カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 緋弾のアリア最新刊読みました‥‥
 
 以前、カズキの台詞に『だんご大家族かよ』と遠山兄弟姉妹の多さにツッコミを入れていましたが、本当にだんご大家族だったよ‼
 キンちゃんに妹ができたり、事案がでたり、ラッキースケベがでたり、キンちゃんは本当に爆発すればいいなと思いました(白目



116話

「‥‥で、今度は何処へ行く気だ?」

 

 ケイスケはまたしても苛立っていた。明日は重要な仕事があるというのに、今自分が入る場所は秋葉原の街中ではなく浅草の西表参道商店街。

 そして理子がケイスケの腕を組み、ルンルン気分で歩いていた。ムスッとしているケイスケに理子は頬を膨らませる。

 

「むーっ、ケーくんそんなにイライラしていたらいけませんぞー?」

「誰のせいでなってると思ってんだ。というかここに来る意味あんのか?」

 

 変装のセットや内容やら、ありとあらゆる事態を考えて戦略を練らなければならないというのに真昼間で観光客が賑わう通りを呑気に歩いていいものか。リサとヒルダは準備に取り掛かっているというのに、自分達がここに意図を聞きたかった。そんなケイスケの不満に対し理子はニッコリと笑う。

 

「んー…これはぁ、りこりんのデートイベントなのです♪」

「あっそ、帰るわ」

「わー!?待って待って‼」

 

 絡んでくる腕を引き離してさっさと帰ろうとするケイスケを理子は慌てて引き止める。そんな暇はないと言わんばかりに睨んで振り向けば理子はプンスカと頬を膨らませていた。

 

「むーっ!女の子のお誘いを断るとか!キーくんはそんなことしないもん‼プンプンガオーですぞっ!」

「俺キンジじゃねえし、じゃっ」

「わーっ!?お待ちください!りこりんの話を聞いてっ!」

 

 意地でも引っ張って引き止めようと騒ぎ叫ぶ理子にケイスケはイライラのボルテージが上昇しつつも一応話を聞くことにした。

 

「ほら、あれだよケーくん!戦士にも休日が必要なのです!」

「明日に決戦が控えてる戦士なんだけど?」

「あーもー‼ああ言えばこう言う!理子、今行き詰ってるの‼だから気分転換しようとしてるの‼」

「最初っから言えや、頑張れよ」

「待って!?りこりん悩んでるのに放置とかこの鬼畜!般若‼ハイビスカス‼」

「ハイビスカスて‥‥」

 

 どういう悪口だとツッコミを入れたかったが、理子がどういうわけか行き詰っているのに疑問に思った。気分転換なら一人でやればいいのに何故自分まで引き連れようとしてくるのか。

 

「何を行き詰ってんだ?作戦の支障でもあるのか?」

「んー…ま、まあ理子の作戦は完璧だから大丈夫だけど‥‥ほら、コンディションというのか‥‥」

「‥‥あれか?せいr」

「そおおい‼デリカシーなさすぎ!?どう考えたらそうなるのよ!?メンタル!メンタルの方だから‼」

 

 メンタルと聞いて、もしやとケイスケは嫌そうな顔をした。キンジといい、アリアといい、どうして自分に相談してくるのか。自分はメンタリストではないとため息をつく。

 

「仕方ねえなぁ、一応話は聞いてやる」

「おお♪流石はケーくん!我らのドクター‼」

 

 先ほどまで少し元気が無さそうに見えたのが一転、キャピキャピとはしゃぎだした。西表参道にある喫茶店で話を聞くことに。

 

「で?相談ってなんだ?」

 

 注文したパフェに舌鼓を打つ理子をジト目で見つめる。作戦には支障がないというのであれば、潜入する場所かまたはた人物に何か不安でもあるのだろうか。すると理子は恥ずかしいのか少し口ごもりだした。

 

「えーと…まあ、その…キーくんの事なんだけどさ‥‥」

 

 まさか、色恋かとケイスケは更に嫌そうな顔をする。本当は今すぐにでも立ち上がって会計済まして帰ろうかと考えていたが、理子のメンタルの問題となれば明日の作戦に支障が出るかもしれない。仕方なく聞き続けることにした。

 

「あの超ウルトラリア充マンがどうかしたのか?」

「キーくんってさ‥‥私を助けてくれたり、理子の事を信じてくれたり‥‥いわば理子のハートを盗んだ泥棒さんなの」

「‥‥ほの字か。あのリア充マジで爆発四散してくれねぇかな」

「色々とアプローチをしたりしてるんだけど‥‥キーくんの周りにはキーくんの事を大事に思っている人がたっくさんいるの」

「確かにあいつ、アリア然り、幼馴染の白雪然り、レキ然り、妹然り‥‥幼女から年上まで守備範囲広いもんな」

 

 

 どうしてキンジの周りには女性が多いのか。しかも好意を抱かれ、モテモテのだというのに当の本人は朴念仁だと。そう考えているとケイスケはイライラと嫉妬のボルテージが上がってきた。

 

「‥‥今のキーくんにはアリアがいる。色金の件もあったけども、アリアはキーくんの事信頼しているし、きっと誰にも負けないくらいキーくんの事を好きだと思ってる」

 

(‥‥昼ドラの時間かな?)

 

 キンジのリーダーとするパスカビールはキンジ以外、後は女子のチームで更には全員キンジに好意を抱いている。チームの連携、信頼は強いものだと思うがこういった色恋沙汰になれば誰もが気を利かしたり遠慮したりギスギスし、チームの連携も信頼も全て崩れてしまう。今のところそんな崩壊はしていないが、いずれそんな時期が来てしまうかもしれない。当の本人はどう考えているのだろうかとケイスケは考えながら頬杖をついて聞き続けた。

 

「でも…キーくんは私達の為にずっと一人で無茶してる、体を無理に酷使してる。きっとその代償が来ても私達の為に内緒にして無理をするんじゃないかなーって」

 

 パフェを食べ終え、頬杖をつく理子はどこか物寂しそうに遠くを見つめていた。

 

「なんだか、キーくんがどっか遠くへ行っちゃう気がして、私は置いてけぼりな気もするんだー‥‥」

「そうか…まあ恋愛に関してはどうも言えねえが、あいつが心配ならあいつが無茶しないようしっかりサポートしてやったらどうだ?」

「サポート‥‥うーん、けーくん達は4人で無茶しているから‥‥」

「そうでもねえぞ。去年はひどかったからな。俺がずっと医務室で籠ってた頃はカズキとナオトは毎日怪我してやってくるし、たっくんは単身で突っ込んでハチの巣になりかて大怪我するし大変だったんだぞ?」

 

 そういえばそうだ、理子は苦笑いする。ケイスケが彼らと一緒に行動する前は掠り傷や切り傷やら毎日ドンパチ騒ぎして怪我をしていた。ケイスケがカズキらと共に行動してから少しは怪我は減ったが余計にドンパチ騒ぎにはなった。

 

「あいつら、ほっといたら一人で建物を破壊しかねないからな。俺がちゃんと見てねえと」

「ふふふ、けーくんも苦労してるんだねー。ずっと一緒にいるからどんな無茶でも力を合わせてやれば‥‥楽しくなるのかな?」

 

「俺はそうだと思うが?後はお前自身頑張ってアプローチしていけばいいだろ。つかストレートに好きって言ったり素直に甘えればいいんじゃね?」

「むー、けーくんロマンチック欠けてるよー!乙女は純情でデリケートなの」

「不器用だなおい。まあ修羅場にならねぇ程度に頑張れ」

 

 これに関しては本人決断次第だ。なんとも罪作りな野郎のことか、とケイスケはいつかキンジに問い詰めてやろうと考えた。ケイスケと相談して気分は晴れたようで、ニッコリと微笑んだ。

 

「うん!ケーくんに相談してスッキリした!ケーくんありがとー!」

 

 いつものテンションの理子に戻って漸く元気になったかとケイスケはほっと安堵した。これなら明日の作戦に支障はもう出ない、だろう。

 

「ならよし‥‥ん」

「ケーくん?な、何でしょうかその手は‥‥?」

「相談料払え」

「やっぱり鬼畜‼」

 

_____

 

「何も‼しないで‼三日が経ちましたっ‼イエァッ‼」

 

 カズキは得意でもないラップを口ずさみながら帰路についていた。ただただ騒がしいだけが当の本人はノリノリでテンションをあげ、当の本人は華麗なステップで踊っていると思っているが、実際はオットセイのような動きをしながら踊っていた。

 

「あかり先輩、あれは変質者ですか?」

 

 あかりの後輩である乾桜はいつでも即逮捕できるように手錠を持ってジト目でオットセイの動きをするカズキを見つめていた。あかりもカズキのオットセイの舞にどう反応したらいいのか苦笑いしていた。

 

「あ、あれは、先輩の癖だから‥‥」

「そうですか‥‥ですが信じられません。あのオットセイの動きをしている人がアリア先輩と肩を並べられる人だなんて」

 

 そしてあかりがカズキの事を尊敬するアリア先輩と同じように信頼している事にも信じられなかった。桜にとってカズキを含むかの騒がしい4人組は警察の頭、ではなく胃を悩ませた何を考えているのか分からない存在。

 

「あのカズキ先輩、そろそろ情報収集をしないと‥‥」

「ねえねえあかりちゃん、『留め金が外して?と、眼鏡が仰ってる』っていいダジャレだと思わない?」

 

「あかり先輩、あの人逮捕していいですよね?いや逮捕します」

「まって!?カズキ先輩天然だから!悪気は全くないから‼」

 

 今にでもカズキの腕に手錠をかけようとする桜をあかりが慌てて引き止める。ここにケイスケがいたらカズキをひっぱたいてくれていただろう。

 

「うぅ‥‥かなめちゃんとアリア先輩がいたらスムーズになってたのにぃ‥‥」

 

 あかりは涙目で天を仰ぐ。今日もかなめはアリアに連れまわされ続けていた。事の発端は集合にクロメーテルが不在だったことから始まる。

 アリアがクロメーテルについてカズキに尋ねるとカズキが『キンj‥‥クロメーテルの奴、キンジに駆け落ちされてんじゃね?』とメッチャ明るい笑顔で答えた。案の定再びアリアは激昂。そして再び風穴地獄にしてやらんと、かなめを連れて駆け出してしまったのであった。そして今日もかなめはどこか遠い眼差しをしていた。

 

「さーて、情報収集と行きますか!」

「カズキ先輩、始まってから30分も経過してますけど‥‥」

「ふっ、まだ慌てるような時間ではないぞアムロ」

「先輩、時は金なりって言葉知ってますか?」

「宇治金時は好きだけど?」

 

「あかり先輩、やっぱり現行逮捕しますねこの人」

「まって!?カズキ先輩悪ふざけが好きなだけだから!悪気はないから‼ってもうこれで3回目だよ!?」

 

 何回も振り出しに戻るやり取りにあかりは涙目になる。自分一人ではカズキのフリーダムを止める事はできない。オロオロしていると、志乃が手を振りながらやってくるのが見えた。

 

「あかりちゃーん!お待たせしましたー!」

「志乃ちゃーん‼助けてー‼」

 

「そうだイヌイットちゃん、リーフパイでも食いに行こうぜ‼」

「先輩、単位取る気ありますか‥‥?というかイヌイットじゃなくて乾桜です」

 

 涙目で志乃に抱きつくあかり、あかりに抱き着かれ鼻血が出そうになる志乃、そして今すぐにでもリーフパイが食べたいカズキ。たった一人のカオスのせいで余計ハチャメチャになっている様を見た桜はため息を深くついた。

 

「あかりちゃんが私に抱き着いて‥‥はっ!そ、それよりも助っ人を連れてきたんですよ!」

「助っ人…?」

「あのオットセイの動きをしてた先輩のお仲間じゃないですよね?」

「お、オットセイ‥‥?だ、大丈夫ですよ!」

 

「あーめっちゃリーフパイ食べたくなってきた」

 

 今度はリーフパイを食べたいと突然歌いだしたカズキを無視して志乃の指すほうを見る。志乃が連れてきたのは白雪とジャンヌだった。二人はリーフパイ食べたいとビブラートを聞かせて歌うカズキを見て苦笑いした。

 

「ほんと相変わらずお前は何を考えているのか分からないな‥‥」

「か、カズキくん、あとでリーフパイ買いに行くから少し我慢してね?」

 

「おっ!白雪ちゃんと‥‥ジャパリパークちゃん‼」

「ジャパリパークじゃない、ジャンヌだ!というか一文字しかあってないだろ!?」

「そっかー、君は何のフレンズかな?」

「だからフレンズじゃない、ジャンヌだっ‼」

 

「あ、あの、カズキくん?そろそろ本題に、入っていい?」

「はいっ」

 

 白雪の鶴の一声でカズキのフリーダムトークは何とか免れた。ジャンヌもこのくだりにはそろそろ慣れて欲しいと、白雪は願ったがまだ当分先になるかもしれない。まず初めに桜が鞄から資料を取り出してあかりに渡した。

 

「先の武検選抜会場爆破事件について、警察も協力して現場を調べたんですが…これといった手掛かりになるものが見つかりませんでした」

「ねえねえ、なんで俺じゃなくてあかりちゃんに渡すの?」

「先輩はなんだかすぐに無くしそうですので」

「ひっどーい!俺泣いちゃうぞ♪」

 

 変顔するカズキを桜は完全にスルー。しょんぼりするカズキだがめげずに桜に尋ねた。

 

「爆弾とかそんな手掛かりとかはなかった?」

「爆弾‥‥そうだ!病院に運ばれた怪我人から目撃証言があったのですが、『小さな緑の箱のような物が置かれていた』と」

 

「緑の箱‥‥?」

 

 桜の言葉を聞いてジャンヌが目を細くして深く考え込んだ。

 

「ジャンヌちゃん、何か心当たりでもあんの?」

「あるのはあるのだが‥‥いや、そんなはずは‥‥」

 

 言うべきかどうかジャンヌは悩んでいたようだが、半ば深刻な表情で顔を上げた。

 

「恐らくだが‥‥それは『クリーパー』かもしれないな‥‥」

「あ、クリームパンも食いたくなってきた。特に焼きたては美味いんだよなー」

「カズキ先輩、クリームパンじゃないです。えと、そのクリーパーって何ですか?」

 

「大量のニトログリセリンを圧縮させた立方体の形をした爆弾の事だ。初期の頃のイ・ウーで製造されていたが、わずかな衝撃や摩擦でも爆発するてい危険な代物だからな、私がいた頃にはそれは廃絶されていた」

「あ、圧縮できるものなんですか‥‥!?」

 

「クリーパーを製造できるのは‥‥かつてイ・ウーのNO.2で『斬撃のレギンレイヴ』と恐れられていたフレイヤとその部下達だけ。まさかフレイヤが日本に来ているのか‥‥?」

「なんかさらっとヤバそうな奴の名前が出てきたな」

 

 イ・ウーの中にそんなおっかない人物がいるとは思いもしなかった。そうなると、つまりはフレイヤとなる人物が、キンジを狙ってクリーパーを仕掛けて爆発させたとなり、そしてフレイヤがキンジの命を狙っている事になる。

 

「キンちゃんによくない事が起こるっていう占いがでたから心配だったのだけど…キンちゃんが爆破に巻き込まれなくてよかった。でも未だにキンちゃんの命が狙われている‥‥キンちゃんを守らなきゃ!」

 

「そうなれば遠山キンジを見つけて護衛をつけるのと、フレイヤを見つけて逮捕すればいいんですね!」

 

 さらっとキンジを呼び捨てにしているあかりだが、今後の方針はその流れになるだろう。特に白雪がかなり乗る気なのでカズキも誰も止める事はしなかった。

 

「そうだ!アリア先輩も狙われているかもしれない‼さっそくアリア先輩に報告しにいかなきゃ‼志乃ちゃん、桜ちゃん、行くよ!」

「あ、あかりちゃん待ってーっ!?」

 

 いざアリアの下へと行こうとあかりは駆け足で走り出し、志乃はわなわなと震えながらあかりを追いかけていく。その様を見てジャンヌはため息をこぼした。

 

「‥‥フレイヤはアリアや遠山、あかり達が今まで相手にしてきたイ・ウーとは違う。特に彼女の放つ斬撃は危険だ。私と白雪もアリア達に助太刀しよう。それにカズキ、お前達の力も貸して欲しい」

「じゃあ俺の単位稼ぎ手伝って」

「現金な奴だなオイ」

 

 少しむかつく変顔をするカズキにジャンヌは肩を竦める。これだけの数があれば対策は練れるだろう。しかし未だに問題も残っている。

 

「後は‥‥遠山が何処にいるか、それが分かればな」

「キンちゃん、何処にいるの‥‥わ、私がキンちゃんの全てをお守りするんだから!」

 

「だよなー‥‥クロメーテルがキンジになってるし、今あいつと連絡が取れなくてさー。ほんとあいつどこ行った」

 

「ホント困った奴だな‥‥って、え?」

「嗚呼、キンちゃん、今どこに‥‥って、え?」

 

「え?‥‥‥‥あ、やべ。アリアとクラスの皆には内緒だぞ?」

 

 がま口の如く口が堅いと豪語していたカズキはテヘペロで誤魔化そうとしたが後の祭りだった。




 3日目は少し時系列が滅茶苦茶になりましたがカズキ→ケイスケ→たっくん&ナオトの順です。
 のほほん路線にしようと思ったらやっぱりハチャメチャになっちゃいました。シカタナイネ!

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