カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 今回はほのぼのとしてます。カオス度はすっごく低いです。ごめんなさい‼


5話

 一番最初に起きたのはケイスケだった。リサを迎え入れたあの後、リサの寝る場所、寝間着やお布団はどうするか4人で話し合った。その結果、4人の必死なじゃんけんにより負けたケイスケが自分の布団と枕、カズキが膝を入れてだぼだぼになってしまったジャージを渡すことになった。何度もすみませんと礼をするリサには1階の和室にとりあえず寝てもらうことにした。リサは畳にとても感動していた。

 ケイスケは欠伸をしながら部屋を出て階段を下りる。布団と枕無しだとなかなか寝付くことができず、未だ冷える4月の朝の寒さのダブルパンチで朝早く目覚めたのであった。リビングについた時、何か美味しそうな匂いがした。匂いがするほうへ向かってみると、キッチンでリサが朝食を作っていた。

 

「あっ、おはようございます、天露様」

 

 ケイスケに気づいたリサは明るい笑顔でぺこりと日本式のお辞儀をした。今日も白のブラウスに紺色のロングスカート。やはり昨晩のカズキのダサいジャージよりもこちらの方が見栄えがいい。

 

「ああ、おはよ…これリサが作ったのか?」

「はい。皆さまの為に作りました!」

 

 リサは満面の笑みで答えた。ケイスケは皿に乗っている料理を見た。チーズや焼いたベーコン、新鮮なサラダにスモークサーモン、目玉焼きがパンに載ったものだった。

 

「オランダの料理でアイツマイターというのですが…あの、お気に召しませんでしたでしょうか?」

 

 真剣に見たこともない料理をまじまじと見ているケイスケを見て、リサは気に障ったのかと心配そうにしていた。

 

「いや…ちゃんとした朝食で感動している」

 

 ケイスケは半ば驚き、半ば喜んで頷いた。4人とも起きる時間はバラバラでケイスケは食パンとコーヒー、タクトはサラダ、ナオトはカップ春雨、カズキは豆腐ともやし炒めと食事もバラバラだった。リサが作るような食べる量も食事バランスも取れているような朝食にありつけるのはありがたい。

 

「あ、あとコーンスープも作ってますが‥」

「でかした。せっかく作ってくれたんだ、あのバカ共を叩き起こしてくるか」

 

 スープも作ってあるとはなんと完璧か。ケイスケはにやりとしてリサを褒めた。リサはあたふたと嬉しそうに頭を何度も下げる。ケイスケは気分よく2階へあがり、スヤスヤと寝ているカズキ達を叩き起こす。

 せっかく気持ちよく寝てたのにとカズキ達はケイスケに不満を垂らす。しかしダイニングテーブルに並べられたリサが作った朝食に手の平を返す如く喜んだ。

 

「びゃああ!?うまいぃぃぃっ‼」(∩´∀`)∩

「うますぎるんですけど!この…アツイマイスター!」

「…アイツマイターだろ。でもすごく美味しい」

 

 お味はご覧の通り大好評だった。まともな朝食を食べてない連中にはとてつもないご馳走だろう。美味しそうに食べている4人を見てリサは手を合わせて喜んでいた。とても嬉しそうだ。

 

「ありがとうございます!皆様のお口に合ってよかったです」

「な?リサをお家に入れて正解だっただろ?俺をほめたたえろ」( ・´ー・`)

 

 ドヤ顔で自慢するタクトをスルーして3人は和気あいあいとリサと一緒に朝食を済ました。この後の皿洗いでは4人も皿洗いをした。リサは片づけは私一人でやりますよとあたふたと言っていた

 

「いやいや、俺達もこういうのはやらなくちゃ。ハティカラテュモニュキュベカラズってな」

「???」

「『働かぬ者食うべからず』だろ。朝から噛みまくりじゃねえか」

 

 まるでどこかの母国語かのように噛みまくりでしゃべるカズキの言葉にリサは首を傾げていた。その横でケイスケがびしりとツッコミを入れる。皿洗いを済ました4人は学校に行く支度をする。準備ができていざ出発となる前に4人はさてととひと息つく。

 

「…リサをどうするんだ?」

 

 さっそく最初の難問に引っかかった。自分たちが学校に行っている間、リサをどうするか。このまま留守番させるのが安打であるが、日本に初めて来たリサにとって、この地は未開の地で未知との遭遇だろう。すぐに迷いそうだ。

 

「やっぱ、俺達と一緒に武偵高校に行こうぜ‼」

 

 一番最初に口を開いたのはカズキだった。カズキはドヤ顔で話を進める。

 

「よく言うだろ?『森を隠すなら木の中』だと」

「それを言うなら『木を隠すなら森の中』じゃねーか」

「イエーイ!灯台モトクラシー‼」(`∀´ )

「…まあ何かあっても武偵高校なら安全だろうし。でも大丈夫か?」

 

 武偵高校にいれば他のSランク武偵や教師陣もいることだろうし安全だろう。しかし、リサは部外者。もし見つかってしまったら少々やっかいなことになるだろう。4人はそれをどうしようか悩んでいるとタクトがはっとし多様な顔をして口を開いた

 

「そうだ!私にいい考えがある」( ・´ー・`)b

 

 ドヤ顔でリビングを出てドタドタと階段を上がっていった。しばらくしてドタドタと階段を下りて戻って来た。タクトがドヤ顔で持ってきたのは女子用の武偵高校の制服だった。

 

「たっくん!?なんでそんなのあんの!?」

「えーと、SVRの授業で変装の練習があったんだ。で、俺は女子に変装しようと思ったけど無理だった」( ・´ー・`)b

「ドヤ顔で答えられても困るんだが…」

「…まあないよりかはいいんじゃない?リサ、着てみる?」

「あ、ありがとうございます。さっそく着てみますね?」

 

 タクトはリサに女子制服を渡し、リサは和室へと行った。数分後、照れながら戻って来たリサに4人は一瞬ピシリと固まる。

 

「あの…どうですか、似合いますでしょうか…?」

 

 リサは照れながらスカートの裾をすこしつまんで微笑みあいさつした。口をあんぐりとしていた4人だがはっとして答える。

 

「いい…メッチャクチャ似合うじゃんか!」

「…グッド。」

「やっぱ外国の子が一番似合うよなうちの制服は」

「似合うよ?でも、メロンパンが目立つな…」(;´・ω・)

 

 カズキ達は似合うと褒めていたがタクトは少々目のやり場に困っていた。それもそのはず、制服姿のリサを見て4人はまず最初に胸がけっこうあることに気づいて一瞬フリーズしていたのだった。そんなタクトのメロンパン発現にリサは首を傾げていた。

 

「メロンパン…?あ、でもスカートが少し短いのでちょっと恥ずかしいですね」

「よし、学校についたら購買に行ってサイズの合う制服を貰っておこう」(´_ゝ`)

「…これならいけそうだな。」

「って、やべぇ‼急がねえと遅刻するぞ‼」

 

 時計を見たケイスケの怒声に3人もあたふたとする。そんな慌ただしい4人組をよそにリサはポカンとしていた。

 

「遅刻ですか?まだ時間に余裕があると思うのですが…?」

「この国じゃ急がないと面倒な事が沢山あんだよ‼急いで車に乗っていくぞ‼」

 

__

 

「‥‥すごい(モーイ)です‼こんなに高いビルが沢山‼」

 

 道路を走るSUVの後部座席の窓から見える東京の高層ビルが建ち並ぶ景色に翡翠色の目をキラキラと輝かせながらリサは見入っていた。そんな様子に4人は微笑ましく思っていた。

 

「…リサにとって東京の景色は珍しいんだな」

「はい江尾様のおっしゃるとおりです‼地平線まで見える建物の景色‥オランダにはないくらいすごい(モーイ)です‼なんて大きな町なんでしょう!」

 

 リサは『モーイ』を連発してとても感動していた。喜びはつかの間、「あっ」と口をこぼしたケイスケは車を止めた。目の前から他の車がずらりと並んで数珠並びになっていた。ここからは車は止まっては進みと繰り返す。

 

「なにか事故でもあったのでしょうか…?」

 

 ひょっこりとリサが心配そうにのぞき込む。運転席のケイスケと助手席のカズキは心配そうにしているリサとは反対にスラッとして答えた。

 

「これが日本の道路名物、『渋滞』だ」

「この時間帯、車で通勤する人が結構来るんだぜ」

「!?」

 

 リさは目を白黒させて驚いていた。これぞカルチャーショック。皆さん忙しいのですねとリサは納得して頷いていた。

 

「このままだと結構時間を食うな。道を変えて高速に乗っていくぞ」

「ヨッシャー‼モーイモモーイ‼」(∩`∀´)∩

 

 信号を左折してルートを変えて進んでいった。この後、高速道路と高速道路から見える景色にリサは『モーイ』を連発した。

 

_

 

 なんとかして時間ぎりぎりに到着した。カズキ、ナオト、タクトは後の事はケイスケに押し付けてさっさと教室に向かっていった。ケイスケ専用の医務室もあることだしそこにリサをいさせれば問題はないだろうと思っていたのだ。後ろからケイスケの怒声が聞こえるが振り返ったら捕まり〆られるのでそそくさと走って行った。

 昼休憩時間、カズキはケイスケのいる医務室へと着いて恐る恐る扉を開けた。予想通り、般若のお面をつけてお怒り中のケイスケが椅子に深く腰掛けていた。その近くではタクトとナオトが正座している。

 

「よぉ…よくも置いていきやがったな?」

「ご、ごめんなさい…」

 

 ケイスケの怒りの威圧に圧されカズキも正座して説教をくらった。

 

「ったく、お前らバカ共が俺に押し付けた後が大変だったんだからな?購買部にリサの制服を採寸してもらって制服が貰えるかと思ったら…」

 

 ケイスケの話によると制服を貰う寸前、購買部にいた中等部の生徒に出くわし、リサを見て『もっと似合う制服にしてあげますの』とか言ってリサはその中等部の生徒に購買部の試着室へと連れて行かれ、それから数時間待ちぼうけされたという。

 

「そ、それでリサちゃんは…?」

「バカ共がそろったことだし…リサ、出てきていいぞ」

 

 ケイスケに呼ばれ、ベッドのカーテンを開けてひょっこりとリサが出てきた。フリフリのフリルやヘッドドレスが飾られた白いエプロンがついたメイド服のような制服だった。リサはにっこりと微笑んで赤いロングスカートの裾をつまんでお辞儀する。

 

「ちょう似合うんですけどー‼」

「言うなれば、冥道を極めたメイドさんEXだー‼」(`∀´ )

「…やっぱりロングの方がいいよな」

「リサ、そっちの方がとっても似合うぜ?」

 

 4人の高評価にリサは心嬉しそうににっこりと笑った。

 

「ありがとうございます。…あの、吹雪様、菊池様、天露様、江尾様。リサは申し上げなければならない事があります」

 

 微笑んだ後、リサは少し真剣な眼差しで4人を見つめた。すっと両手を胸の前で組み、祈る様に頭を垂れた。

 

「私の…ご主人様になってください」

「「「「はぃぃ?」」」」

 

 4人はどこかの警視庁特命係のような高い声を出して驚いた。突然のことで4人は目をぱちくりしていた。いつも眠たそうにしているナオトも珍しく目を見開いている。

 

「私の一族、アヴェ・デュ・アンク家の女は代々、強い武人たちに仕え、真心を込めて武人に尽くし、寵愛を受けて、守られて生きてきました」

 

 強い武人に仕え、その武人にとって有用な女であるように尽くし、生きてきた。複雑な生き方だとケイスケは感じていたがカズキとタクトは頭にハテナを浮かべていた首を傾げていた。とりあえず見なかったことにした。

 

「使えるメイドとしてイ・ウーに誘われた私は、その中にいるであろう武人、勇者様に仕えるべく入りました。ですがイ・ウーには女性が多く、仕えるべき勇者様もいませんでした…そして私の持つ治癒能力に気づき戦場へと連れて行かれたのです…」

 

 イ・ウーとやらにいて、戦場に駆り出されてもリサはずっと『白馬の王子様』みたいな人物が現れるのをずっと待ち続けていたのだろう。今のご時世、古い少女漫画的な考え方を持っているなんて珍しい。

 

「そして…ジョージ神父に出会い…皆様に出会えたのです。ですから皆様、どうかリサのご主人様になってください。どうぞ、リサをメイドとして置いてください」

 

 リサは翡翠の瞳をうるわせてカズキ達を見た。4人はしばらく考えていたが答えは決まっていた。

 

「いいry」

「「「無理」」」

「ごめん、無理」

 

 カズキが『いいよ』と言いかける前にタクト、ケイスケ、ナオトは口を揃えて断った。カズキも言い直して断った。リサは目を見開いて悲しい顔をしていた

 

「な、なぜですか…?リサでは無理なのですか…!?」

 

 ポロポロと悲しく涙を流すリサに4人は難しい顔をして答えた。

 

「俺…ご主人様というほどの器は無いよ」

「同感だ。このバカ共ならともかく、リサをいい様にこき使うことはできねえ」

「…実感がない」

「俺は誰かをシモベにするのはできない…」(;´・ω・)

 

 4人の答えを聞いてリサは涙を流すのは止まらなかった。リサにとって、この4人は勇者だと仕えるべき方だと感じていた。だが、自分たちは勇者じゃないと断られたのだ。途方に暮れて嗚咽をこぼしながら泣き続けた。

 

「リサは…リサはどうすれば…」

「そうだ!リサ、ご主人様になることはできないけど…ソウルメイトにはなれるぞ‼」

 

 ぱっと閃いたタクトはパッと明るく言った。リサは泣くのをやめてタクト達を見上げた。

 

「ソウル‥‥メイト…ですか?」

 

 ソウルメイト。『武人』や『勇者』、そして『ご主人様』と違い、リサにとって今まで聞いたことがない単語だった。ソウルは『魂』、メイトは『友』とも読む、『魂の友』という意味だろうか、とリサは首を傾げてる。

 

「ソウルメイト‼とってもとーっても大事な絆で結ばれた友や仲間達のことだぜ‼」(`∀´ )

「ソウルメイト‼俺もたっくんもケイスケもナオトも結ばれたサイキョーの絆だぜ‼」

 

 タクトとカズキが励ます様にリサにソウルメイトの全貌を話す。目をぱちくりさせおどおどしているリサにナオトも続けて話す。

 

「…あいつら曰く、ソウルメイトは宇宙ヤバイくらいすごい。ご主人様とか勇者様とか比べ物にならないくらいすごい」

「う、宇宙ヤバイ!?」

「リサ、ジョージ神父も『自由に生きろ』って言ってただろ?お前は自由なんだ。これまでの生き方を変えてみろよ」

 

 ケイスケの説得にリサは顔を曇らす。ぎゅっとスカートの裾を握り、うつむいた。

 

「ダメなんです。リサは…戦いたくないのです。絶対に、絶対に、傷つきたくないのです…」

「だからこそ俺達ソウルメイトがいるじゃないか!」(`Д´ )

 

 タクトの一声にリサははっとして見上げた。タクトはドヤ顔でにっこりして答えた。

 

「俺達が一緒にいるし支えてあげるからさ、リサは戦わなくていい、俺達が守ってあげるからさ!難しい事は捨ててちょっとずつ変えればいいさ。俺達は大事な仲間で…一緒にやってくソウル↑メイト↓じゃないか!」

「たっくん‥‥くさい。どっかのキンジみたいにくさいよ」

「うっせ‼」(`Д´#)

 

 空気を読めなかったカズキの言葉を聞いてタクトは怒って取っ組み合う。今崩れそうなソウルメイトをよそにケイスケは話を続けた。

 

「もう難しい事はしなくていい…俺達がお前の最初の仲間で友達だ」

「ソウル…メイト…」

 

 『このような』自分を受け入れてる仲間、友達。リサにとって今まで感じたことのないものだった。悲しみの顔から感動の涙を流した。

 

「カズキ様、タクト様、ケイスケ様、ナオト様…このような私を受け入れてくださってありがとうございます。リサも…リサも『ソウルメイト』になります‼」

 

 ケイスケもナオトも、いつの間にか取っ組み合いを止めていたカズキとケイスケもニシシと笑った。




 ソウルメイト‼ 宇宙ヤバイ

 なんか強引というかごり押し感があるような気がする…駄文ですみません

 感想お待ちしております‥‥

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