あの裏側ではこんな事が起きてと思っていただければ……
死んだ。
また死んだ。
どれだけ死ねば良いのだろうと、あと何度死ねば良いのだろうと思いたくなるほど俺は殺され続ける。
「――グゥッ……! ァッアアアアアアアァァァッ!!」
楽になろうとする意識を無理やり起こし、再び立ち上がる。もう何度このやり取りをしたのか分からないがそんなものを考えるぐらいならば目の前の事だけを考えろ! 余計な事を考えてたらこの殺し合いは一生終わらない! そんな……そんな簡単な事すら思い続けなければならないほど俺は疲弊していた。
「――クハッ! 良いぞ良いぞ! 良く立ち上がった我が弟子よ! そうでなくては鍛えがいが無いと言うものだ。しかし驚いたぞ? よもやそこまでの
真っ白の空をバックに俺を見下しているのはこの影の国の支配者にして相棒が最も嫌悪する存在――スカアハ。漆黒のドレスを身に纏い、何かの骨で作られたと思われる槍を手にしながら笑っている……が正直な所、マジでヤバい。既に何日経過したか分からないほど時間が流れてるに加えて飯はおろか水すら口にしてないこの状況、そして何よりも――漆黒の鎧を使い切ったのだからさらに拙い。
得意とする影人形による攻撃もあの槍で真っ二つにされ……死にかけのこの状態で無理やり数を増やしても思考が上手くいかずにルーンによる弾幕で吹き飛ばされる。最悪だ……最悪の状況でもなお俺は諦めたくはないらしい。休憩したいならば好きにするが良いなんて言う言葉があったような気がするが多分……休んだら何もかも最初からのやり直しになるだろう。
「……」
スカアハの言葉に言い返そうにも漆黒の鎧を使用した事による疲れ、休み無しでの影人形精製と使役……夜空との殺し合いで慣れているとはいえどうも今までとは違う気がする。相手が夜空では無いからか? それとも殺し合う前から数百以上は殺されているからか? それとも影の国という場所だからかは知らねぇが今の俺は限界も限界、崖から落ちるのを必死に耐えていると思えるほど死にかけてる。
さらに最悪な事に――
――夜空が規格外になった理由は悪魔、それもルシファー! だったらリゼヴィム、ヴァーリ! 同じルシファーなんだから見つけ出して必ず殺す!
――冥界も滅ぼす! 悪魔も皆殺し! 誰であれ生かしてなるものか!
――悪魔が居なければ夜空は普通の女の子でいられたのによくも……よくも!!
頭の中で今とは関係無い事が何度も何度も響いてくる。全てはこの殺し合いを始める前に聞いたルシファーが行った事を聞いてからだ……! 考えないようにすればするほどどうでも良い事が頭の中に響いてきやがる……!!
『……様! 宿主様よぉ! 聞こえてんのか!!』
「あぁ……聞こえてるよ……! あぁクソ……本当に強いなアイツ!」
『当たり前だぜ宿主様! なにせこの
分かってる……あと一歩、いや一手足りてない。
そして最悪な事にそれが何なのか俺は全く分かってないって事だ。
「……悪い、集中しようにも頭の中で色んなもんが響いててな……! 言い訳にしかならねぇのも分かってるがマジで集中できてねぇよ」
『だろうな。大方、あのクソババアが言ったルシファー関連だろう? 俺様は宿主様が思ってることや感じてる事は全て分かるからよぉ! 察しちまうんだなぁこれが! なぁ、宿主様? お前――』
「殺し合ってる中で意識を逸らすな馬鹿弟子め」
「っ、クソがぁぁ!!」
『ShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS!!』
瞬きした瞬間には星空かと見間違うほどの弾幕が降り注いでくる。即座に影を生み出すのと同時に影人形を生成、ラッシュにて防ごうとするも雑念混じりのせいか疲れのせいかは分からないが全くの無駄で俺の体は僅かな肉片程度にしか残らなかった。
『UndeadUndeadUndeadUndeadUndeadUndeadUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!』
残った肉片から影が生まれ、元の姿へと再構築する。リリスとの殺し合い時に出来たこのバグった音声もどうにか使えるようになったのは良いがまだまだ足りない……! 出力が上がってるのは確かだが全然全く足りてない!! 理由は分かってる――俺の実力不足! それだけだ!!
「ま、だぁっ!!」
「再生するのも良いが速度が足りん。あの馬鹿者ならば
体を再生させた頃には既に槍による攻撃を受けていた。鎧を纏っていようが関係無しに刺殺、薙ぎ払い、体術を絡めた槍捌きにて俺の命を奪っていく。死ぬ度に瞼が重くなっていくも強引に開眼させて体を再生、距離を取るもそこには既にスカアハの攻撃が設置されていた。
気づいたころには既に遅く、足元よりルーンの魔法陣が展開したと思えば俺の視界が一気に変わる。
「……まじ、かよ!」
先ほどまで居た平地ではなく今の俺が居るのが地上でも何でもない空中……いや現在進行形で城から見えたであろう底なしの闇、つまりは崖の下へと向かってるのだろう。背中から悪魔の羽と影の翼を展開しようとすると辺りからスカアハの声が響き渡った。
「弟子よ、今一度自らを見直すが良い。この妾が鍛えてやりたい男は今の貴様ではない。しばしの休憩とでも思うが良いぞ。あぁ、それと流石お師匠様と叫ぶようにな?」
文句の言葉を言う間もなく俺は無数のルーンによる弾幕で何度目かになる死を経験する事になった。
体を再生しようとすれば即座に殺され、死にたくないからまた再生する。そしてそれをどこかからか感知しているのかまた俺を殺しの繰り返し……結局完全な状態で再生出来た時には落下し終えた後だった。
「……滅茶苦茶、落ちたなおい……俺じゃ、なかったら死んでる……ぞ」
辺りを見渡そうにも体が思うように動かない。どうやらそれほどまでに俺は弱ってるらしい……唯一分かるのはクソ硬い棘っぽい何かが大量にあるって事だ。触った感じだと岩という感じでもないが首も動かない上、視界が黒一色に染まってるからマジでなんの上に居るのか分からねぇ……!
『……あのクソババア、変な気を使いやがって。そんな事が出来るんなら普段からしろってんだ』
「あい、ぼう……?」
『宿主様、ちょっとした休憩といこうじゃねぇの。幸い、あのクソババアが認めやがったから時間は有るらしいしよ。くそが、マジで死ねあのババア!! まぁ、良い。なぁ宿主様? いい加減認めたらどうだ?』
「……何がだ?」
『ルシファーがした事によってユニアの宿主はあれほど規格外になったのは言うまでもない。そして全ての元凶は悪魔、だったらそいつらを皆殺しにするってのも当然と言えば当然よぉ。だがな宿主様? お前、こうも思ってるだろ? ルシファーが人間に手を加えた事によってユニアの宿主と出会えた、ここまで生きていられたとな』
長年連れ添った相棒から放たれた言葉は俺が頭の中から消そうとしていた事だ。確かにルシファーが生命の実を人間……まぁ、今よりもかなり昔の奴らだがそいつらに使用した事によって今を生きている人間とその血が流れている奴らには「生命の実の力」ってのが流れているんだろう。
夜空があれほどの力を持っていたのもそれが原因でそのせいでアイツは普通からかけ離れる事になった。スカアハと殺し合う前はふざけるな、関わった奴ら全て殺すと思ったが俺が夜空と出会えたのと俺が今まで生きてこれたのは――それがあったからだと気が付くのに時間は掛からなかった。何度頭の中から消そうとしても消えず、余計な事でかき消そうとした結果がこの様だ……夜空の事を考えようとすれば別な事を考えてしまい、雑念しかないから何も起きない……落ち着いて考えてみれば結局はこんな所なんだろうな。
「――あぁ。そうだよ……ムカつくけどそれがあったから今の俺が居る! 今の夜空と出会えた!! あぁクソ……俺達悪魔のせいで夜空の、惚れた女の人生が狂ったとか、どうしろってんだよ……!!」
結局はそれだ。惚れた女が異常になったのは俺達悪魔が原因で、その元凶とも言える悪魔が作った奴の子供……子孫的な感じの俺が悪魔のせいで規格外になった女に惚れる……なんだこれ? マジでなんだこれ? 俺が原因では無いとしても俺達「悪魔」が夜空の人生を狂わせたのに俺は何してんだよ……ホントにさ。
考えれば考えるほど涙が出てくる。普段は絶対に流さないようにしているにも拘らず今この時だけはガキのように泣き続けた……元凶とも言える奴は既にいないしハーデスも殺している! リゼヴィムやヴァーリに言ってもだから? と言われるし何よりも俺の心が晴れない! クソが……クソ、くそぉ……!
『別に良いんじゃねぇか?』
「……は?」
『仮にルシファーが原因だとしてもだ、宿主様は宿主様だ。ゼハハハハハハハハ!! おいおいどうしたんだよ? いつもの様に嗤おうぜ! 大声で! 何もかも楽しくなぁ! なぁ、宿主――いやノワール。テメェの
俺の
「夜空が欲しい」
『おう』
「夜空の笑顔が見たい」
『そうだったな』
「夜空を受け止める……何があろうと……絶対に!」
『あぁ、それもだったな! ゼハハハハハハハハハハッ! しっかり覚えてるじゃねぇの! だったらこれも聞くぜ? ユニアの宿主が、あの女が一度でも今の生き方を悔いた事があったか?』
――私は私、ただの普通の女の子な光龍妃で十分。自分が異常だって事は私が一番知ってるし! んなもんを気にしてる時間があるなら楽しいことした方が一番良い! どーせ数十年したら寿命で死ぬんだしさ、今を楽しんでなんか文句ある? ノワール!
――へぇ、少しはやるじゃん。ふーん、あのさお前の名前なんだっけ?
――あははははははは! お前ほんっと面白いんだけど! うん、これならもっと面白くなりそう!
――うんめぇ!! ねぇねぇノワール! これ滅茶苦茶うめぇんだけど!! ちょ、もっと寄こせ! おかわりぃ!! は? 言っとくけど私ってホームレスだぜ? 食える時に食ってなんか文句あんの?
思い返してみるとアイツ、今の境遇というか生き方と言うかその辺全く気にしてなかったわ。むしろそれすら受け入れた上で楽しく生きてたな……く、ククク、アハハハハハハ!! あーなんだよ! あーだこーだ言って考え過ぎて自分を見失ってたのは俺じゃねぇか! ガキだなぁ俺って……本当にガキだなぁ。
「――ねぇな」
『だろう? だったら良いじゃねぇの! 元凶は元凶で俺様達には一切全くこれっぽっちも関係ねぇ! まぁ~あれだ。リゼちゃん辺りはぶち殺して良しとしようや。ゼハハハハハハ! なぁノワール。今のお前が出来るのは惚れた女を幸せにすることだ。これでもかってぐらい構って構って構いまくって幸せにしてやれ! 勿論抱きまくってガキも沢山産ませるのも忘れんなよぉ!
「……なんだそれ? あ、言っておくがパパもお父さんもお父さま父上とーさまといった類は俺専用だから! いくら相棒でも……うん別に良いや。だって俺達、一心同体だしな」
『そうこなくっちゃ! 何だよ宿主様? 調子戻って来たじゃねぇか! それでこそ
ゼハハハハハハと楽しそうに笑う相棒だったけど今この時は本当にお前が相棒で良かったと思える。俺が感じた事は相棒も感じて、相棒が思った事は俺も思って、二人で一人、一心同体だからこそのノワール・キマリスなんだ! なんかおもいっきり笑ったら腹減ってきたな……マジで腹減った。
体力もある程度回復したので起き上がって辺りを見渡すもやはり黒一色。唯一分かる地面もなんか土でも無ければ石でも岩でもない別の物……うん、食い物もないと言うか全く分かんねぇ。
『あ、ちなみにだが宿主様? 今何の上に居るか理解してるか?』
「いや全然。え? 俺って何かの上に居んの?」
『ゼハハハハハハハハハ! 当然だぜ宿主様! 良いかよく聞けよ? 今宿主様が居るのはな――俺様の肉体の上よぉ!!』
自信満々に言い放ってるところ悪いけどちょっと今考える時間をくれ、いやください。え? この土でも石でも岩でもないこれって相棒の体なの? うっそマジで? え? なんでこんな場所にあるんだよ!? 普通は城の中とか……いやうん、あのスカアハだからこれぐらいしてもおかしくは無いな。マジか、マジかぁ。
『聖書の神によって神滅具に魂を封じられた後で回収してたらしいな! あのクソババア! やってるとは思ったがよりによってこんな地の底とは思わなかったぜぇ! まぁ良い。宿主様、腹減ったなら俺様の肉でも食え! ゼハハハハハ! 味は勿論保証するぜ? 滅茶苦茶美味いと評判だったしなぁ!』
「えー……えー……? てか食われたことあるのかよ」
『スカアハの奴がまだガキだった時な、腹減ったと言って俺様を指を切り落として食いやがったのよ。そんでドハマりしたのか定期的に食われてたなぁ……思い出したらムカついて来たぜぇ! おい宿主様! とりあえず腹いっぱい食ってスッキリしてから再戦と行こうや!』
「お、おう。うん? スッキリ?」
『あったりめぇよぉ!! 考えて見りゃ宿主様、
とりあえず相棒が変なテンションになったっぽいので落ち着く為にも飯でも食おう。相棒が食って良いと言ったから遠慮なく影人形で鱗……で良いんだよな? それを引き千切り、肉の部分を抉る。見た目はどんな物か確かめようにも真っ暗すぎて何も見えないのでもう諦めてそのまま口にした。
結論から言うと滅茶苦茶美味かった。うん、思わず手当たり次第に肉抉って食った程度には美味かったとだけ言っとく。ドラゴンの肉ってこんなに美味いのかよ……! そりゃドハマりするわ。あ、ちなみに魂が入ってない状態でも相棒曰く再生するっぽい。元々が影の国の「影」から生まれたからそこは魂関係無く発動するんだとか何とか……スゲェなおい。
「――よし腹いっぱい食った! あとはオナニーするだけだが……オカズないんだけど?」
『安心しろ宿主様! 此処にはウアタハたんという素敵女神が居るからよぉ……! 男のくせに男を惑わすあの体! 果実を思わせるあの体臭! 程よい筋肉からの柔らかいあの尻穴……!! 俺様が補償するぜ宿主様!! いざウアタハたんの下へ急げって奴だ!』
「なぁ、相棒。ぶっちゃけ相棒がスッキリしたいだけだろ?」
『当然だかなんか文句あるか?』
あるわ! なんで夜空のために別の亜種禁手に変化させようとしてるのに別の奴、しかも男の娘に浮気しないといけないんだよ! んなことしたら夜空ブチギレからの眷属女性陣がヤンデレモード突入するわ!! 犬月死ぬぞ? マジで死ぬぞ? いい加減アイツの胃に穴が開いてもおかしくないほど現状ヤバいんだからな!
ん? 夜空のため……よし! その手があった!! よっしゃ! 待ってろ夜空!
思ったら即行動は邪龍としても悪魔としても当然なわけで即座に影の翼を生やし、オーラを纏いながら上空へと飛んだ。上に行くにつれて撃ち落とそうとする弾幕が放たれてくるが今更そんな物に構ってる暇は無いので今までで見た事が無いほどの再生速度で突破する。弱音吐いたらマジで楽になったわ……サンキュー相棒!
「――クハッ! そうだ! それでこそ我が弟子だぞ! 良い、実に良い! 良かろう、このスカアハ。全身全霊を持って貴様を鍛えようか!」
全力で飛んだお陰で比較的早めに戻ってこれたのは良いが今度は満面の笑みでわけわからんことを言い放ってるスカアハが待ち受けていた。いや待って! 今お前に構ってられないの! お前を相手にする前にまずは夜空だからマジで待ってろ!
「師匠! 師匠様! ちょっとオナニーしたいんでもうちょっと待ってもらって良いですか! あ! それが終わったらきっと亜種禁手が変化しますんで!」
「ほう。確かに溜まったままでは雑念が入るのも確か。良かろう! ここまで生き延びた褒美としてこの妾が手伝ってやろう。なに遠慮するな、むしろ光栄に思えよ我が弟子よ。なにせ妾自ら手伝う事は滅多に無いのだからな! うむ、最後にしたのは何時だったか……セタンタを鍛えていた時か。クハッ! そう嫉妬はするな我が弟子よ? 今の妾はお前しか見ておらぬのだからな! むしろ手伝うではなくそのまま貪っても一向に構わんぞ。聞けばいまだに童貞と言うではないか? このスカアハの弟子がそれでは師匠として恥ずかしいというもの、故にその手の類も鍛えてやろうではないか! まずは無難に妾、慣れてきた辺りでオイフェも混ぜるか。うむ、ウアタハも男ではあるが何事も経験も必要というものか……あの馬鹿弟子の件もある。よし呼ぶとするか!」
「何言ってるか分かんないけど夜空に頼むんでいらないです」
「馬鹿者。そこはお願いしますお師匠様という所であろう? しかし……良いだろう。思う存分発散してくるといい。しかしそれでもなお変化しないならば――分かっているな」
今以上に殺されるんですね分かります。
「ア、ハイ。つーわけで夜空ちゃーん! オイフェと殺し合ってるところ悪いんだけどちょっと手伝ってくれ! いや手伝ってくださいお願いします!!」
「は? なんの?」
「オナニー!」
「死ね」
遠く離れてるので大声で言ったら雷光が飛んできた件について。この野郎……!! 人が聞こえないだろうと思って親切全開で言ったというのに雷光飛ばすんじゃねぇよ!! ぶっちゃけそれって俺の天敵みたいなもんだからな! どんだけ硬かろうが普通に突破されるって悪夢でしかねぇよ!!
即座に再生しながらスカアハから離れて夜空の下へと向かう。こっちはこっちでかなり激戦だったのか辺り一面焦土になってるが気にしないでおく。
「はい再生再生っと。あのな夜空? 俺がいつもやってるオナニーをしたいがためにお前に頼んでるわけじゃねぇんだよ。ぶっちゃけ俺の亜種禁手変化にはお前の力が……いやそのお手手! そしてなによりもその腋が必要なんだ!」
「いや知らねぇし。つーかそんなもんのためにこの女神級に可愛い夜空ちゃんの手とかを汚すわけねーじゃん。寝言は寝て言えって言葉知ってる?」
「知ってるが今は置いておいてだ……お前リリスちゃんと殺し合った時の事を覚えてるか? あの時はお前の素敵すぎる腋を舐めたら滅茶苦茶パワーアップしただろ? だったら今度はお前にオナニー手伝ってくれたらきっとあれ以上の事が起きると思うんだよ! いやむしろ起きると言っても良い!」
「コイツ死に過ぎて頭おかしくなってんだけど? 一回目覚まし代わりに死んどく?」
「安心しろよ夜空! さっきまで弱音吐きまくりのクソ雑魚ノワール君だったけど今は平常運転ノワール君だぜ! そもそもお前以外に頼むわけねーだろアホか」
「覚妖怪」
「あれはノーカンで。良いのか? 此処で断ったらアイツ、満面の笑みでこっち来るぜ?」
ちらりと視線を感じる方を向くとどこで見つけたか分からないが「呼べば何時でも使えるノワールのオナホです」と書かれたプラカード持ってこっち見てる平家が居た。アイツ何してんだ? あとそれどこで見つけたのか後で教えなさい。あーそれとなんか知らないけどヤンデレモードになってる四季音達をどうにかしてくれ! うん! 犬月と曹操が見当たらないけどそこにある二つの段ボールが全てを物語ってるから早急に頼むわ!
「な?」
「……やっぱアイツ殺しとくか。つーかぁ! この夜空ちゃん抜きでスカアハと殺し合うとかズルいぞぉ! 混ぜろよぉ~こっちはこっちで楽しいけどやっぱ気分的にはそっちじゃん? そもそもそんな馬鹿なことしてマジで勝てるん?」
「勝つな。そもそもお前絡みで俺が強くならなかったことがあるか?」
「……うーんチョイタイム」
なにやらこそこそとユニアと会話し始めたがこれはイケるのではないだろうか! なんだかんだで夜空ってクッソチョロイ気がするし押せば何とかなるかもしれん! あれ? マジでイケるだろこれ! 夢にまで見たというか我慢できずに自分だけのエロゲ作れると評判のエロゲでシーン作成したぐらい妄想しまくった光景がもうすぐそことか……魂が熱くなるな。
「ねぇノワール」
「ん?」
「マジで強くなるん?」
「おう」
「――だったら手でシテやってもいいけど?」
無言のガッツポーズからの無意識レベルでシャドーラビリンス発動していた俺は流石だと思いたい。どこからか死ねば良いのにという言葉が聞こえた気がするがきっとなんちゃって覚妖怪辺りだろうと勝手に判断する。
「夜空」
「ん~なにさ?」
「マジで言いの?」
「……まぁ、良いけど。ぶっちゃけあの覚妖怪に先越されたまんまってのもムカつくし」
鎧状態を解除した夜空が凄く照れてるようにも見えなくもない。クッソ可愛い。女神かよ、女神だったわ。
「夜空。今から言う事を実行してくれ……まずは服を脱ぎます。あ、半脱ぎで! 全部脱ぐより半脱ぎの方がエロいから! そんで手でシテる時はこう、キモみたいな感じの目線で頼む。ついでにボロクソ言っても構わん! むしろお願いします! あと腋にも擦り付けたりなんだりするが気にするな。むしろそこが本命だから――」
「キモ」
◇ノワール・キマリス
片霧夜空の手と腋によって「影龍王の再生鎧」から「???」へと変化した。
なにやら今まで生きてきて一番嬉しかったらしく新生亜種禁手に至った後、スカアハの片腕を引き千切った上、片膝をつかせることに成功した模様。
これには影の龍クロムもニッコリである。
◇片霧夜空
いきなり惚れてる相手がとち狂った事を言ってきたがここで「手伝えば」他の女達に一生勝ち続けるぞと半身とも言える陽光の龍ユニアに唆されたのでまぁ別に自分の男に手を出すのは普通っしょ普通、つーかあの覚妖怪何勝手に手を出してんだよマジで覚えとけなどの乙女心的な何かを全開にした結果、ノワールの亜種禁手が本当に変化したので爆笑した。
◇眷属陣
ノワールと夜空がシャドーラビリンス内で何をしていたかはグラムと四季音妹以外の眷属女性陣は気づいているため平家以外はしばらくヤンデレモードに入っていたとか何とか。
犬月? 曹操とメル友になった以外はいつも通り。