スーパーロボット大戦J ムーンデュエラーズ   作:YSK

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第10話 兄弟姉弟のあれこれ

──ベヘモス──

 

 

 

 ミスリルのテスタロッサ大佐(フルメタルパニック)がラムダ・ドライバを使えうる少年テロリストがいるという情報を得たゆえ、確認、回収しようと日本に出向いていた。

 

 彼女の判定はクロ。すなわち適応者であるとのことだった。

 

 ミスリルはその少年を回収、輸送していたが、その道中に襲撃を受け、少年はテロリストに奪還されてしまう。

 

 テッサ(テスタロッサ)はなんとか宗介の元へ身を寄せ、ナデシコの協力を得てラムダ・ドライバを積んだ機体がかつてオルファンの津波で壊滅した地区にある可能性を突き止めた。

 

 

 通常ならば、そんな『かもしれない』というレベルの情報では軍は動けない。

 

 

 しかし、特別な軍属であるナデシコはそんなのお構いなしに出撃するのだった。

 

 

 それにはさしものテッサも、唖然である。

 16歳でトゥアハー・デ・ダナンの艦長を務める規格外の彼女から見ても、ここはやっぱり常識はずれのところのようだ……

 

 

 宗介の所属するウルズチームがそのテロリストが潜伏していると思われるところを強襲する。

 

 すると出るわ出るわ。わらわらとアームスレイブが姿を現し、ナデシコはテロリストの殲滅に取り掛かるのだった。

 

 

 敵の数を減らすと、敵の本拠地であった廃工場から巨大なアームスレイブ、ベヘモスが姿を現した。

 それは、宗介の乗るアーバレストに積まれたラムダ・ドライバを搭載し、いかなる攻撃も跳ね返す。

 

 しかし再びかなめからのアドバイスにより、宗介はベヘモスのラムダ・ドライバの弱体化に成功。

 

 ベヘモスを撃破するのだった。

 

 

 テロリストの殲滅が終了する。

 しかし、疲弊したところを狙い、新たな指揮官、ベルガン将軍を加えたボアザン軍が攻めてきた。

 

 ボアザン軍の出現に、超電磁チームが強化もそこそこに出撃を強行する。

 強化プランの試作ウルトラマグナコンは正常に作動し、一時は超電磁阻害電波に耐えることができたが、未完成ゆえ自身のパワーに耐え切れず、故障してしまうのだった。

 

 再びピンチに陥った超電磁チーム。

 

 そこに黒騎士を名乗る漆黒のロボットに乗った男と鷹メカが現われ、二機を救い、さらに改造のヒントを記したカプセルを射出し去っていった。

 

 超電磁チームは再び撤退し、残されたボアザン軍は統夜達が力をあわせ、撃退するのだった。

 

 

 鷹メカから回収したカプセルを回収、解読した結果、先ほど不完全で壊れたウルトラマグナコンの完璧な設計図であった。

 これで超電磁マシーンの出力は格段に上がり、阻害電波になど負けない出力が出せるようになるだろう。

 

 これほどのものを設計できるのはボルテスVを設計した剛博士以外にないとそれを見た博士達は言う。

 

 

 父がこの地にいるのかもしれない。

 その希望を抱いた健一達剛兄弟だったが、健一は鷹メカを探す必要はないと弟に言い聞かせた。

 

 彼も父を探したくてたまらない。だが、地球を守る使命を優先したのだ……!

 

 

 

──血を分けた悪魔 前編──

 

 

 

 剛兄弟の父と思われる者が乗る鷹メカからもたらされた設計図により、完全なウルトラマグナコンが完成した。

 

 これにより超電磁チームの改修はほぼ終わり、あとはテストを残すのみとなった。

 

 

 そのおり、先の鷹メカが発見されたと一報が入り、超電磁チームはテストも兼ね、その現場へ先行する。

 

 

 現場に到着すると、鷹メカはボアザン軍により撃墜されていた。

 襲い来たボアザン軍を倒し、墜落した鷹メカの乗員を救出にむかう。

 

 鷹メカに乗っていたのは、健一達の父ではなく、ダンケというボアザンの元将軍だった。

 

 ダンケ将軍の傷は深く、すでに助からないと、今わの際の言葉を健一達に残す。

 

 

 健一達の父は生きていること。

 そして、健一達の出生の秘密が語られた。

 

 なんと健一達兄弟はボアザンと地球のハーフだったのだ!

 

 

 父である剛博士はボアザン星人であり、今はボアザン軍の地球侵略の最前線。地底城にとらわれていることが判明する。

 

 

 驚愕の事実に驚く中、ボアザン軍総司令のハイネルが現われ、自分にもボアザンの血が流れていると主張した健一に一騎討ちの戦いを申しこんだ。

 

 その一騎撃ちの中、ボアザンの将軍ベルガンは健一ごと総司令ハイネルを葬り去ろうと、爆弾を仕掛けようとする。

 ベルガンは、ボアザン星皇帝、ズ・ザンジバルの命によりハイネルを失脚、もしくは暗殺させるためこの地にやってきていたのだ!

 

 

 墜落した鷹メカのエンジンを爆破させようと、小型の爆弾を飛ばすベルガン。

 だが、その爆弾の存在を察知した豹馬が一騎討ちを行っている二人の間にわりこみ、ハイネル、健一両名の命を救った。

 

 しかし、爆破の衝撃により、豹馬は両手を負傷してしまう。

 

 爆弾による暗殺などという卑劣な手段を地球人が使ったと思ったハイネル(誇り高いボアザン星の者がそんなことをするわけないと思っている)は、旗艦スカールークに戻り、つれてきた軍勢に総攻撃の命令をくだすのだった。

 

 両腕を負傷した豹馬はコン・バトラーVを操縦することは出来ない。

 

 

 ボルテスVはたった一機で戦場に立ち、ナデシコとアークエンジェルが到着するまで孤軍奮闘の活躍を見せるのだった……!

 

 

 

──メルア──

 

 

 

 ボアザン軍が現われたというところへやってきたら、豹馬さんが両腕を大怪我したと聞かされました。

 今は戦闘中のため豹馬さんを艦に収容することが出来ません。

 

 わたし達は、ボルテスVを、豹馬さんを助けるため、出撃することになりました。

 

 

「ボアザンめ……!」

 

 統夜さんが静かに怒ってます。

 そうですよね。豹馬さんは火星からずっと一緒に戦ってきた仲間です。

 

 その人が傷つけば、統夜さんだって怒ります。もちろん、わたしだって!

 

 

「統夜さん!」

 

 

「なんだ? チョコレートなら今ないぞ」

 

「違いますっ!」

 

 優しい顔で言われちゃいました。

 いくらわたしだってこんな時チョコレートは欲しがりません。

 

 だいたいチョコレートはちゃんと持ってきてますよ!

 

 

「そうじゃなくて。ボアザン軍を早く追い返して、豹馬さんを医務室に運びましょう!」

 

「もちろんだ!」

 

 

 今のわたし達は気合十分です。

 どれだけボアザンの人達が押し寄せたとしても、負けませんよ!

 

 

 

──血を分けた悪魔 後編──

 

 

 

 ボアザン軍を追い払い、両手を怪我した豹馬も医務室に運ばれた。

 命に別状はないが、しばらくは両手の治療とリハビリのため、コン・バトラーは戦線を離れなければいけないようだ……

 

 

 さらにもう一つ、ボアザンとは別の問題が特務分艦隊が起こっていた。

 

 ボルテスを救援に来た時、ブレードことDボウイが自分は出なくてもいいだろうと部屋から出てこず出撃を拒否したのだ。

 さすがにこれは問題である。

 

 一体どういうつもりかと改めて詰め寄ろうとするが、ラダム襲来の報が入ってしまった。

 

 

 ラダム獣の目的地は発電施設。

 そこはこの地の生命線といえるもので、ニュートロンジャマーによってエネルギー不足が引き起こされたところでそこが破壊されれば、致命的な電力不足となるだろう。

 

 そうなってはたまらないと、分艦隊の面々は補給もそこそこに、そちらへむかうことになった。

 

 

 ラダムが現われたということで、Dボウイは姿を現し、ミリー(テッカマンブレード)に重大なことを告げる。

 それは、彼が今まで出撃を拒絶してきた大きな理由のいったんだった。

 

 なんと今のDボウイは、テッカマンブレードに変身し30分たつと人の心を失い悪魔となってしまうのだ。

 

 今まではそうならないよう気をつけて戦ってきたが、あのテッカマンエビルを前にしてそれを冷静に判断することが出来なくなるかもしれない。

 

 そうなったら、俺を殺してくれと、ミリーに伝言を頼むのだった……!

 

 

 ラダムの出現に出撃するブレード。

 

 

 発電施設防衛の最中、テッカマンエビルが姿を現し、ブレードを挑発した。

 やはり、ブレードは耐え切れず、逃げるエビルを追ってしまう。

 

 エビルは月での邂逅のおり、このブレードの弱点に気づいていた。

 ゆえに、ブレードの仲間を防衛で釘付けにし、自分がブレードを相手にするという状況を作り出した。

 

 彼はそのために舞台を整え、こうしてその幕を開いたのだ!

 

 

 戦いの中、ブリッジにミリーが駆けこんできた。

 戦闘中にそこへ入ることは本来なら許されない。

 

 だが、無理矢理色々突破してやってきたのだ。

 

 

 通信を借り、彼女はブレードに呼びかける。

 

 

 この時やっと、ブレードに重大な欠陥があることが皆に知らされたのだ……!

 

 

 逃げ回ったエビルが戦場に戻ってきた。ブレードもそれを追い、皆の前に姿を現す。

 なんとかして時間内にエビルを倒そうとボルテッカを放つが、エビルはそれをかわし、ついにタイムリミットがきてしまうのだった……

 

 

 動きを止めたブレード。

 この隙に殺してくれと、皆は託されたが、誰も撃つことは出来ず、ブレードは暴走してしまうのだった。

 

 

 軍の命令はブレードを消せというものだった。

 当然だろう。彼はもう、敵のテッカマンと同じになってしまったのだから。

 

 だが、統夜達は諦めない。

 

 なんとかして彼を戻そうと何度も何度も呼びかける。

 

 

 すると、ミリーの声に暴走するブレードの脳波が反応した。

 

 

「そういえば!」

 テニアが思い出す。

 

 鷹メカ発見の一報が入る前、テニアはミリーと考えごとをしているDボウイを見つけ、声をかけた。

 

 その時彼は、ミリーを見て妹のミユキと間違えたのだ。

 

 

 それが、Dボウイが彼女の声に反応した理由。

 

 

 ユリカはそれを受け、ミリーを直接ブレードの前に行かせ、説得する作戦を立てた。

 

 

 それに失敗すれば、彼等はもうDボウイを倒さなければならない。

 

 

 Dボウイを心配するテニアと共に、統夜がミリーをブレードの前に運ぶ。

 

「ごめん統夜。ミリーを連れて行くなんて危ないこと頼んじゃって。でも、アタシ……」

 

「いいよ。俺もDボウイを助けたい。それに、いつもお前達が言い出す、なにが食べたいこれが食べたいをかなえるよりは簡単だからな」

 

「なんだとぉ……って、そっちより簡単?」

 

「そうさ。だから、絶対Dボウイは取り返せる。俺はそう信じてる。ミリー、頼んだぞ」

 

「うん!」(ミリー)

 

 

「……簡単? え? ちょっと待って統夜、それってどういう意味さー!」

 

 

 ミリーを乗せ、ブレードの前に降ろした。

 

 

 ブレードにむけ、ミリーは必死に声をかける。

 ブレードはそんなミリーを攻撃するが、ミリーは諦めず、何度もDボウイの名を呼ぶ。

 

 何度も何度も。

 

 

 皆が祈る。願う。

 

 

 その祈りと、ミリーの言葉は、Dボウイに通じた。

 

 

 動きを止めたブレードにぺガスを行かせ、見事テックアウトさせることに成功した。

 

 無事人に戻れたDボウイであったが、暴走して仲間を傷つけた彼は、連合に拘束されてしまうのだった……

 

 

 

──浮上──

 

 

 

 すでに頭頂部が海面に頭を出すまで浮上してきたオルファン(ブレンパワード)

 

 その浮上を停止させ、さらに海の底へ押し戻すためのバイタル・ネット作戦が発令された。

 

 バイタル・ネット作戦とは、軍が確保した硬化していないプレートをノヴィス・ノア、ナデシコ、アークエンジェル、“トイボックス(ダナン)”に分散して搭載し、それをオルファンを囲むようにして設置。

 完了後、ノヴィス・ノアのオーガニック・エンジンの出力と各艦に搭載したプレートとの共振によってオーガニック・シールドを発生させ、そのシールドの生み出す反発力によってオルファンの浮上をおさえようという作戦だ。

 

 なぜこのようなことをするのかというと、オルファンが地球から宇宙へ飛翔する際、地球上から膨大なエネルギーを吸い取り、そのせいで地上の生命は全滅すると言われているからである。

 それはあくまで最悪の仮説であるが、それを引き起こさないため、浮上させないようにするのがこの作戦なのだ。

 

 さらにこれは第1段階であり、成功すればさらにバイタル・グロウブとエンジンを共振させ、オルファンのオーガニック・エナジーを宇宙へ放出させる作戦へと続く。

 どちらも上手く行けば、オルファンは沈静化され、再び海の底へと戻ると推測される。

 

 ちなみに、バイタル・グロウブとは地球を覆っているオーガニック・エナジーの通り道、網のようなもので、アンチボディが長距離ジャンプをする時このバイタル・グロウブのネットに乗ってジャンプする。

 あとで使われるので覚えておいて損はない単語です。たぶん。

 

 

 統夜達は、アークエンジェルかナデシコかを選び、その護衛につくことになった。

 

 

 作戦が、はじまる。

 

 

 作戦の開始と共に、空からグラドス軍が降下して来た。

 戦力が集まるここを叩くという意味もあるし、彼等もまた、巨大なオルファンに興味もあったのだ。

 

 その中に、またあのゲイルと同じSPTがふくまれているのにエイジが気づいた。

 

 

 彼がゲイルなのかと呼びかけると、乗っているのはエイジの姉、ジュリアとわかった。

 

 彼女はゲイルを殺したエイジに復讐を果たすため、みずから志願してここにやってきたのだ。

 

 

 義兄になるはずだった男だけでなく、実の姉までが敵となったエイジ。

 

 

 ショックを受けながらも、エイジはジュリアにゲイルを殺したのは自分の意志ではないと訴えかけた。

 だが、エイジはグラドス軍が撤退するまで説得を続けたが、彼女はエイジの言葉に耳を貸さなかった。

 

 改めてエイジを討つと告げ、去って行くのだった……

 

 

 グラドス軍との争いの中、オフファンからもグランチャー部隊が分艦隊を迎撃するため現われた。

 

 

 戦いは、激しさを増してゆく。

 

 

 ラッセ・ブレンがオルファンへ特攻したり、ジョナサンまでも出撃してきたりもしたが、グランチャー部隊を撤退させ、バイタル・ネット作戦は一応の成功を見せた。

 

 それから第2段階に進もうとするが、統合作戦本部よりその実行に待ったがかかった。

 現状を維持したまま監視に戻れとのことだ。

 

 なぜかと問うと、軍上層部にもリクレイマーの言い分。オルファンが浮上しても地上に影響はない。というのを信じている者がいるからだと返ってきた。

 もしもの時、オルファンで自分達だけでも助かりたいというわけだ。

 

 組織としての決定に逆らえるわけもなく、バイタル・ネット作戦は終結することとなった。

 

 

 作戦後、ナッキィが自分のグランチャーを連れ、オルファンにむかおうとした。

 それに気づいた比瑪と勇と統夜達は、彼を追う。

 

 あと、なぜかカガリ(ガンダムSEED)もついてきた。

 

 

 ナッキィの連れていたグランチャーはオルファンをえらく憎んでいるという。

 オルファンに帰りたがってはおらず、すぐに呼んでくれなかったオルファンに、怨念返しがしたいのだという。

 

 グランチャーならば怪しまれず近づくことができる。そして、怨念返しがしたいとのことだった。

 

 

 そこに、偶然偵察に来たザフトのイージズガンダム(ガンダムSEED)の小隊と鉢合わせしてしまう。

 

 

 どちらも戦う理由がなく、ただニアミスで通り過ぎるはずだったが、突如現われた勇の姉、クインシィに強襲され、イージスとカガリのスカイグラスパーは小島に墜落。ナッキィ・グランは勇をかばい撃破され、ナッキィは比瑪に救助された。

 

 クインシィは攻撃をやめず、とどめを刺されそうになった勇を統夜がかばい、その衝撃で彼等の乗る機体はオルファンと連動したバイタル・ネットにひっかかり、どこか遠くへ飛ばされてしまうのだった……

 

 

 

 第10話終わり

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