青春も、萌えもんも摩訶不思議すぎて訳が分からない 作:黒虱十航
決闘が開始された。とはいっても今は、完全に俺たちが逃げ腰で様子をみている状態である。なので実際は、
まだ戦っているとはいえないのだがよく考えると情報を制するものが勝負を制するというし観察眼の鋭いぼっちは最強だと思うんだけど違いますかね。違うか。
それはさておき、俺の指示によってその子が完全に逃げているのに奴はあせる様子すらない。これは難なんだろうな。スタミナ切れをすることを分かっているのかそれとも目で捉えているのかどちらなんだろうか。もしも奴がこの子の上位互換種族だとすれば明らかに素早い、と考えられえる。
「ほぅ・・なるほどなぁ。あの頃のただ逃げるだけとは違うようだな。だがその程度では意味が無いだろうな。お前の思っている通りだと思うぞ。わっちは、そいつの進化系。」
進化、とかよく分からないのだがどっちにしろあっちの」方が強い。素早いのだろう。だとすれば完全に目で捉えられている。動きが見えているのだろうが動きが見えていたってあっちの方が素早くたってこっちに攻撃するのはこの動きをしていれば難しいはずだ。速さだけじゃない。
「そんなんじゃわっちは倒せんぞ。」
リーダー萌えもんは、俺の指示した円に上手く入って追いかけてきている。その子は、確実にスピードじゃ負けているのかすぐに追いつかれて脚で蹴られてしまう。
「うぅ・・・・痛ぃぃぃ」
涙目になりながらそのこは動きを止める。そのチャンスを逃すまいと後ろについていた尻尾で攻撃してくる。これも強い。俺の指示も追いつけずその子は完全にヒットしてしまう。回避しきれない。やばい・・これはかなりやばい。あの子はもう、ぼろぼろだ。ほんとに、ほんとに急いで急いで策を考えないといけない。とりあえず策を一つ試してみるか?まあ、確実性は無いけど。
「自分とその周りに電撃を撃ち続けろっ。」
「はぃっ・・・」
涙目になりながらも俺の指示に的確に答えてくれる。電撃は今まで以上に威力が弱い。だが、周囲には電気が流れ続ける。リーダー萌えもんも近づきたがらない。やはりか。
「その程度の電気、わっちのダメージではないが・・・わざわざ自分にダメージを与えてでも電気を流しているという事は・・・何か考えが・・・。うむ、人間のわりに中々やる」
ふっ。甘いな。あの子には、電気が効かない。あいつがそれを知らないという事は、おそらくあいつには電気が効く。そしてもう一つ、この策には裏がある。言っていただろ?電気が体に流れるとパワーがわいてくる、的な。
だとすれば、これはあいつが近づいてくるまでパワーをチャージできる。
「限界までやり続けろっ。
「はいっ」
俺の指示に忠実に従ってくれる。これならば、後は何とかなるかもしれない。限界までやり続けてパワーをマックスにする。俺の目論見を奴が気付くまではチャージし続けられる。あいつに効くのだからもし気付いてもパワーアップし続けて更にチャージする為に使っている電気が奴を攻撃する。その電気はおそらくそこそこのダメージになる。おそらく、の話ではあるんだけどな。希望的観測の話だけど。
「電気が心なしか弱くなっている・・・・。ほぅ、いいだろう。電気が効いていない?あそこまでの電気を継続的に受け続けたらあいつの防御では耐え切れないはず。それしかない。なら、徹底的にやるしかないか・・」
流石に気付かれたようだ。こいつも伊達に群れのリーダーをやってない。頭脳レベルで言えば俺とはいえなくても俺を萌えもん化したらああなるんだろうなって感覚だ。どちらにせよやばい。だがかなりチャージできたしこれで何とかなるだろ。息をすって指示を出す。
「最大パワーで電気を撃ち続けろ。近づいてきても対抗できるようにしておけ」
「甘い、近づかないわ。あそこまでの威力ならわっちでもきついからな」
「はっ?」
リーダー萌えもんは、不穏な笑みを浮かべて息を吸う。なんだろうか・・・よく分からないがこれはやばい気がする。威力、というんだろうか。その場の空気が圧縮されていきかなりの威力になる。これ、マジで死ぬレベルかもしれない。逃げるしかない。
「逃げろ。電気は一時中断。とにかく逃げ・・っは」
「甘いっ」
俺が撤退指示をだしてそれに従って電気をやめて走ろうとした瞬間、そいつは瞬間的にあの子に飛びつき尻尾を巧みに使いあの子の動きを制限する。これはやばい・・・。どうする、どうするんだ。あれは、あれは受けてはいけないレベルの火力。おそらく吹き飛ぶ。死なないって言ってたし多分死なないと思うんだけどそれでもやばいのには変わりない。痛い思いとかかわいそうだしなぁ。いや、そんな事はどうでもいい。さっさと考えろ。ここまで観察し続けたことによって得たデータを分析して現在打てる手を導き出せ。おそらくチャージに時間が掛かるのか残り数秒ならば何とかなる。考えろ考えろ。急げ急げ・・・。
「どう・・・しますか?」
「うぐぐ・・・・」
次の指示を仰がれるものの俺にはどうしようもない。負けるのか?負けるのか。結局群れている奴に完敗するのか?そんなの耐えられるか。ありえない。ふざけるな。ぼっちを舐めるな。もっともっと考えろ。動け、動け脳よもっと動きやがれ・・・自分に何度も問いかけるがそれでも次の策は考えられない。だとすれば今取れる手段は後一つしかない。ただ、それについても確証は無い。だが・・・それしか策が無いのも確かだ。
「最大火力で電撃発射。」
「・・は・・ぃ・・」
途切れ途切れでも返事をして体にチャージされていた電気を一気に放射する。それと同時にリーダー萌えもんも半端無い威力の光線を発射してくる。これは、・・・これで威力が勝っていればギリギリ何とかなるっ・・。
「ぐぅっ・・・」
電気と光線がぶつかり輝きを発して爆発を起こす。中々の爆発だが何とかなら無くも無い。後はもう一手。これで倒しきれるとは思っていない・・が。
「・・・ぐ・・・中々だな。わっちの破壊光線に対抗してきたその火力。それだけは認めてやろう。だが、流石に完全に威力を消しきれなかったようだしな。それならばわっちの勝ちだ」
そういってリーダー萌えもんが見ている先をみるとその子は倒れていた。ぼろぼろだ。完全に戦闘不能であろう。これをどうにかして立て直すのは不可能。リーダー萌えもんもふらふらとして明らかに空元気なのだがそれでもこっちの負けには変わりない。
「うぐ・・・・負け、か・・。」
「いや、残念だが引き分けだな・・・」
リーダー萌えもんも、そしてふらりと倒れた。引き分け、か。あそこまで弱いといわれていたあの子にしては頑張っただろう。だがな。それじゃだめだ。この勝負、勝てないと全て挽回しきれない。
「・・・では、引き分けです。そこのあなた。リーダーは私達が引き取ります。引き分けの場合勝ちという風に言われていた為、あなた方の勝ちです。その子を連れて行ってあげてください。」
側近の萌えもんが俺にそういってきて決闘が終了した。