はそういう。俺だってわかっている。この子は明らかに戦闘が苦手だ。上手、下手ではないのだ。精神的に

苦手。生理的に拒否反応を示している。そういうレベルである。まあ、それはいいのだ。問題は無い。

「なあ、萌えもんってどうやったら動けなくなる?むしろどうやったら死んじゃう?死なせるのは気がひけるし

上手く殺さずにどうにかしたいんだけど・・・・。その辺の事分かるか?」

「え、えっとですね・・。萌えもんは多分基本的には死なないでいくら攻撃を受けても気絶状態に

なるだけで何とか耐えるんです。なので気絶させるのはかなり難しくなってるんですけど・・」

攻撃じゃとりあえず死なないわけだな。寿命とかはよく分からんがどんな攻撃も気絶で何とかなる。

とはいえ気絶させるのが難しい。まあ、防衛本能が働くとでも言ったところか。ならこちらにも策がある。

「なるほど・・・さんきゅ。とりあえず策は思いついた。後は相手がどれぐらいの手慣れか、だ。うなり声を

あげてることからしてかなり獰猛だとは思うけど流石に圧倒的に強かったりすると俺でも勝てないぞ」

俺は、そう話しながら更に川に近づく。隣の子も同じく川に近づく。あと少し、あと少しで――――――届くっ。

 

そう思っている矢先の出来事。後少し、あと少しで届いた。なのに草むらにいた奴は飛び出してきた。そいつは狼のように見えたがきっちり女の子。おそらく萌えもんのほとんどがそうなのだろう。それは理解したが今は

そんなこと意味が無い。何せ、ギリギリなんて次元ですらないのだ。狼の女の子は素早く襲ってきて一気に

俺を狙ってきた。隣にいたその子が電撃を撃つものの狼の女の子へのダメージはあまりない。少し動きが鈍るが

すぐに元に戻り襲っていく。どうやら俺をかばって攻撃してくれたようだ。だが、そのせいで攻撃の的が

俺から移ってしまった。だがまあ、俺の考えていた策的にはそのほうがありがたい。だが、流石に危険すぎる。

「急いで川に入れっ。今すぐ。遅ければ遅いほど危険だっ」

俺ガ叫ぶとその子は、戸惑うものの急いで川に飛び込む。ただ、川に入るだけでは、いけない。川には

入れたものの態勢を崩したせいで狼の女の子の突撃をもろに喰らう。かまれないだけよかったがそれでも

その子には十分なダメージだ。とりあえず体勢が整うまでよけないといけない。川の流れが急だから

あまり回避し続けられない。だがまあ、それは相手も同じ。攻撃が安定しないはずだ。

「とりあえず体勢が整うまでは、回避し続けろ。とりあえず逃げるだけでいい。」

「わ、分かりましたっ」

俺の指示にその子は答えて回避の準備をし始めた。狼の女の子はまたしても突撃しきた。だが、これは上手に

回避できた。中々すばしっこい。次に来た攻撃も何とか避ける。もう少し、もう少し狼の女の子に水が掛かって

水浸しになってくれないと困る。一回で済ませておきたい。後は俺が上手くサポートできればいい。タイミングを

しっかりと見極めるしかない。じっくりことこと。いつもなら俺が実際に戦っているが今回は違う。指示する側。

「そいつの周りを動き回れ。出来るだけ水しぶきを飛ばしてくれ」

水を直接かけるのは流石にキツイ。川の流れも強いしそうしようとしたら動きづらくなり攻撃を受けてしまう。

だからばしゃばしゃしながら回避。それだけで十分だ。だが、それが案外きついのかみるみるスピードが落ちて

きた。それは狼の女の子も同じことだ。そういえばあの子は狼とかの大きな括りだと何の動物に入るんだろうか、

などと考えていたがそんな事はとりあえず忘れ去り次の策を考える。狼の女の子もその子もどちらも水だらけ。

これならば何とかなるだろう。問題は思いの外、体力が消耗されていることだ。ここまで消耗していると

もしかしたらこの作戦が成功しなくなるかも知れない。そんな懸念があるもののとりあえず予防線だけはって

策の実行を指示する。まず作戦第1ステップ。ジャンプさせる。

「とにかくその場で高めにジャンプしてくれ!!」

「はぁはぁ・・・。え?ジャンプですか?わか・・分かりましたやってみます」

明らかに消耗具合は、激しい。まあみた感じでも体力が有りそうには見えないし体力があっても川の中で

あれだけのスピードで動いてたら疲れるのも分かる。だから気の毒に思えてきた。終わったら感謝しとくか。

低めではあるもののそこそこの高さにその子はジャンプした。後は時間との戦い。作戦第2ステップ。電撃発射。

「さっきの電撃を出来るだけ威力高くして撃て。水面でも狼の女の子でもどっちでもいい」

「はぃっ・・」

息が切れかけた声で返事をしてくれたこの子は、コントロールする余裕が無かったのか川に向けて思い切り

電撃を放った。さっきより威力が弱い。だがそれでも水に通された電気が狼の女の子の体中についていた水にも

通されて一気にダメージになる。狼の女の子も流石に効いたようでくらくらとしだす。数秒でその子も落下し

川に落ちてしまう。あ、やばい、そこまで考えてなかった。・・?でも雷通ってないのか?まだ電気がびりびり

してるぞ。どういうことだ?効かないんだろうか?

「ふぅふぅふぅふぅ・・・」

どうやら完全に体力が消耗しきっているようなのでとりあえず休んでほしいな。

「大丈夫か?かなり疲れてるだろ?無茶させてごめんな」

ふらふらとしてるその子に近づいて倒れようとするのを押さえる。完全にぼろぼろっぽいしな。歩くのも

辛そうだ。とりあえず陸地まではおぶっていくか・・・。ふらふらしてるこの子をおんぶして川から出す。

「かなり疲れてるだろ?とりあえずもう今日はここで寝ちゃうか?」

「大丈夫で・・・スースースー」

かなり疲れてたのか完全に眠ってしまった。しょうがない。おぶってもう少し距離をおくか。よく考えたら

ここだと起きた時にまた攻撃されるよな。おんぶのままで俺はさっきの草のベッドのところに向かった。

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