カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼ 作:サバ缶みそ味
黒髪、巫女服、たゆんたゆん…実にヨイゾ(ゲス顔)
注意‼
原作改変、原作クラッシュを起こしてります‼ご注意ください!
ハイマキの後に続いて歩き続け、気が付けば夜が明け小ぶりの雨が降っていた。真夜中から山道を抜け、アスファルトの道を歩くケイスケは疲労感が溜まっていた。その一方でココとの戦いでリバースしたためかカズキは疲れている様子を見せずハイマキと並んで歩いていた。
「おーい、ケイスケ。早くしないと置いてくぞ☆」
「あの野郎…後で殴る」
調子に乗り出しているカズキにケイスケは苛立つが一緒に並んで歩いてくれるリサが励ましてくれるのでとりあえず我慢はする。カズキは良しとして、はぐれてしまったタクトとナオトが気がかりだった。早く連絡が付きそうな場所へ行き、合流をしたい。
ふとハイマキが歩みを止める。そこは武家屋敷のように守られた漆喰の堀に囲まれ、大きな鳥居が佇む正面入り口のみ石段で通れるようになっている神社だった。
「なあケイスケ、京都にこんなすごい神社ってあったか?」
「ガイドブックにも載ってなかったぞこんな場所…」
カズキとケイスケは少し不安になる。こんなところに神社があっただろうか、本当にここにレキがいるのか二人は躊躇っていたがハイマキは気にせず神社に向かって歩き出す。
カズキ達はハイマキの後を追うように神社に向かう。石段を何段か上った時、鳥居の下に赤い和鎧を着こみ、和弓を携えている巫女服を着た黒髪の少女が立っており、警戒してこちらを見ていることに気づいた。
「止まりなさい。ここより先は立ち入り禁止です」
レキと似たような無表情な顔で警告をしてきた。いつでも弓矢を取りすぐ射れるよう矢筒に片手を添えて睨んできた。ハイマキは巫女の警告に退かず唸り声を上げる。低く唸っているが毛は逆立っていないので敵意がないこと、ただ軽く威嚇をしている。
「悪いがここを通してくれ。この神社にハチマキの飼い主がいるんだ」
「だからハイマキだっつってんだろ、このハゲ」
カズキを叱るケイスケと同様にハイマキも自分はそんな名前じゃないと言うかのようにカズキに向かって吠えた。しかし少女はカズキの言い分を無視してここを通さないように一歩前に出て矢筒から弓矢を一本取りだす。
「ハイマキ‼」
その時、少女の後方からキンジが飛び出す様に駆け、石段を降りて来た。
「ハイマキ…お前、無事だったか…よかった…‼」
キンジは傷だらけのハイマキを抱きかかえ、ハイマキの背中を撫でる。キンジに答えるかのようにハイマキは喉を鳴らす。そしてすぐ傍にいるカズキ達の方を驚いたように見る。
「カズキ、ケイスケ、リサ…お前達がハイマキを助けてくれたのか」
「遠回しに言えば巻き込まれたんだけどな。おかげでここまでずっと歩いてくたびれた」
「ハイマキのおかげで俺はすっきり元気になったぜ‼」
お前は吐いてただけだろ、とケイスケは肘鉄でカズキの横腹を小突く。道中でハイマキの応急処置をしたため大事には至らないことを話すとキンジは安堵したように息をつく。
「…ケイスケ、本当にすまない」
「すまないんなら、後で治療費を高額で請求してやるからな。おかげで死にかけたんだからよ」
せっかくの修学旅行、チーム調節の旅がキンジの厄介ごとに巻き込まれ、ココにも狙われ台無しになってしまったのだ。ケイスケは皮肉をたっぷり込めて言うが聞いていないのか理解していないのかキンジは何度も頷いていた。
「ああ…いつでも請求してこい。今は…良いんだ…ハイマキ、レキは無事だ!」
キンジはハイマキを抱きかかえたまま石段を上り、心配そうにキンジ達を見ている巫女服を着ている白雪の方に駆け寄り、話をしだした。白雪は心配そうに見つめカズキ達の方に降りて来た。
「カズキ君、ケイスケ君、リサちゃん、ありがとう。その、まき込んだお詫びを兼ねてカズキ君達も神社に入って。ここなら安全だろうし…」
カズキ達は顔を見合わせて頷く。ここに着くまで雨に濡れながらも歩いて空腹と疲労感でいっぱいだった。白雪がこの神社にいるということはこの神社がどういった場所なのかカズキとケイスケは気づいた。
「なあこの神社ってもしかして…」
「うん、カズキ君の想っている通り、ここは星伽神社の分社よ」
___
星伽神社の分社と云えども、境内はかなり広かった。ハイマキはレキがいる救護殿に連れて行き手当をした。カズキ達は白雪に案内され膳殿という場所へ向かっていた。リサとカズキは中の広さに驚き、キョロキョロと見まわす。屋根付きの渡り廊下を歩く途中、黒髪の寵巫女と通り過ぎるがキンジを見ると廊下の端で正座をし頭を下げる
「キンジ、お前ビップだな。ずりぃぞ!」
キンジに向かって嫉妬しだすカズキに対し、白雪が申し訳なさそうに見る。
「ごめんね…星伽は元々男子禁制の神社で、遠山家の男性だけが特例で入れるの。今回はキンちゃんの頼みと緊急事態ということで特別なの」
それを聞いたカズキとケイスケはぎょっとする。この神社は他と比べて特殊な神社ということであり、遠山家とつながりが深いということなのだ。
「む?カズキ達じゃないか。お前達が来るとは珍しいな」
ふと聞き覚えのある声がしたのでカズキ達が振り向くと神社内を興味深く歩いていたジャンヌがいた。
「おっ、ジャ…パリジェンヌちゃん‼」
「パリジェンヌじゃない、ジャンヌだ‼というか今わざと間違えただろ!」
「バレちった?」とテヘペロしているカズキにジャンヌはプンスカと怒る。
「ジャンヌはどうしてここに?」
「遠山から電話が来てな…『ケースE8』だ」
ケースE8、内部に犯人がいる可能性が高いため周知は出さず、信用できるもののみに連絡をとり、当事者の手で事件を解決しろという意味の符丁である。
「お前達も遠山から連絡を受けてきたのだろう?」
「いや…ただ単に巻き込まれただけだ」
首を傾げるジャンヌにケイスケは嫌そうな顔をして返す。それを聞いたジャンヌは察したのかケイスケの肩に軽く手を置き「災難だったな」と苦笑いする。
膳殿についたカズキ達は食事をとることにした。エプロンをつけた寵巫女たちがお膳や漆塗りの丸湯桶を運んできた。高価な和食の料亭が出すようなものばかりでリサは目を輝かせて、カズキは舌鼓を打ち喜びながら叫ぶ。
「うますぎるんですけど‼めっちゃうますぎるんですけどー‼」
「うっせーよクズが」
やかましいカズキを小突き、ちらりとキンジの配膳の方を見る。心なしか大盛りで、白雪が御飯をよそう。大盛りのごはんを渡されキンジは苦笑いする。こいつはこいつで苦労しているのかと感じるが一切同情はしなかった。
「キンジ、レキがどうして大怪我してんのか説明してくれるか?」
ケイスケは時折救護殿の方を心配そうに見ているキンジに声を掛ける。とりあえず今はどうしてこうなっているのか情報と状況を把握し整理しなければならない。
「ああ、レキと二人で宿に泊まっていたんだが…」
「「二人で…!?」」
それを聞いたカズキと白雪が固まり箸を止めた。絶対に勘違いしている二人をよそに話を続けろとケイスケは目で促す。
「それで…泊まっているところを狙撃され、比叡山付近で襲撃を受け戦闘になり、レキが負傷してしまったんだ…」
「遠山の話によると、レキは
補足するジャンヌの話を聞いてケイスケは全てを察した。見えない爆弾と聞いてあいつの仕業しかない。
「もしかして…ココって奴の仕業だろ?」
ケイスケが尋ねるとキンジは驚いたようにハッとする。
「そうだ…ケイスケ達もココに襲われたのか?」
「ああ、ハイマキを人質にしようとして襲ってきやがった。おかげでたっくんとナオトと分かれてしまった。キンジ、さっき狙撃されたと言ってたな?となると、ココは3人いるってことか…」
「ココが3人だと?ケイスケ、どういうことだ?」
キンジとジャンヌは首を傾げていた。恐らく二人とも別々のココの事しか知っていないのだろう。
「気をつけろ、結構厄介な奴だぞ。リサ、説明を頼む」
リサは頷いてキンジ達に説明した。ココは中国の秘密結社『藍幇』の構成員であること、同じ顔、同じ成りの姉妹がいること、爆弾、銃撃、狙撃とそれぞれ得意とし、シャボン玉の形をした見えない爆弾『爆泡』を使ってくることを話した。リサの説明を聞いたキンジは驚きを隠せなかった。
「くそっ…だからレキは爆弾に巻き込まれたのか…‼」
レキが狙撃担当のココと戦っている間にもう一人のココが放った『爆泡』に当たってしまったことにキンジは悔しそうに低く唸る。
「それに…ココだけじゃない。もう一人、奴らに仲間がいる」
「もう一人!?」
ケイスケの話にキンジは驚く。ずっと美味しそうに黒豆を食べ続けていたカズキが話した。
「ルーブーさんっていう人で…確か『りみこ』って人を探してるんだ」
「「璃巫女!?」」
今度は『璃巫女』と聞いてジャンヌと白雪が驚愕していた。特に白雪が顔を曇らしており、しばらく考えているとすっと立ち上がる。
「キンちゃん、ジャンヌ…話しておかないことがあるの。カズキ君達は…悪いけど少し待ってて」
白雪はキンジとジャンヌを連れて膳殿を出て行った。取り残されたカズキ達は気になっていた。黒豆を食べながらカズキはリサに頼み込む。
「リサ…犬耳で聞くことができる?」
「できますけど…いいのでしょうか…?」
「気にすんなって。教えてくれないあいつらが悪いんだからよ」
ケイスケにもお願いされ、リサはえいっと犬耳をぴょこんと出して聞き耳を立てた。ぴょこぴょこと犬耳が動きながらリサは白雪達の話を聞こうとした。
「え、ええっとですね…レキ様が璃巫女…ウルス族の一人で…すごいです!レキ様は源義経、チンギスハンの末裔だそうですよ!?」
「ふむふむ…つまりレキが『りみこ』でワロスの一族で…ジンギスカン専門店の店長、源さんの娘ってことか‼」
「どうやったらお前の脳内でそう理解されるんだよ」
全く理解していないドヤ顔で頷くカズキにツッコミを入れる。『いろかね』だのウルスだの全く意味が分からない事ばかりだったので盗み聞きしてもらったリサには申し訳なかった。そうこうしているうちに先にジャンヌが戻って来た。リサは慌てて犬耳を戻す。
「ジャンヌ、話は終わったのか?」
「うむ…話が何なのか気になるのだろうが、白雪から秘密にしてくれと頼まれてな」
盗み聞きをしてしまったけど、内容は自分達には知られたくない、もしくは巻き込ませないようにしているのだろう。ケイスケは頷いて返す。
「ジャンヌ、お前はどうすんだ?ココの襲撃に備えるのか?」
「いや…そうしたいのだが、私は行かなければならない用事がある」
ジャンヌは済まなさそうにケイスケ達と救護殿の方を見る。
「それと遠山と白雪も私と同じくもうすぐ京都を離れなければならない」
ケイスケはやれやれとため息をつく。ココやルーブーはレキ、もしくはキンジを狙ってくるだろう。早々と離れるのは構わないが、連中も襲撃してくるはず。恐らくアリア絡みのことだろう、仕方なく頷く。
「遠山と白雪の頼みだ。代わりにレキを看てくれないか?」
「そうだと思ったよ…用事は構わねえが、あいつ等に迎撃ぐらいは備えてろって言ってくれ」
ケイスケの忠告にその通りだなとジャンヌは苦笑いをして返す。ジャンヌが踵を返して去る前にカズキがジャンヌを呼び止めた。
「ジャンヌちゃん!少し聞きたいことがあるんだけど、ルーブーって知ってる?」
「ルーブーか…確かどこかで聞いたことがあるのだが、すまない。私もよくわらないんだ」
申し訳なさそうに返すジャンヌにカズキは「そっかー」と頷く。
「ココは『ツァオツァオ』って呼ばれるからルーブーにも別の呼び名があるかなーって思ってさ」
「ツァオツァオ…だと?」
『ツァオツァオ』と聞いてジャンヌはピクリと反応した。何か知っているのかなとカズキは伺おうとしたがジャンヌは「すまない」と手を振って去っていった。
「‥‥」
ジャンヌは早足で星伽神社を後にする。星伽の運転手に続いて歩くジャンヌは考えながら歩いていた。ふと決めたかのように顔を上げ、携帯を取り出す。電話番号を打ち、電話をかける。何回かそれを繰り返し、やっと電話の相手と繋がった。
「もしもし、アリアか?私だ、ジャンヌだ…少し無理を頼みたい。ああ…すまないが、少し時間が欲しいんだ」
___
ナオトはうんざりするようにルンルン気分で歩くタクトに続く。山道を駆け降りて、駅に着き、タクシーに乗って、夜が明けたら気づけばビルが立ち並ぶ京都市内にいた。
「たっくん、いつまで歩くんだよ…」
「ふっふっふ…カズキ達をビックリ仰天させるための作戦なのだよ」
深く笑うタクトに対してナオトはため息をつく。タクトの企みは碌な事がない。先ほど携帯でカズキから連絡があって自分達は星伽神社の分社にいると知らされた。すぐに合流したいのだがタクトがひたすら歩き続けていた。
「ナオト、着いたぞー‼」
タクトがどや顔で止まる。着いた場所は大きなビルで一階のフロアは大型車や高級そうな外車、重厚感のある大型バイクが展示されており、『菊池商事』と看板に書かれていた。
「たっくん、もしかして…」
看板を見てナオトは全てを察した。そんなタクトは堂々と入っていった。中に入ると黒いスーツを着た厳つい男性の他、受付の女性社員などがおり、タクトを見るや否や驚いていた。
「た、タクト様…!?」
「大変だ…サラコ様のご子息がお伺いに‥‼」
「た、タクト様、本日は如何様なご用事で…」
タクトの所に白髪交じりだが体格が逞しいスーツ姿の男性が慌ててやって来た。
「うん。菊池サラコ…母ちゃんに電話つなげて。頼みたい事があるんだけど…」
____
キンジと白雪がカズキ達にレキを看てほしいと頼み、先に京都を離れなければならない用事があるので神社を出て行ってから数時間が経った。カズキ達はタクト達が迎えに来るまで待つことにし、客殿という場所で待っていた。
「たっくんとナオト、来るの遅いなー…」
カズキは畳の上で大の字で寝転がっていた。救護殿でレキとハイマキを看て戻って来たケイスケは暇そうにしているカズキを呆れる。
「あのなぁ、お前も迎撃に備えとけって」
「大丈夫だって。白雪ちゃんも言ってたろ?ここは安全だって」
確かに武装した巫女も見かけるし、男子禁制の場所でもあるし、砦のよな守りだし、安全ではあるがレキが『りみこ』という事ならばいつルーブーが襲ってくるか分からない。
そんな時、どたばたと寵巫女たちが慌ただしく渡り廊下を駆けているのを見かけた。一体何事かカズキ達は障子を開けて様子を見ると救護殿からレキとハイマキが付いてくるのが見えた。
「あのバカ‥‥‼大人しくてろって言ってんのによ‼」
ケイスケは怒りながらレキを追いかけていく。カズキとリサも続けて追いかけていくとテレビのある広間で幼い寵巫女達が騒ぎ立てながらテレビを見ていた。そのテレビには緊急速報として新幹線が何者かにジャックされ、速度を上げていないと爆発が起こる爆弾が仕掛けられていると流れていた。
「なっ…あの時間帯の新幹線って、あいつらが乗ってる新幹線じゃねえか!」
カズキは驚いて声を上げる。それを聞いたカズキの近くにいたレキがバッと動く。まだ少しふらつくレキの腕をケイスケが掴みレキを止める。
「…ケイスケさん、離してください」
「お前も怒るんだな…だが、今の怪我で行くのは無茶だ」
キッと睨むレキにケイスケは怯むことなく睨み返す。ハイマキが唸り声をあげて威嚇しているがリサがケイスケを守るようハイマキの前に立ったのでハイマキがケイスケに飛びかかることはなかった。
その時、爆発でも起きたかのような大きな音が響いた。その音を聞いて寵巫女達が、和弓を携えていた巫女、白雪の妹である風雪が焦りだした。
「そんな…星伽の結界が破壊された…!?」
風雪が急ぐように外へでると同時に他の巫女達も武器を取り出し一斉に外へ出ていく。カズキ達も続けて外へ出ると鳥居の近く、神社の壁が派手に壊されて土煙が上がっていた。土煙の中から黒の革ジャンを着た見覚えのある大男が現れた。
「ルーブーさん!?」
「む…どうやら出会ってしまったようだな」
ルーブーはやれやれとため息をつく。ルーブーの片手には槍の刀身の横に三日月型の大きな刃が付いた赤く長い武器を持っていた。ルーブーは刃先を巫女達の後ろにいるレキの方に向けた。
「『璃巫女』、ついに見つけたぞ。貴様を連れ去り、残りのウルス一族すべてを藍幇のものにする」
虎のように睨み付けるルーブーにレキはいつの間に持っていたドラグノフを構え、ハイマキはレキを守るように前に出て毛を逆立て唸る。
「ふん…忠実な獣だな。気に入ったぞ。貴様も連れて行こう」
ざっとルーブーが一歩進むと星伽の巫女達が武器を構えた。弓矢を取って狙いを定めている風雪がルーブーを睨む。
「あなたの思い通りにはさせません。ここは星伽の神聖な場所。それでもこの地に踏み入れるなら強制的に退いてもらいます」
巫女達が一斉にかけルーブーに武器を振ろうとしたその時、ルーブーは息をすっと吸い出す
「喝っっっ‼」
ルーブーの怒声がビリビリと痺れるように響き渡る。巫女達は武器を落とし、へなへなと腰を抜かす。ルーブーの目つきが、威圧が、完全に人を殺すような勢い、戦場を駆ける猛将の如くだった。
「雑魚に用はない。死にたくなくばそこで大人しくしてろ」
ルーブーは視線をドラグノフを構えているレキ、ルーブーの覇気に耐えたカズキ達の方に向けて歩みだす。
「そうはさせんぞ‼」
その時、ルーブーの頭上めがけてジャンヌがデュランダルを振り下ろしてきた。ルーブーは長い武器で防ぎ、力任せに振るう。くるりと宙返りしたジャンヌはカズキ達の前に立ち、デュランダルを再び構えなおす。
「カズキ、ケイスケ、無事か!?」
「ジャンヌ、来てくれたのか…!」
ジャンヌは武偵校の制服からアドシアードの時に来ていた甲冑を身に着けていた。驚くケイスケにジャンヌはふっと笑う。
「カズキのおかげで思い出すことができた…ルーブーという名をな」
「ほう…ジャンヌ・ダルクの末裔か。面白い、相手に不足はない」
ルーブーは不敵に笑い、刃先を向けた。
「長い槍に月牙のついた武器…間違いない『方天画戟』だ」
「方天画戟!?ということはもしかしてあいつは…‼」
ケイスケもその武器の名を聞いて思い出した。歴史上、中国の歴史小説上、そんな武器を使う有名な武将はと聞かれたらまず一人思いつく。ジャンヌは額に汗を流して頷く。
「ルーブー…中国ではそう読まれるが、この国でのあいつの呼び名は『呂布』だ」
「りょ、りょふぅぅぅぅぅっ!?」
カズキは三国志で最強の武将、マジモンの三国無双、呂布という名を聞いて驚愕して叫んだ。
呂布といえばいろんなゲームがありますが、真三國無双2を思い出します、虎牢関の戦い、初期能力に初期武器だっていうのに…強すぎでしょぅ…