──最後の通告──
連合軍の権力を独占し思うがままにしていたブルーコスモスの盟主、アズラエルが倒れたことにより、連合の暴走は事実上終わりを告げた。
これでザフトとの殺し合いも終わる。誰もがそう考えたが、そうはならなかった。
ザフト軍のトップ、パトリック・ザラは連合が力を失い、実質勝利したという状況であるというのに争うことをやめるつもりはなかった。
彼は全方位に通信を開き、浮かび上がったオルファンをジェネシスで撃つと宣言したのだ。
それが放たれれば、オルファンはおろか地上さえ大きな被害を受ける。
穏便な話し合いなど結局出来ない状況となり、合流したアークエンジェルとナデシコはそれを阻止するため、ジェネシスの破壊にむかう。
「ええっ!? フレイさんまたザフトに連れ去られちゃったんですか!?」
アークエンジェルから現状を聞いたユリカが驚きの声をあげた。
「前は気まぐれだったみたいだが、今回はキラへの嫌がらせだ。あのヤロウ、ジェネシスにあの嬢ちゃん連れ帰ってキラに嫌がらせする気だ」
生き残ったムウがそれに答える。
「嫌がらせって、大丈夫なんですか?」
「アレの性格からえげつないこと考えてるだろうが、俺達と相対するまでは間違いなく無事だ。そこに、救出の隙がある」
「つまり、囚われたお姫様を助けに行くってことですね! アキト、私も助けにきてね!」
「お前は捕まってないだろ。それに、そんな予定もない!」
「ええー」
「お前がさらわれるなんてことはないからな」
「それって、アキトー!」
「こ、こら、抱きつくな!」
突然はじまった変な空間に、皆やれやれと呆れるしかなかった。
「それで、大丈夫なんですか?」
ルリがムウに聞く。
「だから大丈夫だって」
二度目の質問に、なんでそんなにと呆れたように答える。
「いえ、お姫様の方ではなく、怪我の方」
「おお、そっちか」
まさか自分の心配をされていたと思わなかったムウが驚いた声をあげた。
「見ての通りピンピンしているからな。こんな状況だ。のんびり寝ているわけにもいかねーし」
ついでに下手に寝こんでいると後ろにいるアークエンジェルの艦長さんがとっても心配するし。
元気に起きていてもそれはそれで心配しているが。
「というか、ドミニオンの主砲を受けて良く生きてましたね」
アキトとイチャイチャし終えたユリカが会話に加わってきた。
「俺は不可能を可能にする男だからな。まあ、ストライクの生存能力がすげぇんだろうけどな。キラだってあれでイージスの自爆から生き残ったわけだし」
「確かに」
ヘルメットが万全でなかったとしても、顔に傷を負い記憶を失ったくらいでムウも生きていた可能性は十分にある。
皆で納得し、キラを見た。
「さあ、行きますよ! ジェネシスも止めて、今度こそあの子のことも救い出しましょう!」
「はい!」
キラが返事を返し、アークエンジェルとナデシコはジェネシスの破壊。および囚われたフレイの救出のためザフト宇宙要塞ヤキン・ドゥーエを目指す!
──ジェネシス攻防戦──
ジェネシス破壊のため、戦闘領域に入る統夜達。
部隊を展開しようとしたところで、戦場にジャンプアウトして現われる部隊があることに気づいた。
それは、木連とグラドスの無人機。
かつて木星トカゲと揶揄されたバッタ達と、グラドスの殺人機械などと呼ばれた機体が現われたのだ。
それらの出現に、やはり休戦の誓いが破られたのだろうかと思うが、そこにグラドスの機体までいるのに皆違和感を覚えた。
だが、いくら考えても無人機は答えてくれず、答えは出ない。
それどころか無言で襲い掛かってくる殺人兵器に、統夜達は対処する他なかった。
休戦のことは一時忘れ、気力稼ぎもかねて彼等は迎撃に部隊を出すのだった。
統夜達が出ると、同時にイザークも彼等に力を貸すため現われた。
一時的にだが、ザフトを守るため力を貸してくれるというのだ。
現われた無人機を全て撃墜すると、さらに別の部隊が戦場に現われる。
それは、木連とグラドスの混成軍だった。
今度は無人機ではない。木連の戦艦かぐらづきと、グラドス将校ギウラ率いる部隊に死鬼隊。ついでにしぶとくまだ生き残っているゴステロ達である。
なぜここに彼等が。と驚くと、さらにジャンプアウトしてくる部隊があった。
それは、木連優人部隊の九十九達。
彼等はかぐらづきに乗る草壁を追いやってきたのだ。
彼等は今の状況を統夜達に説明する。
先日と先ほど無人機の襲撃は、地位を失った草壁が過激派を扇動し引き起こした一種の反乱だったのだ。
木蓮そのものに和平を妨害する意志はなく、むしろ和平を邪魔するために起こしたことだったのである。
草壁は帰還命令を無視したトップのル・カインを失い、本国に戻るに戻れなくなったグラドス軍の残党と手を組み、あの超兵器ジェネシスを狙って来たのだ!
草壁は勝てば正義だと主張し、そこにはもはや、貫くべき信念も、かつて信じた正義も存在していなかった。
あるのは、己を満たす歪んだ感情のみ。
改めて和平の実現を確認した統夜達は、草壁を討つことを決める。
だが、そこにもう一つボソンジャンプして現われる存在があった。
それは、火星でアキトにボソンジャンプさせられ、彼方に消えたはずのル・カインだった。
ル・カインが飛ばされたのは火星の遺跡が建造されていた過去で、その時代を見たル・カインもついにグラドス創世が事実であると認めた。
「なのにまだ戦うというのか?」
そう問いかけるエイジに、ル・カインは「当然である」と答えを返した。
なぜなら彼は、エイジとの決着をつけるためだけに帰ってきたのだ!
なんて余計なことをしやがると、過去の遺跡建造者に文句が出たが、それはそれだ。
ル・カインが戻り、活気づくグラドス残党軍。
これでジェネシスを奪えば、地球の制圧さえなせると考えたからだ。
こうしてジェネシスを狙う木連、グラドス連合軍との最後の戦いがはじまった。
激闘を制したのは、当然ながら統夜達だった。
しぶとかったゴステロも、死鬼隊もついに倒され、ル・カインもエイジの前に散ることとなった。
草壁の乗るかぐらづきも戦闘不能に陥り、後は沈むのを待つばかり。
木連艦が倒れるのを見届けた九十九達は、無事和平交渉が出来ることを願いながら、統夜達の前から姿を消した。
沈み、乗員が逃げ出そうとしているかぐらづきが突然何者かに攻撃を受けた。
避難もさせないよう完全にとどめをさしたのは、プロヴィテンスガンダムのドラグーン。木連、グラドスの連合軍との戦いを傍観していたクルーゼの仕業だった。
ついに、ザフト軍がジェネシス防衛に姿を現したのだ。
さすがにイザークは同胞とは戦えない。彼は手を貸すのはこれまでだと去っていった。
これから統夜達とは戦わないが、手も貸さないということでもあった。
終末を迎えつつある中、ザフト軍との最後の戦いがはじまる。
クルーゼをとりまくザフトの機体を統夜達がおさえ、キラがクルーゼに迫る。
「クルーゼ! フレイを、フレイをどこにっ!」
「はははっ。そこまで焦るのは見ていて気持ちがいい。そんなに知りたければ、私を倒してみたまえ! 私を、憎むがいい!」
ビームサーベル同士がぶつかり合い、はじかれあう。
「そして、その憎しみは、人を滅ぼす! 憎み、引き金を引く指しか持たぬ者達の指で! 滅ぶのだ!」
「違う! 人はそんな愚かじゃない!」
「どう違う? それだけの業を重ねておきながら……!」
「確かに彼等は多くの人を殺した! でも、それはただ憎かったからじゃない!」
「っ!?」
キラの反論に、クルーゼは驚く。
今までの経験から、キラは言われっぱなしになり、ただ意味のない言葉でしか反論できないと思っていたからだ。
「彼等だって、守りたかったんだ。でも、手段を間違えたんだ! 僕だって、ある! 間違えたことも。守れなかったことも! でも、それでも、僕には、守りたい人と、守りたい世界があるんだーっ!」
「ぐぅうぅ!?」
(おされているだと! 私が!?)
プロヴィテンスの背中からドラグーンを飛ばす。
簡単に説明すれば空飛ぶライフル。それをフリーダムの背後に回し、蜂の巣にするためだ。
だが、放たれたドラグーンが次々と撃墜されて行く。
ディアッカのバスターガンダム。
ムウのメビウス(ストライク壊れたから)による遠距離支援がドラグーンを撃ち落したのだ!
「俺もいるってことを忘れるなよ!」
「ムウ・ラ・フラガアァァァ!」
一瞬の絶叫。
しかし憎き肉親に裂いた一瞬の注意は、クルーゼに致命的な隙を与えた。
「クルーゼエェェェ!」
キラが、迫る。
「しまっ!」
フリーダムガンダムのビームサーベルが、プロヴィテンスの胸を貫いた……!
「ぐっ、ぐうぅ……!」
「フレイは、フレイはどこだ!」
「くくっ、すぐにわかる。わかるさ……」
にやりとクルーゼは笑う。
「キラ、逃げろ!」
統夜が先を予見し叫んだ。
その言葉に反応し、フリーダムはサーベルをはなしそこから離れる。
直後、プロヴィテンスが爆発する。
「フレイの居場所を……!」
「キラ、落ち着け! ここでお嬢ちゃんがいるならヤキンの中だ。そうでなくとも、誰か他に知っているヤツが必ずいるはずだ!」
ムウの通信に、キラもはっとした。
救命艇ごとさらわれたのだから、それを運べば間違いなく人目につく。
誰にも知られず救命艇の人達を捕らえておけるというのも難しい話だった。
ならば……
「す、すみませんムウさん」
「かまわんさ。その前に、ジェネシスをどうにかしないとな」
「はい!」
──憎悪の果てに──
クルーゼのプロヴィテンスガンダムを倒し、ザフトの防衛部隊も退けた。
残るはジェネシス。
発射まで時間はある。
間に合ったのだ。
「PS装甲と言っても、無限じゃあるまい」
エターナルの艦長バルトフェルドがつぶやく。
「総員。ありったけの火力をジェネシスに集中! なんとしても壊すんだ! 撃てーーーい!」
ナデシコのグラビティブラストにはじまり、アークエンジェルのローエングリン。
マジンカイザーのファイヤーブラスター。
グレートマジンガーのサンダーブレーク。
テッカマンブレードのボルテッカ。
ダンクーガの断空砲。
Gガンダムの石破天驚拳。
ブレンパワードのチャクラエクステンション。
ゼオライマーのメイオウ攻撃。
ありったけの攻撃から、ボスボロットのボロットホームランまでがジェネシスに叩きこまれる。
これだけの火力がそろえば、たとえジェネシスであろうと……
「全弾命中……ジェネシス……え?」
ジェネシスのダメージを計測したナデシコのオペレータールリが驚きの声をあげる。
同時に、それを見た統夜達も驚くしかなかった。
「再生した!?」
「これは、デビルガンダム細胞!?」
うねうねと動き、ジェネシスの外壁を修復するそれを見て、ドモンが叫んだ。
ヤキン・ドゥーエ内部、司令室。
「第三射カウントダウンはまだか!?」
パトリックはそこで声を荒げていた。
エターナルという反乱軍が迫っている今、残された希望はそれしかなかった。
「……」
「答えろ! これで全てが終わるのだぞ!」
だが、その残された希望はとても大きい。
これさえ撃てれば、反乱軍がどうしようと関係ないからだ。
「おい、どうし……っ!?」
「ヴォオォォォ……」
座っていた兵士が、ゾンビ兵に変貌する。
それどころか、床、壁さえ突如としてうごめきはじめた。
触手のようなものが生え、それがパトリックと他のザフト兵に迫る。
「な、なんだこれはっ!? うわっ、うわ、うわあぁぁぁぁ!」
パトリックの悲鳴だけが、その司令部に響くのだった……
ジェネシスはおろか、ヤキン・ドゥーエにいたものさえのみこみ、それは急速に形を整えた。
その姿、やはりデビルガンダム。
ジェネシスを武器として腕に取りこみ、巨大な砲を得たデビル・ヤキン・ジェネシスだった……!
「なぜ消滅したはずのデビルガンダム細胞がここに!?」
「っ! そ、そうか! あの時フー=ルーの言った野暮用。それがこれだったんだ!」
誰かの上げた疑問に、統夜が気づいた。
あの時(23話)、フー=ルーが彼等の前に現われた時、彼女はこれをクルーゼに届けに来た帰りだったのだ!
時を止めるラースエイレムを使えるフー=ルーならば、消え行くデビルガンダム細胞の時を止め、その消滅を防ぐことが出来る。対処することが出来る!
フー=ルーはそうしてデビルガンダム細胞を回収し、それをクルーゼに与えたのだ!
デビル・ヤキン・ジェネシスがジェネシス発射の準備に入る。
なんとかしなければ、当初の予定通りオルファンが撃たれるだろう。
なにより、デビルガンダム細胞を得たことでレンズの交換をする必要がなくなった。
消耗するそれを使うたび再生し、進化を繰り返せばいずれは連射することさえ可能となるだろう。
デビル・ヤキン・ジェネシスは生まれたばかりで動きそのものは鈍い。
だが、その巨大さゆえ、再生能力を上回る火力を出すのは統夜達といえども難しかった。
「今ならコアを破壊すればなんとかなるだろう!」
ドモンが断言する。
デビルガンダムを維持するための存在を取り除けば、前と同じようにこのデビル・ヤキン・ジェネシスも倒せるはずだった。
「クルーゼめ、やっかいな置き土産を……!」
ムウが声を荒げる。
だが……
「置き土産ではないさ。ふふっ、成功したようだな……」
「っ!」
それは、爆発したプロヴィテンスガンダムがいたところ。
そこには、倒れたはずのクルーゼがいた。
プロヴィテンスガンダムもまた、コアによる活性化により、そのデビルガンダム細胞で再生したのである。
「こっちも!?」
「私ではコアになり得なかったが、なかなかどうして、優秀じゃないか彼女は」
クルーゼはムウの父親である男のクローンである。
彼は、クローン特有の問題である、短い寿命しか持たない男なのだ。
すでに寿命が近い彼は、自分を生み出した世界を憎み、世を滅ぼそうとした。
だが、死が迫っているがゆえにデビルガンダムのコアにはなれない。
そのために、デビルガンダムに最も適するとされる女性をコアとし、最後の賭けに出ていたのだ。
ガンダムファイターに関わる存在ほど強くもない、それどころか戦ったこともない、ただの少女をコアとすることにした彼は、その賭けにまた勝ったのだ!
「彼女!? まさかっ!」
キラが、気づいた。
「そうだキラ君。あのデビルガンダムのコアは、君が守ろうとした女。フレイ・アルスターだよ」
仮面の下の唇を吊り上げ、クルーゼは笑った。
「っ!」
「君が守りたいと思った女が、君の守りたい世界を壊す! これ以上の絶望もあるまい! ふふっ、ふはは。はははははは!」
笑うクルーゼは、そのままデビル・ヤキン・ジェネシスの中へ消えていった。
「あのヤロウ、自分の悪趣味全開にしやがって!」
ムウが憤る。
「クルーゼェ!」
キラが、それを追おうとする。
「待て、キラ!」
だがそれを、ドモンが止めた。
「追うなキラ。ヤツを追ってもフレイは救えん! 先にジェネシスを止めるのが先だ。コアさえとめられれば、ヤツも自然と消滅する!」
「でも……!」
「ヤツを憎しみのまま倒したいなら行けばいい。だが、お前はなにを守る!」
「っ!」
ドモンの言葉に、キラは思い出した。
なにを守るためにここへ来たのかを。
「フレイを、助けないと……でも、助けられるんですか!?」
かつて地上の時、デビルガンダムを倒すためドモンは実の兄を犠牲にした。
それを思い出せば、同じことになってもおかしくないからだ。
「出来る。はずだ……!」
「あのあと、我々でデビルガンダムのコアについて検証したことがある」
フリーマンが通信にわりこんできた。
「状況から、彼女はまだコアとなって時が浅い。ならば、その意識を覚醒させ、デビルガンダムから引き剥がせば救えるはずだ」
「つまり……?」
「コアのところまで行き、彼女に語りかけ目を覚まさせ、そのコアから引き剥がせばいい!」
フリーマンは簡単にまとめた。
「なんだよ、つまりコアに囚われたお姫様を救い出せばいいってことか!」
甲児がさらに簡単にまとめた。
「そういうことならば、コアへ行くぞ!」
ドモンが拳を握った。
「コアの場所はサーチしてあります。エネルギーが最も高い場所を目指して進んでください」
ルリがすでにやってくれていた。
突入ルートなども示してくれている。
「キラ君、絶対絶対、助け出してくださいね!」
「はい!」
ユリカの応援にキラは答え、統夜達はデビル・ヤキン・ジェネシスへ突入する。
──救え、囚われのフレイを!──
「……こいつは、いやがるな」
コアへ向かう途中、ムウが気づいた。
自分達が向かう先。
デビル・ヤキン・ジェネシスのコアにヤツが待ち構えていることに。
コアのある場所に到着する。
そこにはやはりクルーゼがいた。
デビルガンダム細胞を得たプロヴィテンスガンダムに乗る彼が、再びキラの前に立ちふさがったのだ。
その背後には、デビルガンダムのコアにされたフレイ。
まるで手足を塗りこめられた胸像のようになった、彼女の姿だった……
「ふふふ、ははは。やはり来たようだな。さあ、世界が滅ぶのか、君達が救うのか。最後の戦いといこうじゃないか!」
クルーゼが手を上げると、周囲にデスアーミーが姿を現す。
ヤキン・ドゥーエやジェネシスにいたザフト兵と機体がデビルガンダム細胞によって変貌させられ、ここに集められたのだ。
その中に、ゾンビ兵と化したパトリック・ザラもいた。
※特別優秀なパイロットではないが、グランドマスターガンダムに乗っている。彼を倒す際、アスラン、カガリ、その他のパイロットで会話が少し変化するので注意しよう。
「キラ、さっきの説明、覚えているな!」
「はい! フレイを、救いだしてみせます!」
ドモンの質問に、キラははっきりと答えた。
※キラをフレイのいる所に隣接させ、出た説得コマンドを行い目を覚まさせ、コアから引き剥がせる。もちろんフレイを説得せずコアを破壊してもいい。その場合、当然フレイは助からず、キラは彼女の幻を見る。
「よし、やってこい!」
「そんなこと、させると思うかね?」
「やらせてみせる。この、キングオブハートの名にかけてな!」
クルーゼの言葉に、ドモンが拳をかかげ高らかに宣言した。
ジェネシスの発射まで残り時間も少ない。
地球を救う、人類同士の最後の戦いがはじまった……!
迫るクルーゼをドモンとムウがおさえ、キラはコアとなったフレイの元へと向かった。
隣接し、その名を呼びかける。
「フレーイ!」
キラの声に、まるで金属の塊のようになっていたフレイの体が小さく震える。
「君を守ると約束した。あの時、約束の途中でいなくなったりして、君にあえなくなって! でも、今度は、今度こそは君を守るから! だから、声を聞かせてほしい!」
「……」
「フレイ、僕には、君が必要なんだー!」
その言葉に、フレイの意思が反応した。
「私の方こそ、ずっと謝りたかった。苦しかった……でも、素直になれなかった。でも、今なら素直に言えるわ。だからキラ、もう泣かないで……!」
「フレイ!」
「キラ!」
コックピットに飛びこんだ彼女を、キラは抱きとめた。
「おのれえぇぇ!」
「クルーゼ、こいつで終わりだ!」
ムウの一撃が、クルーゼのプロヴィテンスガンダムを捕らえた。
二人の因縁も、ここに、終わる……!
残るは、フレイを失ったコアだけである。
その処理は、今のキングオブハート、ドモン・カッシュにまかされた。
彼はパートナーのレインと共に、愛の力にて放つ石破天驚拳を持ってデビル・ヤキン・ジェネシスのコアを完全に破壊する……!
コアの消失と共に、侵食された宇宙要塞とジェネシスは崩壊していく。
今度こそ、デビルガンダムは滅んだのだ!
統夜達が無事脱出すると、ザフトは連合との停戦。和睦を求める通信を開始した。
ザフトもまた、プラントを守る宇宙要塞を失い、戦う力を失ったからだ……
強硬派をどちらも一度に失った両軍は、やっと手を取り話し合いの席につくこととなる……
こうして、長きにわたる人類同士の戦いは終わりを告げた。
第25話終わり