カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 やっとジーサードと合流、ここから脱出できるか、シュワちゃry…アーノルドに果たして勝てるのか…というあらすじだけれども少しゴリ押し気味…(土下座)

 そう言えばガイノイドのLooちゃんは人と同じ肌触りの様です。
 つまりぴっちりとした白スクのお腹の下のわれ【このコメントは削除されました】
 


102話

『ケイスケ!ジーサードを救出できたぞ‼』

 

 カズキの喧しいくらいに響く声が無線に響く。その報告を聞いたケイスケは待ちかねたかのように笑みをこぼした。

 

「やっとか!ここを片付けたらすぐに迎いに行く‼さっさとそこから出ろよ!」

 

 ブラックホークとLooを撃ち落とさんとミニガンを装着された戦闘ドローンを全て撃ち落とし、外で戦闘をしているローガンの援護して施設から脱出するカズキ達を無事に迎えなければならない。ケイスケはM134ミニガンの引き金を引いて次々と戦闘ドローンを撃ち落としていく。気合いで奮戦するケイスケの様子に見ていたマッシュは苦笑いをした。

 

「…本当にゴリ押しで押し通すとはな、面白い連中だな」

 

 自分を倒したあの遠山キンジのように、自分の予想を簡単に塗りつぶして超える。まあこの4人組の場合は別の意味で予想を覆してくれたが。

 

『あ、そうそう、たっくん見つけたから』

「あのバカやっと見っけたか!後でしめてやるから覚悟しとけって伝ろ」

 

 思い出したかのように無線で報告してきたカズキの一言にケイスケは瞬く間に鬼の形相に変わった。本来ならばケイスケと共に行動するはずだったのにタクトの突発的な行動で一時ハチャメチャになった。果たして当の本人は反省しているかどうか。

 

「というかたっくんは何してたんだよ?」

『たっくんはry』

 

 突然カズキの無線の声をかき消すかのように喧しいぐらいの爆発音が響いた。いきなりの爆発音にケイスケとマッシュはぎょっとする。

 

「おい!?今の爆発は何だ!?」

『ちょ、たっくん‼いきなりそのレーザー銃で爆発させんなよ!?』

『任せとけ!俺が突破口を開けてやるから‼』

『いやまだジーサードが戦ってる最中なんだけど!?当たったらどうすんだ!?』

 

「爆発の原因やっぱお前か‼」

 

 ケイスケの怒声が響く。さっきから施設内で爆発が起きていたのだがあれは敵の罠か、またはたタクトが何かやらかしているのかと気にはしていたがやはりタクトがやらかしていた。作戦がハチャメチャになった全ての元凶は反省の色は見せずかなりはしゃいでいる様子だ。ケイスケは鬼の形相で無線を繋ぐ。

 

「たっくん、次爆発させたら‥‥ぶん殴る」

 

 ケイスケの一言に無線に響いていた爆発音が一瞬にして止んだ。ケイスケが相当お冠だという事を察してくれたようだ。しかしどちらにしろケイスケの説教は免れない。ケイスケはストレスを発散するかのようにM134ミニガンで怒声を飛ばしながら戦闘ドローンを撃ち落としていった。

 

「‥‥前言撤回だ。やっぱりこいつら滅茶苦茶だ」

 

 ケイスケ達のやり取りを見たマッシュは遠い眼差しで遠くを見た。本当にカズキ達は無事にジーサードを連れて抜け出すことができるのだろうか。

 

「うし、今度はあいつ等が無事に乗れるよう外の敵を片付ける!おっさん、下降してくれ‼」

 

「了解、撃ち落とそうとしてくる敵の弾に当たらないようにお気を付けて!」

 

 アンガスは意気揚々とブラックホークを降下させていく。施設へと近づいていくと案の定白い兵装をした兵士達と迷彩柄の兵士達がブラックホークを撃ち落とそうと狙い撃ってくる。

 

「しつけえっての…‼」

 

 ケイスケは舌打ちしながらM134ミニガンを撃つのをやめてM16に持ち替えて低姿勢で狙撃をし、レキはドラグノフで黙々と狙撃し相手の手や足を狙っていく。ロケランやグレネードで落とそうと狙っている相手はローガンが迫り倒してった。ここを片付くのははやく済みそうだ。

 

「後はあいつ等が来るのを待つだけ、早く来いよ…‼」

 

__

 

「ジーサード‼逃がしはせんぞ‼」

 

 アーノルドの拳が勢いよく素早く振り下ろされる。ジーサードは何重もの手錠で塞がれている両手で受け止めた。アーノルドの力が強く、受けとめた両腕はミシミシと痛みと共に骨に響く。

 

「っ!この手錠さえ取れればな…!」

 

「そうだ、この単分子震動刀で手錠が切れるんじゃね?」

「いや、ここはこのレーザー銃でry」

 

「レーザーは遠慮しておきます!サード、今その手錠を切ってあげるね!」

 

「そうはさせん‼他の者はジーフォースとその仲間を仕留めろ‼」

 

 アーノルドの指示に迷彩柄の兵士達はかなめの行く手を阻むように陣形をとって掃射してきた。阻まれたカズキ達は物陰に隠れて銃弾の雨霰から逃れる。少しでも顔を覗くと体をハチの巣にする勢いで撃ってくる。

 

「しつこい連中だな…‼」

「これじゃあジーサードの下へ行けれねえぞ」

 

 ジーサードと離されてジーサードは両手が塞がれたままアーノルドと肉弾戦で戦っており、アーノルドに押され気味になっている。こちらも迷彩柄の兵士達がじわじわと近づいてきていた。

 

「ナオト、このまま一気に特攻するか?」

 

「まあ待ちな、ここは七転び八起きの化身の俺に任せておけ!」

「たっくん、どうせ爆破しかしないでしょ?」

 

 いい考えがあると乗り出すタクトにナオトはMining Laserで爆破するに違いないと案じていたが、そんなナオトにタクトはドヤ顔でニヤリと笑う。

 

「俺が何度も爆発させると思っちゃら大間違いだ!見とけよ見とけよー‼」

「ちょ、タクト先輩、あぶなry」

 

 かなめの制止を聞かずにタクトはごろりと転がって物陰から飛び出す。飛び出して来たタクトに迷彩柄の兵士達は一斉に銃口を向けた。しかし、それよりもタクトは早くMining Laserを相手の天井へと向けた。

 

≪Scatter≫

 

「いくぜっ‼レッドマウンテン拡散ブラストーッ‼」

 

 タクトがMining Laserの引き金を引くと銃口から赤い閃光が拡散して放たれた。天井に広範囲に当たり、バラバラと迷彩柄の兵士達の頭上に瓦礫が落ちてきた。兵士達は頭に当たらないように避けようとして隙ができ、かなめはそのチャンスを逃さずに駆けた。敵の間を縫うように駆け、一気にジーサードの下へと駆けていく。向かわせまいと兵士達はすぐさまかなめに向けて撃とうとしたがカズキがMP14EBRを、ナオトがAK47を撃ってかなめの援護に入った。そんな二人にタクトはカッコイイポーズでアピールをする。

 

「どうだ!爆発だけじゃなくて拡散をたくさん撃てるんだぜー!」

 

「わっ、たっくん、クソギャグが冴えてるな!」

「そんな事よりかなめとサードを援護しつつ退路を作るぞ!」

 

 外野で喧しく騒ぐカズキ達は二人の援護をしつつ行く手を阻む兵士達を倒していき退路を作っていく。アーノルドの攻撃を避け、足で戦っていたジーサードの下へかなめが駆け寄って来た。いつでも手錠を切れるよう単分子震動刀を引き抜いている。アーノルドは腰のホルスターからベレッタM92を引き抜いて銃口を向けた。

 

「やらせはせんぞ…!」

 

 ベレッタM92の引き金を引こうとしたが、フランクの蹴りに手が直撃し手からベレッタM92が落とされた。フランクはフラフラになりながらもニヤリと笑った。

 

「カワイ子ちゃんに銃口を向けるのは野暮だぜ?ジーサード!後でいいネタをくれよ‼」

 

 かなめが振り下ろした単分子震動刀はジーサードの両手を塞いでいた何重もかけられた手錠を簡単に切断した。自由になった両手を握り締め、ジーサードは不敵に笑った。

 

「嫌という程のネタをやるよ。だが終わった後だけどな‼」

 

 その数秒後、ジーサードの目にも止まらぬ速さで放たれた拳がアーノルドのボディに思い切り直撃した。アーノルドは苦痛に後ずさりするがすぐに立て直して拳を構える。対峙するジーサードは感心する様に頷いた。

 

「やっぱすげえな、あんた‥‥兄貴の桜花を真似て打ったんだがな」

「膝をつくものか。私はこの国を、正義を守る軍人だ!」

「‥‥その軍人が、なんでこんな所で油を売ってんだよ‼」

 

 ジーサードの言葉にアーノルドはピクリと反応して揺らぐ。我々は大統領を守らなければならない。それなのに何故自分達はこんな所にいるのか、振り払っていた疑問がこみあげてくる。ジーサードは市民からも、軍の一部からも、そして大統領からもヒーローだと信じていた。もし、ジーサードが誰かの罠に嵌められて囚われていたのなら、それならば副大統領の命令は正しいかったのか、自分の正義は何処へ向ければいいのか迷った。

 

「私は‥‥今成すべきことをせねばならんのだ…‼」

 

 今は脱走しているジーサード及び侵入してきたジーサードの仲間を捕える事に集中した。迫るジーサードに向けて力強く拳を振るう。殴られ、殴り返し、技も何もない力押しの殴り合いが繰り広げられた。しかしアーノルドは押され、ジーサードが押していた。アーノルドは彼の拳に強い意志が握られいる事に気づく。

 

「今成すべきことよりも‥‥よく考えて行動しやがれ‼」

「…っ!?」

 

 一気に迫ったジーサードにアーノルドはすかさず拳を放つがジーサードはそれをギリギリのところを躱し、全身の筋肉と関節と骨を連動させ音速をも超える速さで拳を思い切り放った。大きな轟音を響かせ直撃したアーノルドは吹っ飛ばされる。壁に思い切りぶち当たり、アーノルドは仰向けに倒れた。

 

「うぐぉ…な…何という力か‥‥‼」

 

「や…やっぱあんた化け物だな。三倍流星を思い切り当てたのに気絶すらしてねえ‥‥」

 

 ジーサードは息を荒げながらもアーノルドのタフさに驚く。直撃してアーノルドを倒すことはできなかったがダメージが大きく動けない様子にほっとする。

 

「悪いがここを抜けさせてもらうぜ。これから殴り込みにいかなきゃなんねえからな」

 

「ぐ…何処へ行くつもりだ…!」

 

 力ずくでも体を動かして起き上がろうとするアーノルドに背を向けて歩くジーサードは振り返る。

 

「よく考えてろ。そうしねえとてめえは何時までも誰かの手のひらで踊らされてるだけだ」

 

「こらー!いつまでカッコつけてんだよ‼早くないとおいてくぞ照れ屋さんめ‼」

「俺の方がカッコイイ‼ほら、ナオトもクラウドドゥッドゥドゥッドゥ?」

「は?お前途中で噛むなよ。何言ってるか分かんねえし」

 

「せ、先輩!こ、ここは空気を読んで静かにしててくださいよ…‼」

 

 かなめにつっこまれても自己主張が激しいカズキ達にジーサードは肩を竦んで大きくため息をついて退路を切り開いているカズキ達の下へと進んでいった。よく考えろと言われたアーノルドはじっと黙ったまま、遠くなる彼らの背中を見つめていた。

 

___

 

「あいつ等まだ来ねえか!」

 

 ケイスケは半ば苛立ちながらブラックホークを守りつつカズキ達が戻ってくるのを待っていた。狙い撃ってくる相手はレキがドラグノフで狙撃し、近寄る相手はローガンが倒し、ケイスケは援護をして奮闘したためヘリの守りは万全だが油断はできない。

 

「見えたぞ…!うまくいったようだな!」

 

 ローガンの声にケイスケは視線を向ける。施設の入り口を蹴り開けて、飛び出す様に走るカズキ達の先頭を賭けるジーサードの姿が見えた。

 

「よし!こっちだ‼早く乗れ‼」

 

 ブラックホークのプロペラがフルに回転し、いつでも浮上できるよう準備をし、轟々と響く風と音の中でケイスケは手一杯手を振る。彼らを回収をし、大統領を護衛しつつ移動しているカツェらと合流し一気にホワイトハウスへと向かう。

 

「あれって…『ウルヴァリン』じゃねえか!?お前らどうやって連れてきたんだよ‼」

「全て俺の活躍!」

「後でサインもらわなきゃな!」

 

 ブラックホークに乗り込んだローガンを見てジーサードはドヤ顔をするタクトを無視して大喜びして笑う。後は駆けこんで乗り込みこの施設からオサバラするだけ。カズキ達は意気揚々と走るが、その時後方から誰かが叫ぶ声が聞こえた。ちらりと振り向くと、倒れて動けなかったはずのアーノルドが部下達と共に追いかけてきていた。

 

「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ‼」

 

「なっ!?やっぱあいつ化け物だろ!?」

「やべえ‼筋肉モリモリマッチョマンの変態が来てる‼」

「い、急ぎましょう…‼」

 

 アーノルドのタフさにカズキ達はギョッとして足を速める。同じくケイスケもカズキ達を追いかける筋肉モリモリマッチョマンにギョッとしていた。

 

「なにあれ怖いんだけど!?急いで来いよ‼」

 

 ブラックホークはすぐに飛び立てるようゆっくりと浮上しだす。一番先頭に駆けていたジーサードは転がり込むように乗り込み、カズキ達も続けて乗って行く。最後尾で走っていたタクトにケイスケは手を伸ばす。しかしタクトは逆にケイスケの手を引っ張りケイスケを無理矢理下ろして逆に自分が乗り込んだ。

 

「おぉい!?たっくん、何しやがる!?」

 

「あ、ごめーん。つい?」

「ついじゃねえよ!?しばくぞ‼」

「いいから早く乗れっての‼」

 

 ここでコントをしている場合ではない。アーノルドはもう間近に迫って来ていた。タクトの手を取りケイスケが乗り込む。

 

「よっしゃ‼このまま大統領と合流だぜ‼」

 

 タクトのはしゃぐ掛け声とともにブラックホークは急上昇し、高く飛んでいたLooと共に飛び立っていった。アーノルドはあと少しで捕らえたところ逃げられたジーサード達を、ブラックホークが飛んでいった方角をじっと見上げていた。怪我を負いながらもじっと立っているアーノルドに部下達は心配そうに声を掛けた。

 

「た、隊長…このまま彼らを追いかけますか…?」

 

「‥‥」

 

 アーノルドは返答はせずに黙ったまま立っていたが、すぐ唸りながら考えてだした。タクトが叫んでいった言葉が気になっていた。『このまま大統領と合流』と、つまり彼らの下に大統領がいることであり大統領が無事であることだ。それならば何故ジーサードは『殴り込みをする』と言ったのか。アーノルドは深く考えた。

 

「‥‥大統領を連れて何をする気だ…?いや、彼らを陥れたのは誰だ…?」

 

 追うとなれば彼らは何処へ向かうのか。大統領と共に向かうのとすれば、彼らの行く先はホワイトハウス。それならば『殴り込み』をする相手は、この事件の真実と黒幕は‥‥。考え込んだアーノルドは一つの答えに辿り着いたのか、ゆっくりと顔を上げる。

 

「行くぞ‥‥」

 

「え‥‥い、一体どちらへ‥‥」

 

「奴らの行先だ。装甲車、戦車、それにありとあらゆる火力を詰め込んで向かうぞ」

 

「‥‥た、隊長、何が始るんです?」

 

 恐る恐る尋ねる部下にアーノルドはきっぱりと答えた。

 

 

「大惨事大戦だ!」

 

___

 

 ヒューメイン研究所地下三階の広いエリアで、ジーサードに顔面を思い切り蹴られて大の字に倒れているジキル博士は寝息を立てていた。何時まで経っても起きないジキル博士に白い兵装の兵士の一人があやす様に声を掛けた。

 

「あの…博士?そろそろ起きた方がよろしいのでは…?」

 

「‥‥起こさないでくれたまえ。僕はこれからふて寝をするんだ」

 

 駄々をこねる子供の様にジキル博士はそっぽを向く。ジーサードに蹴られたというのにピンピンしているジキル博士に兵士の一人はため息をつきながら声を掛け続ける。

 

「…では、提督殿に現状を報告してもよろしいので?」

「ジーサードに蹴られるのはへっちゃらだけどネモにしばかれるのは嫌だなぁ」

 

 ジキル博士は渋々と起き上がり、「次はどうしようか」と寝ぼけたように呟きながらポリポリと頭を掻いた。ジーサードにまんまと逃げられてしまったのだがジキル博士は全く気にはしていないようだ。

 

「あいつ等が大統領と合流するとなると‥‥次はホワイトハウスだろうねぇ」

 

 ジキル博士は面倒臭そうに愚痴をこぼす。次の手はどうするのか部下達はじっと見つめていたが、ジキル博士はポンと手を叩く。

 

「‥‥まるで将棋だな」

「は?」

 

 突然意味の分からないことをつぶやくジキル博士に部下達は困惑するが、ジキル博士は気にもせず白衣のポケットからPSPのような形をした携帯ゲーム機を取り出す。

 

「ここはやっぱり大統領を先に潰しておこうか。ネモも副大統領も大喜びで万々歳だ」

 

 ジキル博士は無邪気な子供の様にケラケラと笑いその場に座り込んだ。部下達は何をするのか戸惑うがジキル博士は気にもしない。

 

 

「アイアンブリゲイド試作一号、いっきまーす!」

 

 ジキル博士は楽しそうに叫びながらゲーム機の電源のスイッチを押した。




 ヒューメイン研究所からの脱出。後は大統領と合流してホワイトハウスへ殴り込み‼
 中盤が過ぎてようやく終盤へと近づいてきました‥‥近づいたのかなぁ(白目)

 ちなみに、ジキル博士のモデルは海外ゲーム、やべー生物を沢山保管しているS〇P財団のいかれたやべー博士です。

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