カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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            ごり押しキングダム再び


 これまでの中でとても難しかったような気がしました(コナミ感
 多少至らないところもございますがご容赦ください(焼き土下座


85話

「それで、作戦はあんのかよ?」

 

 ケイスケはやる気満々に構えているカズキとタクトに尋ねる。そんな二人はお前は何を言っているんだと言わんばかりにドヤ顔をする。

 

「ないぜ‼」

「当たって砕けろ!」

「だからそれじゃだめだってつってんだろ!?」

 

 どうせこうだろうとケイスケは声を荒げる。相手は何かを使って見えない攻撃をしてくる。それが分からない限り突破できないし、勝てる道筋が見えないままやられてしまう。

 

「兎に角、相手の手口を見破れねえとどうにかなんねえぞ!」

 

 ケイスケは先制を取るためにポーチからフラッシュバンのピンを抜いてアンダースローで投げ込む。閃光と衝撃が生じる前にカズキとケイスケ、ナオトとタクトと二手に分かれて物陰へと隠れて様子を伺う。

 

 伊藤マキリは直立したまま動じていなかった。フラッシュバンに怯んだのか、疑う暇はない。カズキ達は一斉にマキリに向けて掃射した。そのまま当たるのかと思いきや、マキリはひらひらと躱したり、直撃するはずの弾丸が彼女を避けるかのように軌道が逸れて当たらない。マキリに一発も当たらないと焦って撃ち続けているとケイスケの般若の仮面に何かが通り過ぎてかすれる音と共に掠り傷が生じた。

 

「くそっ…俺達の弾は当たらないっていうのにそっちの攻撃は当たるのかよ!」

 

 ケイスケは焦りながら悪態をつく。マキリの見えない攻撃は撃つのを止めて身を隠したケイスケとカズキに向けて止むことなく襲い掛かる。先ほどから壁を削る音が喧しく鳴る。マキリが二人の所へと近づいているようで、段々と音が大きくなっていく。

 

「あいつらやべえぞ!ナオト、行こうぜ!」

「おk。たっくんは正面から。俺はサイドへ行く」

 

 ナオトは落ち着いてタクトに指示を出して共に物陰から飛び出してマキリへと駆けだした。

 

「うおおおおっ!パープルディストーションブラストォォォッ‼」

 

 タクトは必殺技を適当に叫びながらM16を撃ちまくる。そんな喧しく叫ぶタクトを氷のような冷たい瞳で見つめているマキリはひらりと身を躱す。

 

「ナオト、今だーっ‼」

 

 タクトが叫んでしゃがみだしたと同時にタクトの背後からついて来ていたナオトがAK47を構え、中腰で撃ちながら横へ動く。マキリはピクリと反応して後ろへと下がる。マキリを一時下げさせることはできたが結局銃弾は彼女を反れて一発も当たることは無かった。むむむとタクトは眉間にしわを寄せてマキリを睨む。

 

「なんだよあいつ!マグネットコーティングでもしてんのかよ‼」

「こうも当たらないのはむかつくけど‥‥相手は完璧ではない」

 

 ナオトはAK47をリロードして冷静に分析する。相手がどんな超人でもそれでも人間だ。意表を突くような事をすればビックリする。一瞬の虚を突けることができればチャンスはある。

 

 マキリがまた見えない攻撃をしてくる前にナオトとタクトは下がりながら撃ち、ケイスケとカズキの所へと駆けつける。

 

「…相手の意表を突ければどうにかなるかも」

「けど同じ手は通じそうにねえな…」

「そうと来れば一発狙ってみるか!」

 

 何か考えがあるのか、カズキはナオトとケイスケにヒソヒソと話す。

 

「カズキ、なんで俺には話さないんだよ」

「だってたっくん、すぐ突撃するんだもん」

 

 俺にも教えろとタクトはプンスカと怒る。そうしている時間はあまりないのだがタクトにも話した。それを聞いたタクトはにんまりとする。

 

「よーしそれなら俺に任せろーっ‼」

「やっぱり突撃するんじゃねえか」

 

 意気揚々とマキリへと真正面から突撃していったタクトにケイスケはツッコミを入れながらタクトに続けて駆け出す。また同じようにこちらへと向かってくるタクトとケイスケにマキリは冷たい眼差しで見つめため息をつく。

 

「同じ手は通じない…」

 

「たっくん!あの野郎が何かしてくる前にありったけ撃つぞ‼」

 

 ケイスケの怒声とともにタクトはM16を撃つ。マキリが放つ見えない何かは脅威だが、こちらが弾の雨霰を振らせている間は攻撃してくる頻度は少ない。こちらの攻撃は一切当たらないが、相手の攻撃を抑えることができる。ケイスケはM4を撃ち続ける。

 

 確かにマキリは飛んでくる弾丸を躱し続けている。マキリの攻撃を抑えたかとほんの一瞬緩んだ矢先にタクトの脇腹、ケイスケの左頬に見えない何かが掠める。

 

「いってえっ!?攻撃できないんじゃないのかよ!」

「抑えれるだけだって言ってただろ!話を聞けバカ‼止まるんじゃねえぞ!」

 

 いくら相手の攻撃が怖くても怯むことなく銃弾を撃ち続けた。マキリはただこの二人が真正面から攻めるだけの手ではないと警戒しているはず。ケイスケはマキリが警戒した様子を見て声を上げる。

 

「ナオト‼奇襲をかけろ!」

「…やっと近づけれた…‼」

 

 マキリの横から濃霧に乗じてナオトが一気に駆けて奇襲をかける。タクトとケイスケが真正面から集中砲火してその隙に迂回、気配を押し殺すように近づいて意表を突かせようとした。ナオトは脚に力を入れて間合いを一気に狭めていき、マキリの横腹へと掌底を放った。

 

「…脆い」

 

 マキリはそう呟いた途端にナオトの掌底は弾かれた。彼女の体に当たる寸前に、まるで彼女の体がその攻撃を拒むかのようにナオトの右手は手を挙げるように方向を変える。その数秒後にナオトの体にビシビシと見えない何かの攻撃を受けた。

 

「っ!?」

 

 防弾としてボディーアーマーを身に着けているが、本当に弾丸を受けているような痛みがあちこちに響く。ナオトは苦悶の声をあげまいと耐え、ふっと笑った。

 

「かかった…!」

 

 それがどういう意味をするのかマキリはピクリと反応する。その刹那、ナオトの後ろから金属が弾く音がするや否やマキリの体に銃弾が掠めた。

 

「‥‥‼」

 

 初めて彼らの攻撃を受けたことにマキリは一瞬目を見開く。驚く声を上げさせまいと立て続けに正面からでなく彼らが銃を構えている方向でない所から一発ずつ銃弾が飛んできた。2,3発ほどマキリの体を掠めていったがマキリが大きく下がってナオトから離れると攻撃が止んだ。

 

「おいカズキ!ちゃんと仕留めろよ‼」

 

「そんなこと言ったってー!あいつ避けるもーん‼」

 

 ケイスケが面倒臭そうに怒鳴り、カズキが頬を膨らませて愚痴をこぼした。カズキは身をかがめてSR-25を構えて狙いを定めていた。だがその銃口がマキリの方には向いていない。その様子を見たマキリは納得したように頷く。

 

「なるほど…跳弾、ですか」

 

「どうだみーたかさ!レキ直伝、跳弾射撃(エル・スナイプ)だ‼」

 

 カズキはドヤ顔で叫んだ。直線状に飛んでいく弾丸をあえて障害物に向けて狙撃し、跳弾させて狙い撃った技である。これなら相手の意表を突かせることができる。そんな自信満々なカズキにケイスケはしかめっ面をする。

 

「もうちょっと気合い入れて狙い撃てよ!」

「だから狙って撃ったけど、相手の勘みたいな動きで避けてたんだもーん!」

「俺やられ損じゃねえか!」

「あいつニュータイプマンって名付けようぜ‼」

 

 敵の目の前で平然とギャーギャーと騒ぐ4人組にマキリは今回は初めて大きなため息をついた。

 

「本当に初めて相手にするタイプね…凡夫と違う技や私の隙を狙う作戦をすぐに思いつくその思考、それは確かに私達への脅威になるのだけど…」

 

 真面目に戦う気はあるのか、本当にふざけているだけなのか、とりあえず何を考えているのかが分からない。これまで遠山キンジの父、遠山金叉を含め超人的な強者達と戦ってきた。しかし、遠山キンジならまだしもこんな凡人のように見えるけれども思考の遥か斜め下を突き抜けていくような連中を相手にするのは初めてだった。

 

「このような所で遊ぶつもりはありません…これ以上、私の邪魔をするならば貴方達を悪と認め、排除いたします」

 

 これ以上付き合うつもりは無い。そう言った途端に彼女から更に冷たい殺気が放たれる。流石にヤバイと感じたのかカズキ達はほんのわずかだがぞくりと感じた。

 

 その瞬間、カズキ達の体にビシビシと剛速球が当たったかのような痛みが走る。マキリが一瞬にしてカズキ達に見えない何かを飛ばしてきたのだ。骨という骨にあたり、これ以上当たると砕けてしまうと焦るカズキ達は痛みに耐えながら急いで物陰へと隠れる。

 

「いってえ…何なんだよあいつはぁ‼」

「さっきから見えない攻撃がやばすぎるっての‼」

 

 当たった箇所をさすりながらケイスケとカズキは苛立ちながら悪態をつく。先ほどの威力とは断然上がっており、相手は本気で仕留める気でいるようだ。

 

「やっべええ‼こっちにくるぞ!」

 

 ぎょっとしたタクトは声を大きく上げてM16を構えて撃つ。マキリがこっちにゆっくりとやってきておりタクトが撃った弾丸をすり抜けるかのように見えない何かがこっちに飛んできて掠めていく。

 

「ちくしょう!これじゃあワンナイトカーニバルだ‼」

「それを言うならワンサイドゲームだろ!」

 

 ケイスケはツッコミを入れている場合ではないと考えているが癖でツッコミを入てしまう。このままだと成す術なく一方的にやられてしまう。焦るカズキとケイスケにナオトは顔を上げる。

 

「‥‥相手の攻撃の正体、わかったかも」

 

「ほんとか!?さっすが対人戦特化型ナオトだぜ‼」

「おい!それは本当だろうな!?」

 

 カズキとケイスケは藁をもすがるような勢いでずいずいとナオトに迫る。いきなり期待大に見つめられてナオトは少し焦る。

 

「ま、まだ確信じゃないぞ?」

「はあ?ちゃんと確信しろや」

「ほんとにさ!ナオトの頑張りで世界的に…感謝されるんだぞ!」

「お前はちゃんと考えてからしゃべれや」

 

「ちょっとおお!?頑張ってるの俺だけじゃんかーっ‼」

 

 3人がギャーギャーとしている間、タクトが必死に撃ちながら叫ぶ。飛び交う弾丸と見えない攻撃の中、ナオトはやってみなきゃ確信できないと呟いてタクトの前へと出る。ナオトはじっとマキリの氷のような瞳ではなく、マキリの指を見ていた。彼女の指がほんの僅かに動いた瞬間、ナオトは咄嗟にいつも戦闘では背負っている神父からもらったフライパンを構えて横へスイングした。

 

 カコーンと乾いた金属音が響いた。一体何が起こったのかカズキとケイスケはポカーンとしていたが、マキリは大きく目を丸くして驚いていた。

 

「‥‥‼」

 

「やっぱり‥‥」

「え、ちょ、ナオト。これってどゆこと?」

「見えない攻撃の正体‥‥指で思い切り弾いて生じた空気の弾だ」

 

 ナオトが言うには掌底を放った寸前、マキリの指が動いた瞬間に弾かれたのを見た。もしかすると指先に全体重をかけて亜音速で弾く動きをさせ、指の前にある目に見えない空気を弾丸のように弾き飛ばす。そうすれば無限の弾数の見えない空気弾の完成。

 

「そういう事だったのか…‼それじゃ見えねえわけだ」

「じゃあ弾の軌道を逸らす程の威力って相当やーばくね?」

 

 ケイスケとカズキは納得していたが、タクトはずっと眉間にしわを寄せていた。

 

「つまり‥‥どういうことだってばよ?」

「たっくん、ナオトの話聞いてた?」

「たっくん、つまるところアイツは素晴らしきヒィッツカラルドなんだとさ」

 

「え゛ええええっ!?マジで!?言うなれば古に伝わりし、グレートフル指パッチン!ジャイアントじゃない、空気を読めない指パッチンファイティングエディションでしょ‼」

「指パッチンじゃないんだよなぁ」

 

 ケイスケは興奮するタクトにツッコミをしている間にナオトはただ只管とマキリが飛ばす見えない空気の弾丸をフライパンで弾かせていた。ナオトを援護せんとカズキはその間にマキリへと狙い撃つ。咄嗟にマキリは攻撃をやめて後ろへと下がった。

 

「ナオト、よく見えてるな!」

「ほんの一瞬で見えるのだけど指を見ればどこからいつ撃ってくるかがだいたいわかる」

「でかした!援護は任せとけ!」

 

 カズキに援護を任せナオトはマキリへと駆けだす。その間にもマキリは見えない空気の弾丸を飛ばしていく。

 

「よーし!相手が見えない空気を飛ばすなら、こっちは魔法を使ってやるぜ!」

「おっ、ついにあれのお披露目か!」

 

 ケイスケは少し期待の声を上げる。タクトが唯一マキリに一撃を入れた魔法『SUGOKU TUKAIYASUI』の全貌が明らかになるのだ。タクトの右腕についている黄色のトンボ玉のブレスレットが黄色く光りだし、タクトは右手をマキリの方へと向けた。

 

「いくぜっ!新魔法、『SUGOKU TUKAIYASUI』‼」

 

 タクトの右手が光りだすと、その手からゴムボール程の大きさの茶色の土の塊の球体が飛び出した。タクトの着合いの声と共に3発ほど飛んでいき‥‥ナオトの後頭部へと直撃した。

 

「ええええ!?なんでええええっ!?」

「ちょ、たっくーん‼」

 

 まさかの敵に見せるお披露目の技がフレンドリーファイア。ケイスケとカズキは怒号を飛ばし、マキリはずっこけそうになった。

 

「たっくん‼バカなの!?ナオトがやられたら詰むんだからな!?」

「カズキ。だいじょーぶ、俺がいるさ!」

「そこになおれ、落してやる」

「ナオト!怒る矛先はそっちじゃねえ‼」

 

「‥‥」

 

 またしても敵前でもめだす4人組に対してマキリは無言で空気の弾丸を放つ。先ほどまで騒いでたカズキ達は蜘蛛の子を散らす様に駆けだす。

 

「たとえこの技の正体を見抜いても、貴方達では突破することはできない…」

「どうかな!やってみなきゃわかんねーぜ!」

 

 マキリは困惑していた。こんなにも圧倒的な力の差を見せられているのに彼らは怯む事すらせずに果敢に挑んでくる。無謀で、無力で、無駄でありながらも何故彼らは諦めていないのか。

 

「‥‥なぜ、貴方達は挑むのですか?」

「あのな、俺は無敵だ!」

 

 会話になっていない。ふざけているのか、真面目に答えているつもりなのか、タクトの輝かしい眼差しと思考はマキリでさえも分からなかった。

 

「ケイスケ、たっくん、ナオト!フォーメーション明太子だ!」

「だから適当につけるなつってんだろ!」

 

 ケイスケは怒りのツッコミと同時にM4を撃つ。マキリは下がって飛んでくる弾丸の軌道を逸らそうと指で空気を弾かせようとした。

 

「カズキ、たっくん!隙を与えるな‼」

 

「いくぜ‼『SUGOKU TUKAIYASUI』‼」

「うらあああっ‼」

 

 ごり押しと言わんばかりにタクトは土の球を何発も飛ばし、カズキは跳弾射撃でマキリの死角を狙って撃っていく。指を弾かせて飛ばす空気の弾丸でこちらに飛んでくる土の塊を壊し、跳弾して飛んでくる弾丸が銃口の向きを見て躱していく。

 

 ふと自分の視界にフライパンを構えたナオトがタクトが飛ばす土の球の間を縫うように駆けてこちらへと向かってきていたのが見えた。マキリは見えない空気の弾丸を飛ばすが、ナオトはテニスラケットのようにフライパンを振るって弾かせていく。間合いに入りナオトが思い切りフライパンをフルスイングした瞬間、目にも止まらぬ速さでマキリは指貫で防いだ。

 

「‥‥‼」

 

 ジリジリと音と振動を響かせるが、マキリは驚きが隠せなかった。戦いで久しぶりに徒手空拳を使わされた。ナオトは力任せにフライパンを振るう。マキリは躱して後ろへと下がる。

 

「たっくん!今だ‼」

 

 ナオトは大声でタクトを呼んだ。するとタクトは全速力でマキリへと真正面から駆け出す。

 

「うおおおおっ‼エターナル3番アタック‼」

 

 適当な体当たりをするのかと思いきや、突然タクトはヘッドスライディングをかましてきた。しかも当たることなくマキリの足下で止まった。本当に強襲をかけてくるのかと身構えていたマキリは呆れていた。

 

「‥‥どうやら詰みのようですね」

 

「ふっふっふ‥‥甘いぜ。自分の足下を見てみな」

 

 ドヤ顔で笑うタクトにつられて足下を見つめる。今自分が立っている場所はマンホールのど真ん中。一体何があるのかとタクトの考えに理解できなかったが、タクトの黄色いトンボ玉がついたブレスレットが光り出した瞬間、彼が何をしようとしているのか気づいた。

 

「もう遅いぜ‼UNKO VURASUTOぉぉぉぉっ‼」

 

 タクトの気合いの声と共に穴あき魔法『UNKO VURASUTO』が発動される。マキリは今自分が立っているマンホールにぽっかりと穴が開き、重力に逆らえず「‥‥あっ!」と反射的に出てしまった小さな悲鳴と共に落ちていった。マキリがマンホールの中へと落ちたと同時にカズキとナオトとケイスケは急いで駆けだす。

 

「いくぞ!さらにごり押すぞ‼」

「ありったけぶこんでやれ‼」

「投げ放題‥‥!」

 

 マンホールの中へとフラッシュバンやスタングレネード、そしてゲロ瓶を何個も投げ込んだ。閃光と衝撃が木霊し、黙々と臭そうな緑色の煙が上がりマンホールの中はずっと沈黙のままだった。あれだけのゲロ瓶とフラッシュバンやスタングレネードを投げ込んだのだ。手ごたえを感じている。

 

「よっしゃぁぁぁっ‼一本取ってやったぜ‼」

「これだけ投げ込んだんだ。相手は気絶してるだろうな」

「‥‥で、どうするんだ?臭いこの中に行くのか?」

 

 ナオトはふと気づいて3人に尋ねた。今、ゲロ瓶を投げ込んでしまってこの中は視覚にも嗅覚にも最悪の影響を与える。今はガスマスクすら持っていないカズキ達は沈黙する。

 

「‥‥さ、先にメヌエットちゃんを助けに行こうぜ‼」

「そうだぞ!今はブラックウッドを倒してこの霧の事件を終わらせなくちゃ!」

「ロンドンのタワーブリッジはもうすぐだ‥‥お前等急ぐぞ‼」

 

 カズキ達は頷いてマンホールを後にして駆けて行った。ナオトは振り向いて今も尚沈黙のマンホールの穴を見つめたが踵を返してカズキ達に続いて霧の中へ、ブラックウッドの下へと走っていった。




 マキリさん、今のところ素晴らしきヒィッツさんみたいな指攻撃しかしてきてないから全貌が分からない…きっとまだ手の内は隠しているはず…

 一応、原作のマキリさんには指で刺突する攻撃をする弟がいるので彼女も指を使った格闘もするのかなという事で指貫を入れております

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