「さてと……どうすっかなぁ」
禍の団、派閥の一つである英雄派とこの異空間で殺し合う事になり、周りでは
ちなみに赤龍帝だが……テクニックタイプ極振りの曹操ちゃんに遊ばれてる。怒りというかやる気一つで俺と戦った時以上の実力を出しているのは素直に褒めたいというかすっげぇとか思ってる。でもそれだけじゃ目の前のそれには勝てないよ? だって俺なら兎も角、お前は一発受けたらアウトなんだし相手は禁手化すらしてないんだしね。
あと茨木童子は知らん。鬼は自由気ままに何かしたい生き物だしもう放っておくわ……マジで今も向かってきてるモンスターもどきを皆殺ししてるだろう! うーん面白い!!
『どうするも何も殺し合うんだろう? 殺ればいいだろう! 九尾と殺し合える機会なんざ宿主様の立場じゃ滅多に出来ねぇんだしよぉ!!』
「そりゃそうだが金髪ロリに助けてくるって言っちまったんだよ……これで殺しちゃいましたごめんなさいは無理だろ? かといって手加減するのも嫌だ。だって折角の九尾との戦いだしな! 全力出して勝ちたいだろ?」
『当然よぉ! だが宿主様の弱点が目の前にいる。昔の出来事のせいで親子愛によえぇのはどうにかした方が良いぜぇ? 利用されてめんどくせぇことになる。良いか宿主様? 俺様は宿主様に従おう、助言もしよう、力も合わせよう。だがなぁ――負けは許さねぇ。くっだらねぇ感情で敗北なんざしやがったらタダじゃ置かねぇぞ?』
「分かってる。勝って勝って勝ち続けて、そして夜空を手に入れる。だからこんなところで負けられない……なぁ、相棒?」
『なんだぁ?』
「――
『――ゼハハハハハハハハハッ!! 当然よぉ! 生きていれば良いさぁ!!』
あぁ、そうだ。確かに俺は金髪ロリに助けるって言ったさ。それは間違いない……だから目の前にいる着物を着た巨乳狐耳尻尾モフりたい人妻美女をなんとしてでも助けないとダメなんだ。だってキマリス家次期当主として、影龍王として金髪ロリの前で宣言しちゃったんだしな。もし殺したとかになったら俺の名が……こっちはどうでも良いや。相棒の名に傷がつくから何が何でも生きていないとダメだ――
――そう、生きていれば。
「さてと……九尾、いや金髪ロリの母親さん? 悪いんだが周りが盛り上がりすぎて疎外感あるからさ、早く始めようぜ? それとも慰み者扱いでもされて心が壊れたか?」
一歩、八坂姫に近づくと全身に妖力を纏いだした。魔法陣から龍脈の力とかを八坂姫に流してパワーアップとか考えたんだろうが残念な事に此処に来るまでにチョロイン魔剣でその辺を適当に抉ったり切り刻んだりとかしたから思う様に集まってはいないだろう。流石魔剣の帝王、チョロインとはいえ仕事はちゃんとしてくれる。だからさぁ……さらに集まってきたチョロイン四本、テメェらも仕事しろよ? なんで下位互換なんだよ? 魔剣なんだから頑張れや!
「あっ、もしかしてこの魔剣達が怖くて本気出せない? ごめんねーだったら遠くに投げるから本気出してくれないかー?」
我ながら最高の演技をしたと思う。これならばいつでも特撮とかに出ても問題ないだろう……何故だ、どこからか無理無理とか言われた気がする。具体的には東京のとある場所で引きこもってる覚妖怪辺りから。
そんな事を思いながら手に持っている魔帝剣グラムと魔剣四本を影人形に持たせて遠くに放り投げた。その辺に置いておくと赤龍帝とか匙君に被害が出かねないんでイケメン君やデュランダルがいる方角に飛ばしました! 距離的に言えばどのくらいだろうか……分からんが此処からダッシュで取りに行っても三十分ぐらいはかかるんじゃないかって距離だと思う。きっと、多分。なんか怒ってるような呪いの波動を感じるが知らん。知らないったら知らない。
「……グラムをあんなに雑に扱うとはね。ジークフリートが生きていたなら絶句していると思うよ? おっと良い一撃だ、でも当たらないよ赤龍帝。もっと鋭く、速く、そして力を込めなければよわっちぃ人間は殺せないぞ」
「くっそ! やっぱり黒井と戦ってただけあって強い……! でも俺だってあれから強くなったんだ! ドライグ!!」
『応! だが相棒! 聖槍には当たるな! 悪魔の身ならば余裕で死ぬぞ』
「分かってる!!」
体内の駒を騎士にでも変更したのだろう。ゆらりゆらりと舞い落ちる枯れ葉のように動き続ける曹操ちゃんを捕らえるべく動き出すが槍の動き、しかも刃に当てないように手加減された動作で流されている。滅茶苦茶舐めプされてる件について……マジでデータ目的の戦闘かよ、うっわ戦いたくねぇ。
「良いなぁ~あんだけ他は楽しそうに殺し合ってるのにこっちは変化すらしない九尾とお見合い状態、夜空が帰ったタイミングで帰ればよかったかねぇ? でも金髪ロリっつうか九重に助けるって言っちまったしなぁ……はぁ、仕方ねぇ。九尾、借り受けていた龍脈一本返すぜ」
妖力を全身に纏ったまま沈黙を保っている九尾に京都の神々と金髪ロリから借り受けた龍脈一本を返還する。やり方なんてすっごく簡単! ただ権利を放棄するだけ……たったそれだけで契約者が九尾に置き換わる。これは京都の気を安定化させる役割を持つ九尾という存在が神々から認められているからだろうな……さてここで問題だ、俺が保有していた
「――」
答えは簡単だ。雄たけびを上げてその身を変化させた。金色の体毛、九つの尻尾が目立つ巨大な化け物――九尾。それが俺の目の前に現れた……くくく、あははははは! いいねいいねぇ!! 妖力なんて酒呑童子並み! しかも巨大! 相手にとって不足は無い! 別にさっきの状態のまま倒せばよかったのにとか言われそうだが洗脳っぽいのをされてる……と勝手に思ってるが多分当たってるだろう。どっちでも良いがそのせいで自我が、心が壊れたままになる恐れがある。そのままでも良いんじゃねぇかなとは思うけどさ! 約束しちゃった以上は
「――ゼハハハハハハ! そうだよそうこなくっちゃ!! 周りが殺し合ってんのに俺だけ難易度チョロ甘とか最悪なんだよ! 俺はヒーローでも正義の味方でもないんでな! 俺は邪龍! 好き勝手に生きて、好き勝手に暴れて、好き勝手に死んでいく自己満足の塊の混血悪魔だ!! 来いよ九尾! 長年男に相手されてねぇだろうから若い俺が思う存分相手してやるよ!」
殺意を帯びた瞳が俺を捕らえ、口から極大の炎を吐き出してくる。ここで俺が回避をすれば比較的近い場所で戦っている赤龍帝が巻き込まれる……俺としてはどうでも良いけどあいつの覚悟を見た以上は邪魔をしないのがドラゴンの礼儀だろう。だから俺が取れる手段は一つだけだ。
影人形を数十から数百を生み出して俺を焼き殺そうとしてくる炎――九尾のブレスに向かってラッシュタイムを放つ。勿論普通のラッシュだけじゃなく『捕食』の能力を発動して威「力」を根こそぎ奪い取って俺の力に変換する……いかに九尾と言えどもタダの狐だ、長時間も火炎を吐き続けていられるわけがない。北欧の防御魔術、相棒の影で強化された俺の影人形達は九尾の火炎相手でも燃え尽きるような事にはならず、熱さも痛みも感じないとばかりにラッシュを放ち続ける。
「どうした? そんなもんかよ! 九尾だろ? 京都妖怪共の長だろ? たかが十数年しか生きてない混血悪魔が生み出した霊体程度で防がれてんじゃねぇよ!!」
影の翼を背に生やし、九尾に向かって飛翔する。今の姿が獣だからか俺が近づこうとしたことにいち早く反応して背後へ飛び、再び大きく息を吸って火炎を吐いてくる。躱すのは簡単だがそれをしてしまうとまた距離を取られかねない……巨体の割には俊敏な事で面白いじゃねぇの! さてさてどうすっかなぁ……うん、やるか!
迫りくる火炎に対し、俺は即座に数百の影人形を数体まで減らして周囲に配置、ついでに
『ゼハハハハハハハハッ! これが九尾の火炎かぁ!! 熱くてちょうど良い温度じゃねぇの!!』
「そうだなぁ相棒!! このまま全裸にでもなって温泉気分にでもなるかぁ!?」
『悪くねぇなぁ!! だったらもっと熱くなってもらわねぇと湯冷めしちまうぜ!!』
そんな冗談もどきを言いながら全身に龍のオーラを纏い、影人形のラッシュタイムで火炎を払いながら進んでいく。熱い……マジで熱い! さすが九尾だ!! 触れたら確実に灰になるレベルの熱量でビビった! でも残念ながらその程度の火炎で俺が、俺達が燃やされるわけねぇんだよなぁ! 周りの影人形達は感情を持たない眼で一心不乱に拳を放ち続けている……悪いな、光やら火炎やら色んなものをお前らの拳で殴らせてる。怒っても良い、泣いても良い、だけど弱音は吐くな……俺が使役してるんだ! それを誇りに思って働きな!!
火炎を払う拳の速度が速くなる。なんだよ? まだまだ余裕とか言いたそうじゃねぇか? それならもっと働いてもらうぜ!
「――九尾ぃぃっ!! その程度で焼き尽くそうなんて考えが甘いんだよぉ!!」
長い炎の道を突破すると理性を失った瞳が俺を射抜く。それに笑いながら影人形の一体にある物を持たせて目の前目掛けて全力で投擲。
投げられた
「――よぉ、九尾ぃ!!」
俺の目の前には金色の体毛をした獣の顔がある。先ほどまで離れていたはずの獣の顔がまるでテレポートしたかのように間近に見えている……俺には曹操ちゃんの様に大量に能力なんて無い。あるのは影を生み出す能力と力を奪う能力――そして再生能力だ。だからやった事なんて滅茶苦茶簡単だ、自分の体の一部を切り落として投擲、それを媒体に再生しただけだ! 火炎の海に飛び込んだのもこれをやるために過ぎない……獣の本能を相手に馬鹿正直に接近してたんじゃ移動されまくってメンドクサイ事になる。なんせ体の大きさがかなり違うからな! 俺が移動する速度と九尾が移動する速度を比べたら対格差で追いつくのは難しい……だからこの方法をとった! 周りが火炎なら自分の手首を切り落とすのは見られないし、理性を失ってる相手なら
再生と同時に眉間に拳を叩き込んで地面に叩きつける。このままだと対格差で逃げられる……だったらどうする? 答えは簡単だ!
「シャドールゥゥゥッ!!」
『ShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShadeShade!!!』
尋常じゃないほどの音声が鎧から鳴り響き、影が生まれていく。額を殴られた九尾は顔を上げて殺意の瞳を俺に向けて立ち上がろうとしたので
その腕は黒、無数の棘が生えて不気味と印象付けるものだ。逃げようとする九尾が暴れ始め、巨大な金色の腕を俺に向けてきたので片方は影で防ぎ、もう片方は別の黒の腕で地面に押さえつける。不気味な腕の持ち主は九尾の眼前まで鋭利な牙を見せつけて威圧する……俺が今、立っている場所は九尾の腹でも何でもない。別の生き物の頭部だ。黒の鱗、不気味な棘が全身に生えたそれはドラゴンに酷似……いやそれそのものだ。九尾と同じ体格のドラゴンが逃げようとしている九尾の首と片腕を掴んで押し倒す態勢で吠える。うーん……人妻を押し倒すとか非常にエロいですねぇ。
「
影龍人形の頭部で腕を組み、高らかに叫ぶ。気分はゲームのラスボスだ! 空いた片腕で振り払おうとしてきたので首を掴むのをやめて九尾の腕を掴み、そのまま地面に叩きつける。首の拘束が無くなったからか火炎を放とうとしてきたので今度は首に噛みついて阻止……うーん、見た目が狐で本当に良かったわ! これが人間体だったらマジで犯罪だしね!
「――匙君匙君! そっちの調子はどうだ?」
『……は、はぁぁ!? なんだそれ!? なんでドラゴンがいるんだよ!? 調子どころかミサイルっぽいのが飛んできて怖いわ!!! てか何それ!? マジで何それ!?』
『あの姿はクロム!? い、いや違う……偽物か! しかし生前のクロムの姿を再現したものだと! 何処までも異常なんだ貴様は!!』
「褒めんな。常日頃から神器に潜ってその姿を見てるしな、完全再現は難しいがこの程度なら問題ねぇんだわ。まっ、そっちも頑張れ頑張れ……相棒、九尾だがどう思う?」
『恐らくは洗脳を施した術者に色々と体制を付加されてるんだろうなぁ。九尾レベルを洗脳する実力、魔法耐性、龍脈からのバックアップやらで大抵の奴なら死ぬほどめんどくせぇだろうなぁ!! だが俺様達なら別だ!! いかに神滅具で生み出した結界だろうと俺様の力はそれをぶち壊す!!』
「だよなぁ!!」
『ObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtainObtain!!!』
全身から音声を鳴り響かせる。九尾の体に影龍人形から伸びた影が這う……腕に、尻尾に、胴体に、首に、ありとあらゆる場所に影が伸びて締め上げて力を奪う。確かアザゼルが異空間に転移させたのは神滅具――
「おいこら! 一体何時まで操り人形で居る気だ!? そもそもなぁ……! 自分のガキを悲しませといて何とも思ってねぇのか!! 母親ならガキのために洗脳程度打ち破って見せろ!!」
影龍人形の頭部から飛び出して九尾の顔面をぶん殴る。母親なら……ガキの前で無様な姿を晒すんじゃねぇ! 少なくとも俺の……大事な母親は悪魔の攻撃から俺を守ったんだ。片足を無くしても、血だらけになっても俺を守ろうとしたんだぞ……テメェもそれぐらい気合入れてみろ! 何が九尾だ! 何が八坂姫だ! ガキ一人泣かせてる奴が偉そうにしてんじゃねぇよ!!!
「――く、のぉ、う」
「……安心しろ。テメェのガキは強い。俺に挑んだんだ、誇って良いぞ……だから、帰ったら抱きしめてやれ」
安心したのか、それとも俺の拳のダメージがデカすぎたのか分からないが理性が戻った瞳で俺を見た後、静かに目を閉じて気絶した。たくっ、本当だったら全身の骨を砕いて動けない状態にしてから洗脳をぶっ壊す予定だったんだがなぁ……俺も甘いね、本当に。
狐の姿に変化していた八坂姫は元の美女の姿へと戻る。着物とか乱れておっぱいとか見えてますが何もしていません。押し倒しましたが何もしていません! この場だけ見られたら勘違いされかねないが本当に何もしていません! とりあえず生きているかどうか確認するためにおっぱいを揉むと反応があったから生きてるようだ……やっべ、柔らかいなおい。この弾力は橘と良い勝負だぞ……これが人妻! 最高だね!
「……んぁ?」
『ゼハハハハハハ、呼んでるぜ宿主様を! 無数の魂が! 手伝ってくれってよぉ!!』
なにやら赤龍帝と曹操ちゃんが戦っている方角から俺を呼ぶ声が聞こえる。誰と言われたら幽霊っぽい奴らとしか言えないが力を貸してくれと呼んでいる……また何かしやがったな? 今度は何だろうねぇ? 面白そうだから手伝ってやるけど。
霊操を使用した後、気絶している八坂姫を背負って赤龍帝の所まで歩く。畜生……! 鎧を纏っているからおっぱいの感触が全然無い! 人妻おっぱいとか味わえるのはここしかないだろう……! 鎧を解くか? 解くしかないよな? 解くべきだろ! 仕方ないねー勝利したのは俺だもんねー! ってしまったぁ! 鎧の下って全裸じゃん! やべぇ、無理無理。やめとこう。
「――なにこれ」
人妻おっぱいを味わえない悲しさを味わいつつ、赤龍帝と曹操ちゃんの所まで戻るとなんと! 東京にいるはずのグレモリー先輩が全裸で赤龍帝におっぱいを突かれていた。えーとちょっと待って……理解が追い付かない。此処って異空間だよな? なんで居るの? なんで全裸なのっていうかありがとうございます! じゃないや……えーと、何がどうなってんの? とりあえず
グレモリー先輩のおっぱいを突いた
『ゼハハハハハハハハ! ありゃドライグの力の一端じゃねぇか!! なんだありゃ! あんなの過去の赤龍帝でもやった事ねぇぞ!! 面白れぇ! 面白れぇぞぉ!!』
「あぁ。でもあの方角は拙いな……仕方ねぇなぁもう!!」
赤龍帝が砲撃を放つ前に
「これって……黒井!?」
「おう。あのまま撃たせたら味方殺しになりかねなかったんでな。こっちは終わったから早く続けろよ」
「……そっか、あんがとな! 行くぜぇ! 曹操!!」
影の檻が崩壊していく中、赤龍帝は曹操に向かって駆け出した。あんな姿で突撃しても躱されるだろうと思ったが……その想像は簡単に覆された。纏っていた鎧がパージし、最低限の装甲しか纏っていない姿に変化し、あの曹操ちゃんに突進を食らわせた。あぁ~ダメだ! 面白すぎて笑いが止まらねぇ!! 確かにアザゼルの言う通りだわ!! 意外性なら俺達の中でトップクラスかもしれねぇ! てか匙君と同じぐらい意外性あるわ!! あははははは!! ばーかばーか! 余裕ぶっこいて突進喰らった感想はどうよ曹操ちゃん? あの速度ならかなり痛いだろ? 慢心してっからそうなるんだよバーカ!
「……突進とは、やってくれるじゃないか」
「イテテ……これが木場達が見てた世界か……慣れないと拙いな……! って距離取らないともっとヤバイ!!」
「良い反応だ、あのまま近くに居たら聖槍でブスリとね。でもなんだろうなぁ……悪魔の駒の昇格にしては特徴が現れすぎている。先ほどの行為によって変化したか? うーん、赤龍帝のデータ取りをしようと思ったら新しい力が出てきて困った困った……流石に初見で相手をし続けるのは人間の身には堪えそうだ」
「よく言うぜ……禁手化もしてないくせによ!」
「そりゃそうだ。これは普通のお遊びだ、本当の殺し合いならば聖槍で刺された時点でキミは死んでいたよ。消滅しないように加減したからこそ今キミはここにいる。理由なんて簡単さ――キミは強くなる。今よりももっとね。いやぁ~今代の二天龍と地双龍は化け物ばかりでどうしようか! でもそれが楽しい。ただの人間がどこまでやれるかを確かめるチャンスだからね」
立ち上がりながら曹操ちゃんは楽しそうな笑みを浮かべている。やっぱりお前……こっち側だわ。だって俺も同じことを思ってるしな! 赤龍帝はもっと強くなる……楽しみだなぁ! 本当に!!
「……時間か。ゲオルグめ、戦いたくないからさっさと逃げようって感じか。仕方ない、勝負は預けよう。赤龍帝、次は本当の殺し合いをしようか? そして影龍王!」
「ん?」
「――今度は負けないからな」
それを言い残して曹操ちゃんは霧に包まれて消えていった。それと同時にこの異空間も崩れていき……目の前には本物の光景が映し出された。あれだけ暴れたにも拘らず破損が一切ないから間違いないだろう。
「……戻った、のか?」
「だな。お疲れさん、どうだった? 曹操ちゃん、強かっただろ?」
「……あぁ、強かった。一回刺されてさ……死にかけた。あいつの言う通りその時に死んでたんだなって思うとゾッとする」
「あの感覚はなぁ。意識がどこかに行きそうになったり誰かが呼んだりしてウザいもんな。まっ、良い経験になっただろ? テクニックタイプを相手にしたらメンドクサイってさ。そんじゃ、俺は犬月と茨木童子を回収してくるから
「……お、おう! う、うん? いま、名前……?」
とか思っていると離れた場所からこちらに歩いてくる人影が見えた。白髪の髪、片腕を無くした男だ……もっとも無事な腕の方に切り落とされたであろう腕を持ってはいるがな。しっかし今回は軽傷で済んで良かったなと言えばいいか?
「……王様?」
「おう。そっちは片腕を無くした程度か、あいつは?」
「逃げましたよ……まぁ、アリス・ラーナの片腕はもぎ取ったんでお相子ですけどね。本気のあいつ、強かったっすわ……王様達ほどじゃねぇっすけどね。あと……スイマセンがフェニックスの涙をくれませんか? 俺が持ってたの使っちまったんすよ」
「俺がそんなもんを持ってるとでも思うか?」
「無いっすね……王様は再生できますし。しゃーなし! 木場っちからもら、いってぇ……あのぉ~おうさまぁ? 俺も背負っててくれません?」
「ヤダ。でもそうだな、代わりに影人形で運んでやる」
「あざっす! もう、血を流しすぎてフラフラ状態なんすよぉ」
そんなわけで影人形で犬月を背負い、今度は茨木童子が暴れていた場所を目指す――つもりだったがあっちから俺達の方に来てくれたので向かう必要はなくなった。流石鬼! 空気が読める!
「見つけた。向かってきたモンスターは全滅させた」
「知ってる。お疲れさん、戦闘はこれで終わりだ……だから、うーん。とりあえずホテルまで戻る。ついて来い」
「分かった」
着ていた服とか結構ボロボロだが恥じらう姿もせず俺達の後を付いてくる。鬼ってやっぱり露出狂の気があるよな? だって今の茨木童子の姿って胸とか殆ど丸見えだしスカートもボロボロ、まるで強姦された後の女の子のような感じだぞ? なのに顔色一つ変えないのはすげぇわ……あっ! 犬月は疲れたのか気絶してるんで俺しか見てない。うーん役得?
でも流石に他の奴らに見られたら面倒なので魔法陣を展開してコートを転移、それを茨木童子に手渡して着ろと命令すると素直に着てくれた。うーん、ほぼ全裸コートとか新しすぎて興奮してきた。あと鎧をそろそろ解きたい……! 人妻おっぱいを感じたい!
「……相棒」
『なんだぁ?』
「九尾、生きてるよな?」
『あぁ、生きてるさ。寝息立てやがってガチ寝状態だ』
「そっか。なら良いや」
金髪ロリ、今回だけだ。お前の勇気に免じてヒーローやら正義の味方になってやったぞ? あとは思う存分、この馬鹿親を叱ってやれよ。
あっ、そういえば魔剣回収してねぇ……どうしよう。
多分次辺りでこの章も終わりです。
観覧ありがとうございました!