ハイスクールD×D~地双龍と混血悪魔~   作:木の人

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63話

「たくっ、記者会見前に主神様に会う羽目になるとはなぁ。頼んだのは俺だけど別の日とかにならなかったのかよ?」

 

「悪いな。オーディンがどうしても今日が良いって聞かなくてよ。大方、日本観光という名目で遊びたいんだろうぜ。良いじゃねぇか、眷属なら兎も角、お前さんは緊張とかはしない方だろ?」

 

「当たり前だ……いつも通りにやらせてもらうつもりだよ。獅子王には悪いけどな」

 

 

 早朝、俺はアザゼルと共にルシファー領内にあるホテルへとやってきていた。本来なら此処に来るのは夜中なんだが北欧の主神様がどうしてもこの時間に来いと言ったらしい。どうせおっぱいパブとか風俗とかその辺に行きたいからさっさと用事を済ませたいとかだろうな……頼みに来た俺は文句を言えない立場だけどもうちょっとだけ譲歩してくれても良いんじゃねぇか? なんせこっちは数十時間後にはもうすぐ行われる獅子王とのゲームを冥界中に知らせる記者会見をしないといけないんだしな。面倒なんだぜ……? テレビ慣れしてる橘は兎も角、水無瀬と犬月は朝からあわあわしてるし平家は引きこもりたいでござると部屋から出てこないし、四季音姉妹は朝から酒飲んでるし……もうちょっと俺のように真面目になってほしいね!

 

 

「それで良いさ。俺やサーゼクス、ミカエルもお前さんとサイラオーグの対決は注目してる。ヴァーリからも個人的な連絡で禍の団が乱入しないようにするみてぇだしな、世界中の主神達がお前さん達の実力を見たがってる。見せつけてやれ、ノワール・キマリスの力をな」

 

「そのつもりだ。あと付け加えるなら夜空と曹操ちゃんも警備っぽいことしてくれるってよ。何日か前に飯食った時に言ってたしな」

 

「イッセーが疲れたとか言ってた時か。全く、お前らは俺達に内緒で会いやがって……英雄派が同じく警備ね、確かに敵からすれば俺達のデータを取る良い機会だ。邪魔するわけもねぇか……了解だ。ゲーム当日は俺達も他からの邪魔なんてさせねぇから思う存分楽しんで戦えよ」

 

 

 そんな事を話していると北欧の主神様が泊まっている部屋に到着した。所謂VIP専用と呼べるかなり豪華な場所だ……流石ルシファー領にある超豪華なホテル。俺みたいな普通の混血悪魔はどれだけ頑張ればこんな所に泊まれるんだろうねぇ。

 

 

「オーディン、久しぶりじゃねぇの。相変わらず元気そうで何よりだ、もうちっと爺さんっぽい所を見せても良いんだぜ?」

 

「悪ガキ堕天使に言われとうないわ。久しいの小童よ、要件は聞いておるぞ。グラムの鞘を作りたいらしいのぉ? 懐かしい名じゃわい。まさか今になってその名と姿を見る事になるとは思わんかったの」

 

「だろうな。大昔の英雄に与えてから完全に放置しやがって……キマリスが所有者と認められなかったらテロリストに魔剣五本を使われてたんだぜ? ちったぁ反省しやがれこのやろー」

 

「ほっほっほ。知らんのぉ」

 

 

 傍らにかなり美人のヴァルキリーを立たせながら主神様は笑い始めた。うーん……巨乳だな! 流石エロジジイ! 女の趣味は良いじゃねぇの! でもグレモリー先輩の眷属になった元お付きのヴァルキリーちゃんはガチギレしてたからもし出会ったら覚悟しといた方が良いぞ? 最悪ぶん殴られると思うしな!

 

 

「えっと、アザゼルから前もって伝えていたと思いますが魔帝剣グラムの鞘を北欧の技術で作ってもらいたい。材料は俺が保有する魔剣四本と騎士の駒だ。いきなりの頼みだがどうかお願いします」

 

 

 ソファーに座る主神様に頭を下げる。全くさ……こんな風に交渉しなくても好きなだけ与えられる先輩が羨ましいよ。少しは俺の様に苦労しろってんだ。

 

 

「よいよい。ロキの一件で世話になったしの、懐かしいものも見せてもらった礼じゃ。グラムの鞘、わしらが作ってやろう。勿論アザゼル坊、お主も協力するんじゃろう?」

 

「当然だ。いかに北欧で作られた魔剣だって言っても悪魔の駒を使用する以上は俺達も手伝わねぇとな。キマリスには言ってなかったがサーゼクスとアジュカ、ミカエル、そんで八坂も協力することになってる。お前さんがグラムの鞘に悪魔の駒を使用するって俺が伝えたらアジュカの奴は爆笑してたぜ? そんな事に使う悪魔は初めてだってな。グラムの鞘は悪魔、天使、堕天使、北欧、京都が合同で行うから安心して待っておけば良いさ」

 

「……なんで京都? あれだけ暴れ回ったから嫌われてるかと思ったんだがなぁ」

 

「逆だ逆。八坂なんてお前さんの事をかなり気に入ってるようだぞ? 九尾の狐状態で戦い、押し倒されて屈服させられたんだ……気にならないわけがねぇさ。良かったじゃねぇの、子持ちとはいえかなりの美人だぜ? また京都に遊びに行ってやれよ」

 

「気が向いたらな」

 

 

 八坂姫が俺を気に入ってるとか凄く大事な情報だけどそれは置いておいて……やべぇな。適当に思いついたことがかなり大きな事態になりやがった。別に失敗しても何も問題は無いがここまでなった以上は成功してほしいね……ただ魔王共に借りが出来たっぽいのが最悪だ。なんで協力するかねぇ……? 借りを作って言う事を聞かせようとかそんな魂胆か? 別に構わないが普通に仇で返すぞ? うん、だって邪龍だし。

 

 というわけで魔法陣を展開して魔剣五本を呼び出し、持ってきた悪魔の駒と合わせてアザゼルと主神様に預ける。完成は恐らくゲーム直前か終了後になるんじゃないかとは言ってたがすぐに欲しいってわけじゃないから時間をかけてくれても全然構わない。だってゲームでチョロイン筆頭(魔帝剣グラム)は使わない予定だしね。獅子王は拳主体で来るってのにこっちが剣を使ったら萎えるだろ? だから今回は夜空のように正面から相手をして倒す……お披露目もしたいしね!

 

 

「悪魔さん、準備できました!」

 

 

 そんなわけで時間は進んで真夜中、制服姿の橘が元気いっぱいの声で呼んできた。軽くメイクをしてるせいか普段も可愛いけど今はもっと可愛くなってやがる。前まではテレビに出ているのを見ておっぱい揺れてるなとか相変わらずデカいなぁとか思ってるだけだったが今は普通に目の前にいるもんなぁ……眷属にして良かったわ! ファンの奴らにバレたら殺されるだろうけども。しっかし流石元アイドル、これから記者会見だってのに緊張一つしてねぇよ。いつでもテレビに出れますとばかりにアイドルスマイル全開だ! うーん可愛い! でも残念な事に後ろにいる約二名ほどは無理っぽいけど大丈夫か? 少し前に若手悪魔特集だったかの番組に出たんだから慣れろよ?

 

 

「テレビ出演に縁のなかった恵とパシリだもん、緊張するなって言っても無理」

 

「そんなもんかねぇ……お前ら、そこにいる酒飲み姉妹の様に落ち着いたらどうだ?」

 

「だ、だだだだってののノワール君! 記者会見ですよ!? ぜ、絶対に転びますよぉ!! 私の不幸体質がそう言ってるんですぅ!」

 

「そそそそそっすよぉ!? 前回だってかなり緊張してたってのに記者会見とか無理無理! なんで王様達は平然としてられるんすかぁ!?」

 

「別に緊張するほどでもないだろ? あと水無瀬、もうちょっと強く抱き着いてくれ。おっぱいの感触を味わいたい」

 

「だめですぅ! 味わったらだめですぅ!」

 

「――と言いながら強く抱き着いている恵だった、まる」

 

 

 流石隠れМな水無瀬だ、言えばやってくれる。うーん……いつもの様に白衣に私服だからダイレクトに来るね! 心なしかちょっとデカくなってる気がしないでもない……まさか成長してるのか? 風呂で揉んだりしてるから可能性はあるな! 流石俺! 夜空に揉めばデカくなるって言わねぇと!

 

 

「ノワール、何度も揉まれたり弄られてる私は成長してないんだけど?」

 

 

 それは知らん。諦めろ。俺のせいじゃねぇ。

 

 

「……まさか安全だと思っていた水無瀬さんまであんな……! こ、これは怒った方が良いのでしょうか……? そ、それとも私もキマリス様にだ、抱き着くべきなのかしら……!」

 

「水無瀬先生もグイグイ行くタイプなんです……羨ましいです……!」

 

「めぐみんはぁ~のわーるらぶぅだっしねぇ~いばらぁ? きしゃかいけんだけどぉふだんどおりでぇいいかっらねぇ~?」

 

「了解。普通通りに行く。伊吹、緊張してない。凄い」

 

「にししぃ~おにさんはぁ~きんちょうしないのらぁ」

 

 

 片方は水無瀬の押しの強さに対抗心を見せ、もう片方は酒を飲むことしか考えてねぇ……カオスすぎるだろおい。なんなんだよこの眷属! 相手をする奴が可哀想に思えてきたぞ!! レイチェルもホームステイ初日は緊張してたっぽいが常識人であり我らがアイドルの橘のおかげで自分勝手な奴らとも仲良くできてるみたいで安心だ。今では普通に一緒の部屋で寝たり勉強したりファッション雑誌を片手に女子トークをしたり……あれ? おかしいな、水無瀬も女子トークに混ざる事は有るがそれ以外の奴らが混ざってるのを見たことがねぇぞ? まぁ、女子力無いだろうし混ざっても付いていけないだろうけども。

 

 

「私だって女子力有るもん。有るけどやらないだけだもん」

 

「はいはいわかってますよーそんじゃあ行くか。レイチェル、留守番頼むわ」

 

「お、お任せあれですわ! いってらっしゃいませ、キマリス様! 皆さん!」

 

 

 平家からの蹴りを受けつつ魔法陣で冥界へと転移する。場所はルシファー領内にあるホテル、本当ならキマリス領かバアル領で行うんだが……残念な事にうちには記者会見できるほど大きなホテルなんて無いしバアル領だと大王家が五月蠅いらしいのでルシファー領になったそうだ。普通に考えてゲームする事になってるのに文句を言うバアル家ってどうなんだよ……夜空に滅ぼされればいいのに。

 

 

「そういえばもうすぐ学園祭ですけどうちの同好会は何するんすか?」

 

 

 控室に通されて記者会見が始まる時間を待っていると暇なのか犬月がそんな事を聞いてきた。何をするって言われてもなぁ……特に無いんだよね。グレモリー先輩のオカルト研究部は占いだったかお化け屋敷だったかをやるそうだけど俺達は部じゃなくて同好会だしやらなくても良い。たとえレイチェルが入部してきて部に昇格できる人数に至ったとしても同好会で居続けてやる……部とかメンドクサイ。

 

 

「特に無いぞ? てか……去年なにしたっけ?」

 

「空いた教室を借りれたから心霊写真鑑賞会。ノワールが幽霊を呼び出して撮った写真を公開したら大反響だったね。皆、怖がってたよ」

 

「……あぁ、そうだった。これが俺達の成果だって言って公開したら笑われたんでちょっとイラついたから心霊現象をその場で起こしたんだったな。副部長様、今回もそうするか?」

 

「どうでも良い。それに同じことを続けると飽きられるよ」

 

「それもそうだな。んじゃそんなわけでうちの同好会は特にやることは無いので自由に遊んでいいぞ」

 

「……俺が入部したって聞いたクラスメートがやめとけよと言ってきた理由が分かったっすわ。何してんすか王様?」

 

「だってムカついたんだもん」

 

「もんって言ったら可愛くなると思ったら大間違いっすよ? しほりんとかならすっごく可愛いですけどね!」

 

 

 知ってる。男が「だもん」とか言ったら普通に気持ち悪いしな。その点、橘のように美少女が言うとあら不思議! 凄く可愛く見える! 実際に可愛いから大して変わってるようには見えないけどもなんかさらに可愛く見える! 犬月のセリフに橘が「悪魔さんと一緒に学園祭を楽しみたいんだもん♪」とか言ってるけど普通に可愛い件について……流石アイドル! 平家が対抗して似たようなことを言ったけど全然違うわ! これが清純(淫乱)派とエロエロ派の違いか……!

 

 

「そういえばぁ~ちょろいんのぉさやってどうなったぁ~んだい?」

 

「うん? あぁ、今日の朝方に北欧の主神様にお願いして作ってもらう事になったよ。なんか知らないが三大勢力と北欧と京都が合同で行うらしい」

 

「うっわ……なんかスゲェっすね。てか本当に良いんすか? 残った騎士の駒を鞘なんかに使っちゃって? この引きこもりより役に立つ奴が今後現れるかもしれねぇんすよ? 取っといた方が良いと思うんすけどねぇ」

 

「それこそありえねぇな。平家以上に役に立つ奴が居るならとっくの昔に眷属にしてるっての……別にグラムの鞘が失敗しようが平家が居れば問題ねぇんだよ。こいつ一人で騎士二人分の活躍をしてくれるしな」

 

 

 

 実際問題、確かに成功するか分からないものに悪魔の駒を使用するのは馬鹿のやる事だと思う。でも正直なところ……平家が居れば他はいらないんだよなぁ。他種族から嫌われてるって言っても心を読まれたくない奴らってだけで俺は特に気にしてはいないし、そもそもコミュ障にはありがたいしな! 黙ってても心を読んで反応してくれるとかマジで感謝ものだわ! ついでに付け加えると言葉に出さなくても俺の指示を分かってくれるんだ……他の奴らには出来ない芸当だろう。覚妖怪万歳! 愛しているぞ覚妖怪! 最高だぜ覚妖怪!

 

 

「……ばか」

 

 

 座りながら器用に俺の背中を蹴ってきやがった……顔も隠してるがきっと照れてるんだろう。

 

 

「いってぇなおい! いきなり蹴るんじゃねぇって……照れてんのか?」

 

「そんなわけない。ノワールが心の中で変な事を言うから蹴っただけ……そこは私だけにしてよ」

 

 

 なるほど……愛しているぞ覚妖怪じゃなくて愛しているぞ平家早織にしろってわけか。相変わらずの独占欲でなによりだよ、四季音妹の事を強く言えねぇな。

 

 そんなこんなで時間を潰しているとスタッフから呼ばれたので会場へと向かう。かなりの人がいるせいか会場となるホールに近づくつれて平家がダウンしそうになってるが……頑張れ、マジで頑張れ。

 

 

『キマリス眷属の方々が到着されました!』

 

 

 ホールに入るとフラッシュの嵐、眩しいんだが……? 殺されたくなかったら少し抑えてくれると助かるんだけどなぁ。正面には「サイラオーグ・バアルVSノワール・キマリス!」と結構デカメな文字で書かれた幕、そして先に到着してたらしい獅子王とその眷属が静かに席に座って待っていた。かなりの覇気を纏っているが緊張しすぎじゃないか? たかが記者会見だろ?

 

 空いている席にまずは俺が中央に座り、右隣が平家、左隣が四季音姉、その後ろに犬月達が座る。ちらりと平家を見ると既にダウン寸前で吐きそうな表情をしている……まぁ、此処にいる記者達って男ばっかりだしなぁ。女性記者もいるが殆どが男だから心の中を読んで気持ち悪くなってるんだろう……黙って俺の心だけ読んでおけ、さっさと終わらせるから。

 

 

『両眷属が到着されましたのでこれより記者会見を始めます。まず今回のゲームですがサイラオーグ・バアル様、ノワール・キマリス様両名の希望により制限はありません。またゲームでは特殊ルールを用いて行われる予定です』

 

 

 進行役から制限無しという言葉が聞けて地味にラッキーと思ったのは内緒だ。確かに獅子王とのゲームが決まった時に魔王様からどのようなゲームをしたいかなって感じで聞かれたから互いに全力で殺し合える奴って答えたのが功を奏したらしい。まっ、冥界でもかなり注目してるらしいし四季音姉か平家を出場停止するとは思ってなかったけどな。

 

 

「やはり影龍王殿も全力で戦いたいと思っていたか」

 

「とーぜん。下手に制限つけると周りが五月蠅いだろ? それに俺達自身が納得しない……同じ気持ちで嬉しいね」

 

「そうだな。俺も全力で臨むつもりだ、制限など俺と影龍王殿の間には必要が無い。この決断には上役達に感謝しないとな」

 

 

 軽く雑談をした後、再び進行役からゲームについて説明を受ける。日程は俺達の学園祭前日らしいがこの辺はどうでも良い……そもそも準備とか何もしないつもりだしな。そしてゲーム会場だがどうやらルシファー領で行われるようだ……どんだけバアル領に俺達を入れたくないんだよ? 別に暴れるわけじゃねぇのに警戒しすぎじゃないか……?

 

 

『ではここで両眷属の王であるお二人に意気込みを語っていただきたいと思います。まずは影龍王、ノワール・キマリス様からお願いします』

 

「意気込みって言われてもな……正直、全力の獅子王、サイラオーグ・バアルとの対決以外は大して興味無いから言葉に困るんだけど? あーでもグレモリー先輩達とのゲームよりは楽しみなんで遠慮なくぶっ倒したいと思いまーす。あと試合に出ている奴らを罵倒とかする奴がいたら問答無用でチョロイン魔剣ぶっぱするんでそのつもりでいてくださいねー」

 

 

 もっとも俺がやらなくても夜空辺りがキレてそいつを消滅させるだろうけどな。てかなんで背後から王様! もっと言葉を選んでくださいと言われないといけないんだ? 意気込みを語れって言われたから素直に言っただけだぞ? 両隣の平家と四季音姉だって何も言わないし問題無いだろ?

 

 

「ハハハハハハハ! 流石は影龍王殿、このような場でも普段通りとは恐れ入る! 心配せずとも俺は全力で立ち向かう所存だ。俺の拳が影龍王殿にどこまで通じるかを確かめたい、このゲームで俺は上へと行けるかどうか確かめられるはずだからな。すまないが今のが俺の意気込みという事で頼みたい」

 

『わ、分かりました! では両眷属へ質問コーナーを設けたいと思います』

 

 

 というわけで始まりましたドキドキ! あなたに質問コーナー! キャーキモーイ! 帰らせろー!

 

 まず一番手はまさかの俺で『伝説の魔剣を手に入れましたがゲームで使用されるのか』という馬鹿なんじゃないかって質問が飛んできたので『その時の気分次第。まぁ、邪魔だから使わないんじゃねぇの?』という素晴らしい返答をすると記者達が絶句しやがった……なんでかねぇ? 勿論、犬月や橘、水無瀬、平家、四季音姉妹にも質問が行ったが真面目勢は本当に真面目に答えて、不真面目勢は適当に答えていた。てか四季音姉……ゲームの質問をされて酒飲みたいから飲んで良いはダメだと思うぞ?

 

 ちなみに当然だが獅子王達にも質問が行ったが俺達とは違って普通に真面目に答えていました。流石若手最強! つまらねぇ。

 

 

「……つかれた」

 

「……つかれました」

 

「……悪魔さん、お説教です」

 

 

 長かった記者会見が終わり、俺達は自宅へと帰って来ていた。テーブルに突っ伏すように犬月、水無瀬、橘の三人が疲れ果てた表情をしている……そこまで疲れる要素があったか?

 

 

「三人は真面目だからね。色々と大変だったんだよ」

 

「なんだそりゃ? まぁ、良いや。とりあえず日程も決まってるんだし獅子王戦の事でも話すか……と言っても特殊ルール有りっぽいから当日にならないと判断出来ない部分もあるけど」

 

「記者達も詳しい事は聞かされてないみたい。でも全員でフィールドを駆け回るような類じゃないと思うよ? だって観客が居るんだし」

 

「だな……となるとタイマン形式、アスタロトとのゲームと同じダイス・フィギュアかその辺か。どうでも良いがやるからには勝つぞ? 今回も負けるとどこかの規格外がキマリス領を滅ぼすらしいしな」

 

「うわーい、しぬきでがんばりますよー」

 

 

 犬月が呆れた声色で返答してきたが問題ねぇさ。獅子王眷属は女王一人、騎士二人、僧侶二人、戦車二人、兵士一人で構成されている。こっちは四季音姉(戦車)平家(騎士)水無瀬(僧侶)(僧侶)犬月(兵士)四季音妹(兵士)。数的には負けているが獅子王側の兵士は単独では出てこないだろう……なんせ動く神滅具だ、王のサイラオーグ・バアルと共に出てくると誰だって予想できる。もっとも俺の予想しているダイス・フィギュアだった場合はかなり無理だろうけどな。

 

 

「とりあえず当日までに各々が出来る事をやっておけよ? これに勝てば名実ともに若手最強だ。遠慮なんていらねぇしする必要もない……俺の眷属だ、その辺の奴には負けねぇって信じてるよ。だからもう一回言うぞ――今回のゲームに勝つぞ」

 

 

 俺の言葉に全員が強く頷いた。

 

 さて獅子王……悪いが勝たせてもらうぜ? 圧倒的な暴力ってのを見せつけてやるよ。




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