スーパーロボット大戦J ムーンデュエラーズ   作:YSK

25 / 34
第22話 ラダム討伐に向かうルート(アークエンジェル)

──ルート選択/ラダム討伐に向かう──

 

 

 

「アークエンジェルと一緒に行こう。和平交渉も気になるけど、こっちには戦力が必要だ」

 

「そうね。ではすぐにグランティード・ドラコデウスをアークエンジェルへ移送するわ」

 

 統夜の決断に、カティアが答えた。

 

 

「そのあと、食堂にも行かなきゃだね。しばらく食べられなくなっちゃうから!」

 

「パフェも食べましょう!」

 

「? そんなに違うのですか?」

 

 初の分岐にアークエンジェルとナデシコのあり方の違いを知らないシャナ=ミアが首をひねった。

 

 

 こうして統夜達は、ラダムの本拠地を叩くため、アークエンジェルへうつる。

 

 

 

──コーヒー初体験──

 

 

 

 外宇宙開発機構の面々必死の計算の結果、ラダムの本拠地。廃棄コロニーのある場所がほぼ特定された。

 

 それは、L4コロニー群のさらに外側。月を挟んで、プラントとは反対側に位置するところだった。

 細かい位置はそこにむかい、更なる分析を行うことで、完全な特定が可能となる。

 

 その近くにはメンデルと呼ばれた別の廃棄コロニーがあり、一部設備が生きていることから、そこを利用し補給と整備をすませることになった。

 特にザフトに追われていたエターナルはまだ就航したばかりでならしも完全ではなく、それを完全にするため整備をする必要があるのである。

 

 

 メンデルに到着し、補給と整備がはじまった。

 

 

 アークエンジェルの食堂。

 

 そこには計算を終え、休憩をするミリー(テッカマンブレード)とおやっさんこと本田(テッカマンブレード)と彼が入れたコーヒーを運ぶテニアがいた。

 

「はい、ミリー。コーヒーだよ。お疲れ様」

 

「ありがと。テニア」

 

 本田の入れたコーヒーがテーブルの上に置かれた。

 

 

「ん? ほう、このかぐわしい香り。ここでこんな香りに出会えるとは思わなかった」

 

「あ、テニア、ここにいたのね」

 

 たまたまエターナルに戻る途中のバルトフェルドと一緒になったカティア。そして統夜とメルア、シャナ=ミアが食堂に顔を出した。

 バルトフェルドは艦長としてアークエンジェルでの話し合い、カティア達はシャナ=ミアを艦内案内していたのだ。

 

 

「バルトフェルト? どしたの?」

 カティア達はともかく、バルトフェルドがいるのにテニアが首をひねった。

 

 

「エターナルに戻る途中、ついサントスの香りに惹かれてね」

 

「香りだけでわかるんですか?」

 

「もちろんさ。飲めばサイフォンかドリップかさえも当ててみせる」

 

 メルアの疑問に、バルトフェルドは自信満々に答えた。

 

 

「ほう、そいつは嬉しいね。自慢じゃないが、本部から持ってきたコーヒーメーカーはドイツ製の逸品だ。戻る前に一杯いかがです?」

 

「おお、すばらしい。夜より黒く、地獄より熱いヤツを頼むよ」

 

「わかってますよ。コーヒーはそうじゃないとね」

 

 おっさん二人はにやりと笑い、拳をぶつけ合った。

 

 

「なんかおっさん二人で意気投合しちゃった」

 

「こら嬢ちゃん、聞こえたぞ。コーヒーの味がわかるのは大人の証明なんだ。覚えとけ」

 

「そういうこと。君達にはまだたっぷりのミルクと砂糖が必要かな」

 

 テニアの呆れに、おっさん二人は余裕を返す。

 

 

「はい! だって甘い方が美味しいですもん」

 

「私も、どっちかというと……」

 

 メルアとカティアも、まだブラックコーヒーは苦手のようだ。

 

 

「そうだろう。そいつが年相応ってもんだ」

 

 本田がうなずいた。

 

 

「うー、なんか悔しい! こうなったら統夜、次から統夜もコーヒーはブラックでだよ!」

 

「なんで俺が!?」

 

 突然飛んできた流れ弾に、統夜が非難の声をあげる。

 

 

「だって、アタシも甘い方がいいもん」

 

「お前なぁ……」

 

 

「あの……」

 

 おずおずと、シャナ=ミアが声をあげた。

 

 

「その、コーヒーとはなんですか?」

 

 

「ああ、そうか。お姫さんには珍しいシロモノか」

「そういえば、彼女は地上の文化に直接触れるのは初めてと言っていたか」

 

 本田とバルトフェルドが納得したように声をあげた。

 

 確かに、知らない人から見ると真っ黒い液体を飲むなんてなんの冗談だと思われても仕方のないシロモノだ。

 

 

「なら飲んでみるといい。なに、好みもあるが、悪いモノじゃない」

 

 

 用意したコーヒーをシャナ=ミアの前に置いた。

 どうぞ。と勧める。

 

「いただきます」

 

 シャナ=ミアは黒ダイヤのような輝きを放つ水面のカップを持ち上げ、ふーふーと息を吹きかけ、一口それを口にふくんだ。

 

 

「……苦いのですね」

 

 

 むう。と顔をしかめた。

 

 

「私もまだ、甘い方が好きかもしれません」

 

「まだ早かったか。ほら、砂糖とミルクだ。この味は、もう少し大人になってからだな」

 

「そういうことだ。では、こちらもいただこう」

 

 バルトフェルドもカップを上げ、ブラックのままそれを味わうのだった。

 

 

「じゃあシャナ=ミアさん。お砂糖入れましょう。わたしも入れて飲みますし」

 

 入れてもらったメルアがシャナ=ミアと一緒に砂糖とミルクをコーヒーに入れる。

 彼女はこれ以外にカフェオレなどの種類があるなど、色々彼女に説明していた。

 

 

「うー、なんか悔しいー!」

 

 そしてなぜか、テニアが悔しがる。

 

 

「それはいいんだけどさ、テニア」

 

「なにさ?」

 

「いや、ミリーそのままにしていいのかな。と思って」

「へ?」

 

 統夜に指摘され、振り返る。

 

 するとこの騒ぎを尻目に、ミリーがテーブルに突っ伏し寝てしまっていた。

 

 

「わわっ、ミリーこんな所で寝たらダメだよ!」

 

「えへへー。Dボウイダメだよーアキさんとこんなとこでそんなことしちゃー」

 

「どんな夢みてんのさー!」

 

 

 結局統夜が彼女を運ぶことになったそうな。

 

 

 

──螺旋の邂逅──

 

 

 

 メンデルでの補給、整備が進む中、アークエンジェルの軌道を予測した連合軍からの襲撃を受けた。

 

 旗艦は、アークエンジェルの同型艦、ドミニオン。

 しかもそれに乗り指揮をしていた艦長は、あのナタル・バジルールだった。

 

 アークエンジェルのことをよく知る彼女をそこに採用するとは、実にしたたかな人選である。

 

 

 さらに、ドミニオンには意外な人物が同乗していた。

 それは、ブルーコスモスの親玉。現在連合を裏から支配する男。ムルタ・アズラエル。

 

 ウズミの決断により地球で命拾いした男がわざわざ宇宙にまであがってきたのだ……!

 

 

 部隊を展開し、攻撃を開始する連合軍。

 だというのに、ドミニオンは方向転換し戦闘領域外へ逃げていってしまった。

 

 なにを考えているといぶかしむが、それを確認している余裕はアークエンジェルにはない。

 

 整備中で動かせぬ艦を守るため、統夜達は出撃する。

 

 

 さらに、同じようにメンデルに来ると予測していたクルーゼとイザークも、そのコロニーの中へ潜入していた。

 

 クルーゼがコロニーに潜入したことにより、その存在をなぜか感じられるムウは近くにクルーゼがいることに気づいた。

 彼は内部から攻撃されてはたまらないと、一人コロニーへ突撃する。

 

 それに気づいたキラ、ディアッカも、ムウのあとを追いコロニーへ侵入するのだった。

 

 

 内部では、ディアッカとイザークと。キラとムウはクルーゼと邂逅する。

 

 そしてそこで、ムウはクルーゼの正体を。キラは自分の出生の秘密を知るのだった。

 

 

 最初に展開された連合軍を撃退する統夜達。

 

 すると、最初に逃げたと思われたドミニオンが別方向から現われ、部隊を展開させた。

 さらに、メンデルを脱出したクルーゼも戦艦を呼び、ザフト軍を展開する。

 

 結果的に、アークエンジェルは連合とザフトに挟撃される形となってしまった。

 

 

 戦力が通常の半分。その上挟み撃ちと、ピンチの連続ではあるが、統夜達に敗北はなかった。

 こちらはラダムを討伐し、地球を救う目的がある。

 

 そもそもの士気が高い彼等を持つ彼等を打ち破ることなど今の連合にもザフトにも出来るわけもなかった。

 

 

 連合もザフトも華麗に撃退し、アークエンジェルとエターナルはメンデルを離れるのだった。

 

 

 

──戦争を終わらせる鍵──

 

 

 

 アークエンジェルに返り討ちにあい、戦域を離れたザフト艦の中では、クルーゼがフューリーのフー=ルーに連絡をとり、『鍵』を使うと宣言する。

 

 クルーゼはそれを戦争を終わらせる鍵だと称し、アラスカで連れ去ったフレイにそれを持たせ、ドミニオンとアークエンジェルの間に解き放った。

 

 フレイはアークエンジェルに助けを求めるが、『戦争を終わらせる鍵』を持っているというフレイの言葉に反応したアズラエルにより、フレイはドミニオンに回収されてしまう。

 

 

 フレイの言うそれを確認したアズラエルは笑う。

 笑う。

 

 笑う!

 

 

 確かにそれは、戦争を終わらせる鍵だった。

 

 

 アズラエルは即座にアークエンジェル追跡の中止を命じ、それを生かすため急いで地球へ戻るのだった。

 

 追撃をやめ引き返すドミニオンを見て、統夜達はそれを歓迎するべきなのだが、その引き際を不審に思う。

 だが、理由を知らぬ彼等では、それを察することは出来なかった。

 

 

 戦争を終わらせる鍵が使われ、終末への扉が開かれた。

 

 世界の終わりを望むクルーゼの賭けは、成功したのである。

 

 

 

 一方、アークエンジェルではブラスター化の影響からか、Dボウイに記憶障害が出ていた。

 ブラスター化を行うたび、彼は記憶を失っている可能性があるのだ。

 

 ここで戦うことをやめれば、これ以上の症状が悪化することはないだろう。

 

 皆が、Dボウイの身を案じ、戦うのをやめようと勧めるが、Dボウイはラダムへの怒りと憎しみが消えない限り俺は戦い続けると固い決意を見せた。

 

 その決意を受け取った統夜達は、たとえDボウイがなにもかもを忘れたとしても、その記憶を殴ってでも呼び起こしてやると、彼と共に戦うことを誓うのだった。

 

 そもそも、Dボウイの記憶が本当に失われる前にこの闘いを終わらせればいいのである!

 

 

 統夜達は決意を新たに、一路ラダムの本拠地を目指し歩を進めるのだった!

 

 

 

──ぱじゃまパーティ──

 

 

 

 連合からの追っ手は撤退し、ザフトやグラドスの勢力圏からも離れ、アークエンジェルの行く手を阻むものはなくなった。

 

 今、目の前にある敵はラダムの母艦のみ。

 そして明日にはそこに到着する。

 

 彼女達は、明日の決戦に備え、割り当てられた部屋で休むことにする。

 

 

 そこは、四人部屋。

 アークエンジェルはナデシコとは違い、部屋数に余裕もない。察したシャナ=ミアからの申し出で、彼女はカティア達と同室になったのだ。

 

 パジャマに着替え、明日の決戦に備え、四人はベッドに寝転がる。

 

 

 しかし、女の子が四人もそろえば、決戦を控えているといってもなかなか寝つけるものではない。

 むしろ、決戦を控えているからこそ、口を動かしてしまうと言ってもよかった。

 

 

「そういえば聞いたよ。シャナって子供の頃統夜と会ったことあるんだって?」

 ベッドでゴロゴロしていたテニアが口を開いた。

 

 普通なら明日早いのだからお喋りしないで寝なさい。とカティアのお小言が飛んでくるところだが、この質問に関しては不思議と飛んでこなかった。

 寝ているわけでもないのに、不思議である。

 

「はい。短い間でしたが、一緒に過ごしました」

 シャナ=ミアが、テニアの質問に答える。

 

「わあ、いいですねえ」

 シャナ=ミアの回答に、メルアがのほほんと声を漏らした。

 四人全員、完全に寝ていない。

 

 

「じゃあ、子供の統夜、知ってるんだ」

 

「ええ」

 

「子供の頃の統夜さんのこと、聞きたいです!」

 

 

「こら、二人とも。人の過去を当人の許可なく……」

 

 

「どんな子だったか。くらいならよろしいのではありませんか?」

 

 カティアの言葉を、当人の一人であるシャナ=ミアがさえぎった。

 

 

「ほら。当人の一人もこう言ってるし、なによりカティアは聞きたくないの?」

 

「……」

 

「カティアちゃん。わたしは聞きたいです」

 

 

「……聞きたいか聞きたくないかで言えば、聞きたいわ」

 

 しばらくだんまりしていたカティアは、抱きかかえた枕に顔をうずめ、顔を真っ赤にして答えた。

 

 

「素直でよろしい!」

 なぜか勝ち誇るテニアだった。

 

「それじゃあ聞かせてもらえますか?」

 

 

「いいですよ。かわりに、私がここに来るまでのトウヤのことを教えてください。もちろん、あなた達のことも」

 

 

「もちろん!」

 

 

 こうして、幼い統夜との出会いと生活のひと時が、シャナ=ミアとの口から語られた。

 

 

 それは、彼女の中に残る、鮮やかに思い出せる幼き日の輝かしい思い出。

 そこに写る少年の姿を、彼女は鮮明に思い出すことができた。

 

 政闘も抗争もなにもない。ただただ純粋な子供として過ごせた、その時間を……

 

 

「トウヤは覚えていませんでしたが、あの日すごした思い出は、私の大切な宝物です」

 

 

 彼女はそう、締めくくった。

 

 

「うわー、憧れちゃいます」

 シャナ=ミアの思い出を聞き、メルアは両手をあわせる。

 

 

「もう、統夜ったらなんで忘れちゃうかな!」

「本当よね」

 

「男の子ってすぐ忘れちゃうんですよね!」

 

 

 せっかくの思い出なのに。と、乙女心を踏みにじる統夜に小さな怒りを飛ばす。

 もちろん。本気で怒っているわけではないが。

 

 それを聞き、シャナ=ミアは楽しそうにくすくすと笑った。

 

 

「それじゃ次アタシ! 統夜はね……」

 

 

 彼女達の小さなパジャマパーティは続く。

 

 

 

 こうして彼女達の思い出の宝箱の中に、新たな宝石が収められたのだった。

 

 

 

──闇と死の運命──

 

 

 

 ついに地球侵略を進めるラダムの本拠地となるコロニーへ到着した。

 その中には複数のテッカマンの気配があり、テッカマンエビルが中でブレードを待っているのも感じられた。

 

 アークエンジェルのエターナルの火力では外からコロニーは破壊できないと空気を読み、彼等はラダムが大勢待ち構える廃棄コロニーへ突入するのだった。

 

 

 中でまず待ち構えていたのはテッカマンソード。

 これより先には誰も行かせないと、傷ついても傷ついても倒れず統夜達の前に立ちふさがるが、バルザックの駆るソルテッカマン1号機の相打ち覚悟の干渉スペクトラル砲により、ソルテッカマンともどもその場から消えることとなった。

 

 次いで現われたのはブラスターテッカマンエビル。

 

 彼はブレードとの決着を望み、ブレードと統夜達の分断を画策した。

 

 

 ブレード一人をおびき寄せ、一騎討ちを果たすエビル。

 

 

 互いに傷つけあい、最後の力でブラスターボルテッカとブラスターサイボルテッカの撃ちあいとなる。

 

 だが、その瞬間エビルはブラスター化の力に身体がついて来れなくなり、最後の一撃を放つことが出来ず、エビルはブレードの一撃をくらい、この闘いに決着の幕がおろされた。

 

 エビルが倒れ、その中からラダムの本体と言える存在が姿を現す。

 それは脳髄だけが進化したもので、肉体を持たぬ寄生生物だった。

 

 それに寄生されたエビルは、正しい判断が出来なくなり、ラダムのために戦う兵隊と化していたのである。

 

 これは、宿主が死ぬ時しか離れることはなく、すなわちそれは、エビル。いや、アイバシンヤの死を意味していた……

 

 

 倒れ、最後の最後に兄に勝てたと、ブラスター化の限界が来なければ、間違いなく勝っていたと、満足した笑みを浮かべ、ラダムの呪縛から解き放たれた彼は、最愛の兄の手の中で逝くのだった。

 

 

 エビルが倒れ、コロニー最深部でテッカマンオメガが目覚めた。

 

 コロニーと一体化した彼こそが、地球侵略を狙うラダムを統べる存在にしてすべての核。

 

 テッカマンオメガを倒せば、この場のラダムも、地球に降りたラダムも全て死滅する。

 

 

 ラダムとの最後の戦いがはじまった。

 

 

 激戦と激闘が続く。

 

 ブレードの怒りと憎しみの炎はラダムを勝り、ついにトドメのブラスターボルテッカがオメガに決まり、ラダムの野望は潰えた……

 

 

 しかし、一度火が入り動き出したコロニーは暴走をはじめ、地球を目指し加速をはじめてしまった。

 このまま地球に近づけば、その引力に捕まり、落下した場所は人の住めない地と化してしまう。

 

 そうなっては大変だと、ブレードは動力部へ一人突撃し、自爆同然でそれを破壊するのだった……

 

 

 エネルギーの放出が終わり、コロニーは粉々に破壊された。

 地球にそれが落下することは防がれたのだ。

 

 しかし、呼びかけにブレードの反応はない。

 

 

 それでもブレードの無事を信じ、統夜達は残骸の中を探す。探し回る……

 

 

 何度も何度もブレードの名を呼び、アキが祈りを捧げた。

 

 

 ノアルが漂流物を発見する。

 なんとそこからは、救難信号が出ていた!

 

 彼は接近しながら光学映像をアークエンジェルに送り、その解析を依頼する。

 

 

 そこには、ソードと相打ちになり消えたと思われたバルザックと共に残骸の中を漂うブレードの姿があった。

 

 

 二人の発見に歓声があがる。

 

 

 無事救出され、変身を解いたブレードはアキの名を呼んだ。

 彼の記憶は、失われていなかったのだ。

 

 ラダムとの戦いは終わった。

 その怒りと憎しみで戦っていたDボウイに、これ以上戦う理由はない。

 

 皆が、今度こそ戦いをやめるべきだと勧める。

 

 しかし、一人コロニーへ飛びこんだDボウイの中にあったのは、仲間を守りたいという気持ちだけだった。

 そこに、ラダムへの憎しみはなく、ただただ人のために動いた結果なのである。

 

 Dボウイも、統夜達も確信する。

 

 その想いがあふれる限り、Dボウイは記憶を失うことはないだろうと。

 

 

 彼は、仲間と最後まで戦うと立ち上がるのだった。

 

 

 オメガの死後、地上ではラダム樹が枯れはじめている。

 それは、Dボウイの新たな一歩を祝福するかのようだった……

 

 

 

 第22話 ラダム討伐に向かうルート 終わり

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。