D.Gray-man~The power that is hidden~ 作:黒薔薇
-Dearシュレイアへ-
こんな形でお前に直接話が出来なくて本当にすまない…
これだけは分かって欲しいことがある。
俺はお前の事が決して嫌いでこんなことしたんじゃない。
お前の事が一番俺にとって大切な家族でたった一人の妹だからだ。
お前の力を利用しようとしている者がいる。
だから危険性があるからブレイラにお前の護衛を頼んだ。
シュレイア、お前の力はお前の心を許した者だけ力を使いなさい
決して悪用されないようにシュレイア、心を強く持つんだ
俺やブレイラがいなくても、1人で歩いて行けるよう心から願っている
俺の可愛い妹シュレイア、愛してる
fromフュレイア・フローアン
シュレイアはフュレイアの手紙を閉じた。
シュレイアの涙が頬を伝っていき、リナリーは静かにシュレイアを抱きしめた。
「お兄ちゃん、私も……。」
「シュレイア…。」
「シュレイアさん。我々の力が及ばず申し訳ございません。」
コムイはシュレイアの方に向いて深くお辞儀をする
「いいんです。私の為に二人が守ってくれたこの命を大切にします。」
「早速ですがシュレイアさん、貴方がアクマに狙われているという事は何かすごい力をお持ちということですよね?そうじゃないとアクマが貴方を狙うという事はないですからね。」
「私が狙われる理由は…。普通の人達と違う力を持っています。」
「もしかしてイノセンスの適合者!?」
リナリーの答えにシュレイアは首を横に振る
「いえ、イノセンスではないです。私は“魔術”と“心剣”が使えるんです。」
「魔術と心剣?どういうものなの?」
「魔術はいわゆる魔法と同じなのです。心剣とは女性の心が結晶化して剣となって武器になるのです。」
「心が武器?」
リナリーとアレンはシュレイアが何を言っているのかさっぱり分からない
そこへコムイがシュレイアの前に行く
「僕がやってみても構わないかいシュレイアさん?」
「はい。」
コムイとシュレイアがお互い向きあってコムイは右手をシュレイアの胸の位置にもっていき、二人は静かに集中した。
「久々だからあの時の形かな…?」
「さぁ?どうなんでしょうね。」
二人はそんな会話をしていたが、シュレイアの胸の辺りから何か文字がたくさん書いてある丸い陣が出てきた。
「アレンくん、リナリー、この陣は心剣を抜く時に出てくる陣だよ。この陣が無いと心剣は抜けないよ。シュレイア心剣抜くよ。」
「うん、いいよ。」
シュレイアの胸の辺りから剣が出てきた。コムイはそして剣を抜いた。コムイが抜いた剣は刀身が日本の国でいう刀に等しい剣で太陽のような暖かみで少し赤に近いオレンジ色の剣だった。
「あれが心剣…?」
「僕の心剣は人を斬るのではなく、力を与える剣なんだ。試しにアレンくんやってみるかい?」
「は、はい。」
「僕の前に来てそのまま立っててくれるかい?」
「僕は何もしなくても良いんですか?」
「何もしなくてもいいよ。」
コムイに言われた通りにアレンは何もしないでただ立っていた。
「我の力をこの者に。」
コムイが唱えた言葉にアレンの足下に陣が浮かび上がってきた。
「これは凄いです!!力がどんどん湧いてきます!!」
「本当に!?」
アレンは自分の身体から今まで感じたことのない力がどんどん溢れてくるのが分かる
「私の心剣は本物です。心剣の形は人によって全く形も能力も違います。ただし、心剣を抜く事が出来るのは男性だけなのです。」
そう言ってコムイが持っていた心剣は自然に消滅した
「僕がシュレイアの心剣を抜く事が出来るのですか!?」
「はい。でも、今は心剣を抜く事は出来ないと思います。」
「どうして?」
「私が信頼している人と私の事知らないと抜く事が出来ないわ。」
「そう。確かにいきなり彼女の心剣を抜こうとすると彼女自身の心剣が抵抗して抜く人にダメージがくるからね。それは彼女自身の心にもダメージが一番大きくくるからむやみに心剣を抜く事はいけないよ。あとは、彼女の心剣にダメージが大きいと彼女に負担がかかって心剣は自然に消滅するから無茶はしないように」
「分かりました。話はまだありますか?」
「うん。今さっき新しい任務が入ってきたばかりだよ。街にアクマが出たそうだ。至急アクマを破壊して欲しい。」
「アクマ…?」
「シュレイアさんはアクマの事知っていますか?」
「アクマの事は少しだけお兄ちゃんから聴きました。人を殺す兵器だって…。」
「アクマは人の皮を被って人の世界に入り込んできます。アクマの源は人間の魂です。製造者が蘇らせて欲しい人間のもとに現れて製造者と契約すると同時にその人は蘇った魂に殺されてしまい、蘇った魂が殺した人の皮を被って人を殺すしかない兵器になってしまうのです。」
シュレイアはその話を聴いて顔が真っ青になって床にへたり込んだ。
「アクマが人の魂で人を殺しているってそれじゃあ人間同士の殺し合いじゃない…!!そんなの悲しすぎるよ!!」
「これは真実なんです。シュレイア…。」
「僕たちはその人達を助けるためにエクソシストになったんです。これ以上誰も悲しみを増やさないために。」
アレン達の目は嘘偽りはなく、何かを決意しているそんな目をしていた。
「私も…。私も一緒に戦います!!」
「シュレイア!?貴方を戦わせるなんてそんな事出来ません!」
「どうして…?どうして駄目なの?人を助けるために戦うことはいけないことなの?」
「そうではありません。貴方はアクマ達から狙われているんです。その貴方が敵の手に捕らわれる可能性があるという事をアレンくんはそう言いたいんです。」
コムイはシュレイアにアレンの言っていることを説明するが・・・
「私はもう守ってもらうばかりは嫌なの。守ってもらってばかりじゃいられないの!!また誰かを失うのはもう嫌なの!!」
シュレイアの目から今にも涙がこぼれ落ちそうな顔だった。
「確かに人助けするために僕らがいるんです。僕らも彼らと同じ人間です、僕達エクソシストも仲間を助け合って戦っているんです。コムイさん、シュレイアの言葉を信じてもいいんじゃないですか?」
「兄さん、私からもお願いシュレイアを戦わせてあげてシュレイアのことは私達がちゃんと守るから。」
「コムイさん、シュレイアはずっと守られてばかりだと同じ事を繰り返して苦しむだけですよ。だから、シュレイアを戦う事を認めてあげて下さい。」
アレンはコムイに頭を下げた。
「ア、アレンくん…。」
コムイはアレンが頭を下げている姿とリナリーのお願いで頭をかきながら悩む
「じゃあ僕らがそばにいるのはどうですか?任務の時は一緒にいて、生活面はリナリーやミランダに協力してもらうのは駄目ですか?」
「んー、それなら構わないよ。じゃあ二人ともシュレイアの事頼んだよ。」
「「はい!」」
「今回の任務はアクマ退治だけど、シュレイアも一緒に同行だけど構わないかい?」
「私は構いません。多くの人が助かるなら私行きます!!」
「3人共気をつけて。」
3人はコムイの話を聴いてから室長室をあとにし、任務の場所へ向かうのであった……。