スーパーロボット大戦J ムーンデュエラーズ   作:YSK

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第23話 破滅への扉

──合流ー──

 

 

 

 ラダム討伐を成し遂げたアークエンジェル。

 暫定ながらも和平をもぎとったナデシコ。

 

 双方大きな成果をあげ、無事合流に成功する。

 

 互いに成し遂げたことを報告しあい、さらに火星に行っていたナデシコへ地球圏の現状を報告する。

 

 

 聞いて最初に驚くことになったのはオルファン。

 なんと海からさらに地上へあがったオルファンは、その全貌を現すほど浮上し、一番上は成層圏に達していた。

 

 それはもう宇宙からでも確認でき、あまりの大きさに驚きの声をあげることとなる。

 

 

 さらに、火星にグラドスの軍勢が現われた理由も判明する。

 

 なんと月のグラドス軍は謎の軍勢に破れ、地球から撤退していたからだ。

 

 月に残されたのは大量のグラドス軍の残骸。

 一方的に破壊されたそれを誰が成したのか、月を取り返したと称する連合も把握は出来ていないようだった。

 

 もちろん、統夜達はその正体を即座に理解する。

 

 

 フューリーがラースエイレムを使い襲撃したのならば、たとえグラドス軍の精鋭といえども勝ち目はないからだ。

 

 

 なぜグラドス軍の本隊が火星に現われたのか。その理由が理解できた。

 

 

 しかし、フューリーの意図が読めない。

 

 グラドス軍が月から撤退し、地球侵略の方針を変えなければならなくなったのなら、統夜達は月へむかえるようになる。

 そうなると、困るのは当のフューリー達である。

 

 当然ながらそこに、疑問符が浮かぶ。

 なぜ、せっかくの門番を自分達で排除してしまったのかという。

 

「なにか考えがあるのは間違いないだろう」

「……グラドス軍があのまま月にいられると都合が悪かったのかもしれんな」

 

 憶測を重ねるが、当然答えは出ない。

 

 ならば月へ向かい、フューリーの本拠地へむかおうかと結論が出そうになったその時。

 

 

 連合の核攻撃で、ザフトの宇宙要塞ボアズが消し飛んだという情報が入った……

 

 

「連合が核を使っただって!?」

 

 驚きを隠せない。

 当然だ。

 

 連合の核攻撃は、ザフトの放ったニュートロンジャマーのせいで使えなくなっていたのだから。

 その連合が核攻撃を行えたなど、ありえないはずだった。

 

 

「ニュートロンジャマーキャンセラー……!」

 

 シャナ=ミアが、はっと心当たりの名を口にする。

 

 

「トウヤ、以前フー=ルーが地上に現われた時、彼女は保険をかけたと言っていたのですね?」

 

「ああ」

 

 

「やはり。以前グ=ランドンとフー=ルーはニュートロンジャマーキャンセラーについて話をしていました。きっとそれは、このためだった。フー=ルーは渡したのです。その技術を、誰かに!」

 

 

「そういうことか」

 シャナ=ミアの言葉に、全てがつながったと、アラン(ダンクーガ)がうなずいた。

 

 

「そのためにグラドス軍という外敵を排除したのだな。地球人同士を遠慮なく戦わせるために……!」

 

「そういうことかよ。気にいらねぇ」

 アランの言葉に、忍(ダンクーガ)が怒りを見せる。

 

 

「ボアズが消滅したということは、プラントは連合に対し無防備になったということだ。このままでは……」

 フリーマン(テッカマンブレード)が現状を冷静に分析する。

 

 防衛要塞が失われたとなれば、連合はすぐにでもプラントへ侵攻するだろう。

 

 

「じゃあ、早くしないとプラントに核が!?」

 

 ナデシコの艦長ユリカが驚きの声をあげた。

 

 

「シャナ=ミア、すまない。月に行くのはもう少し待ってもらうことになりそうだ」

 

 統夜がシャナ=ミアに詫びを入れる。

 しかし、シャナも首を横に振った。

 

 

「いいえ。これを引き起こした原因はフューリーにあります。ならば、私にも止める義務がありますから」

 

 

「なら、決まりですね! ナデシコもアークエンジェルも、進路をプラントへ!」

 

 

 ユリカの号令に、皆異論はなかった。

 

 アークエンジェルもナデシコも、次なる連合の攻撃に備え、大急ぎで現場へ向かうのだった……!

 

 

 

──破滅への扉──

 

 

 

 予想通り、プラントにむけ核ミサイルを放った連合軍。

 

 

 そこに、アークエンジェルとナデシコは到着する。

 

 無数の核ミサイルがプラントコロニーに向け進むのを確認し、その一発でもプラントに命中すればどちらも全滅するまでの戦いの幕があがると察せられた。

 

 そのような泥沼の戦争を避けるため、統夜達は核ミサイル全てを撃墜するため出撃する。

 

 

 キラとアスランのフリーダムとジャスティスに新しく追加されたミーティアなどが活躍し、放たれた核ミサイルは全て叩き落された。

 

 

 しかし、それも連合にしてみれば予想の範囲内。

 

 

 再び現われたドミニオンが部隊を展開する。

 

 メビウスタイプの戦闘機が現われ、その腹には短距離のミサイルが設置されていた。

 今度は、戦闘機で接近し直接ミサイルをプラントにぶちこもうというのだ!

 

 

 当然、そんな企み成功させるわけにいかない。

 

 プラントとの間に入り、その全てを迎え撃つ!

 

 

 メビウスから放たれるミサイルも全て防ぎ、撃ち落し、ドミニオンを撤退に追いこんで統夜達はプラントを護ることに成功するのだった。

 

 

 

──ジュア=ム再来──

 

 

 

 核ミサイルがプラントに撃ちこまれるのは阻止され、プラントを防衛するザフト軍も統夜達と戦闘になることはなく、去って行った。

 

 

「な、なんとか一件落着。……じゃないけど、とりあえず無事でしたね。はぁ~」

 

 さしものユリカ(ナデシコ)も、一発エンドの核ミサイルを相手では緊張もしたようだ。

 ザフト軍も去り、敵もいなくなったところで安堵の息をはき、肩の力を抜く。

 

「それでは皆さんも、お疲れさ……」

 

 

「まだだ、艦長!」

 統夜が声をあげた。

 

「えっ? どうしたんですか!?」

 

 

「みんな、気をつけろ。近くにフューリーが潜んでいる!」

 

 

「ええっ!?」

 

 統夜の言葉に、ユリカ驚く。

 

 

「隠れているのはわかっている。出て来い!」

 

 

「っ! エネルギー反応出現、います!」

 ナデシコの通信士、メグミが声をあげた。

 

 統夜の声に反応するように、その宙域にフューリーの機体が姿を現す。

 

 

 姿を現したのは、一機のラフトクランズ。

 

 かつて一度剣を交えたフー=ルー・ムールーの機体だった。

 

 

「フー=ルーか!」

 統夜が声をあげる。

 

 

「やれやれ、まさか見つかるとは思いませんでしたわ……」

 フールーが、感心するようにつぶやいた。

 

(完全に潜んでいた私達に気づくなんて。エクストラクターのエネルギーを探知したわけでもなさそうだし、まさか、私の思考をサイトロンを通じて感知した……?)

 

 未来さえ見せ、時には遥か遠く離れた者とも会話を可能にする、機械さえ思うがままに動かすサイトロン・コントロール・システム。

 

 統夜は、機材さえなく遥か遠くに離れたシャナ=ミアの祈りさえ受信できた。

 ならば、成長した今、隠れ潜む思考をサイトロンを通じて感知出来ても不思議はない……

 

(不思議はありません。が……)

 

 それは、サイトロンコントロールに秀でた皇族の血を引くシャナ=ミアでさえ出来ない領域。

 伝説や神話にさえ遡る、ありえない事象。

 

 だが彼は、そのレベルのことをやってのけた。

 

 

 自分の予測に、フー=ルーは思わず戦慄する。

 

 彼は機体に乗ってまだ一年経つかたたないか。たったそれだけの時間でこれほどまで。

 ならば、このまま成長を続けて行けば、ここにいない時間の人間とさえ会話しかねない勢いである。

 

 彼女の背筋がぞっとしたのと同時に、口元が悦びに歪んでいるのも気づいた。

 

 

「フー=ルー・ムールー!」

 

 フー=ルーの姿を確認したシャナ=ミアが声をあげた。

 

 

「あら皇女殿下。おひさしゅうございます」

 フー=ルーは何事もないかのように挨拶をかわす。

 

 その態度は、皇女への敬意はあれど、その位に怯えは欠片もなかった。

 

 

「ニュートロンジャマーキャンセラーを彼等に与えたのはあなたですね?」

 

「ええ。その通りにございます」

 

 あっさりと、彼女は認める。

 

「えらい素直やな」

 十三(コン・バトラーV)が感心する。

 

 

「ふふっ、皇女殿下がいらっしゃるのですから、とぼけても無駄ということですわ。ですが、私はそれを与えただけ。それをどう使うのかは彼等次第。エネルギー不足を解消するのも、敵を皆殺しにするのもね」

 

 そしてその彼等は、敵を皆殺しにするため使った。

 

「痛いところをついてきやがるぜ」

 クルツ(フルメタルパニック)がつぶやいた。

 

 

「敵を全滅させることを期待してやったくせに、今さらそんな御託を並べるな! 本当にエネルギー不足解消のため使わせたいのなら、もっと人を選ぶはずだ!」

 

「強硬派をあえて選び、耳元で囁いていないとも言い切れないしね」

 

 統夜とマオが反論する。

 

 

「あら、動じてくれませんのね」

 残念。と肩をすくめた。

 

「当然ながら、あなた方地球人が同士討ちで滅びるのを期待してニュートロンジャマーキャンセラーを与えたわ。あなた方がいなくなることこそが、我々の望みなのだから」

 

「フー=ルー……」

 

 その断言に、シャナ=ミアは悲しそうにその名を呼ぶ。

 

 

「ならば、ここにいたのはその経過を観察するためか」

 アランが指摘する。

 

 

「いいえ。今回は他に野暮用がありましてね。ここにいたのはその結果ですのよ」

 

 

「野暮用、だと?」

 予想外の答えに、さしものアランも困惑する。

 

 

「っ! 反応増大。別のフューリー機が転移してきます!」

 

「援軍か!」

 

 

 フー=ルーの隣で光が瞬き、別のラフトクランズが現われた。

 

 

「あの機体!」

 統夜は、それに見覚えがあった。

 

 赤い、ラフトクランズ。

 それは、かつて叩き返したグ=ランドンの機体に良く似ていた。

 

 

 だが、それに乗っているのはグランドンではなかった。

 

 

「くくく、ははははは!」

 

「この声……!」

 その笑い声、統夜は聞いたことがあった。

 

「そうだ、俺だぁ!」

 

 そう声をあげ、現われたのは、ジュア=ムだった。

 

 

「くくっ、くひゃひゃ。フー=ルー・ムールー殿。お助けに参りましたよぉ。おかげで、テメェに会えるたぁ、ついてる。ついてるぜ。会いたかったぜぇ、統夜。殺したくて、殺したくてよぉ!」

 

 

「なん、だ……?」

 

 ジュア=ムの雰囲気が、前と明らかに違う。

 言動だって、前はもう少しマトモだった。

 

 

「そして皇女殿下よぉ! 聞いた。聞いたぞ! すべてアンタが悪いんだってな! あんたが俺達を裏切ったから。その下等生物に味方したから、アル=ヴァン様は幽閉された。騎士でなくなってしまった!」

 

「アル=ヴァンが!?」

 驚くシャナ=ミア。

 しかし、その言葉には少しの安堵が混じっていた。

 

 幽閉されたということは、まだ生きているということだからだ。

 

 

「気安くアル=ヴァン様の名前を呼ぶんじゃねぇ! 裏切り者が! テメェと出来損ない(統夜達ハーフのこと)がいなければこんなことにならなかったんだ。地面を這いずり回るあいつ等を滅ぼし、俺とアル=ヴァン様はあの大地に立っていたというのに!」

 

 

「どうやら、むこうは彼女を裏切り者に仕立てることにしたようだな」

 アランが言う。

 

 みずからが正しいとするため、今度は駆け落ちしたとでもしたのだろう。

 

「ふん。なにも知らず踊らされてるってことか、あいつは」

 アランの憶測に、忍がやれやれと肩をすくめた。

 

 

「だから殺す! アンタはもう皇女でもなんでもねえただの裏切り者だ! その出来損ないと下等生物と一緒にここで死ねぇ!」

 

 さらにジュア=ムのラフトクランズの周囲に、多数のフューリー機が転移して現われる。

 

 これにて、数の上においての不利というのはフー=ルーにもなくなった。

 

 

「……ジュア=ム。あなたは何故、フューリーが地球の民より上だと考えるのです?」

 

 優しく、どこか諭すよう、シャナ=ミアはジュア=ムに声をかけた。

 

 

「知れたこと! 総代騎士グ=ランドン様がおっしゃるからだ! あの星の生命は我々が作った。なら、その命を創造主たる俺達が好きにしてなにが悪い!」

 

「……」

 

 しかし、シャナ=ミアは首を横に振った。

 

 

「確かにあなた達はそう教えられてきた。ですがそれが、根本から間違っていたら?」

 

「はぁ!?」

 

 

「グ=ランドンは地球に生命の種を蒔き、命を生み出した我等は偉い。神にも等しいと言います。だから、地球の生命を好きにする権利があると」

 

「その通りだろうが! 俺達が作ったのだから!」

 

 

「そこから間違っているのです。地球は私達のものでもありません。私達はただ生命の種を蒔いただけ。そこに生命が生まれるきっかけを作っただけ。地球そのものを、生命そのものを作ったわけではありません。あの自然を生み出したのは、我々ではなく地球なのです!」

 

 

「っ!」

 

 

「意図せぬ進化を遂げたから滅ぼす。それこそが我等が彼等を生み出していない証。私達は神ではありません。思い上がっているのはなによりも私達の方であると気づきなさい! ジュア=ム・ダルービ!!」

 

 

「~~~~っ!?」

(な、なんだこのプレッシャー! あの玉座にいるだけだったお飾りの王女に、どうして俺が気圧される!)

 

 

「ひゅー」

 十三が口笛を吹いた。

 

「言うようになったなあのお姫さん」

 

 凛として堂々とジュア=ムを圧倒するシャナ=ミアを見て、十三がそう感心する。

 

 

 彼等と彼女がいるのはまだ短い間であるが、その間統夜達と共に戦い、そして彼女も成長したのだ!

 

 

「だ、だ、黙れ! 黙れえぇぇぇ! 誰が裏切り者の言葉など聞くか! 我々こそが正しい! この星は、その生命すべては俺達のものだ! そうでなければならないんだあぁぁぁ!」

 

 

「あーあ、論破されたら実力行使。どっちが悪いのかはっきりしちゃったね」

 ヒカル(ナデシコ)がぽつりと言った。

 

 それは、心の底では思っていたこと。

 でも、認められなかったこと。

 

 

 ジュア=ムは一人突撃し、シャナ=ミアの乗る機体を目指す。

 

 

 その間に、統夜が立ちふさがった!

 

 

「テメェも一緒に死ねえぇぇぇぇ!!」

 

「前より強くなっている! でも!」

 機体が新しくなり、ジュア=ム自身の強さも増していたが、様々な強敵とあいまみえてきた統夜はさらに強くなっていた。

 

 

 交差する二機。

 

 

「バカ、な……」

 

 

 信じられんと、ジュア=ムは目をむいた。

 コックピット内にレッドアラートが鳴り響く。

 

 

「バカなバカなバカなバカなバカなバカなバカな! この、この俺が。俺が俺が俺が俺が俺があぁぁぁ!?」

 

 

 だが、事実は変わらない。

 ジュア=ムのラフトクランズは致命的な打撃を受け、返り討ちにあったのだ。

 

 

「帰ってグ=ランドンに伝えろ。お前のやろうとしていることは実現しない。さっさと諦めろってな」

 

 

「ちくしょおぉぉぉ!」

 

 光をまとい、その機体は戦場から消えた。

 

 

 皇女と共に立つ、伝説の玉座機。

 それを見たフューリーの者達に動揺が走った。

 

(強化を受け、ラフトクランズを与えられたジュア=ムをあれほど簡単にあしらうなんて……)

 

 

 ぞわっ。

 

 フー=ルーが、その雄々しき姿を見て身を震わせた。

 

 感じたこと。

 それは、悦び。

 

 

「フー=ルー。あなたも考えは変わりませんか?」

 

「もちろんですとも。ここはむしろ、私の望む場所。あなたに従ってはそれが味わえない。それ以上のお答えはありませんの」

 

 ジュアムと違い、フールーは揺るがない。それはグランドンの忠誠というより、おのれの中にある確固たるなにかに従っている表れだった。

 

 それに従っている限り、彼女は欠片も揺るがない。

 

 

「……あくまでグ=ランドンにつくというのですね?」

 

 

「そういうことになりますわ。ですから、戦いましょう。野暮用は終わっておりますから、今日は目一杯楽しめますわ」

 

 そう言い、フー=ルーは武器を引き抜いた!

 

 同時に、ジュア=ムのつれてきた従士達も臨戦態勢に入る。

 

 

 戦いが、はじまった!

 

 

「皇女御自ら来ますか!」

 

 フー=ルーのラフトクランズにシャナ=ミアの乗った機体が迫る。

 

 

「私みずから行動を示さず、どうして私の言葉をあなた達に伝えられましょう! 私はあなた達の過ちを正すため、みずから剣をとったのです!」

 

「ふふっ。城にとじこめられ、ただ祈るだけの少女ではなくなったというわけですね。ですが、前線に出るというなら好都合! 皇女殿下。お手向かい致します。覚悟なされませ。その首、貰い受けますわ!」

 

 反撃の刃でシャナ=ミアを狙う。

 しかしその刃は、彼女の仲間達のフォローによりシャナ=ミアには届かない!

 

 

「やりますわね……!」

 

 フー=ルーは考えを改める。

 ただの考えなしかと思えば、立派に戦えている。

 

 それはやはり、彼女が一人で機体に乗っていないということもあるのだろう……!

 

 

(これはやっかいですわね。グ=ランドン様、あなたは最大の過ちを外に逃がしてしまったのかもしれませんよ)

 

 

 

──戦闘前会話──

 

 

 

 ヴォルレントに乗っているのがいわゆる三人娘だけの場合、フー=ルーとの戦闘前会話が発生する。

 ※メイン、サブのどちらかにシャナ=ミアがいる場合、先の会話が優先される。

 

 

フー=ルー「あら、あなた達だけで戦えるの? 前は坊やの操縦に振り回されてついていくのもやっとだったというのに」(三人共通)

 

 

 

 メインパイロットがカティア、サブパイロットがテニアの場合。

 

 

カティア「あの頃の私達とは違うわ! 私達だって成長しているのだから! いくわよ、テニア!」

 

テニア「そうだよ! ご飯いっぱい食べていっぱい寝たんたんだから!」

 

カティア「それを誇ってどうするの!」

 

 

 

 メインパイロットがカティア、サブがメルアの場合。

 

 

カティア「あの頃の私達とは違うわ! 私達だって成長しているんだから! いくわよ、メルア!」

 

メルア「はい! あの頃とは違いますよ! 納豆だって食べられるようになったんですから!」

 

カティア「それを誇ってどうするの!」

 

 

 

 メインパイロットがテニア、サブがカティアの場合。

 

 

テニア「あの時のアタシと同じと思うな! いっぱいご飯食べて、もりもり強くなったんだから! いくよ、カティア!」

 

カティア「ええ! って、それを誇ってどうするの!」

 

テニア「あれー?」

 

 

 

 メインパイロットがテニア、サブがメルアの場合。

 

 

テニア「あの時のアタシと同じと思うな! いっぱいご飯食べて、もりもり強くなったんだから! いくよ、メルア!」

 

メルア「はい! わたしだって、納豆食べられるようになったんですから!」

 

テニア「いっけー!」

 

 

 

 メインパイロットがメルア、サブがカティアの場合。

 

 

メルア「もうあの頃とは違います! わたし達だって、統夜さんに追いつこうと努力してきたんですから! いくよ、カティアちゃん!」

 

カティア「ええ、今までの私達とは違うところを見せてあげる。オルゴン・エクストラクター全開! いけるわ!」

 

メルア「えーい!」

 

 

 

 メインパイロットがメルア、サブがテニアの場合。

 

 

メルア「もうあの頃とは違います! わたし達だって、統夜さんに追いつこうと努力してきたんですから! いくよ、テニアちゃん!」

 

テニア「そうだよ、メルアは納豆も食べられるようになったんだから!」

 

メルア「カラシ少なめならですけどー!」

 

 

 

フー=ルー「なかなかの気迫。これは気を引き締めなくてはなりませんね」(三人共通)

 

 

 

 統夜のサブにシャナ=ミアが乗っていない場合、統夜とパートナー個別の戦闘前会話が発生する。

 

 

統夜「フー=ルー!」

 

フー=ルー「手を合わせるのは二回目ね坊や。あの時から変わったのは機体だけかどうか、確かめさせてもらうわ!」

 

 

カティア「あの時と違うのは統夜君だけじゃないわ! 統夜君、どんな動きもフォローするから、思うように動いて! 私は大丈夫だから!」(カティア搭乗時)

 

テニア「あの時のアタシ達と同じと思うな! 統夜もアタシもあの時とは全然違うんだから、それを教えてやる! 統夜、全力全開でいっちゃって!」(テニア搭乗時)

 

メルア「変わったのはこの子だけではありません! わたしも、統夜さんについていけるように強くなりました! だから統夜さん、わたしのことはかまわず全力でお願いします!」(メルア搭乗時)

 

 

統夜「ああ!」

 

 

 

──フー=ルー撤退──

 

 

 

 全てのフューリー機を撃退し、統夜達はついにフー=ルーも撤退に追いこむ。

 

 

「くっ……さらにやるようになりましたね。やはり、私の最後を飾る敵はあなた達のようですね……」

 

 どこか嬉しそうにつぶやき、フー=ルーは撤退していった。

 

 

「フー=ルー。あなたは一体、なにを考えているのです……?」

 

「少なくとも、彼女はその正当性がないとわかりながらグ=ランドンとやらについているように見えたな」

 

 悲しそうに呟くシャナ=ミアに、アランが見解を述べた。

 

 

「あれ、あれじゃないか? ほら、男女のってヤツ」

 デビッド(レイズナー)が口を開く。

 

 

「いや、あれはそういうタイプには見えないな。男女って枠組みじゃなく、もっと別のところに重きを置いている戦士だ。自分の信念にのみしたがって行動する、一番厄介なタイプだよ」

 

「そういえば、今まで二度ともクルツさんナンパに行きませんでしたね」

 

 クルツの言葉に、そういえばとメルアが答えた。

 

 女とあらば敵にさえコナをかけにゆくあのクルツがこうまで言うのだ。

 彼女はそのような情で動いてはいないのだろう。

 

 ならばむしろ、余計にあちらにいるのがわからない。

 

 

「ヤツは、我々と戦うためにむこうについたのだ。あの目は、武人の目だった」

 

 ドモンがそう付け加えた。

 

 

 それが本当ならば、説得も権威も通じない。

 戦うことが目的なのだ。

 

 ならば、絶対統夜達の前に立ちふさがる、強大な壁となるだろう……

 

 

「それはやっかいですねぇ……」

 

 ユリカがため息をつくが、部隊の中では、次に会うのが楽しみだと指を鳴らすものもいたりした。

 ちょっとだけ、別の意味でもため息が出る。

 

 

 ともあれ、フューリーは撤退し、ザフトのプラントを狙った核攻撃の第一陣を統夜達は阻止することに成功した。

 

 

「だが、フー=ルーの言っていた野暮用とはなんだったんだ……?」

 

 アランが会話の中でひっかかったものを思い出す。

 

 単機でこの宙域をうろついていたのは、謀略の経過を観察するためではなかった。

 なんらかの目的を果たし、たまたまこの戦闘領域にいたという……

 

 当然だが、いくら考えてもエスパーでもないアランにそれがなんだったのか、解明できるわけがなかった。

 

 

 その答えは、もうしばしあとに出ることとなる……

 

 

 

 ……

 

 

 …………

 

 

 

 ……

 

 

 

 ヤキン・ドゥーエ一室。

 

 そこでフー=ルーからの貰った新しいオモチャを見て、ラウ・ル・クルーゼは笑みを浮かべた。

 

「Nジャマーキャンセラーだけでなく、こんなものまで提供されるとは。これは彼等の期待に答えざるを得ないようだな! ふふっ、はは、はははははは!」

 

 

 薄暗い宇宙に、彼の笑みは木霊しない。

 部屋の中だけに、そのこらえきれない笑い声が響いた……

 

 

 

──再びの分岐──

 

 

 

 今回の核攻撃はなんとか阻止することができた。

 

 しかし、引き金はもう引かれてしまった。

 

 

 すぐになにか手を打たなければ、第二の矢がいつ放れてもおかしくない状況である。

 

 

 だが、宇宙だけを監視しているわけにもいかない。

 地上で浮かび上がったオルファン。

 

 こちらも放っておけば地上の生命が全て死滅してしまう可能性があるからだ……

 

 

 オルファンの件に関して、ブレンパワード隊が地球へ降りたいと申し出た。

 

 だが、地上でも連合軍はなにをするかもわからない。

 リクレイマーと連合軍、両方を同時に相手しなくならなければならなくなる。

 

 今の状況を考えれば、それは大きな危険を伴う。

 

 それでも降りると勇達は言う。

 

 

「それじゃ、こうしましょう! ナデシコは一旦地上に降りて、オルファンをなんとかします!」

 

 

 ユリカがはい。っと手を上げた。

 

 どちらも放って置けないのだから、アークエンジェルとナデシコ、二手に別れて対処しようということになった。

 

 

 というわけで、再びの分岐なのである。

 

 

 

 

 第23話終わり

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