カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

135 / 142


 な、なんとか今月中に投稿ができた……(冷や汗
 安西先生…有休が、ほしいです…
 


135話

「うへー‼めっちゃひろーい‼」

 

 豪邸の中に入って早々、カズキは内部の広さと絢爛さに目を輝かせていた。大理石の床に金の刺繍がされた赤い絨毯が敷かれ、円柱や壁には金や朱色の竜や鳳凰の彫刻が装飾され彼らにとって今までに見たことがない豪華絢爛な造りであった。

 

「なあケイスケ、ここに住みたくなってきたんだけど‼」

「こんだけ豪勢だと家賃がバカにならんだろ。お前の金じゃ無理だからやめとけ」

「目がちかちかする…」

「トイレとかどこあんの?」

 

「お前ら勝手に行こうとすんな!もう作戦を忘れてんのか!?」

 

 4人が勝手にうろつき始めたのでカツェが慌てて止めた。ウサギの着ぐるみを着たままうろつかれてはいろいろとまずい。そんな慌てているカツェにカズキは陽気に笑っていた。

 

「心配すんなって、忘れてねえよ。ほら、パーティーしにいくんだよな‼」

「イエーーーイ‼パーティーっ‼」

 

「ほら!もう言わんこっちゃねえ‼」

 

 ウサギの着ぐるみを着たままテンションをあげて変な踊りをしだすカズキとタクトにげんこつを入れる。ココ達が董卓を討つ為、自分たちは酒宴に潜入しなんとかして董卓の気を引かせて隙を作らなければならない。潜入は容易いが問題はカズキ達とともにどうやって気を引かせるか。いろんな意味ですでにやらかしているカズキ達ではどうやっても別の意味で気を引かせてしまう。如何にして怪しまれずにすべきか、これが最大の課題だ。

 カズキ達が勝手にどこかへ行かないようにリサに止めてもらっている間にカツェは考えた。カズキとタクトが変な踊りをしているのが気になりつつも考えたのだが方法が一つしか思いつかないことにため息を漏らした。

 

「取りあえずあたしが気を引かせる。カズキ達は変に動くなよ?」

 

「おっけーい‼踊ればいいってわけだな?スカンジナビア半島音頭の出番だな‼」

「ブレイクダンスしながら歌って体幹とかすればいいんだな‼」

「森のくまさんを歌いながらイカ墨パスタをくえばいい?」

「毒霧吐けばいいか?」

 

「お願いだからおとなしくしてくれ」

 

 願わくば本当におとなしくしてほしいのだが彼らの事だからやらかすであろう。目を離さないように気を付けねば、と自分に言い聞かせながら廊下を進んでいく。進めば進むほど音楽やら人の笑い声やら騒がしい声が聞こえてきた。朱色に金の装飾がされた大きな扉が見えてくるとその扉の前にココが待っていた。

 

「ようやく来たヨ。カツェ、来るのが遅すぎネ…って、お前の後ろにいる変なウサギ共は何!?」

「なんだポポか」

「ペペじゃなかった?」

「もう面倒くせえからアリア2号にしようぜ?」

「アリア2号に乗って~♪」

 

「ココだと言ってるネ!というかよりによってお前たちの変装はそれかヨ!?」

 

 ココはウサギの着ぐるみを着ているのがカズキ達だと知ると本当に大丈夫なのかと言わんばかりの視線をカツェに向けた。カツェはなるべくその視線に合わせないように顔を逸らした。

 

「…なるべくあたしがフォローする。そっちは大丈夫なのか?」

「完璧アル。姉ちゃん達が董卓を酔わしてる最中ヨ」

 

 ココは扉に手をかけ開けようとしたがその前にジト目でウサギの着ぐるみを着ているカズキ達を睨んだ。

 

「先に行っておくけど董卓は酒癖が悪いネ。少しでも機嫌を損ねたら斬りかかってくるから変なことをしないように気を付けるアル」

 

「任せておきな!俺達にはノウハウがある‼」

「しかも脳波をコントロールできる!」

 

 自信満々に答えるカズキだが、これまで彼らにそんなノウハウがあっただろうかとカツェは気にしつつも扉を開けて中に入っていくココに続いて扉の先へと入っていった。

 中はより煌びやかで酒の香りと豪勢な料理の香りが漂っており、艶やかなチャイナドレスやら民族衣装のような衣装を着た美女達が多くいた。酒を飲み、二胡や笛で音色を奏で舞を踊っている、がカズキ達は美女達よりも料理の方に視線を向けてまったく気にしていなかった。

 ココに先導されて進んでいくと金の刺繍で龍を描いた朱色の大きな旗をバックに豪華そうな金色の大きな椅子に座った熊のような体格をしたトラ髭の男がいた。トラ髭の男の両サイドにはチャイナドレスを着た二人のココがどんどんと酒を飲ませて、トラ髭の男は上機嫌に酒を飲んでいた。ポカーンとして見つめているカズキ達にカツェが小さな声で話す。

 

「気を付けろ、あいつが董卓だ」

 

 トラ髭の男こと董卓は美女達の舞を眺めながら骨付き肉を貪り、ココが注いだ酒を飲む。すでに大量の酒を飲んだのだろうか酒臭ささが鼻にツンときた。そんな臭いにうんざりしながらカツェは小声で愚痴をこぼす。

 

「けっ…本当に肉酒池林だなこりゃぁ…」

 

「あいつすっげー髭してんなー」

「ケイスケ、あいつサリーちゃんのパパって呼ぼうぜ?」

「サリーちゃんのパパ、酒癖悪いなぁ」

「あ、サリーちゃんのパパこっちみたぞ」

 

 こそこそと人を勝手にサリーちゃんのパパと名付けられた董卓が酒を飲みながらジロリと飢えた虎のような視線でカツェ達を見つめた。

 

「…なんじゃこいつらは?」

 

「今回の酒宴に呼んだ雑技団アルよ!」

「大盛り上がり間違いなしネ!」

 

 怪しまれないように董卓の側にいた二人のココがごまかした。董卓は怪しむ様子もなくグイっと酒を人のみすると破顔して大声で笑いだした。

 

「がははは‼よく来てくれた‼ずいぶんと小柄だが美しいのぅ」

 

 髭を摩りながらカツェをまじまじと見つめる董卓を完全に酔っ払いのおっさんかよとカツェは心の中で毒を吐いて苦笑いをして返す。次に董卓はカツェの隣にいたリサをまじまじと見つめだすと低く笑いだした。

 

「ぐふふふ…なかなかの上物ではないか。ほれ、儂の下にこい」

 

 居酒屋でウエイトレスの女の子に嫌らしいちょっかいを出す酔っ払いのおっさんのごとく董卓はリサに手招きをした。どう答えればいいかリサは一瞬戸惑うが少しでも変な返しをして機嫌を損ねたらまずい。董卓の側にいる二人のココも「早く来い」と言わんばかりに顎を使いながら睨んでいた。リサは頷いて怪しまれないように董卓の下へと向かおうとしたが赤いウサギの着ぐるみを着たケイスケがスタスタと歩いて董卓に近づいた。

 

「そうそう。いやーなんという肌触り……って、お前じゃない‼というかなんだこのウサギの着ぐるみを着た奴は!?」

 

 酔っているのか董卓がノリツッコミを入れてケイスケを追い払おうとするとカズキとタクトとナオトまでもが董卓の下へとスタスタと歩いて近づいてきた。

 

「だから貴様らではない‼ええい、そのモフモフした手で叩いてくるな!ココ‼なんじゃこいつらは!?」

 

「も、もしかしたら女の子にお触りは禁止と訴えているのかもしれないネ」

 

 下手に機嫌を損ねないようにココが慌ててフォローに入った。本当に大丈夫なのだろうかとココ達はハラハラしていた。ココがカズキ達を蹴飛ばしながら離し終えると董卓はやや機嫌悪そうに酒を飲んだ。

 

「フン、まあよい。ほれ、せっかくの酒宴がしらけてしまう。さっさと盛り上げろ‼」

 

 さらに機嫌を損ねさせてはいけないと判断したカツェは軽くため息をつくと持っていた扇子を広げると扇子の先から小さいながらも水が噴水のように噴出した。それを皮切りに各テーブルに置かれている陶磁器の酒瓶や花瓶、小さな徳利から噴水のように水が噴き出ていく。噴水は音楽に合わせて噴出し、カツェは舞を舞っていく。

 

「ほぉ…水芸か」

 

 彼女の水芸と舞を見て機嫌を悪くしていた董卓は上機嫌になり、どんどんと酒を飲み干してまじまじと眺めていた。取りあえず盛り上げることはできたとココはほっと一安心した。肝心のカズキ達がどうしているかと視線を移すとカズキとケイスケは呑気にくつろいでおりタクトとケイスケの姿がなかった。

 

「ちょ、お前たちも何かするネ!」

 

「えー?カツェにおとなしくしてくれって言われたんだけど?」

「そういう問題じゃないアル!?」

 

 変な動きはするなとは言っていたがここまで呑気に寛いでいると逆に怪しまれてしまう。今はカツェが気を引かせているからどうにかなっているがそれも時間の問題だ。どうにかしようと考えていたその時、黄色いウサギの着ぐるみを着ているタクトが千鳥足で近づいてきた。

 

「お前どこに行っていたアルか!あれほど変な動きをするなとry」

「おごぉ?」

「……は?」

 

 ココは突然の鳴き声のつもりなのか返答のつもりなのかよく分からないタクトの言葉に目が点になった。タクトは上機嫌なのかその場で何度もピョンピョンとハイテンションでジャンプをする。

 

「おごぉ?おごぉ‼」

「いや、ちょ、お前何を言って…」

「おごぉ‼」

 

 理解しているのか理解をしていないのかタクトは何度も「おごぉ」と言ってハイテンションで動き回る。するとあたふたと赤いウサギの着ぐるみを着ているケイスケが戻ってきた。

 

「すまん、たっくんが間違えて酒飲んじまった」

「はあぁ!?」

 

 ケイスケ曰く、タクトが「のどが渇いた」といって何か飲むものはないかと彷徨ってテーブルにフルーティーな香りの飲み物があるのを見つけると一気飲みをした。だが酒宴ゆえに置かれているの飲み物はすべて酒であり、タクトが飲んだのも酒だった。おかげさまでタクトはほろ酔い気分でハイテンションになってしまったという。

 

「お前あれどうするつもりアルか!?」

「まあ大丈夫だろ。熱しやすく冷めやすいから」

「鉄じゃないヨ‼はやくあいつを止め…って、あいつどこ行ったネ!?」

 

 目を離している間にタクトはほろ酔い気分のまま勝手にどこかに行ってしまっていた。どこに行ったのかココは辺りを見回すと、タクトはケーキ片手に董卓に近づいていた。董卓と彼のそばにいる二人のココはカツェの水芸と舞に見とれてタクトが間近に近づいてきていることに気づいていなかった。漸く董卓はタクトの姿が視界に入った頃に気づく。

 

「む?また貴様か!儂の楽しみの邪魔をするな‼」

 

「おごぉ‼」

 

「いやお前何を言ってry」

 

「シャキーーーン‼」

 

 董卓が答える前にタクトは片手に持っていたケーキをパイ投げの如く思い切り董卓の顔にぶつけた。その瞬間、周りの時間が止まったかのように一気に静寂になる。ココ達も酒宴に出ている美女達もこの惨状に青ざめ、カツェはやっぱりやっちまったと大きなため息をついて頭を抱えた。静まり返った酒宴はカズキとタクトの大爆笑だけが響く。

 

「がははは‼たっくん、ハイテンションじゃん!」

「おごぉぉ‼パーティーなら盛り上げていこうぜぇぇ‼」

「たっくん、ケーキじゃなくてパイにしとけよ。勿体ないだろ」

「……たっくん酔ってる?」

 

「お前ら何をやらかしてるアルか!?」

 

 ココは焦りながら怒鳴るが時すでに遅し。董卓の顔についたクリームを拭うと彼は怒気に満ちた表情をしていた。完全に怒っていることにタクトは気づくことなくピョンピョンと跳ねる。

 

「おごぉ‼」

 

「貴様…儂の酒宴を台無しにしてくれたな…‼」

 

 タクトはハテナと不思議そうに首を傾げるが董卓はそれに構わず卓上に置かれていた分厚い刃を持った大刀を持ち鞘から引き抜く。

 

「酒宴を台無しにした貴様は即刻打ち首にしてくれる‼」

「まあまあ、そう怒らずにさ?ほらジャンジャン飲もうぜ!」

 

 悪気もなくテンションをあげて酒を勧めてくるタクトに董卓の堪忍袋の緒が切れたのか大刀を振り下ろそうロした。その寸前、董卓のそばにいたココが持っていた朱色の瓢箪を董卓の口に押し付けた。中に酒が入っていたようで董卓は瓢箪の酒をぐびぐびと飲み干すとベロンベロンに酔いだし椅子に深く腰掛けて大いびきで眠りだした。

 

「お?寝ちまった?」

 

「ふぅ…念のため持っていた睡眠剤入りの酒を飲ましたアル」

 

「なんだ、持ってんなら最初から飲ませとけよ」

「てゆーかそれあるなら俺達いらなかったんじゃね?」

「宝の持ち腐れ」

 

「だから念のためって言ってるネ!?まさか董卓を怒らすとは思いもしなかったヨ!」

 

 ブーブーと文句を垂らすカズキ達にココはプンスカと叱る。しかしながら多少のトラブルがあった中でなんとか董卓を酔わすことができた。うまくいったとしめしめとニンマリしたココ4姉妹は大刀や隠し持っていた刃物や刀を持つ。

 

「酔っている隙に董卓を始末する…そうそれば香港藍幇はココ達のものアル!」

 

「で、その後はどうすんだっての。周りは大勢の女たちが見てるんだぞ?」

 

 カツェは呆れながらココ達をジト目で訪ねていたが彼女達は聞く耳を持たずジリジリと董卓に近づいていく。完全に酔い潰れて眠っていることを確認すると四方からココ達は董卓めがけて飛びかかった。

 

「董卓‼覚悟アル!」

 

 ココ達は声をあげて眠っている董卓に刃を振り下ろした。その刹那、眠っていたはずの董卓が目を開けて鈍重そうな体とは思えない程の動きで軽々と避けていった。

 

「なっ!?」

 

 ココら4姉妹が驚愕している最中、董卓は彼女たちを見てニンマリと笑い出した。

 

「いやー相変わらずだな。ココ、お前らの魂胆なんてバレバレだぜ?」

 

 董卓は見た目とはかけ離れたさわやかな声を発すると聞き覚えでもあるのかココ達はゲッと嫌そうな顔をしだす。

 

「その声はまさか…っ」

 

 董卓は再びニンマリして笑うと布をはがすかのように衣装とフェイスを取ると、後ろに長くまとめた黒髪で体に牡丹か椿か赤い花の入れ墨をいれた色白の小柄な男性の姿が現れた。

 

「梁山泊が『浪子』、燕青。久しぶりだな、野心家のちび4姉妹!」

 

「げえっ!?燕青!?なんでお前がここにいるネ!?」

 

 燕青と聞いてココ達とカツェは驚愕していたがカズキ達はこの人誰?と言わんばかりに不思議そうに首をかしげていた。

 

「董卓のおっさんから酒宴と聞いて、ってのは嘘で………先生!思った通りココの奴が董卓の首を狙ってきましたね!」

 

 燕青が上機嫌に大声を出すと周りにいた美女達の姿が突然紙切れに変わると一斉に飛び交いだした。飛び交う紙切れが一か所に集合すると白い導師の服装をした白髪白鬚の老人の姿が現れた。

 

「ふむ…思ったよりも早く化けの皮が剥がれた。ココよ、言い逃れはできないぞ?」

 

 今度は変な爺さんが手品の如くあられたとカズキ達は呑気に見ていたがココは顔面蒼白して狼狽しており、カツェはかなり焦っていた。

 

「ねえカツェ?あのテンコーみたいに現れた手品おじさんは誰?」

 

「あいつが藍幇一の導術士、左慈だ!燕青に左慈…これはマジでやばいぞ…‼」

 

 梁山泊の燕青に危険視していた左慈が現れたことに非常にまずい事態に陥ってしまったことにカツェは焦っていたがカズキ達はふーんとあまり興味なさそうに見ていた。

 どうやって彼らからふりきって逃げ切るか、カツェは考える。だが彼女の考えを察したのか燕青はにっこりと笑った。

 

「残念だな。ダメ押しでもう一人スタンバってもらってんだぜ?おぉーい!いつまで寝てんだ!出番だぞ!」

 

 燕青は天井に向かって大声で呼ぶとそれに答えるかのように天井から体格のでかく虎のように鋭い目つきをした大男が降りてきた。大男は大あくびをして背伸びをする。

 

「くぁ~、やっとか。いつ呼ばれるか退屈してたぜ。燕青、これから喧嘩か?」

「まあそんなとこか?その前に名乗ってやれって」

「おう、俺は梁山泊が『黒旋風』の鉄牛‼派手に暴れさせてもらうぜ!」

 

 まさか梁山泊がもう一人いたとは予想だにしなかった。ごり押しで逃げ切れるかどうかが難しくなった、この状況にカツェは冷や汗を流し焦りだす。が、カズキ達は呑気してた。

 

「結構有名な人?サイン貰わなくちゃ‼」

「おごぉ‼」





 おごぉ‼

 燕青さんはFGO、新宿のアサシンさんから、鉄牛さんはジャイアントロボから

 九紋竜の兄貴か林冲さんを出そうかと迷いました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。