カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼ 作:サバ缶みそ味
所持金全部溶かされそう(オイ
DAY:5
アリアの後輩であるあかりはどう反応したらいいのか困惑していた。学園島の公園にあるリーフパイを売っている店へといつものように親友の佐々木志乃と火野ライカ、島麒麟そして後輩の乾桜とともに向かっている途中、出くわしたのだ。
「タバディーン…タバディン…!」
カズキはよく意味の分からない言葉を呟きながら何やら考え事をしていた。腕を組み、真剣に悩んでいるようで只管『タバディン』と呟いている。あかり達はどのタイミングで伺ったらいいのか様子を見ていると、カズキは突如曇りが晴れたかのようにパッと明るい笑みで頷きだした。
「‼…タバディンのママディン講座ぁ~っ‼」
「いや何してるんですか!?」
「というかタバディンとママディンってなんだよ!?」
何が言いたいのかさっぱりわからず、しびれを切らした志乃とライカはカズキにツッコミを入れた。後輩たちが見ていたことに気付いたカズキは不思議そうに首を傾げていた。
「いやー考え事してたらふとこんな言葉があったような気がして思わず口ずさんじゃってさー」
「タバディンとかママディンとかそんな言葉ありません」
桜がジト目で睨んでいるがそんなことにはお構いなしでカズキは照れ笑いしていた。そんなカズキを初めて見る麒麟はキョトンとし、どう反応したらいいのか戸惑いつつもライカに尋ねる。
「ライカお姉様、あの人が‥‥」
「え?ああ、麒麟は初めて見るんだっけか?あの人があのトンデモ4人組の一人だ」
あの人が…と麒麟はまじまじとカズキを見つめる。カズキこそ武偵なのに装甲車で突撃し、容赦なく手榴弾や法律ギリギリアウトの銃を使って大暴れした滅茶苦茶な4人組の一人。中等部でも噂は広まっていて、かなりの有名だ。最近ではホワイトハウスを壊したとかなんとか。
「どんな野蛮な方かと思いましたけど‥‥緊張感の一文字も当てはまらない人ですわね」
「まあ…うん、至極当然だな」
「ところで、カズキ先輩。何か考え事をしていたんですか‥‥?」
漸くあかりが本題に入ろうとした。ずっと悩んでいた様子からして、アリアとキンジを狙う元イ・ウーのフレイヤそして彼女の部下や仲間達の足取りを調べていたのか気になった。
「うん?今日の晩御飯何しようかなー…って」
満面の笑みで答えたカズキにあかり達は盛大にズッコケた。手がかりが未だにつかめず、敵がいつどこで何を企んでいるのか分からない状況で自分の晩御飯を優先していたとは、やっぱりこの人はブレないとあかりは心の中でツッコミを入れた。
「なんで晩御飯なんですか!?アリア先輩達は只管調査してるのに!?」
「桜、落ち着け。これがカズキ先輩だ‥‥というかどう考えたらタバディンって言葉を思い浮かべたんだ?」
「そ、それで、今日の晩御飯はお決まりになったんですか?」
「ピザだけど?」
志乃が気を取り直して尋ねたがカズキは笑顔でピザの広告を見せて即答する。その答えに再びあかり達はズッコケた。
「考えた結果なんでデリバリーなんですか!?」
「あれだけ悩んだ結果ピザかよ!?」
「そう心配すんなって、今日はマルゲリータじゃないから。5日連続マルゲリータは飽きるもんな!」
「そういう問題じゃないと思うのですが‥‥」
状況に流されないカズキにライカ達は彼らを相手にする先輩達の大変さが嫌程よく分かって来た。しかし、あかりはそれはいけないと何故か頷いていた。
「カズキ先輩、ずっとピザばかりじゃダメですよ。体壊します!」
「えー、だって料理そんなに作ったことないもーん」
カズキ曰く毎日晩御飯を作ってくれるのはリサであり、その肝心のリサと連絡も取れず寮へと移された自分は料理を作るのが面倒なので毎日ピザを注文していたとのこと。
「一度ねカズキーズキッチン開いたんだけど、ご飯がスライムになってさー」
「じゃあ、一緒に作りましょう!私と妹のののかと簡単に作れるのを教えてあげますよ」
あかりの提案にカズキはキョトンとしていたが、それを聞いた志乃は目を見開いていた。
「へ?いいの?」
「もちろんです!まずは一緒に食材を買いに行きましょう!」
「やったー、助かりんベ‼」
子供の様にはしゃぐカズキと共にいざ買い物にへと向かうあかりの姿にライカは驚愕する。あのアリア一筋のあかりがあのハチャメチャな4人組に影響され始めていた。このまま影響されてしまったら想像がつかない程まずい事になりそうな気がしてならない。
「あ、あかりがカズキ先輩達のようにハチャメチャになる前にあたしらで止めないと‥‥って、志乃?」
「ぐぬぬ‥‥!あかりちゃんと一緒にお料理‥‥羨まけしからん…っ!寧ろ私があかりちゃんに料理‥‥ゲフンゲフン」
でへへと笑う志乃を他所にライカは自分がしっかりしなければと改めて決意した。
___
「ドゥーンドゥドゥドゥドゥン♪キノコ玉ねぎオォオオォォオーカレーをツークールー♪」
ショッピングモールにある野菜売り場にて、いつもとは違う晩御飯ができるということでカズキは上機嫌に歌いながら買い物をしていた。とある有名なゲームのテーマ曲で替え歌を歌うのかとライカと桜は流し目で見つめ、あかりと麒麟はカズキの意外の力のある歌声に真面目に聞いていた。
「さっびったーケーンはーキッチーン♪」
テーマ曲で来るかと思ったらまさかの別の曲に変わっていたことにライカと桜はこけそうになった。
「なんで!?なんで急に曲が変わるの!?」
「てっへへー、来ると思ったろ?なんか意外と繋がるんだよなー」
「繋がんねえよ!?」
どうしてこうなったとツッコミを入れたい。今度は鼻歌を歌いながらノリノリで買い物かご片手に進んでいくカズキを桜は深いため息を漏らした。
「あかり先輩…本当にあの人、大丈夫なんですか?」
「カズキ先輩はやる時はやるし、大丈夫だよ‥‥たぶん」
苦笑いをするあかりに対し、桜はカズキの行動に不満を募らせていた。先輩であるアリアや白雪、そしてジャンヌはずっと『クリーパー』と呼ばれた爆弾を使った爆破事件の犯人を、手がかりを捜し続けている。それなのにこの男は呑気に歌を歌いながら今日の晩御飯の事しか考えていない。自分だったらすぐに見放すつもりなのに、あかり達は苦笑いしながらついて行っている。
「私、納得いきません!あの人、緊張感がなさすぎです」
「緊張感はないのは仕方ないよ。でも‥‥」
あかりが桜を説得させようとしたその時、どこからかガラスを突き破る大きな衝撃音と激しい銃声が響き渡る。その直後に幾人かの悲鳴と共に大勢の人が逃げ惑いだした。
「なに…!?」
「エントランスの方だ!行くぞ‼」
あかり達は急ぎ銃声の響いた方へと向かう。その先には2台の黒いバンがガラスの入り口に突っ込んでおり、その周りには黒いマスクをかぶり、黒い防弾服を纏い、IMIガリルやステアーAUGを持って乱射をしている人達がいた。
「強盗…!?なんでこんな真昼間に…!?」
その姿に桜は目を丸くして驚く。だが、強盗にしては数が多く武装もかなりの物。何故こんな場所で起こしたのか、色々と疑問があるが今はそんな事を考えている場合ではない。あかりはカバンからマイクロUZIを取り出す。
「それよりもまずは助けなきゃ…!麒麟ちゃんと志乃ちゃんは避難誘導させて!」
「そんじゃあたしとあかり、桜で相手をするぞ…!」
「数が多いですが‥‥って、あれ…カズキ先輩じゃないですか?」
え?とあかり達は桜の視線の先を見つめた。強盗犯達が乱射し続けるその先に、受付のカウンターの物陰に隠れているカズキの姿が見えた。
「何やってるんですかあの人は!?」
「というかなんであんな場所にいるんだよ!?」
さっき見た時は野菜売り場のコーナーでルンルン気分で買い物をしていたはずがどうしてあんな場所にいるのか、色々とツッコミを入れたかったが、やはりそんなことをしている場合ではない。
「と、兎に角急いでカズキ先輩を助けなきゃ!」
あかりは慌ててカズキの下へと急ぎ向かった。相手の銃撃から必死に隠れるカズキはあかり達が駆けつけてきたのを見るとほっと一安心した。
「カズキ先輩、なんでこんな所にいたんですか!?」
「いやー、音がしたからたっくんが押しかけて来たのかなーって思ったら違ってさ。しかもあいつら俺を見た途端に撃ってきやがったんだ」
カズキは「あぶなかったー」とほっと胸をなでおろしながら状況を説明した。カズキの話からするとあの連中の狙いはカズキなのか、今の現状では未だ分からない事が多いがそれよりもいち早く片付けなければならない。
「あの連中が乱射している中をどう突破するかだな‥‥」
「いつまでもここで籠っている場合じゃないですよね。カズキ先輩、何か作戦はry」
「ほーれ、マサが来たぞー」
桜はカズキどう指示を出すのか伺うがそれよりも早く、カズキはフラッシュバンとスタングレネードのピンを抜いて弧を描くように投げた。閃光と衝撃音が響いたと同時にカズキは一気に走りだす。
「タクティカルハンドガーンっ‼」
カズキは横へと走りながら腰のホルスターからM93Rを引き抜いて撃っていく。カズキが何も指示を出さずにすぐに動いたことに桜は焦った。
「ちょ、いきなりですか!?」
「カズキ先輩達、勝手に自己完結する人達だから!」
彼らは言うよりも早く行動する。そのせいもあってかかなりわちゃわちゃするのだ。あかり達も急ぎ敵が視力が回復して反撃してくる前にカズキに続く。
「カズキ先輩、少しは指示を出してください!」
「桜ちゃん、ほらあれだ。すぐに行動しなきゃ、待ってばかりじゃ…えーと…すごい状況が…ヤバいんだぞ?」
「先輩、語弊力なさすぎ!?」
カズキはうまく言いきれていないが、少しばかりか納得もできるような気がした。桜はこれまでサシでの勝負は経験しているが複数、しかもこんな銃撃戦になるような戦いは経験していない。寧ろ警察故かこんな経験はできない。やはりありとあらゆる激戦を潜り抜けてきたカズキ達だからこそこんな状況にも落ち着いてすぐに行動できるのだろう、というような気がした。
カズキは今度はポーチからM18発煙手榴弾とスタングレネードを取り出してピンを抜き思い切り投げた。
「よーし、俺とあかりで突撃すっから援護を頼んだぜ!―――――わかった!」
カズキは自分に問いかけ自分で答えて合図もなしにすぐに敵陣へと駆けだしていった。突然自問自答して我先にと駆けて行ったカズキにあかり達はギョッとする。
「いや何自分で言って自分で答えてるんですか!?」
「ってもう勝手に突き進んでるし‥‥あかり、頼んだ!」
あかりは煙の中を駆けてカズキを追う。カズキはM93Rで相手の手足を的確に狙い、物陰に隠れながら狙いを定めて撃っていく。
「ひっさびさにハンドガン握るんだけど‥‥エイムがぶれるなー」
そう呟きながらも後方でライカ達の援護もあり、カズキは撃ち続けた。本当にぶれているのだろうかと疑ってしまうが状況に慣れてきたのかカズキは次第に調子に乗り始める。
「ぶれるぶれるぶれるぶーれる!エイムがぶーれるー‼」
「か、カズキ先輩、歌ってる場合じゃないですよ!?」
その時、黒いバンの近くにいた黒ずくめの強盗犯の一人がバンのドアを開けて何かを取り出してこちらに向けて投げた。遠くでよく見えなかったが次第に近くなると明らかになってきた。それはソフトボール並みの大きさの緑色の立方体の物体だ。
「なにあれ…?」
「あれってなんかヤバい気がする‥‥すぐに離れるぞ!」
その立方体の物体からシューっと焦げるような音が聞こえ、カズキはあかりの手を取り急ぎ離れた。立方体の物体が地面に落ちてワンバウンドした途端、爆発を起こした。轟音と共に放たれる爆風に押されつつもカズキとあかりは床を黒く焦がしコンクリートを抉ったその爆発の威力に驚愕する。
「なんじゃありゃ!?かなりやばいじゃんか!」
「緑色の立方体‥‥もしかしてあれがクリーパー!?」
あかりはジャンヌが言っていた事を思い出した。武装検事の試験会場で起きた爆破事件、その事件に使われたと言われる『クリーパー』と呼ばれた爆弾、そしてその爆弾を作った元イ・ウーの『フレイヤ』とその部下。つまりはあの連中はただの強盗犯ではない、元イ・ウーの武装組織達だ。
体勢を立て直す前に連中は再びバンからクリーパーを取り出して投げつけてくる。爆発に巻き込まれる前にカズキはあかりを連れてライカ達の下へと逃れた。
「あんなのがあるって思い切り殺す気満々じゃねえか!」
「ジャンヌ先輩が言っていたフレイヤとかいう奴の手下か‥‥それよりも何でカズキ先輩を狙ってんだ?」
連中の狙いがアリアとキンジが狙いなのならばカズキを狙うのはお門違いのはずだ。何か他に理由があるのかもしれないのだが、肝心のカズキは渋いお茶を飲んだような顔をして首を傾げる。
「うーん、おら狙われるようなことしたことねぇぞ?」
本人はとぼけているのかふざけているのかそれとも真面目に考えているのだろうか。今までの事を考えると思い切り心当たりがあるような気がしてならない、とライカと桜はジト目でカズキを見つめた。
「それよりも今はどうやって切り抜けるか、ですよ」
威力の高い爆弾、クリーパーを投げつけてきている中をどう対処していくか。無暗に突撃しては格好の的。何かいい手はないか、とあかりは考えていたがカズキはケロッとしていた。
「簡単じゃん、要はあのバンの中にクリーパーがあるんだろ?」
へ?とあかりはキョトンとしていたがカズキはM93Rをリロードするとドヤ顔のまま飛び出していった。一体何をしだすのか、不安と焦りと嫌な予感がしつつもあかりが急ぎカズキを追いかける。
「おらーっ‼お前らのところにもマサを送りつけてやんぞ!」
カズキはお構いなしに敵陣へと迫りながらM39Rを撃ち続けていく。カズキに敵の銃弾が当たらないように、あかり達が援護射撃をし続けた。カズキの撃った弾丸は何度も黒いバンのフロントガラスに当たり、ガラスに大穴を開けて割った。するとカズキはポーチからMK3手榴弾を取り出してピンを引き抜いて投げた。弧を描くように飛んだMK3手榴弾は見事に黒いバンのフロントへと入っていく。
「攻撃手段の大元を先に潰す!」
相手の攻撃手段であるクリーパーを先に破壊し、相手の行動を無力化させようと考えた作戦だったのだろう。カズキはドヤ顔な笑顔であかり達を見つめるが、あかりは青ざめていた。
「あの‥‥カズキ先輩?もしまだあの中にまだクリーパーが沢山あって誘爆したら、かなりの爆発になりませんか‥‥?」
黒いバンに手榴弾が投げ込まれた途端に襲撃犯達は蜘蛛の子散らす勢いで逃げ出している。あかりの問いにカズキは「あ」と口をこぼしたが、すぐにテヘペロとおちゃめな笑顔を見せた。
「‥‥そこまで考えてなかったぜ」
「い、急いで離れますよぉぉぉぉ!?」
あかり達も急いでその場を離れようと駆け出した。その数秒後、バンから大きな爆発が起こる。まるでこのショッピングモールに戦艦の主砲が撃ち込まれたような衝撃が響き渡った。なんとか爆発から逃れたライカと桜は顔を覗き込み、爆発が起きた場所見て目を丸くする。
「何というか、酷い惨状だなこれ‥‥」
未だに舞い上がっている黒煙の中でカズキが散り散りになっていた襲撃犯に飛び掛り手錠をかけ、そんなカズキをサポートするかのようにあかりが徒手空拳でカズキに襲い掛かっている襲撃犯と戦っている姿が見えた。
「‥‥なんかもう無茶すぎます」
ふざけているけれえども、やる時はやる。確かに頼りにはなるのだが、カズキのテンションについて行けない。桜は何処か遠い眼差しでカズキを見つめた。
____
「あんたバカなの?」
戦場跡のように床や壁が黒く焦げ、幾つも抉れた跡が残り、天井がきれいさっぱり無くなったエントランスでアリアはジト目でカズキを睨んだ。あの後アリアを含め、他の武偵達が応援に駆けつけてきたが、このエントランスの惨状に誰しもが目が点になった。この惨状の原因である、煤が少しついて少し焦げた臭いが残っているカズキは照れ笑いをする。
「もー、手柄横取りされたからってそう怒るなよ」
「そう言う問題じゃない‼なんで襲撃犯と戦って建物を破壊するのよ!?」
カズキだけならあかり達が何とかして無茶苦茶な行動は制限できるだろうと考えていたが、まさかカズキ一人だけでもこの惨状になるとは思いもしなかった。エントランスだけで済んだのはよかったが、もしタクト達が加わっていたらどうなっていたか、アリアは想像するだけでもゾッとした。
「ほんっとあんた達がなんで武偵なのか、訳が分からなくなるわ‥‥」
「まあまあ、被害が最小限に抑えれたんだからいいじゃねえの?」
これのどこが最小限だというのか。アリアは怒りたかったが、どこか遠い眼差しをしているライカと桜、市民の避難誘導して現状を知る事はできなかったがこの有様を見て目が点になっている志乃と麒麟を見てもうこれ以上ツッコミを入れるのはやめた。
「で、でも、アリア先輩!クリーパーを使って来たフレイヤの部下達を捕まえれたのはよかったと思いますよ!」
あかりのフォローになっているような、なっていないようなフォローにアリアは内心ほっとして頷いた。
「そうね…あいつらを取り締めて情報を吐かせることができる。お手柄だわ、あかり」
「あのー、それ俺も頑張ったんですけどぉー?」
カズキが話に割り込もうとしたが、アリアはそれを完全に無視した。
「あいつらが何故カズキを狙ったのか‥‥いや、もしかしたらあかり達が狙いだったのかもしれないわ」
「私達を襲い、アリア先輩をおびき寄せる罠…ですか?」
「そうね。クリーパーの対処をまだジャンヌから聞いてなかったから、もしかしたら…ね?」
「俺の話を聞けーよー‼」
カズキは歌いながら更に話に割り込もうとするが、アリアはツインテールを靡かせてカズキをジト目で睨む。
「あんたねぇ‥‥お願いだから今週の日曜に行われるイベントで変な事しないでよ?」
「うん?イベント?」
首を傾げるカズキにアリアは頭を抱えてため息をついた。
「今朝HRでどの学年でも知らせてあったでしょ?『参観日』よ」
「わからん」
即答するカズキにアリアは更に深いため息を漏らした。彼らは人の話を真面目に聞かなかったことを改めて思いだす。
「普通の学校のような保護者が来るような授業じゃないわ。保護者だけでなく企業、軍、そして政治家が見に来る実戦的な訓練を行う大規模な授業よ」
どうやら今年から行われるらしく、1年生の間で行われていた4vs4の『カルテット』を更に大規模な物にしたようなものらしい。
「未だにフレイヤの手がかりがつかめていない中で行われるなんて‥‥油断はできないわ」
「でもアリア先輩、カズキ先輩達が集まったらその『参観日』、どうなるんでしょうか‥‥」
アリアは一瞬だけ、想像をしたがすぐにやめた。キンジから聞いたのだが、カズキ達騒がしい4人組が行った『カルテット』はかなり悲惨なものだった。それを考えると間違いなく大惨事になり兼ねないと考えたら胃が痛くなってきた。
「カズキ、あんた絶対に変なことをしないでよ!?」
「?よく分からんが、万事オッケーだぜ!」
絶対に意味を理解していない。どうやったら彼らを止めることができるか、アリアは頭を抱えた。
AAの登場人物達ではカズキ達の暴走を止める事はできなかったようで
イメージはダイ・ハードです。いっつも爆発してるような気がしたので(コナミ感
話は180度変わりますが、トリプルXリブートは個人的に好き。やっぱりxXxはザンダー・ゲイジですね。アイス・キューブもいいですが、2は設定が無理矢理感あったので…
狙撃のお姉さんのアクションもなかなか