カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 最近はレッドブルとモンスターがお友達(オイ

 某つべの某4人組のワカサギ釣り、とてもほっこりします。
 そして英語禁止の中で力強い「カレーライス」に強者だと実感してしまいました


136話

 状況はかなり良くない。燕青に加えて鉄牛と梁山泊からの刺客が二人もいる。そして更には導術士の左慈までもいる。カツェは背筋に嫌な汗が流れたことに苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちする。これは明らかに罠。恐らく左慈達はココが董卓の寝首を掻くことをすでに察しており仕込んだのだろう。

 こんな状況に陥っても尚、結構呑気してるカズキ達が何だか羨ましいような羨ましくないような。どうにかしてここから逃げなくては。カツェはこの緊縛した中でどうやって逃げるか志向を張り巡らせた。

 

「さて…ココよ、言い訳は一回だけ聞いてやろう。どういうつもりだったのかね?」

 

 左慈が白く長いひげをさすりながらジロリとココら4姉妹を睨んだ。ココ達は蛇に睨まれた蛙のようにビクリと反応しお互いの顔を見つめあう。そして何やらこそこそと話しをしだすとココ達は冷や汗を流しながらひきつった笑みを見せた。

 

「さ、左慈先生、早とちりヨ!ココ達は後々董卓にとって危険になるであろう連中を仲間のフリをしておびき寄せてやったアルヨ!」

「そ、そうそう!機嬢の言う通りネ!こいつらを討ち取れば遠山キンジを楽に倒せるアル!」

「寧ろ疑われることなく連れてきたのだから誉めてほしいヨ!」

「な、なんならココ達がこの場でこのアホ四人組を討ち取るアルヨ!」

 

「なっ…!?」

 

 突然のココ達の裏切り発言にカツェはギョッとする。いつかは手のひらを返して牙をむくであろうと警戒はしていたがこの場でココ達が敵に回れば完全に自分たちは袋のネズミだ。ココの言葉を聞いた燕青と鉄牛は胡散臭そうな表情でココ達を見つめる。

 

「うーん…ああは言ってるがよぉ。燕青、どうすんだ?」

「チビスケ達の言うことは胡散臭いしなぁー…先生!どうしますー?」

 

 判断は左慈に委ねられた。ココ達はびくびくしながら左慈を見つめ、そんな彼女達を左慈は白い髭をさすりながら低く唸った。

 

「ふむ……この件は水に流してやろう」

 

 左慈の答えにココ達は救われたような笑みを浮かべ、くるりとカズキ達に向けて好戦的な笑みを見せ大刀や剣を構えた。カツェは猛犬のようにココ達を睨む。

 

「てめえら…裏切りは許さねえぞ…!」

 

「フン!カツェ、恨むなら自分の悪運を恨むネ!」

「強いものには従う。燕青にお尻ぺんぺんされるのは嫌アル!」

 

 武器を構えたココ達はじりじりとこちらに迫ってきた。焦りながらもカツェがちらりとカズキ達の方へと視線を向けると、ココ達が裏切ったところでカズキ達は状況をようやく理解できたようでいつの間にかウサギの着ぐるみを脱ぎ捨てていた。カズキがキョトンした顔でカツェに尋ねてきた。

 

「カツェ、ココ達が裏切ったってことはヤバイ状況?」

「やっとか!ああもう左慈に梁山泊にそんで個々の裏切りと滅茶苦茶やべえよ‼」

 

 カズキは「あーほどなる~」と呟くとナオトの方へ視線を向けて無言で頷いた。ナオトは相槌を打つと腰のポーチから黒いスイッチを取り出してボタンを押した。

 スイッチを押したとその直後、後方から大きな爆発音が響いた。しかも1回だけでなく立て続けに3回も爆発音が響きカズキ達の後ろにあった壁に大きな穴が開いた。土埃が舞って見えにくいが空気の流れからしてその壁に空いた大穴は外まで続いているようだ。ココ達は呆気にとられ、あんぐりしているカツェにナオトがどや顔をかます。

 

「こんなこともあろうかと壁に爆弾しかけて退路を作っていた」

「流石ナオト!戦略的撤退ってやつだな!」

 

「ぜんぜん戦略的じゃねえよ!?けどまあでかしたっ!」

 

 やっぱり何か壊すのだろうと予想して半ば呆れたが今はこの場から脱出する好機。カツェはすかさずテーブルに置かれている酒瓶を手に取り酒を一気に飲みこんだ。

 

「んっ―――――ぶはぁっ‼」

 

 カツェは大声とともに口から霧を吐き出した。口に含んだ酒を蒸発させた水蒸気が巨大加湿器が爆発したかのように辺りを白く包み込む。霧を吐き終えるとすぐさまカズキ達に向かって叫んだ。

 

「足止めは数秒しかできねえ!急いでこの場から逃げるぞ‼」

 

「なんだよ毒霧するんじゃねえか」

「なんならケイスケも対抗してやってみる?」

「女の子が毒霧しちゃダメでしょ!メッ‼」

 

「だから呑気にしてる状況じゃねえっていってるだろ!?」

 

 なぜか文句を垂らすカズキ達にカツェはすかさずツッコミを入れて空気の流れとリサの鼻を頼りに白い霧の中へと先頭を切って走り出す。霧は濃く視界を遮る、カズキ達が置いてけぼりにならないか心配だった。

 

「皆様!こちらです‼」

「はぐれるんじゃねえぞ‼捕まったら最期と思え‼」

 

 白い霧で見えにくい中ケイスケは左慈達がいたであろう方角にフラッシュバンを投げ込みすぐ近くにいたカズキ達に急ぐよう促す。

 

「なにはともあれ逃げねえとな!お前ら早くしねえとリサに置いてかれるぞ!」

「「おk‼」」

 

「あれー?みんなどこー!?」

 

 ドタバタしている最中、霧の中で完全に迷子になっているであろうタクトの狼狽える声が聞こえた。このままではタクトが置いてけぼりになってしまう。カズキはうろうろしている人影を見つけ腕を掴んだ。

 

「たっくん!はやく逃げるぞ‼」

 

 カズキはその腕を掴んだままケイスケ達の後を猛ダッシュで追いかけた。霧の中を駆け抜けると外は大勢の人だかりができて騒然としていた。

 

「ひとまず人混みの中へ突っ走る!」

「そんでその次は何処へ行くんだ?」

 

 ケイスケの問いにカツェはしわを寄せる。自分の隠れ家はすでにココ達にバレてしまっている。ここに逃げても見つかってしまう。どこかいい場所はないか、人混みの中を駆けながら急ぎ考えていると後方から人々の騒然とした声が響いた。

 振り向くと白い霧の中から左慈が宙に浮いて出てきていた。逃げているカツェ達を見つけるとやれやれと肩をすくめて白い髭をさすった。

 

「このまま逃げ果せられると思っているのかね?------それは悪手であるぞ?」

 

 左慈は懐から複雑な紋様が描かれている札を何十枚も取り出して投げた。すると札から白い煙が出てきたと同時に白い仮面をつけ白い鎧甲冑を着た兵士達が現れた。左慈がカツェ達の方角を指さすと兵士達は剣や槍を構えて追いかけだした。突然、武器を持った兵士たちが現れ走り出してきたことに野次馬達は悲鳴を上げて蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。左慈が兵士達と共にこちらへと追いかけてきたことにカツェは引きつる。

 

「まずい…‼今はあいつらから逃げる事だけを考えて走れ‼」

 

「グレネードとかゲロ瓶とかは効くか?」

「AK撃ってもいい?」

 

「だからそれどころじゃねえって!?」

 

 やる気満々のケイスケとナオトにカツェは焦りながらツッコミを入れる。ここで止まっていては燕青と鉄牛、ついでにココ達との戦闘になり、今の状況では明らかにこちらが負けてしまう。

 

「今じゃ分が悪すぎる!一度退いて体勢を立て直しなきゃいけなんだ!」

 

「なんだそういうことかよ。それならさっさと言えよな?」

「もーカツェったらお茶目だよな‼」

「そんな暇なかったの?」

 

「何度も撤退だと言ってるよな!?」

「か、カツェ様、落ち着いて走りましょう!」

 

 やっと理解したカズキ達にカツェは胃が痛みかけた気がしたが今はそれどころじゃない。そんな気を振り払って先頭を走った。

 だがふと何かおかしいことに気づく。先ほどまで間違えてお酒を飲んでハイテンションになっていたタクトの声が聞こえてこない。聞こえるのはカズキとケイスケとナオトと隣に走っているリサの声だけだ。確かカズキがタクトを引っ張ってきているはず、カツェはカズキに尋ねた。

 

「なあカズキ、さっきからたっくんの声が聞こえねえんだがちゃんと連れてきているよな?」

 

「だーいじょぶ大丈夫!たっくんならちゃーんと俺が腕を掴んで引っ張ってて…」

 

 カズキはゲラゲラと笑って後ろを振り向いた。そこにいたのはタクトではなくどこか漫画チックにグルグルと目を回しているココの姿があった。

 

「……こいつたっくんじゃねえ!?」

「はああああ!?なにしてんのお前ぇ!?」

「お前になに間違えてんだよ‼つかたっくんどこだよ!?」

 

 カズキが腕を掴んで連れてきたのはタクトではなくココだった。そのことにカズキはギョッとしてケイスケは怒声を飛ばし、ナオトは焦りながら辺りを見回す。タクトとどういうわけかはぐれてしまった。彼を連れ戻すべきだが今は左慈と彼が召喚した兵士達が追いかけてきている。

 

「やむをえないが今は撤退だ!後でたっくんを助けるしかねえ!」

 

 苦渋の決断だとカツェは感じていたがカズキ達は納得したように頷いていた。

 

「あーならしゃあないわな。たっくんだもん」

「たっくんならそのうちひょっこり戻ってくるだろうしな」

「それじゃ逃げよっか」

 

「お前ら軽すぎじゃねえか?」

 

「カツェ様、ご心配なく。タクト様なら大丈夫です!-----たぶんですが‼」

「リサ、お前もか!?」

 

 カズキ達ならまだしもリサまでもこの反応にカツェはギョッとした。だがそれに対してツッコミを入れる暇はない。左慈達から振り切るためにも足を速めいった。

 

___

 

「あんた、やっぱりバカなの!?」

 

 ユアンは今の状況に焦りと怒りを募らせ声をあげる。だがそんな彼女の焦りと怒りに対して「イヤッフゥゥゥッ‼」とハイテンションな声で遮られる。

 

「このまま飛ばして風になーる!所謂風のヒューイでしょ!ユアンちゃんもっとスピード上げて!」

 

 タクトはウキウキ気分で上機嫌なままユアンに促す。ユアンは大きなため息をついて天を仰いだ。

 

「ほんっっっとあのまま見過ごせばよかった!」

 

 ユアンはがっくりとうなだれながらも今乗っている通学用の原付のスピードを上げてタクトを乗せたまま道路を突っ走っていた。

 

「待ってたら建物の壁が爆発して、白い霧が出てきたと思ったらカズキ達が大忙ぎで出てきたのに、続いて出てきたあんたは出てきてすぐに右に曲がっていったのよ!?」

 

 ユアンは真っ直ぐ人混みの中へと駆け込んでいたカズキ達に対して霧の中から出てきて数秒で右へと駆けて行ったタクトを目撃していた。このままだとやばいとふと察したユアンは急ぎタクトを引き留めて原付に乗せてこの場から撤退したのだった。しかしタクトは詫びるどころか状況すら理解していなかった。爆発で酔いがさめても尚ウキウキしていた。

 

「まーまー、そんなに怒るとしわが増えるぜ?」

「誰のせいでこうなったと思ってるのよ!?」

「怒らない怒らない。おかげで追っては…」

 

 タクトは呑気に後ろを振り向いた。後ろから車を追い抜くほどの物凄い速さで駆けてこちらへと追いかけている燕青と鉄牛の姿が見えた。

 

「お、追いかけてきてるうぅぅぅっ!?」

「きゃっ!?ちょ、ちょっと揺らさないでって!?」

 

 タクトが驚き慌てて動いたことに原付は左右に揺れる。ユアンとタクトはなんとかバランスを戻して何とかなったことにほっと一息ついてちらりと横へ視線を向けると燕青と鉄牛が並走していた。

 

「よっ!悪いが捕まってくれねーかな?」

「どうすうる燕青、この嬢ちゃんもか?」

 

「うそっ…」

 

 道路で並走している二人にユアンは絶句する。真っ青になりかけたその時、タクトがポーチからMK2手榴弾のピンを抜いて燕青達に向けて投げ込んだ。

 

「レッドマウンテンブラストォォォっ‼」

 

「ちょ、あぶねっ!?」

 

 いきなり投げ込んできたことに燕青はギョッとして足を一度止めて後ろへと跳んで離れた。

 

「ユアンちゃん‼もっとスピード上げて‼」

「わ、わかってるわよ‼」

 

 手榴弾の爆発と同時にユアンはアクセルを強く握り猛スピードで燕青と鉄牛から逃れようと原付を飛ばす。何とか爆発から逃れた燕青は口笛を吹いてニンマリとし鉄牛は好戦的な笑みを浮かべた。

 

「ヘンテコな野郎かと思ったが面白そうじゃん!」

「俄然やる気が出てきた。追いかけるぜ!」





 原作の最新刊でマキリさんが武偵校の生服を着てたことには目が点になりました。
 なんかエロいと思いましたが無理をするなと思いました…おや?誰か来たようだ

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