D.Gray-man~The power that is hidden~ 作:黒薔薇
「シュレイアさん…」
「っ!!」
シュレイアは自分に近づいてくるアレン達に気づき、隠し持っていたナイフを取り出して自分の喉元に突きつけた
「何をするつもりですか!?」
「お兄ちゃんとブレイラもいない世界なんて生きる希望が無くなった。だからここで一緒に死んで…。」
「貴方はブレイラさんの最後聴いていなかったのですか!?お兄さんは貴方を巻き込みたくなかったから自分の命より貴方を選んだんですよ!!それはお兄さんにとって貴方は大切な家族だからじゃないですか!?」
「自分の命より私を選ぶなんて自分の命を粗末しているみたいなものじゃない!!」
「それは違います!!貴方はお兄さんと共に過ごしてきたのなら貴方の目にはお兄さんをどういう風に見ていきたのですか!?」
「…!?」
アレンの一言でシュレイアは驚いて目を大きく開いた。
私はお兄ちゃん、ブレイラが居なくなることなんてそんなこと今まで考えたことが無かった
いつも一緒だからそんな日なんてくるとは思っていなかった
こんな15歳ぐらいの少年にそんなこと聞かれるなんてなんて私自身驚いた
自分はなんてこんなに小さい人間なんだろう・・・
「…お兄ちゃん。…ブレイラ。」
シュレイアの脚元がふらふらしてシュレイアの体力の限界でとうとう倒れてしまった。
「シュレイアさん!!」
アレンとリナリー達の声が聞こえるが、意識が遠のくにつれて声が小さくなっていった…。
(シュレイア。俺にとって可愛い大切な妹よ・・・)
暗い空間でシュレイアは1人立っていた
何処からかお兄ちゃんの声が聴こえた
(お兄ちゃん!!)
(シュレイア。分かってくれ・・・これはアイツと俺からの願いだ。)
すると、シュレイアの前にフュレイアとブレイラが立っているが、背を向けてシュレイアを置いて先2人一緒になって歩いて消えていく
(お兄ちゃん!!ブレイラ!!待って!!二人共私を行かないで…!!)
「…かないで。」
「シュレイアさん。」
「んっ・・・。ここは…?」
目を開けるとシュレイアはどうやら何処かのベッドに横になっていた
シュレイアの傍には自分を助けに来てくれた黒の教団の名前は確かアレンだったかな?15歳ぐらいの少年が椅子に座っていた
「ここは黒の教団本部です。貴方はあの時気を失っていたんですよ。僕がここまで運んできました。あとブレイラさんの遺留品はこちらで回収して一緒に埋葬しましたので。あとでお墓まで案内しますね。」
「ブレイラ。やっぱり死んでしまったの…?」
「すみません、僕達がもう少し早く貴方達の所に着いていたらこんな事には…。」
「……………」
シュレイアとアレンの会話の途中で沈黙の空気
そんな時にアレンの傍にいるゴーレム・ティムキャンピーがアレンの顔の辺りを飛び周りながらアレンに噛みついていた
どうやら、ティムキャンピーは怒っているようだ
「ティムキャンピー、何ですか!?い、痛いです!!頭を噛まないで下さい!!」
シュレイアはアレンとティムキャンピーのやりとりが面白くなって思わず笑ってしまう
「アレン、もういいんです。お兄ちゃんとブレイラから守ってもらった命です。この命を大切にします。」
「シュレイアさん。」
「あっ。シュレイアで構いません。私もアレンって呼ばせていただきます。もう一人のお仲間さんはどこですか?助けていただいたお礼がしたくて…。」
「分かりました。僕が案内します。」
「すみません。」
シュレイアは身体を起こしてベッドから降り、アレンと一緒に部屋を出た
「体の方は大丈夫?」
「はい。休ませていただいたおかげでだいぶ楽になりました。」
「それは良かった…。」
シュレイアはどうしてこの少年はこんなに優しいのだろうと思った。見た目は自分より年下なのにしっかりしている。その時自分とアレンを何故か比べてしまった。
「たぶんこの時間なら食堂にいると思いますよ?」
「食堂ですか?この教団には食堂があるんですか?」
「はい、もしかして食堂は初めてですか?」
シュレイアは頬を赤くして俯きながら言った
「は、はい。恥ずかしながら食堂というものに縁がないので…」
「そうなんですか。食堂だとみんなと一緒にご飯を食べて、お話をしたりしますよ。」
「へぇ…。」
-食堂-
「ここが食堂です。」
シュレイアが案内された所は教団のみんなと食べる食堂に着いた
見た感じは長机が沢山あるように見えるがここに本当にご飯を食べる所なのかとシュレイアは首を傾げ唖然としながら答える
「広い食堂ですね。」
「あっ、リナリー。やっぱり食堂にいました。」
「あ、アレン君。アレン君もご飯?」
「それもそうなんですが、シュレイアさんがリナリーにお礼が言いたいって。」
「シュレイアさん、体の方は大丈夫なの?」
「大丈夫です。先日は私を助けて頂きありがとうございました。二人が駆け付けてくれなければ私はここにたどり着く事ができませんでした。お二人には感謝しています。」
「貴方に怪我がなくて良かったわ。アレン君、今からシュレイアさんのお兄さんの友人・ブレイラさんのお墓に行くの?」
「はい、シュレイアさんが眠っていた時から2日経ってしまいましたからね。」
「私、2日も眠っていたんだ…。」
「ちゃんと自己紹介できていなかったわね。私はリナリー・リーよろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
お互いに自己紹介をしながらお辞儀をし、握手をした
「そういえば兄さんがシュレイアさんが目が覚めた時はアレンくんとシュレイアさんと私の3人は室長室に来て欲しいって言われたの。」
「コムイさんが?分かりました。シュレイアさん、リナリー行きましょう。」
アレン達は室長室に向かった。
-室長室-
コンコン
「アレンです。コムイさん、いますか?」
…………………………。
「返事がないわね。いないのかしら?コムイ兄さん入るわよ?」
「誰もいませんね…。」
「どこにいったのかしら?コムイ兄さんいないの~?」
何処からかリナリーの名前を呼ぶ声が奥の方からだんだん大きく聞こえてくる
「リナリ~~~~~!!助けて!!リーバー班長が僕を苛めるよ~~~~!!」
「それは兄さんが仕事しないからでしょう!?」
リナリーの脚にしがみついている人物がコムイ室長ということがシュレイアは人目で分かった
「リナリー、室長を何とか仕事するようにしてくれないか?でないと仕事が貯まって終わらない一方なんだ…。」
コムイ室長の後ろからリナリーに話しかけている人物がどうやらコムイ室長の部下さんだとシュレイアは認識する
「兄さん仕事しないと私結婚するわよ。」
リナリーの言葉からシュレイアはまさかそんな事いうとは思わず、一番驚いたのはコムイ室長の顔だった!!
「リ、リナリーが結婚!?そんなの嫌だーーーーーーーー!!」
「そうですよ室長。だったらリナリーちゃんに結婚して欲しくないなら仕事して下さいよ!!」
「仕事も嫌だけど、リナリーが結婚するのはもっと嫌だーーーーーーーー!!」
「もういつまでもだだこねてないで兄さん。」
「ヤダヤダ!!お兄ちゃんは認めないぞ!!」
リナリーの脚にしがみついたままごね始めたコムイ室長、もうどっちが子供なのか分からなくなってきた
「ちゃんと仕事してくれたら結婚しないから。」
「本当?」
先ほどまでごねていたコムイさんが急にごねていた行動をぴたりと止め、涙目でリナリーの顔を見る
「兄さん。私今まで兄さんに嘘ついたことある?」
「分かった。お兄ちゃん仕事するよ!!」
(切替早ッ!!)
「ところで兄さん私達に何か用があるんじゃないの?」
「そうだった。アレンくん彼女が依頼人の対象の人かい?」
「はい。」
「初めましてシュレイアさん。僕はこの教団本部室長コムイ・リーです。」
「初めましてシュレイア・フローアンといいます。この度は助けて頂きありがとうございました。」
シュレイアは改めてコムイにお礼をした
「依頼人は確か…」
「フュレイア・フローアンではないですか?」
アレンは情報の紙を見ながらコムイに依頼人の名前を確認する
「そうだよ。これはフュレイア・フローアン、シュレイアのお兄さんからの依頼書と一緒にシュレイア宛の手紙も預かっているよ。」
「お兄ちゃんからの手紙・・・?」
「シュレイアには悪いけど僕は先に読ませてもらったよ、君が教団へ保護して欲しいということもその手紙に書いてあるよ。」
シュレイアはフュレイアからの手紙をコムイから預かると封筒を開け、恐る恐る手紙を広げた…