カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 硝煙と奇声と寒い逆だけと言ったな。実はウソなんだ…ちょっとファンタジーもあるんだ…
(遠い目)

 


17話

 その夜、理子はメイド喫茶にてキンジとアリアと合流していた。明日の民間の委託業務最終日にて作戦を実行するため打ち合わせをしていた。金庫室の真上にあるビリヤードのある部屋でずっと穴を掘り進めレールを使ってロザリオを回収する作戦だったがキンジはずっと腑に落ちないことがあった。

 

「あいつら、本当に大丈夫なのか?」

 

 囮として使っているカズキ達がうまくサポートをしてくれるのだろうか、作戦を遂行しても彼らが怪しまれることはないのかキンジは心配していた。何分騒がしい彼らは隠密といったミッションは苦手のはず、何かとへまをしてしまうのではないか。そんな心配をしているキンジをよそに理子は上機嫌ににっこりと笑う。

 

「そこは心配ないよ。目立つたっくん達だからこその囮だし、怪しまれても彼らならうまくごまかしてくれるよ」

 

 理子は他人事のようにあしらい明日の作戦を確認していく。キンジとアリアは少し気にはしていたがやっと母親のロザリオが手元に戻って来るというのだから理子は機嫌がいいのだろうと理解した。

 

「…明日、君たちが動く必要はない」

 

 ふと理子達に背の高い黒の祭服を着た黒髪の落ち着いた雰囲気の男性が声を掛けた。アリアとキンジは警戒しホルスターに入っている拳銃に手をかけてにこやかにしている男性もといジョージ神父を睨む。

 ジョージ神父は敵意がないことを示すかのように両手を軽く上げてにっこりとしながらキンジ達を見た。

 

「オルメス、遠山くん‥君たちをどうこうするつもりはない。峰理子…リュパン4世に用事があるんだ」

「貴方…ブラドなの‥?」

 

 アリアはホルスターから手を離さずジョージ神父を睨み続ける。理子だけではなくアリアの名前も知っている神父により一層警戒心が湧いたからだ。ジョージ神父は笑顔を絶やさず首を横に振る。そして懐から小さな小箱を取り出し理子に渡した。

 

「これを君の下に返しておこう」

 

 小箱を開け中身を見た理子は驚愕した。中には取り戻すべき、明日の作戦で手に入れるはずだった大事なロザリオだった。理子は驚きとジョージ神父への警戒心が高まりジョージ神父を恐る恐る見る。

 

「どうしてこれを…!?」

「君に謝らなければならない。()()()が間違えてしまってね…君の誇りを傷つけてしまったことを深くお詫び申し上げる」

 

 ジョージ神父は深く頭を下げた。怪盗の一族として盗む標的を定め下準備しているうちに手元に渡ってしまった、取り戻すために計画を立てて準備しているうちに手元に戻って来た、やるせない虚しさ半分唯一自分を大事にしてくれた肉親、母親のロザリオが戻って来た喜びの半分で理子はどうすることもできなかった。ただロザリオをぎゅっと胸元に握りしめるだけだった。

 

「それともう一つ…明日から君は自由だ。それでは失礼するよ…」

「ま、待ちなさい!」

 

 くるりと踵を返して去ろうとするジョージ神父をアリアは2丁のガバメントを引き抜き呼び止めた。銃口は神父に向けたままアリアは睨み付ける。

 

「貴方はいったい何者なの…!?」

「私かい?私は…ただの旅行好きで物好きな神父だよ。では、また会おう」

 

 にっこりと答えたジョージ神父はそのまま店を出て行った。アリアはガバメントの引き金を引かなった、いや引けなかった。あの笑顔の裏から感じたよくわからない気配をアリアは感じたのだった。キンジはほっと息をつく。あのまま引き金を引いてしまったらどうなっていたのか、あの神父が敵だったらとんでもないことになっていたかもしれない。ふと理子は思い出したように顔を上げた。

 

「待って…理子達の作戦を知ってるのは他にたっくん達だけ…もしかして…」

 

__

 

 未だ消灯しないビルのライトが照らし絵になるような夜景が見える海沿いの公園の道にてカズキ達はずっと待ち構え続けていた。迷彩柄のボディーアーマーを身に着け、辺りを警戒すようにじっとしていた。

 ふと彼らの下に近づく足音が聞こえたのでカズキ達はすぐに銃口を近づいてきた対象に向けた。彼らの下にやって来たのは紅鳴館の管理人であり、東京武偵高校の非常勤講師である小夜鳴先生だった。それでも警戒を解かないカズキ達を見て小夜鳴先生はくすりと笑う。

 

「…まさかノーマークだった君たちがあのロザリオを盗み出すなんてね、正直驚きましたよ」

「はっはー、どうですか?俺達Cランクだってやればできるんですよ」

「…ほぼサポートがあったおかげだけど」

 

 カズキはドヤ顔をして言ってやったがナオトがこっそりと補足した。それでも小夜鳴先生は目は睨んだままにやりと笑う。

 

「まったく、リュパン4世もあれだけ盗める隙を作ってやったというのに…凡人に出し抜かれるなんて本当に無能な奴だ」

「俺達はただの凡人じゃない!凡人の天才ならぬバカと紙一重の凡人だ‼」

「それじゃただのバカじゃねえか。…とういうよりブラドもその凡人に出し抜かれてるんだから人の事言えないよな」

 

 タクトの反論はスルーしてケイスケの言葉を聞いて小夜鳴先生はぴたりと笑うのをやめた。よくみれば少しずつ小夜鳴先生の身体が大きくなってきてることにカズキ達は気づいた。身体はクマよりも大きく、牙も生え始めた小夜鳴先生の声は低く、獣のように唸り始めた。

 

「…ロザリオはどこにある?」

「「「「返した」」」」

 

 もはや化け物の姿になった小夜鳴に恐れることなくカズキ達はケロッと即答した。そんな態度をみた小夜鳴は憎しみを込めてカズキ達を睨み付ける。タクトは不敵な笑みをして指をさす。

 

「いいか?人の物を盗ったらドロボーなんだぞ?」

「小賢しいガキどもが…まずは貴様らからずたずたに引き裂いて殺してやる!」

 

 カズキ達が人このこと言えないよなとツッコミを入れる前に小夜鳴は空を仰ぐように雄叫びをあげた。狼の様な獣の叫び声とともに小夜鳴の姿が変わり始めた。頭は狼、体は獣の毛が密生し、大きな腕や足には鋭い爪が生え、体に白い紋章が3か所ついた化け物に変貌したのだった。変わり果てた姿にカズキ達は驚いた。

 

「あれが…ブラド…!?」

「マジか!?『イ・ウー』のNo.2の吸血鬼か‼」

「…全然吸血鬼じゃない」

「お前、言うなれば古いに伝わりし…吸いたいけど血を吸いそうにないゴリライモくんファイティングエディションでしょ!?」

 

 軽く貶されているように感じたのかブラドは怒り来るかのように叫びながらカズキ達に向かってきた。駆けてくるブラドを見てカズキはM16A1を、ナオトはAK47、ケイスケはMP5で迎撃をする。両腕で顔をガードをして動きが止まったブラドを見てナオトはタクトの方に向かって叫ぶ。

 

「たっくん、今だ‼」

「よっしゃあ‼タクティカル火炎瓶‼」

 

 タクトは火が付いた火炎瓶、モロトフ・カクテルをブラドに向けて投げつけた。モロトフ・カクテルが体にぶつかりブラドの身体が燃え出す。ブラドは焼ける体を踊る様に悶え動かす。

 

「ぐううっ!?」

「撃て撃て撃て!」

 

 撃ち続けるカズキの合図でタクトもAK47を構えて掃射に加わる。4人はゆっくり下がりながら撃ち続けた。するとブラドは大きく雄叫びを上げた。変身する前の雄叫びと比べ物にならないくらいうるさく、しかも突風を巻き起こし体を焼こうとしていた炎を吹き飛ばした。4人が驚いて銃撃をやめるとブラドの身体から撃ち続けていた弾丸がボトボトと落ちて行った。傷ついた身体が自動再生されたのだった。

 

「リジェネとか卑怯だろ…」

「舐めたマネをしてくれるじゃねえか…‼」

 

 ブラドは激昂して駆け出す。タクトは今度はブラドの足下にモロトフ・カクテルを投げつけ足止めをした。ケイスケはリロードして叫ぶ。

 

「カズキ、作戦Aがミスったぞ‼」

「次、作戦B‼急げ!」

 

 ケイスケを先頭にタクトが続いて走り、ナオトとカズキが撃ちながら下がっていく。ブラドは低く笑いながらカズキ達を追いかける。

 

「無駄なことを…1人ずつ八つ裂きにしてやる!」

 

__

 

「…皆さん、戻って来るのが遅いですね。どうしたのでしょうか…」

 

 リサは不安を感じていた。今日がカズキ達のハウスキーパーの仕事の最終日、はやくリサの作る御飯が食べたいと楽しみにしていたカズキ達の為に夕飯を作っていた。しかし、いくら待っても帰ってこない、すっかり冷めてしまった夕食と時計を何度も見ていた。

 まさか彼らに何かあったのではないか、いやそんなはずはないだろうと不安がぐるぐるとひしめいていた。するとインターホンの音が静かなリビングに響いた。彼らが帰って来たと急いでモニターを見ると、映っていたのはカズキ達ではなくジョージ神父だった。なにやら真剣な表情だったのでリサはすぐに玄関に向かい扉を開けた。

 

「神父様…どうなされたのですか?」

「…君に伝えなければならない。彼らは今、ブラドと戦っている」

 

 リサは目を見開いて驚愕した。ブラドは『イ・ウー』の吸血鬼、魔臓を撃ち抜かなければ何度も再生する怪物だ。

 

「な…なんでカズキ様達が戦っているんですか…!?」

 

 ジョージ神父は話した。ルーマニア大使からの依頼でブラドが奪った宝を奪還する任務をしていたこと、その際に峰理子から奪ったロザリオと取ってしまいブラドが動いてしまったこと、彼女を守るために戦うことを決めたことを話した。

 

「そんな…このままだとカズキ様達が殺されてしまいます!」

 

 今まで『始末屋』や『異能者』を相手にして勝っていたが、今度の相手は格が違う。再生もできる不死身の怪力の化け物相手じゃ勝てることはできない。

 

「彼らのことなら私が加勢にいく。私の大事な友を失うわけにはいかないからね」

 

 ジョージ神父はそう言って去ろうとした。その時、「お待ちください」とリサはジョージ神父を呼び止めた。振り向くとリサは震えながらも涙を流しながらも覚悟を決めた様な目つきでジョージ神父を見ていた。

 

「お願いします…リサを、私をつれていってください。そして…私がやります」

 

 ジョージ神父はぴたりと動きを止めてリサを見据えていた。そしてゆっくりと口を開いた。

 

「…君がどうなってしまうのかわかっているのかい?」

 

 ジョージ神父の問いにリサは深く頷く。

 

「アヴェ・デュ・アンク家はずっと守られ続け生き残り、そして取り残されていきました…」

 

 その者に愛されるように、守られるように生き続け、守ってくれた人がいなくなっていしまうとただ一人取り残され、また別の者に寵愛を受けるようにしてきた。

 

「…『少しずつでもいいから生き方を変えろ』と言ってくれたカズキ様達のおかげで変わろうとしてきたんです。もう誰かがいなくなるのは嫌なんです…」

 

「だが…君は戦うのは嫌じゃないのかい?」

 

 リサはその問いに涙を流して微笑んで答えた。

 

「リサは戦いたくない、傷つきたくないと思っています…ですが、大事な人達を守るのもメイドの務めですから」

 

 リサの答えにジョージ神父は真剣な表情で頷いて、懐から小さなカプセル錠をリサに渡した。

 

「彼らはリサが傷つくのを見たくないだろう。これを使うといい…」

「ありがとうございます…ジョージ神父、もう一つ、お願いがあります」

 

 リサは覚悟を決めたようにそして悲しそうな瞳をしてジョージ神父を見た。

 

「もし…私が彼らを傷つけるようなことを、命を奪うようなことをしたら…その時はリサを殺してください」

 

___

 

「走れクズ共‼」

 

 ケイスケは急いで走りながら怒声を飛ばす。カズキ達は追いかけてくるブラドから必死に走って逃げていた。カズキとナオトはブラドに向けて撃ち続けながら走っていたが、すぐに再生するブラドにはダメージは薄かった。

 

「ぐははは‼無駄弾だぞ小僧共‼」

 

 低く笑うブラドに対し構わず撃ち続ける。先頭を駆けていたケイスケが振り向き指で合図をした。それを見たタクトは叫んだ。

 

「カズキ、ナオト、作戦B‼」

 

 カズキとナオトは頷いて撃つのをやめてブラドから背を向けて走り逃げる。もう逃げるしかないと逃げ腰になったと感じたブラドはすぐにでも捕まえて殺してやろうと足を速めた。その時、足元に何か引っかかった感じがした。足元を見ると細いワイヤーが足に引っかかっており、勢いよくピンとワイヤーが外れた。その直後、足元から大きな爆発が起きた。

 さらに爆風と共に金属片が体に刺さる。片手片足が吹っ飛びバランスが崩れ、その時を待っていたかのようにカズキ達はブラドに向けて撃ち始めた。弾丸はすぐにでも抜け落とすことはできたが刺さった金属片はなかなか抜け落とせず、痛みが走る。

 

「どうだ‼トリップマインに銀の十字架を仕込んだ爆弾は‼」

「名付けてスカイラブ‼」

「…ハリケーン」

「全然関係ねえだろ。撃ち込めや」

 

 タクトとナオトの悪乗りにケイスケがツッコミを入れて撃ち続けた。硝煙の煙が巻き上がり、撃つのを止めたカズキ達は恐る恐る様子を見た。しかしそれでもブラドは倒れていなかった。身体に入った弾丸と銀の金属片を抜け落とし、吹き飛んだ片手片足が再生しブラドは立ち上がった。

 

「図に乗るなよ、ガキ共が‼」

 

 ブラドは再び雄叫びをあげて襲い掛かって来た。未だにぴんぴんしているブラドにケイスケは焦りだす。

 

「ちょ、作戦Bで仕留めるんじゃなかったのか!?」

「火力がまだ足りないか。作戦Cだ‼」

 

 カズキ達は再び走り出した。作戦Cとして用意しているポイント地点まで駆ける。あともう少しでたどり着いて作戦を実行しようとした。しかし、ブラドが足に力を込めて大きく跳躍する。カズキ達を飛び越してタクトの前に立ちふさがる。

 

「あ、やば」

 

 タクトが言い切る前にブラドの拳が直撃した。

 

「あ゛え゛え゛え゛っ!?」

「たっくん!?」

 

 タクトは奇声をあげながら吹っ飛ばされカズキは叫んだ。フェンスに当たり海に落下することはなかったがタクトは激痛に呻いていた。

 

「まずは1人!」

 

 ブラドはタクトをターゲットに定めタクトに止めを刺そうと襲い掛かる。そうはさせないとケイスケはフラッシュ・バンをブラドに向けて投げ込む。強い閃光を目に受けてブラドは怯んだ。その隙にケイスケはタクトの下へ駆ける。

 

「たっくん、大丈夫か!?」

「いってぇ…何重も鎖帷子を着てアラミド繊維のボディースーツを着てもむっちゃ痛い…」

 

 ケイスケの手を借りてなんとかして立ち上がるがブラドが襲い掛かる。ケイスケは咄嗟に防御するがブラドの力強い力に押されミシリと片腕の骨が悲鳴と激痛が走り投げ飛ばされる。

 

「ガキ共…絶望するがいい。この俺に嬲り殺されるがいい‼」

「このっ…そうはされてたまるかよ‼」

「カズキ、援護。たっくんはケイスケを助けて先にC地点へ‼」

 

 ナオトがブラドに向かって駆けた。ブラドの爪や拳を躱しながら撃ち、それを援護する様にカズキが狙い撃った。痛みに耐えながらタクトは倒れているケイスケの下へ向かおうとした。しかし、歩みを止めて視線の先にいる人物をみて驚愕した。

 

「リサ…!?」

 

 タクトの驚いた声にナオトもカズキは止まってその方を見た。ブラドも視線の先にいるリサを見て低く笑う。

 

「ふん、『イ・ウー』から逃げ出した臆病者か。今更何しに来た?」

 

 ブラドの威圧に圧されることなくリサは真剣な眼差しでブラドを睨んだ。

 

「ブラド…リサは貴方を止めに来ました」

「この俺を止めるだと?ぐははは‼臆病者の貴様がか?」

「リサ!ここはあぶねえ‼早く逃げるんだ‼」

 

 高笑いをするブラドと必死に叫ぶカズキにリサは聞かず、ポケットから小さいカプセル錠を取り出し口に含んで飲み込んだ。突然、リサはせき込み苦しそうにしながらうずくまった。それを見たブラドは笑うのをやめて低く唸った。

 

「貴様…本当にこの俺を止めれると思っているのか?」

「ええ…そのつもりです…命を賭してでも貴方を止めます」

 

 カズキ達はリサの方へ駆けようとしたが足を止めた。リサの腕がみるみる大きくなり白い毛並みの巨大な獣の腕に変貌していった。

 

「リサ…おまえ…?」

 

 ナオトは恐る恐るリサを伺う。リサは苦しそうにしながらもカズキ達に微笑む。

 

「かつての私は…この力を与えた神を呪ってた…ですが今は違う…」

 

 足も白い毛並みの獣の脚へと変わっていきリサの身体もみるみる大きくなっていく。

 

「カズキ様…タクト様…ナオト様、ケイスケ様を助けて、リサから離れて…ください…私の本当の姿は…『ジェヴォーダンの獣』…秂狼です」

 

 それを聞いたタクトはジャンヌが言っていた『百獣の王』、秂狼である『ジェヴォーダンの獣』の事を思い出した。まさかその正体がリサだったとは驚くことしかできなかった。苦しく悶えながらリサは夜空に浮かぶ満月を見上げる。みるみる巨大な狼へと変貌していく。

 

「『イ・ウー』はリサの血に伝わる力を知り、利用しようとしていました…でも彼らは知らない。この獣の姿を変えるには2つの条件が必要だという事を…その一つ『死の淵(アゴニサント)』しか…知らない」

 

 だから捨て駒のように戦地へ赴かせおもむろに瀕死状態にさせようとしていたのか、カズキ達は理解した。リサは狼と人の中間のような姿でもう一度満月を見上げる。

 

「そして…もう一つの条件は、満月。月から反射される、赤外線を減衰させたスペクトルの太陽光を、網膜に感受させることで…変貌するのです…‼」

 

 もう唸り声が狼そのものになったリサは身長…いや体長が5m至ろうとしていた。

 

「リサは満月を見てしまいました…間もなく、理性を失い、敵も味方も関係なく殺してしまう獣に変貌します…!」

 

 カズキとタクトはリサを止めようとした。しかしリサは首を横に振い苦しながらも悲しそうに微笑んだ。

 

「もういいのです…皆様をお守りするためなら、悔いはありません…お逃げください…!リサから…とおくへ…おにげください…!」

 

 その言葉が最後だった。翡翠の瞳から涙が流れたのちリサはしゃべらなくなり、巨大な金色の狼へと変貌していった。そして凶暴な顔つきになり遠吠えをした。鳴き声も、姿も、恐ろしい狼そのものだった。




 ヴァン・ヘルシングっていう映画の狼男vs吸血鬼が好きでやりたかったんです…まあ映画の内容は…うん、好きです

 武偵法9条で殺人を禁止してるので逮捕します。(例外あり)って書いてるけどダメなのかな…イギリスはあり、公安第0課とかは「殺しのライセンス」があったり…法律って難しいですね!(目を逸らす)

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