ハイスクールD×D~地双龍と混血悪魔~   作:木の人

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13話

「――疲れた」

 

「お疲れさん」

 

 

 駒王学園球技大会当日、全学年が勝利のためにありとあらゆる手段を用いて戦いに挑む――わけでもなく純粋に良い所を見せて異性にアピールしたいと思う奴も居たり俺や平家のようにやる気が殆ど見当たらず、早く終わることを望んでいる奴もいる。

 

 現在、校庭ではクラス対抗戦であるサッカーが行われており犬月が敵のクラスの奴ら相手に空を指さし「俺は犬月、つまり犬、犬の素早さ見せてやるぜぇ!」とかよく分からん事を言ってるがきっと周りの空気に当てられたんだろう。さっきから俺の膝を枕にして横になっている平家の視線が阿保らしいと言いたそうなものになってるけどシリアスというか復讐心に囚われているよりはマシだろ? と言うよりお前……自分のクラス行けよ? 此処一応二年生の待機場所だぞ?

 

 

「ヤダ。さっき走って疲れた」

 

「だからって俺の膝枕で寝ようとするな。目立つのは嫌なんじゃないのか?」

 

「それはそれ、これはこれ。なんなら顔の向き反転させて()()あげようか?」

 

「退学になるからマジ勘弁。てかまたエロゲーしてやがったな?」

 

 

 こいつが下ネタいう時は大抵自分のPCでエロゲーをしている場合が多い。確か最近だと涙腺破壊ゲーだと言われていた奴をやってガチ泣きしてたな。部屋から出てきて目が真っ赤になって泣いてたから一瞬何が起きたかと焦ったのは記憶に新しい……今回はどんなエロゲーをしたんだか。そんな事は置いておいてそろそろ辛くなってきたな、うん。何がと言われたら俺と平家がいるのは駒王学年高等部二年生、俺が在籍するクラスが待機する場所だ。そんな場所に後輩で幻のお姫様なんて呼ばれているこいつ(平家)がやってきているだけでも目立つのは当たり前なのに俺の膝を枕、俺のジャージの上を毛布代わりにして横になっている。

 

 つまり何が言いたいかと言うと――

 

 

「誰か藁人形持ってこい、黒井を呪う」

 

「膝枕だけでも羨ましいというのにしてあげる、だと……! なにをするんですかねぇ」

 

「嫉妬で人が殺せたら……!」

 

 

 ――モテない男子生徒達の嫉妬を帯びた視線が突き刺さりまくってるんでそろそろやめてほしい。

 

 

「……ヤダ。私の次の出番はまだ先でのわ、先輩もまだ先。だからまだ枕になってて」

 

「別に良いが辛かったらちゃんと言えよ。ぶっ倒れられたらそのまま襲うぞ?」

 

「――貧乳が好きならお好きにどうぞ」

 

「おい拒否しろよ引きこもり」

 

 

 そんなやり取りをしつつ平家と共に校庭で行われているサッカーを見る。俺達のクラスからはサッカー部数人と犬月、匙君、他は体育の授業でする程度の奴らで構成された選ばれしメンバーが別クラスの奴らを相手に戦っている。なんというか……あいつやっぱ犬だわ。ボールに反応する速度が異常だし足も速いからサッカー経験者すら圧倒するとかもうマジ化け物。匙君とのコンビで敵陣に攻め込んでハットトリックの連続に観客は大盛り上がり、何という事でしょう……女子からの犬月君コールで埋まっております。

 

 

「何で出なかったの?」

 

「めんどい」

 

「だろうね」

 

 

 それ以外に理由はあるのかと聞かれたら絶対に無いと思う。まっ、その代わりにこの後のクラス代表戦でテニスさせられる羽目になったが……何とかなるだろ。

 

 

「あん? なんで引きこもりが此処に居んだよ? テメェさっさと自分のクラスに戻れや」

 

 

 サッカーを終えた犬月が戻ってきて俺の膝枕で横になっている平家を見て呆れた声色で言った。しかし残念な事にこのハイパーな引きこもりはそんな戯言は聞こえませんと言いたそうに「お疲れ様犬っころ。やっぱりパシリだから足早いね」と煽る煽る。喧嘩っ早い犬月と自分のペースを崩さない平家の口喧嘩は毎日聞いてるけどお前ら仲いいよな。喧嘩するほど仲が良いって奴だろ?

 

 

「そんなわけない。犬月先輩、体調が悪いのであまり騒がないでください」

 

「……こんの仮病やろうがぁ……! ま、あぁいいっすよ、この球技大会が終わったら生しほりん見れるんですし! いやぁやる気出ますよねぇ黒井っち!」

 

「お、おぅ!」

 

「――変態」

 

「数分前の自分のセリフを思い出せ」

 

 

 そんなこんなで次はクラス代表戦、めんどくさいが負けるのは嫌だし本気でやるとしよう。

 

 俺の相手は男子テニス部の次期部長と言われているほどの奴だったっけ? あれどうだったっけ……興味ないから覚えてねぇや。さて見た目はグレモリー眷属のイケメン君並みとはいかないがそれでもマシと言えるレベルだけど正直な話、全く接点が無いのと興味ないというダブルコンボでほぼ初対面なんだけどさ……なんで敵意丸出しの視線を向けられないといけないんだ?

 

 

「黒井君。まさかこうして戦う事になるとは思わなかったよ」

 

「あっそ」

 

「う、噂通りだね……まぁいい、一つだけ聞きたいんだが――君は平家さんと付き合っているのかな?」

 

「ご想像にお任せするよ」

 

「……そうか。ならば言わせてもらおう! キミは彼女にはふさわしくない! 此処で打ち倒し彼女の目を覚まさせて見せる!」

 

 

 なるほどね。俺と平家が学園内でくっ付いているから嫉妬してさっきのような視線を向けてきたと……これって俺は関係ねぇだろ? てかアイツの事が好きならさっさと告白すればいいのに。別に俺の女ってわけじゃないからあいつが誰と付き合おうと気にしねぇが……もっとも心読まれて嫌われること間違いなしだってのは俺でも分かる――こいつが平家の名前を言った時の目はゲスな上級悪魔のように見えたしな。大方容姿がアイドル級だから抱きたいとかそんな事思ってんだろうなぁ。こういう時の俺の感は当たるんだ。

 

 視線を横に向けると俺から強奪したジャージの上を抱きしめながら観戦している平家とその近くに座っている犬月が見えた。平家と視線が合うと真っ直ぐ首を縦に振った……当たりですかやっぱりそうですか。あとすいませんけど人のジャージを抱きしめないでくれませんかねぇ? お前の匂いついてドキドキはしねぇけどなんかあれだから犬月に渡せ……無理ですかそうですか。

 

 それじゃあ人間らしい自分勝手な事を言ってる奴にお灸を据えるとすっか。

 

 

「さぁ! キミからのサーブだ! 遠慮はいらないから全力で来るといい!!」

 

「――あっそ」

 

 

 ボールを高く上げ、ラケットの右側に当てて相手陣地に放る。そしてそれは地面に当たった瞬間にスライス回転して本来飛ぶ方向とは逆に飛んで男の頬を掠めた――所謂ツイストサーブ、あれキックサーブだっけ? どっちでも良いけど一点目ゲット。

 

 

「なん、だと……!」

 

「あのさぁ。人の事を相応しくないだのあいつの視線を釘付けにするだの勝手なこと言ったけどさ、別にあいつと友達になるなら構わねぇよ? なれるかどうか知らねぇけど」

 

「……」

 

「だけどな――あいつの事何も知らねぇ癖に自分はちゃんと分かってるみてぇな口で、声であいつの名前を呼んでんじゃねぇよ」

 

 

 人間相手に大人げないとは思ったが少しだけムカついたから全力で自尊心を潰すことにした。その結果が一点も取られることも無く俺の圧勝と言う結末だけど俺は楽しかったから別にいいや。

 

 コート上で真っ白に燃え尽きているような姿をしている対戦相手を尻目に犬月達の場所へと向かう……なんだろうか、周りからの惚れこんでいるんだなぁみたいな視線は? 別に惚れてねぇし付き合っても居ねぇし。

 

 

「お疲れっす、なんかキレてませんでした?」

 

「流石に人間特有の自分勝手な欲にイラついた。んで平家……なんだその今まで見た事ない笑みは?」

 

「なんでもない。うん、何でもないから早く座って膝枕して」

 

「……変な奴だな」

 

 

 きっと先ほどまで行われていた俺様主演の蹂躙オンステージに感動したんだな、はい嘘。あんなもので感動する奴なんて心のどこかが病んでるに決まってる。座った俺の膝に頭を置いて横になる平家だったが聞かなくても分かるぐらいに機嫌が良くなっていた。なんで機嫌が良くなったかなんてこの際どうでもいいし興味もない……こいつが辛くないならそれだけで十分。だから周りからのイチャついているな的な視線はやめてほしい、俺様って豆腐メンタルなんだからそろそろ吐くかもしれない。吐かないし豆腐メンタルでもないけど。

 

 テニスコートで行われている上級生同士の戦い――まぁ、言ってしまえばグレモリー先輩と姫島先輩ペアと生徒会長と副会長ペアの試合なんだけど明らかに漫画の世界にありそうな戦いを繰り広げている。なんなんですかねぇ? シトリー流カウンターにグレモリー流魔動球とかマジでなんなんですかねぇ? 上級悪魔の嗜みだったりするの? やべぇよ俺って何も持ってないから何か作っておけばよかった……キマリス流波動球とかどうだろうか? よしこれで行こう。

 

 

「バカ」

 

「……俺もそう思った」

 

「いやぁ、すげぇっすね。ちなみに王様、全員のパンツ見えましたけど色を言った方が良いっすか?」

 

「頼む」

 

「全員白っすよ」

 

「白かぁ……見せパンだろうな」

 

「当たり前っしょ。そう簡単にパンツ見せるような方々じゃねぇんすから。でもそれだと分かっていても見ざるを得ない男の性……!」

 

「男って難儀だよなぁ」

 

「変態」

 

 

 たとえそう言われたとしても男だから仕方がないんだよ。

 

 先輩方の試合は同位優勝という事で決着がついて種目は部活動対抗戦へと移った。俺達心霊探索同好会はと言うと体育館でバスケをすることになっていたが人数が足りないため本来ならば補充されるはずだったんだが犬月が「俺たち二人で無双できるっしょ」と言ってしまったためにまさかまさかの5対3という結果になった。相手は卓球部だったが運動部である上、平家が激しい運動が人前では無理のため犬月の言う通り俺たち二人で五人と戦わないといけないわけだ。

 

 

「良いか! 平家さんには指一本触れるなよ!」

 

「黒井の奴がキレたらさっきのような結果になる! 良いな!」

 

「先輩! 平家さんをスルーはもはや決定事項ですが残った二人は身体能力が化け物級です!」

 

「俺達は5人! 相手は2人だ! 勝てるさ!!」

 

「――だそうっすよ?」

 

「それじゃあ蹂躙するか」

 

「うぃ~す。つうわけだ引きこもり、ボール持ったら渡せよ」

 

「分かってる」

 

 

 試合開始の合図としてボールが宙高く放り投げられる。それを犬月がジャンプして平家の所に放る……さてここで今の状況を整理しよう。今ボールを持っているのは学園では病弱設定となっている平家、周りから幻のお姫様とか呼ばれているぐらいの美少女だ。そんな奴がボールを持ったら手を出せるか? 答えは出来ません。

 

 

「先輩」

 

 

 平家からボールが回ってくる……さて、蹂躙タイムの始まりだ。

 

 ドリブルで全員を抜いてダンクしたり犬月が放ったボールをそのままゴールに叩き込む。そんな事を俺と犬月で交互に行っていたからか周りからの歓声、特に女子勢のものが凄かった。俺も一応男だから黄色い歓声を浴びるのは気分が良いし、犬月もさらにテンションが上がって動きが良くなるしもう凄まじいの一言だ。匙君から聞いた話では男子勢はガチ引きしてたらしい……なんでだよ。

 

 そんなこんなで部活対抗戦は進んでいき、グレモリー先輩率いるオカルト研究部と優勝を賭けて戦ったが流石に人数差で押し負けてしまい敗北。準優勝になったがこれはこれで問題は無いな……元々優勝には拘ってなかったし少し気になることもあったしな――グレモリー眷属のイケメン君、俺の記憶が確かなら笑みを浮かべてまさしく王子様と言っても良いぐらいの奴だったと思うが終始心がどこかに行っているんじゃないかと思うぐらい様子が変だった。でもあいつの目には俺も心当たりがある――復讐だ。

 

 

「なんか、あのイケメン変じゃなかったっすか?」

 

 

 家に帰ってきて犬月が疑問そうに聞いてきた。やっぱりこいつも感じてたか。

 

 

「心の中が復讐の感情に飲まれてた。どす黒いもので吐き気したよ」

 

「だから体調悪くなったのか……にしてもやっぱ復讐かよ。何があったかは知らないが日常生活であんな目はするもんじゃねぇよ」

 

「……王様は分かってたん?」

 

「俺もあんな目をした経験があるからな」

 

「――ノワールは子供の頃に殺されかけてる。お母さんと一緒に」

 

 

 人の記憶を勝手に覗いてそれを暴露とかマジ勘弁。でもその時は俺も復讐というか似たような感情に支配されたから間違ってはいない。俺と言う存在、影龍王を宿すノワール・キマリスの始まりだからな。

 

 

「それ、聞いても良い奴ですか?」

 

「昔の事だから別に構わねぇよ。7年前か……その日、俺は母さんと一緒に人間界に遊びに来てたんだよ。お前にはまだ会わせてないけど俺の母さんは普通の人間だから偶に人間界が恋しくなるみたいでさ、俺を連れて遊びに出歩いてたんだよ。そんな時だよ――俺達を疎ましく思ってたキマリス家の奴らに襲われて殺されかけたのは」

 

 

 あの時の俺はどこにでもいる普通の混血悪魔だった。神器が宿っているなんて知らなかったし霊操も今のように鍛えていたわけじゃない。何処にでもいる普通の子供だった……ただの遊びだからと親父の眷属も付けずに二人だけで街を歩いていた時に襲われた。邪魔が入らない様に結界を張って周囲を取り囲み、殺意を持った攻撃で俺達を攻撃してきた……ただの人間と混血悪魔の子供、そんな奴らが成人した悪魔に勝てるわけもなく直撃を避けるのが精一杯で逃げ続けた。俺に怪我をさせない様に母さんが必死に逃げていたけどそう長くは続かず、攻撃の余波が当たり地面に吹き飛ばされたのは今でも覚えているし偶に夢に出る。全身から血を流し、片足が吹き飛んでいる親の姿なんてガキからしたらトラウマものだ。

 

 

『怨むならば純血悪魔を唆した貴様の親を怨むがいい』

 

 

 死にたくない、母さんを死なせたくない、あいつらを殺したい。殺しもした事がないガキの殺気なんて意味もなく攻撃が放たれそうになった瞬間――目覚めた。圧倒的な力の塊に、憎悪すらの飲み込むほどの邪悪さを持ったドラゴンの姿が脳裏に浮かんだ。奴らを殺したいならば呼べ、俺様の名前を天高く叫べと吐き気がするほどの気持ち悪さを持った声を聞かせてきた――それを受け入れた俺も俺だけどな。

 

 

「……王様を襲ってきた奴らって、どうなったんすか?」

 

「神器に目覚めたばかりのガキが成人した悪魔に勝てると思うか? あの時の俺が出来たのは母さんが死なない様に攻撃を防ぐ事しかできなかったんだよ」

 

「じゃあ生きてるんすね……言ってくれればいつでも殺しますよ?」

 

「いや死んだよ」

 

「……へ?」

 

『誠に遺憾な事だがその時、俺様と宿主様を救ったのはユニアの宿主だ』

 

 

 あの時ほど言葉にならないって感じた事は無かった。いきなり空から光が降ってきたかと思えば襲ってきた悪魔全員が消え去った……それをやったのは俺と同じくらいの女の子だっていうんだから驚きだ。光ったり透明になったりするマントを羽織り、洗濯とかしてるのかと思いたくなるほどボロボロな服装で俺達の前に降ってきたのは規格外で有名な片霧夜空。この時から絶壁でした。

 

 

「言うなれば影龍王の目覚めと光龍妃との出会いが同時だったんだよ。流石に出会ってすぐ殺し合うとかは無かったけどな」

 

「……なんか、すげぇような、なんつうか……そ、そういえば王様の母さん無事なんすか!?」

 

「無事と言えば無事だよ。その後、親父と眷属が総出でやってきて母さんを治療したからな。フェニックスの涙で怪我と吹き飛んだ片足は治ったけど流石に普通の人間だからな……後遺症が残って吹き飛んだ方の足に力が入らなくなった。そのせいで歩くのが困難になったけどあの天然はそんな事気にしないって言いそうな顔で今日も元気に生活してるよ」

 

「ノワールのお母さんって自分のペースを崩さない人だから。あと人間なのに何で見た目が若いのか今でも謎……しかも巨乳とか羨ましい」

 

「あの、人の母親を妬まないでもらえませんか?」

 

 

 俺だっていまだに謎なんだが流石に妬まれると息子として、な! いやマジでどうして四十代過ぎてるのに見た目二十代で通るぐらい若いのか俺も分かんない。

 

 

「この事件以降、俺の中に相棒が宿っていると知った冥界上層部は他勢力に取られない様に上級悪魔になる道を与えてくれたってわけだ。親父も俺が次期当主になるにあたってキマリス家の中に潜んでいる不穏分子を一斉に排除したおかげで今も母さんは無事だし、邪魔されることなく親父とイチャついているよ……ノワール、貴方に弟か妹が出来るのとか普通に言われそうでマジ怖い」

 

「は、ははは……王様も苦労したんすね」

 

「まぁな。そのおかげで今の俺がいるし夜空とも殺し合えるってわけだ。とりあえずあのイケメン君変化は気になるが俺の眷属じゃないし放っておくとして――犬月、明後日は分かっているな?」

 

「ふっ、生しほりんと会う日っしょ? とーぜん分かってますって!」

 

「今日の球技大会で疲れたから癒されに行くか」

 

「うっす! あの乳を見るためなら今日の疲れなんざどうってことねぇっすよ!」

 

「……変態共死ねばいいのに」

 

 

 そんな事を言われても俺たち男だから仕方がないな。だってアイドルで巨乳で現役女子高生だぞ? これはテンション上がらないとダメだろう悪魔的に。

 

 確か明後日は駒王町にあるそこそこ大きい会場でライブをした後、握手会だっけ? 俺的には契約関連で何度もあって入るが偶にはアイドルとファンもどきという関係で会うのも悪くないだろう。だからそんな機嫌悪いですみたいな顔するなよ? 球技大会中のお前はどこに行った……引きこもったのか。そうかそうか、いつも通りだな。

 

 

「――まっ、なんか嫌な予感がするがいずれ分かるか」

 

 

 その後、水無瀬が持ち前の不幸体質のせいかびしょ濡れで帰ってきた。外はかなりの土砂降りだし仕方ないとはいえ傘を持って行って何故びしょ濡れになるんだよ……でも濡れたシャツが肌に張り付いて下着とかが見えるって素晴らしいと思う。なんか二人ほどから変態と言う視線を向けられたけど何度も言おう――男だから仕方がないんだ。




観覧ありがとうございました!

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