ハイスクールD×D~地双龍と混血悪魔~   作:木の人

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割と真剣に考えると……ハーレム築いている人物と一緒に住むって地獄だと思う。


影龍王の番外編5
129話~パシリの地獄な一日~


 地獄。

 

 其処は俺が仮に……何かの間違いで、いや普通に強い相手と殺し合った末に敗北、そのまま死んだ時に行く場所だと思う。親父とおふくろを悪魔祓いとアリス・ラーナに殺されて……生きるために、復讐するために逃げ続けていた時期には多くの悪魔や追ってきた人間の命を奪った。王様の兵士(パシリ)になってからも魔法使いや色んな相手と戦っては殺してきた。だから誰にも迷惑を掛ける事も無く平凡に生きていた両親が居る場所には行けない事は分かっている……多くの敵を殺しすぎたこともあるがただの「シュン」ではなく王様の兵士(パシリ)、「犬月瞬」として生まれ変わったケジメだと個人的に思っている。

 

 そんな俺でも、今この時だけ……一つだけ言いたい事は有る――

 

 

「「「「……」」」」

 

 

 流石に生きている内に地獄を見る事になるっておかしくないっすか?

 

 

「あ、アーご、ゴハンオイシイナーコレハオカワリデキソウッスネー」

 

 

 恐らく、いや確実に今の自分の目は死んだ魚のようなものに変化しているだろう。クリスマス当日、キマリス領にある地双龍の遊び場と呼ばれた俺達キマリス眷属も利用する修練場のような何か……其処で王様と光龍妃の正真正銘ガチバトル、通称クリスマスだよ! イチャイチャするぞ決戦! が行われた。いや長いわ。鬼と妖怪達が面白半分でそんな題名を付けてたらしいが長いって! せめて九重姫が付けた双龍決戦がまだマシな部類だろう……! いやそうじゃない……! そこは別に今の状況には全く影響してないからな! 問題は……それが()()()()後だ。

 

 現地で命懸けで観戦していた俺は目の前で行われていた暴力と暴力のぶつかり合い! 手に汗握るような加減無しでお互いの全力の全力を出し尽くすような殺し合い。凄く……感動する一戦だったのは言うまでもない。俺もいつかこんな風に殺し合える相手が欲しいと思えるようなそんな戦いも勝者と敗者、決定的な事実が発生した事により終わりを告げ……見るも無残になったキマリス領をウアタハっちがルーンで修復、その際に王様の実家に倒れた二人を寝かせたまでは良かった! そこまでは……ギリ、ギリギリのギリセーフだと思いたいがまだ良かったんだ!!

 

 

【ノワールと光龍妃が初エッチしてるなう】

 

 

 全ての元凶はこの一文。

 

 心を読むことができる覚妖怪だから寝ている二人に対して何かしようとする馬鹿が居ても即効で対処できるからと護衛……と言うべきかどうかは分からないがあの引きこもりがしほりんや水無せんせー、酒飲み、姫様相手に口撃で勝利し、王様の実家に残った事が全ての始まり。それからどれぐらい経ったかなんて今となっては分からないが定期連絡が届いたと思ったらまさかのこれである。

 

 

『ノワールと光龍妃が寝てるから誰かが護衛しないとダメだと思う。まぁ、その役目は私が適任だけどね』

 

『にしし……さおりん? いくらさおりんでもそんな美味しい……大事な事を独り占めはさせないよ。ここは一番強いこの鬼さんに任せても良いと思うけどね……?』

 

『花恋、早織……それに志保ちゃんとレイチェルもですけどキマリス領復興作業には皆の力が必要です。その点で言えば私は……えぇ、怪我をしている人はウアタハさんが治していますし手が空いています。そ、それに保険医ですから私以上に適任はいないと思いますよ?』

 

『い、異議有りです! 確かに復興作業も大切ですけど私は悪魔さんのアイドルです! ファンサービスは必要ですし水無瀬先生だってご飯作ったり忙しいと思います……早織さん達は妖怪の皆さんの指揮とかに集中した方が良いです♪ そっちの方が適任ですから! だから比較的手が空いている私に悪魔さんの傍に居る役目を譲ってくれても良いと思います!』

 

『コホン。皆さま、お忘れでは無いと思いますが……私はキマリス様の契約者ですわ! 契約者たる者! キマリス様のお傍に居るのが当然の事! フェニックス家に関してはお兄様達が何とかしますし私は私の役目を果たす事が第一優先……どうぞ皆さまは各々の仕事をしてもらっても構いませんわ』

 

 

 今思い返してみても凄く……修羅場でした。この四人の背後に守護霊的なものが現れてたしな!? なおグラムと茨木童子に関しては何してんだとか言いたそうな表情だった……王様、マスコット枠って良いですね。俺は大事だと思います。これからも……特に茨木童子には癒されて行こうと心に誓いますよ。

 

 ちなみにだがこの修羅場の勝者は当然引きこもりだ。アイツ、顔色変えずに「心が読める私以上に役に立てる所があるなら言ってみると良いよ。参考までに聞いてあげる」とか言って三人の発言を封じての大勝利。うん……今まで一緒に戦ってきてこの手の事でアイツ以上に働けるとか思えません。割と俺もアイツの指示で助かってるし……まぁ、あの状況で何事も無く言う辺り、頭おかしいけども。

 

 

「「「……」」」」

 

 

 そんなわけで空気が重いです。誰でも良いので助けてください。

 

 王様達の護衛……? かどうかは知らんけどそれになった引きこもりから送られてきたこの一文のせいで現在進行形で空気がヤバいです。絶対零度と錯覚するほど冷え切ってるし酒飲み、しほりん、水無せんせー、姫様の表情がなんかヤバくなってる……何も変化無しなのは安定のグラムと茨木童子だ。もう何なんだこの二人……! 頼むからお前達だけは変わらないでくれ!! 頼むから!!!

 

 まぁ、ね! 王様と光龍妃が初エッチなうとかいうふざけた文章が送られてきたもんだから酒飲み達が無言で引きこもりに連絡する……が! あの野郎、通信関係は一切無視したせいでさらに空気が悪くなったのは言うまでもない。やっぱりアイツって頭おかしいんだな。うん。タスケテ!

 

 

「ヤッパリミナセンセーノゴハンはオイシイナー! ア、キョウノニュースはナンダローナー!」

 

 

 滅茶苦茶地獄です。滅茶苦茶空気重いっす。滅茶苦茶逃げ出したいっす。タスケテ。

 

 いつもだったら和気藹々な食事風景も頭おかしい引きこもりのせいで地獄絵図と化しております。そもそもあの引きこもり……! 此処に居る女性陣を煽るような連絡を一定間隔でしてくるからドンドン空気が悪くなる! ホントあの引きこもりは性格悪いなマジで! 冥界にある王様の実家へ突撃しようとすると先読みで自分の役目すら放棄する奴を王様が好きになると思う的な言葉で完全に封殺……やっぱりアイツ相手に口で勝てる気がしない。

 

 一応その時の状況を一言で言うならば血涙でした。ホラーゲームよりもホラーだったね!

 

 

【無事一回戦目終了】

【そして二回戦目突入なう】

【ノワールが光龍妃をメス堕ちさせる気満々で草】

【ノワールは私が育てた】

【食料を部屋に放り込んどいた】

【気づかれずに部屋掃除した】

【搾りたておいしい(風船的なナニカが映った写真付き)】

【おたからたくさん】

【ぜつりんすぎてくさ】

【えいようほきゅうなう】

 

 

 王様達の殺し合いから一日経過したけどその間に引きこもりから送られてきた文章を抜粋したが……見て改めて思う。うん、ひっでぇ。マジで酷いなこれ。なんでこんな文章と共に何か……えぇ、何か良く分からないと言ったら分からないような写真を送ってくるんですかねぇ? それを見せられている俺はどう反応しろと? マジで頭おかしい。というかさ……時間経過と共になんで送られてくる文章がひらがなになってるですかねぇ? 理解したくは無いですけど! だって理解したら……その、あれだしな! 青少年的には理解しない方が良いだろう! 特に栄養補給とかな! 栄養補給って……!

 

 その文章見た時に酒飲み達の顔は思い出したくもない。

 

 

「……悪魔さんが帰ってこなくて、一日……経ちましたね」

 

 

 声ひっく!? あ、あのしほりん……? いつもの明るいお声はどうしたのでしょうか? 今までで聞いた事無いような低いお声でしたよ!? こ、心なしか目が死んでる……気がするっすね。こ、怖いっすマジで怖い。タスケテ!

 

 

「はい……一日、経ちましたね……ノワール君の分も、作ったんですけど……どうしましょうか」

 

 

 声ひっく!? あ、あの水無せんせー……? い、いつものお姉さんボイスはどうしたのでしょうか? 今まで聞いた事のないような低いお声でしたけども!? こ、心なしか目が死んでる……! そして感情が宿ってないっすぅ!? 怖い……タスケテ! ダレカタスケテェ!!

 

 

「……」

 

 

 頼む酒飲み。何か喋ってくれ。頼むから一言だけでも良いから何か単語を頼む切実に。め、目が完全に捕食者と化してるっすよ……! 王様が戻ってきたら即効で襲う気満々じゃねぇか!? 出来るか知らんけど。そもそもね……今までの酒飲みだと襲う手前で日和ると思うから現時点では怖いとは思うがまだ! まだしほりんと水無せんせーよりはまだマシな気がする。根っこの部分が乙女すぎ――ピィ、タスケテ、タスケテ。

 

 

「……きっと、そろそろキマリス様は戻ってきますわ。捨てずに……冷蔵庫に入れておくべきです……お疲れでしょうから沢山……用意しても良いと思いますわね」

 

 

 声ひっく!? あ、あの姫様……いつものお嬢様声はどうしたんすか? 今までで聞いた事のないような低いお声でしたしお顔がやつれていますわよ? 不眠はお肌の天敵なんでや、休んでも良いと思います!! 他三人に比べてなんかこう……怖いの部類が違う気がする!! タスケテ……タスケテ……!!

 

 

「……瞬君は、どう思いますか?」

 

 

 お願いします水無せんせー、そのような恐ろしい瞳で俺を見ないでください。

 

 

「き、キットモウスグカエッテキマスヨ。ダカラオレモトッテオクニイッピョウッス」

 

 

 声が震え、箸を持っている手すら自分の体では無いかのような反応をしている。ぶっちゃけ携帯のマナーモードの物真似選手権なら俺、優勝できそう。落ち着け……落ち着くんすよ犬月瞬! 俺はパシリ、つまり犬! 飼い犬は飼い主に尻尾振っておけばとりあえず俺の命は助かる! 飼い主の為ならば日の中水の中修羅場の中! 王様が爆弾管理しないなら俺がどうにかこうにか頑張って導火線を延長していれば少なくとも俺は助かる! は? そのままだと王様の身が危なくなる? ハハハ。知らんな。

 

 ごめんなさい王様。俺は犬……目の前に居る飼い主に絶対服従なワンちゃんなのです。爆弾関係はなんとか破裂させずに留めておくので帰ってきたら処理をお願いします。オレ、シニタクナイ。

 

 

【帰るまでまだかかりそうなう】

 

 

 なんとか現状維持に努めようとした矢先にこれである。控えめに言ってあの引きこもり、一回マジで痛い目合えば良いと思う。

 

 

【処女喪失の痛みならもうじき味わえるからその願いは叶うね】

 

 

 冥界と人間界という圧倒的に離れている場所から俺の心の声に返答しないで貰えませんかね? あとそれ、此処に居る皆さんに喧嘩売ってますよね?

 

 

【なう】

 

 

 死ねば良いのに。マジで死ねば良いのに。

 

 

「……まだ、帰ってこないようですね」

 

「はい……悪魔さん、まだ帰ってこないみたいです」

 

「……」

 

「お昼ご飯……も作っておきましょう。水無瀬先生……一緒に、作りませんか……?」

 

「えぇ……沢山、作りましょう……うふ、うふふふ……」

 

 

 もはや制御が効かない体を無理に従えた俺は目の前に出された食事を一気に胃の中へとぶち込みごちそうさまをする。そのまま逃げるようにリビングの隅へと移動して慣れ親しんだ段ボールに閉じこもる。あれ駄目だ。もう駄目っすわ。あの四人から瘴気が漏れ始めてるっす……妖怪ですら逃げ出すぐらいのドスぐらい奴! 引きこもり……マジ許せねぇ!!

 

 

「――パシリパシリ」

 

 

 俺のマイホームを叩いてくるのは茨木童子。この空間内に置いてもっとも純粋で最も安全に接する事が出来る人物……これがマスコット力! や、やるじゃねぇか……! 地獄のような場所に居る俺の心が癒されたっすよ!

 

 

「……な、なんだよ茨木童子?」

 

「伊吹怒ってる。凄く怒ってる。主様が帰ってこないからだと思う。どうすれば主様帰ってくる?」

 

「……えーとっすね、王様と光龍妃が満足したら……かなぁ? だからもう少――待てよ……! 茨木童子! お前に頼みがある! ちょっと俺の話を聞いてくれ!」

 

「パシリにはお世話になってる。一回ぐらいなら頼み事聞く」

 

「一回っすか……え、割と俺ってお前の世話してる気がするんだけどこれが王様と俺の差というわけね。いや良い! それが俺! あのな茨木童子……見て分かる通り、酒飲みは非常にお怒りだ。そこでお前の出番っす! とりあえず思いつく事なんでも良いからあいつを落ち着かせてほしい! 大丈夫だ! お前ならできる!!」

 

「思いつく事ならなんでも言えば良い?」

 

「おう! ただし王様関連はダメだ……マジで駄目だ!! 頼むからその話題だけはしないでくれ頼むから!」

 

「分かった。主様の事は話さない。別な事で伊吹に話しかける」

 

「頼んだぞ! あと出来ればグラムにこっちに来るように伝えてくれ!」

 

 

 茨木童子に頼むと分かったと言ってグラムの下へと行き、話しかけ始める。そしてご飯を食べ終えたであろうグラムが俺の下へと歩いてくる。

 

 

『我ラをよンだか? パシリよ』

 

 

 相変わらず男なのか女なのか分からない声だな。その姿になって結構時間たったと思うんだがまだ安定しないのか……いや良いけど。俺的にはどうでも良いけども。何か王様と引きこもりがメス堕ち計画云々とか言ってた気がするけど俺は何も聞いてない。早く忘れることにしよう。

 

 

「おう。呼んだぜグラムさんよ……ちなみに、一応聞いておくっすけど今の空気的なものは理解してますかね?」

 

『エロゲなルものト同じじょウきョうだろう? 別ニ気にすルような事デモあるまイ』

 

「いや気にしますからね? お前……は一応性別的な事になると女の子っしょ? 俺は男。ハーレム的状況を築いている主と一緒に過ごしているって普通に……いや割とマジで意味分かんないけど! 此処で俺が家出でもしようものなら……! 分かるだろお前にも!!」

 

『知らヌ』

 

「分かれよぉ!!」

 

 

 自分で言っておいてなんだが俺と王様以外が女性、しかもその殆どが王様Loveという状況下にある家に住んでるって世間一般的にはお邪魔虫というのではないだろうか? いや待ってほしい……俺もね! 割と早い段階で一人暮らしを考えたんだよ! でもなんだかんだでそのタイミングがズレにズレて……気が付けばあら不思議! 周りの女性陣病んでたの! これを見てさ……一人暮らししますと言ってこの家から出ていけばどうなるか――誰だって分かる。

 

 ――多分、キマリス眷属が酷い事になる。

 

 

「お前はさ……他と違って王様Loveじゃないだろ? 今のところは! 今のところは!! 此処で俺がこの家から居なくなったら多分ひっどい事になるんだよ! 俺が居るから皆さんまだ自重的な事をしてくれてたはずなんすよ! あと王様がお童貞であったから成り立ってた気がするの! でもお童貞をお卒業されちゃったらもう酷くなるじゃん! 絶対に酷くなるでしょ!?」

 

『ふム。確かニな』

 

「だろう? 俺の本能的なものが言ってるんだよ――俺自身が最後の生命線だって! だって……だって……!」

 

 

 チラリとどす黒い瘴気を纏っている方々を見る。うん駄目だわ。王様がお童貞をお卒業された今、きっとあの人達肉食獣すら生温い存在になるわ。その筆頭が引きこもりなわけだが……此処で俺が居なくなったらこの家の至る所が大変な事になると思うし! キマリス眷属全体がもうやっべぇ感じになると思う! だからお邪魔虫と思われようと俺は逃げない! だってパシリだし! 最強のパシリになるためならばこの程度……逃げてぇなぁ。逃げたいなぁ!

 

 なんでいっちぃ達の所、あんなに仲良いんだろうなぁ? 普通だったらドロドロしててもおかしくないんだけどなー!

 

 

「良いかグラム……! お前に頼みたい事があるっす! 何でも良いからちょっとあの面々の瘴気を晴らしてくんない? 王様関連の話題無しで! 何とかしてくれたら後で王様にお前が頑張ってた的な事を言ってバンバン使ってもらう様に頼んでみるから!」

 

『ヌ! そレは本当ダろウな?』

 

「パシリ、嘘つかない」

 

『ヨかろウ! 我ラにまカせるガ良い』

 

 

 くっそちょろいぜ!

 

 グラムに何ができるか俺は分からないけど多分、何かしらしてくれるはず。そう願って俺は再び段ボールの中へと引きこもった。

 

 この狭い空間が俺の心を癒してくれる……外の世界怖い。女の人怖い。スゲェ怖い……でも彼女欲しい! 普通に欲しい!! 俺だって王様のようにお童貞お卒業したいんすよぉ! きっと王様は他の方々ともエッチするんでしょうけども……羨ましいなぁ。どうやったら彼女って出来るんだろうか? やっぱり強くなかったら駄目だろうな! うん! はぁ……彼女欲しい。

 

 

「……とりあえず」

 

 

 携帯を取り出してある言葉をSNSへと上げる。多分だがこの文面でD×Dメンバーは察してくれるだろうきっと。

 

 

 ――タスケテ。

 

 

 その文字を上げて数秒後、いっちぃ達グレモリー眷属面々、げんちぃ達シトリー眷属面々、曹操っちなどなど仲が良い人達から一斉に通知が来たのは言うまでもない。




・「タスケテ」という文章を見た面々の反応。
ヴリトラ:文章から漂う精神的に死にかけてる感は何なんだ……!
乳龍帝:犬月が……死にかけてるぅ!?
聖槍:後で何か奢ろうか。きっと辛いだろう。
クロムの嫁(男):あっ(察し)
彼女候補①:犬月が死にかけているんだがどうすれば良い?
グレモリー眷属面々:あっ……死にかけてる!?
シトリー眷属面々:あ、死にかけてる……!!





お父さま、貴方にお伝えしたい事があります。
――黒と金が入り混じった狐耳少女。

その少女の来訪は新たな戦いの始まりでもあった。

にしっ! マジで若いな。いや時代的には仕方がないか……初めましてだな親父殿。ところで美少女は居るかい?
――黒髪に桜色のメッシュが入った袴を着た青年。

"グレモリー"以外の美少女相手にナンパを仕掛ける謎の男。

嘘、だろう?
――「酒呑童子」四季音花恋。

その青年を見た鬼は絶句した。

本来ならば出会ってはいけない。でも……母さんが居る以上、隠れる事は不可能だからな。未来が変わろうが僕達には関係ないしこうして顔を見せたってわけだ。
――どこかノワール・キマリスに似ている黒髪の青年。

無数の魔剣を使う青年は何でもないかのように語る。

大勝利なう
――「覚妖怪」平家早織。

その青年が来ることをいち早く知った彼女はコロンビアした。

えっと……未来が変わったら大変な事になるんだけど……?
――紅髪の少年。

は? 知らねぇけど。つーか話しかけんなゴミ。あっ! おとーさん! だいすきぃ!
――片霧夜空と瓜二つな黒髪の少女。

どこからか現れた紅髪の少年に無表情で殺気を向けた少女は即座に満面の笑みとなり"おとーさん"へと突撃する。

あ゛?
――「光龍妃」片霧夜空。

自分と瓜二つの少女が旦那(予定)に突撃した時の反応である。

控えめに言って天国なんですけど?
――「影龍王」ノワール・キマリス。

嫁(予定)と少女に挟まれた男は幸せそうであった。

なるほど……これは俺の胃がまたヤバくなるパターンだな?
――グレゴリ元総督 アザゼル。

恐らく一番働いているであろう男の胃はまた破壊される。


いつぞやの恨み、此処で晴らすぞ小童! 生まれ変わった私の力を思い知るが良い!
――機械のような祭服を纏った○○

全く、俺の子供達はやんちゃ過ぎる。誰に似たんだか……あと勝てないからって過去の"俺"達に挑むとかマジで衰えたな。昔戦った時の方がまだマシだぜ? まぁ、夜空とのデートを邪魔したんだから殺す事は確定だがな
――漆黒の全身鎧を纏う男。

これは――ある未来で行われるはずだった戦いである。

「影龍王と未来の子供達」編!
何時か書きます!

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