D.Gray-man~The power that is hidden~ 作:黒薔薇
任務が終わってからシュレイアはカファと一緒に次の任務まで休むと言って部屋に戻った
アレン達はコムイにシュレイアとカファについて話をすることにし、室長室に向かった
「今回の任務の報告かい?」
「はい」
アレン達は室長室に入り、それぞれ椅子に腰掛けた
リナリーはみんなの飲み物を入れてくると言って室長室を出た
「シュレイアとカファの事で少し気になったので」
「俺も気になってたさ、カファの事も気になったんだけどさ。シュレイアはいったい何者なのさ?」
「ラビはブックマンから話を聞いたことあると思うんだけど、彼女は心剣者の“心剣”、“心剣”の心(しん)、つまりシュレイアは“心(こころ)”を持っているんだ。」
ラビはコムイの話を聞いてブックマンから話を聞いていたそうだが、ラビとブックマンは実際に“心剣”に逢うのは初めてだったということだった
「じゃあ、シュレイアの心剣もう誰か抜いたということか?」
「僕がアレン君にどういうものなのかを見てもらうために抜いたぐらいかな?」
ラビはコムイが心剣を抜いたことにかなり驚いていた。まさかコムイが抜くとは思わなかったのだろうと誰もが思ったが、実際アレンとリナリーは見ていたのでそんなに驚くことはなかった
シュレイアの心剣がコムイ以外の人間が使うとどうなるのだろうかとアレン、ラビは思った
「心剣を抜く事はそれだけその人を信頼している事なんだよ」
コムイはアレン達に少し心剣の事を教え、アレン達は心剣の事が少し分かった
「僕が抜いたシュレイアの心剣はまだ完成じゃないからね。完成な心剣は光に包まれているそうだよ。僕はまだシュレイアに信頼できるところまでたどり着いていないんだね。」
コムイの言葉にシュレイアは俯く
シュレイアはコムイにまだ自分自身のことを信じている人、受け入れてくれる人しか心剣を預けていないという大事なことを話していなかった
「シュレイアはコムイさん以外に心剣を抜いていた人はいるんですか?」
「コムイさんとお兄ちゃんだけよ」
どうやらシュレイアの心剣を抜いたのは二人だけだった
コムイさんは未完成の心剣だということはシュレイアのお兄さんは当然完成の心剣だなとアレンは思った
「お兄さんの心剣も完成型だったのかい?」
シュレイアは首を横に振った
「完成型になる手前までしかなっていないよ。お兄ちゃんでも私の許していない所もあるから」
「意外ね。兄妹ならどんなことでも問題ないと思っていたんだけど」
リナリーはそう言った言葉に周りの者達は軽く頷いた
「リナリーもコムイさんに知られたくないこととかあるんですか?」
「そうね、兄さんに知られたくないこともあるわ」
「誰でも人の知られたくないことはみんな持っているんだよ」
そう言ってコムイは自分の椅子に座った
座った時に何か思い出した感じで机の上に置いてある資料の山積みなっているうちの一冊取り出した
その資料をアレンに渡した
「これは次の任務ですか?」
「そうだよ。今回の任務はシュレイアに関係ある任務なんだ」
その言葉にシュレイアは反応した
「私に関係があるってどういうことですか…?」
「心剣を抜くためにはその人を信頼しないといけない、心剣のことを詳しく知っている者がいるんだその人に心剣の情報を聞いてきてくれるかい?」
アレンが持っている資料をシュレイアは目を通した
すると、シュレイアの表情がさっきまでの表情が一気に暗くなった
「どうしても、行かないと、いけないですか…?」
コムイは頷いた
これは心剣のことだから当然シュレイアは行かないといけないことなのだが、この任務だけシュレイアはどうしても嫌がっていた
シュレイアは何か心当たりがあるのだろうか
アレンはそう思っている間に話がどんどん進んでいく
「シュレイア、これは君が行かないと困るんだよ」
シュレイアはコムイの言葉に小さく俯いて縦に頷いた
「…分かりました」
そう言って室長から出ていった
シュレイアは次に向かう任務の場所はシュレイアの兄・フュレイアの研究所だった
シュレイア自身はもうあの場所に行くことはないと思っていたのだが、まさかまたあの場所に行くのはどうしても嫌だった
兄のこと、私を庇って死んでしまったブレイラのことをまた思い出してしまうということが怖いのだ
もう自分を見てくれた二人はもう傍にいないのに、今更行ってもまた思い出してしまいそうで余計に不安と恐怖があった
「シュレイア!!」
後ろから誰かが呼んでいる、聞き覚えのある声だ、後ろを振り向くと息を切らしながら走っているアレンだった
「アレン…?どうしたの…そんなに慌てて…」
アレンが呼吸が落ち着くまでシュレイアは待っていた
「今回の任務先、フュレイアさんの研究所だそうですね」
「…うん」
「だから、コムイさんが今回の任務先のことであんなこと嫌がっていたんですね」
アレンの言葉にシュレイアは頷いた
「シュレイアさんの行きたくない気持ちは分かります。でも行かなければならないこともあります。」
その言葉にシュレイアの表情が変わった
「何も知らないくせに…」
「えっ?」
「何も知らないのに勝手なこと言わないで!!アレンに私の何が分かるっていうの!?」
「シュレイア…君はフュレイアさんとブレイラさんという暖かい二人に囲まれていて僕は君のこと羨ましいかったです」
「えっ…?何で」
シュレイアはアレンの言っていることがどういうことなのか分からなかった
「僕が生まれた時には本当の家族じゃないけどねマナと旅していたんだ…」
「マナ…?じゃあ、お父さんやお母さん、兄弟はいないの…?」
「…うん」
シュレイアは自分だけが辛いと思っていたのだが、アレン自身も辛い過去を持っていた
「だから、シュレイアの気持ちが分かるんです」
「今更同情されても私の何が分かるというの!?」
シュレイアは背中に隠し持っているナイフを取り出した
そのナイフを自分の首に向けた
「シュレイア落ち着いて下さい!!」
「もう、私は…」
シュレイアは自分は本当にどうしたらいいのか分からなくなっていた
そう言って喉まで近づいた時にアレンの神ノ道化(クラウン・クラウン)が発動し、シュレイアのナイフを弾き飛ばした
「どうして…」
泣き崩れたシュレイアをアレンはそっと優しく抱きしめた
「僕はブレイラさんに貴方のことを頼まれているのに約束を破ったら怒られますからね」
アレンがそう言うとシュレイアはアレンに申し訳なく思って何度も謝りながら泣いていた
シュレイアが落ち着くまでアレンはそっと抱きしめたままシュレイアを見守っていた
この時シュレイアの心の中で何かモヤモヤしてたのが何なのかシュレイア自身分からなかったのであった
「お兄ちゃん、ブレイラ・・・」
シュレイアは寂しさのあまりにアレンの服を掴んだまま泣き崩れて泣き疲れたのかそのまま眠っていた
暗い夜の中、月が照らされている中でアレンは泣き崩れて眠ってしまったシュレイアを抱きかかえて、シュレイアの部屋へ向かった
朝日が昇り、自分の部屋で目覚めたシュレイアは昨日の出来事を思い出していた
「私、アレンと話をしていてそれから・・・」
自分がどうして自分の部屋に帰って来たのか、アレンと話をしていた時ははっきりしているが、その後のことは全く覚えていない
そう思い出していた時に扉の方から誰かが扉をノックしていた
「シュレイア起きていますか?アレンです」
扉をノックしていたのがアレンだということに反応してしまったシュレイアは慌てて返事をしようとしていたが、鏡を見て今着ている服装が乱れている状態でとても入ってきてもいい状態じゃない
「ちょ、ちょっと待ってくれる?すぐ開けるから」
「は、はい・・・」
シュレイアは長い髪が乱れているのを誤魔化して一つに髪をまとめ、着ている服は脱ぎ、近くに畳んであった服を取り慌てて着替え、入って来てもいいように返事を返した
「もう、いいよ」
シュレイアが返事を返すと、扉が開いてアレンが部屋に入った
「お邪魔します。コムイさんが室長室に来て欲しいそうです」
「分かりました、今行きます」
自分の机に置いてある小さい頃に兄・フュレイアからプレゼントでもらったクローバーのネックレスを身に付けてアレンと共に室長室に向かった