カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼ 作:サバ缶みそ味
グラセフの他にも…ダイ・ハードにミッションインポッシブル、CSIに、マイアミバイスに、マーベル等々…アメリカはネタが満載ですね
89話
「USA‼USA‼」
ロンドンからフライトで11時間、タクトは夕方でも人々でにぎわうロサンゼルス空港の入国ゲートを無事に通過すると大はしゃぎで踊りだす。何とも陳腐な踊りなため通りかかる人が変な踊りをしているタクトをちらちらと見ながら通り過ぎる。
「きたぜたっくん‼俺達アメリカデビューだ‼いやっはーっ‼」
「USA‼USA‼俺達毎日USA‼」
「うるせえよハゲ‼」
カズキまで悪乗りして踊りだし、ケイスケに怒鳴られてゲンコツを入れて止まるまで注目の的にされていた。もう既に目的を忘れてはしゃいでしまっている2人にカツェはやれやれと肩を竦める。
「もうあたしの言ってたことを忘れたのかよ…いいか?アメリカに来たのは伊藤マキリを追跡することであって修学旅行じゃなry」
「ああっ!?大変だ!ナオトがまたどっかいったぞ!?」
「な、ナオト様なら両替所へ向かった筈なんですが…あれ?すぐそこなのにナオト様のお姿が見られませんね…」
「あのバカ‼どうして歩いてすぐに道に迷うんだよ‼リサ、探しに行くぞ」
「すっげー‼あのハンバーガーでかすぎじゃん!やっぱアメリカはでかいんだな。よーし、早速購入だー‼」
「たっくん!だから勝手にどっか行こうとするなよ‼俺も連れてけ‼」
アメリカ入りしてものの数秒でわちゃわちゃしだすカズキ達にカツェは頭を抱えた。セーラがどうしてそこまで苦労しているのか何となく分かったような気がした。道に迷ったナオトを見つけ、勝手にハンバーガーを購入してもさもさと食べているタクトとカズキを連れ戻し、拗ねたケイスケが喫茶店に入ってコーヒーを飲み終わるまで待つと色々とあってやっと全員が落ち着くまで1時間かかった。ようやくまとまったようで、カツェは彼らに釘をさすようにもう一度目的を説明した。
「いいか?今回アメリカに来たのは伊藤マキリの追跡だ。あいつがアメリカに潜んだってことはここにも『N』のメンバーがいるはずだ」
「じゃあ俺達だけでアメリカ中を探すのか?途方に暮れるぞ?」
ケイスケの言う通り、アメリカは広大な土地を持つ大国で多くの州を持つ。一つ一つ虱潰しで探してはかなりの年月をかける事だろう。
「いや、ジョージ神父の知り合いにCIAの特殊作戦部隊『IMF』の捜査官がいる。その捜査官も任務でアメリカに潜んでいる『N』の組織を捜査しているらしい。あたし達はその人の活動拠点であるニューヨークに向かって一緒に捜査するぞ」
「はへー、ニューヨークだって。ニューヨークでにゅうよーくってかー‼」
ノリノリでダジャレを言い出すカズキを全員スルーし、ニューヨークに向かうという事にナオトが首を傾げた。
「じゃあなんでわざわざロサンゼルスに来たの?」
「うーん、それがよく分かんねえんだ…本来ならニューヨーク空港行きの飛行機に乗るはずだったんだが、何やらニューヨークの方で問題が起きてそこの空港を閉鎖したみたいなんだ」
カツェはニューヨークで何か問題が起きていることに警戒していた。彼らの行く先々でひと悶着があるといつの間にか大騒ぎになるようなドタバタ騒ぎになるに違いない。それにアメリカにはジーサードやらロスアラモス機関やら今だ知らない特殊部隊やらと最先端技術や兵器等がある。一つ一つ気を付けて行かなければならない。
「いいか?既に敵地に入っていることを肝に銘じて慎重に行動して行けよ?」
「ねえナオト、トイレどこー?」
「カズキ、だからあれほどがぶ飲みするなと言ったじゃんか。ほら、ついてこい」
「待てよ?ロサンゼルスってことはラスベガスに行けるってことか‥‥気分転換にカジノ行ってみてえなー」
「そんな事よりハリウッドに行こうぜ‼」
「…まあ、そうなるわな」
相も変わらず緊張感の全くない4人組にカツェは頭を抱えた。果たして彼らは大丈夫だろうかと心配でたまらない。平常運転の彼らのことだしやるときはやるという事を信じるしかない。気を取り直してカツェは一先ずニューヨークに向かう事に専念した。やっとこさカズキ達を連れて空港から出たカツェはリサに確認をとる。
「どうやらニューヨークへ向かう空の便は全て閉鎖しているようだし…行けるとしたら鉄道かバスしかねえなぁ」
「そのようですね。時間は掛かりますが、ここはアムトラックの鉄道に乗った方がいいかもしれません」
リサの意見にカツェは頷く。ロサンゼルスからニューヨークまでアムトラック鉄道だとシカゴで乗り換えをして計2、3日ほどかかる。多少の長旅になるが賑やかな彼らが入ればさほど退屈はしないだろう。そしていち早くニューヨークで何が起きたのか確かめなくてはならない。
「じゃあ鉄道に乗って行くぞ。ちゃんとあたしについて来いよー」
「鉄道かー、カツェは乗ったことがあるの?」
「ああ。アメリカの土地は広大だ。景色は相当楽しめるぜ」
カツェは首を傾げるカズキに嬉しそうに微笑む。車窓からの景色は壮大で見応えがあるが、本当はカズキと一緒に行動できるという事に心踊ろっていた。意気揚々とその鉄道がある駅への道を進もうとしたその時ケイスケが辺りを見回した。
「ちょっと待て‼たっくんがいねぇ!?」
いきなり出鼻をくじかれてカツェは盛大にずっこけた。いざ行こうとした途端にまたタクトが早速やらかしたようだ。ナオトといい、タクトといいどうして好奇心の塊の子供の様に勝手にどこかへ行こうとしているのか。イタリアやイギリスと違って道を間違えればすぐに迷子になってしまう。慌てて辺りを見回してタクトを探す。
「おーい‼皆こっちこっちー‼」
何処へ行ったのか探しているとタクトの声が聞こえてきた。声のする方へ視線を向けると、大型バスの窓からタクトが顔を覗かせて手を振っているのが見えた。ナオトとカズキはタクトが見つかったことに安堵していたが、ケイスケとカツェは勝手にバスに乗っていることにギョッとしていた。
「たっくん何してんだ!?」
「何って、ニューなんたら行きのバスを見つけたから乗ったんだぜ‼」
「ニューヨークだっての‼っていうか勝手に乗るなよ‼」
「心配ないって、ちゃーんと6人乗るって伝えたから‼」
「乗るっておま、勝手に話すなって‼ていうかたっくん英語ちゃんとできてたっけ?」
「ナオト、俺の超天才的なボディランゲージなめんなよ?俺にかかればお手の物だぞ‼」
タクトがどや顔でそう言った途端、カズキ達は急いでタクトが乗ったバスに駆け出した。絶対にタクトのボディーでは伝わるわけがない。カツェとリサが運転手に英語でタクトが乗ったことについて話すと案の定、6人乗るという事以外は伝わっていなかった。タクトが乗ってしまった以上、このバスに乗るしかない。快くタクトを乗せてくれた心優しい運転手に感謝と運賃を払い乗ることになった。
「まったく…言った傍から勝手に行くなっての」
カツェは少し疲れた様子でため息をついた。今度からナオトだけでなくタクトにもしっかり目を付けなければならない。当の本人は全く反省していないようでノリノリなご様子。
「リサ、ニューヨークまでどれくらいかかるかなー‼」
「バスの場合は2日ぐらいは掛かりますね。それまで長い時間座ることになりますのでこの間に疲れを取った方がいいですよ」
「じゃあ存分に楽しめるってことだな!写真も撮っちゃうぞー‼」
タクトとカズキは修学旅行の気分ではしゃいでいる。絶対に途中で疲れ果てる未来しか見えない。そんなはしゃいでいる所にケイスケも入るわ、寝ているナオトは起こすわでその賑わいは止まることがなかった。そんな彼らの様子にカツェは苦笑いをしていた。
「本当に一緒にいると退屈しねえな…」
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ロサンゼルス空港からバスを出てどれ位の時間が経過しただろうか、絶対に途中で疲れ果てて寝てしまうだろうと思いきや、カズキ達は相も変わらず賑やかにしていた。疲れを知らないのだろうかと思ってしまうほどだ。ニューヨークまでかなりの時間もかかる事だし気長に待つことにしよう。
「それにしてもたっくん、よくバスを見つけたよな」
「どうだ俺をもっと褒めたたえろ?道行く人にニューなんたらーって聞いたらそこのバスを教えてくれたからさ」
「「「「…ん?」」」」
どや顔するタクトのその一言にカズキ達全員がピタリと止まった。まさか、もしかして…とそれぞれが嫌な予感をしつつ、ケイスケが一番最初に尋ねた。
「ちょっと待ってたっくん、もしかしてニューなんたらしか言わなかったのか?」
「そうだよ」
即答するタクトにだんだんと嫌な予感がずっしりと伸し掛かる。つまりタクトは行先をニューヨークと言わずニューなんたらとしか言っていないのだ。更に続けてナオトが恐る恐る尋ねる。
「じゃあどうやってそのバス亭を見つけることができたの?」
「なんたらーって言い続けたら地図を見せてくれてさ、俺が文字的にニューヨークっぽい所を指さしたら快く教えてくれたよー」
「「「文字的…?」」」
何処どうしたらそうなるのか。もう嫌な予感しかしないこの状況にカツェはポジティブに考えることにした。
「ま、まあ目的地は『New York』だし、場所を間違える事って流石にねえだろ、あはは…」
「え?MじゃなくてYだったんだ。なるほどー」
笑顔で頷くタクトのその言葉に全員が凍り付いた。そしていの一番にケイスケが怒号を飛ばす。
「おまえ、それじゃニューヨークじゃなくてニューメキシコじゃねえか!?」
つまり、今自分達が乗っているバスはニューヨークに向かうのではなく、ニューメキシコに向かうバスに間違えて乗ってしまったのだ。行先が違っていることにキョトンとしているタクトを除いてカズキ達は慌てだす。
「ちょ、ど、どうするんだ!?行先間違えてるんじゃねえか!」
「どうもこうもねえ‼途中だけど降りるぞ‼」
ケイスケ達は大急ぎで休憩で途中停車した場所から運転手に事情を話して下車をした。快く途中下車を許してくれた運転手には大変申し訳ない。しかし焦って降りたこの判断が更に混乱を起こすことになった。
降りた場所は辺り一面乾燥した大地しか見えない広い駐車場が取り柄しかない小さなコンビニ。大都会のはずがまさかの殺風景という事にカズキ達4人は呆然としていた。
「‥…枯れた大地しか見えないぞこれ」
「しまった、ここコンビニしかねえじゃねえか」
「というかここどこなんだよ‥‥」
「まあまあ、そう焦るなってお前等。こんな時こそポジティブポジティブ~‼」
原因であるタクトはぶれないどころか全く反省しておらず、カズキとナオト、ケイスケにそれぞれゲンコツを入れられてしまった。さっそくハプニングが起きたことにカツェはため息をつく。
「いきなり起きるとは思いもしなかったぜ‥‥しかたない、ここはヒッチハイクか、車をレンタルできる場所まで行くしかねえな」
しかしながら辺りはもう日が暮れて暗くなってきている。唯一明りのあるコンビニから離れれば暗い道を通る事になるし、ヒッチハイクもうまくできるかどうか。取り敢えずやる事が決まるとカズキは気を取り直して張りきりだす。
「よし…道尋ねおじさんになるしかねえな‼」
「誰だよそれ…」
しかしながらこの面子でヒッチハイクができるかどうか、そして6人全員乗れる車に乗ることができるのだろうかと色々と問題点もある。ここではそんな車かトラックが来るかどうかも分からないので車がよく通る場所まで歩くことにした。
「俺達のー車がくるまでー♪」
「歌うのか早く歩くのかどっちかにしろや」
「…眠い」
カズキはノリノリで歌いだすわ、ケイスケはずっと苛立ちっぱなしだし、ナオトはもう眠たそうにしているしと本当に大丈夫だろうかとカツェは心配しながらも歩く。そんな時、タクトが道路を外れて乾いた大地の方へと歩き出した。
「たっくん、どったの?」
「カズキ、見ろよ‼あんなところに車が停まってるぜ‼」
タクトが指さした先には乾いた土地の所にぽつんと黒のトヨタランドクルーザーが停まっているのが見えた。ケイスケは一体どうしてこんな所に車が停まっているのかと疑問に思いながらも、早速見つけておはしゃぎで駆けだすカズキとタクトの跡に続いた。
「でかしたぜたっくん‼これで何とか乗せてもらえそうじゃん!」
「あれ?でも誰も乗ってないみたいだぜ…?」
カズキとタクトは車を覗き込むと誰も乗っていなかった。放置なのかそれとも捨てたのかと首を傾げる。ケイスケはボンネットに手を置いた。わずかながらも熱がこもっており、何十分か前ぐらいにここに来て車を停めたことがわかった。
「こっちに足跡があるぞ」
ナオトは足跡を見つけ皆に知らせる。4人ぐらいの足跡と何かをひこずった跡が見られた。この後を辿って行けばこの車の持ち主たちに会うことができるだろう。
「それにしてもなんでこんな所に停めたんだろうな?」
「ケイスケ、あれじゃね?所謂キャンプってやつだろ」
こんな所でキャンプをする必要があるのだろうかと疑問に思いつつ辿っていくと遠くでその持ち主であろう人達が見えた。しかし、ケイスケとカツェはそれを見た途端にさらに警戒しだす。
「おい、どう見てもキャンプをするような連中じゃないぞ…」
「明らかに関わったら面倒な事が起きる気がするぜ…」
二人が警戒している通り、黒のスーツに黒のサングラスと何処からどう見てもキャンプをしに来たという雰囲気ではない人達だ。そして先ほどまでノリノリであったカズキも次第に警戒の色を見せた。
「というか…あれ誰か倒れてない?」
カズキが指さしている先には、スーツを着た5人の男達の足下で一人、男性が倒れているのが見える。あの状況を見て、絶対に声を掛けたらまずいという気が感じられた。
「絶対にあれはまずい気が‥‥って、たっくん!?」
ナオトは皆に警戒するように言いかけたところ、タクトがルンルン気分でそのスーツの男達へと近づいてしまった。
「ヘーイ‼エクスキューズミー‼僕達道に迷ったデース‼どうか乗せてくだサーイ‼」
タクトは適当な英語訛りの日本語で声を掛けだす。適当なボディランゲージと適当なしゃべりに気付いたのかスーツの男達は焦る様にタクトの方へ振り向いた。タクトは通じたと思い、更に変な踊りを兼ねる。
「どうかこのとーりデース‼僕達をニューヨークまで乗せてチョウダーイ‼」
タクトは自分のパーフェクトなボディランゲージだとどや顔をした。しかし、返ってきたのはタクトへの答えではなかった。男達は一斉にマイクロUZIやMP7を構えだした。相手がタクトを完全に殺す気でいることに気付いたケイスケはすぐさま叫んだ。
「ヤバイ‼たっくん離れろ‼」
ケイスケの大声にタクトはすぐさまその場から離れようと走り出す。ナオトは撃たせまいとすぐさまスーツの男達に向けて腰のポーチからスタングレネードを取り出してピンを引き抜いて投げた。
「カツェ、たっくんを頼む‼」
「ああ、任せろ‼」
カズキの合図にカツェは頷き、水の入ったボトルの蓋を開けて水を操り、タクトに弾丸を当たらせまいと水の壁を張る。タクトは頭上を通り過ぎたスタングレネードを見ると直ぐに耳を塞いでうつ伏せになった。
スタングレネードが炸裂しスーツの男達が怯むとカツェは水の弾幕を飛ばした。水の弾幕はスーツの男達の腹へと思い切り直撃し、スーツの男達は次々に倒れていった。
「ふぅ…流石にここでいきなりドンパチ騒ぎになると面倒になるからな」
とりあえずタクトを助けることができて一息つく。なんとか助かったタクトはほっと一安心をした。
「あ、危なかったー。まさかコミュニケーション失敗には焦ったぜ」
「…そんな失敗怖すぎるんだけど」
「というかこいつら一体何もんだ?」
ナオトはタクトに呆れながらもツッコミを入れ、ケイスケは戦闘不能になったスーツの男達を不審に見ていた。
「うぅ‥‥」
そんな時、倒れていた男性がうめき声を上げて起き上がりだした。カズキ達は驚いて身構えたが、その男性は体格もでかく逞しい体つきをしているが怪我をしていることに気づいた。スーツの男達とは違うようで彼は被害者のようだ。ケイスケとリサはその男の下へ歩み寄る。
「大丈夫か‼ってかかなりの怪我じゃねえか。リサ、手当てするぞ!」
「は、はい!」
「き、君達が私を助けてくれたのだな…」
その男性は安堵したように軽く笑う。ズタボロになるほどの怪我をしているというのにかなりタフなようだ。男は痛みに耐えながらもゆっくりと立ち上がった。
「あ、あまり無理はしていけません‼両手両足にかなりの傷がみられますし…」
「大丈夫だ。こういうのは慣れている…それよりも、此奴らが乗った車は…?」
「この向こうに停まってる。まさかその怪我で運転する気か…!?」
その男性のかなりのタフさにカツェは驚く。けれどもそれは無茶で無謀だ。
「戦場にいた頃はこんな怪我…いたたたた…流石に無理か」
「だったら俺達がついてやってあげるよ‼」
「うええっ!?たっくん、マジでか!?」
「カズキ、驚いてる暇はない。やれるのは俺達しかいないし」
タクトに続いてナオトまでも言い出す。タクトやナオトの言う通り、ここでほっとくわけにはいかない。やむを得ないとカズキは頷いた。その様子に男は不思議そうに見て目を丸くしていた。
「君達が‥‥?君達は一体…」
「俺はアメリカにたぶん伝わりしハリウッドスターエディション、菊池タクトだぜ‼」
「そしてそのリーダーの吹雪カズキ‼」
「…江尾ナオト」
「天露ケイスケだ。俺達は日本の武偵でニューヨークまで向かう予定だったんだ」
「なるほど‥‥日本の武偵だったのか。私はマイケル・セガール…」
「え…?マイケル・セガールって、あんた本当にマイケル・セガールなのか!?」
男性の名を聞いたカツェはぎょっとしてマイケル・セガールと名乗った男性を指さす。どうして驚いているのかとカズキ達は首を傾げていた。
「カツェ、そのマイケルさんは知り合いなの?」
「どっかで聞いたことがある気がするが、ピンと来ねえな」
「もしかしてファンだった?」
「…お知り合いかも」
「お前等此奴の名を聞いて驚かないのかよ!?マイケル・セガール…彼は正真正銘のアメリカの大統領だぞ!?」
「‥‥え゛!?あのアメリカ大統領ってお前マジか!?」
ケイスケは大統領だと聞いてギョッとしていたが、カズキとタクトとナオトはキョトンとしていた。
「え?大総統?」
「大納言?俺は大納言モナかは好きだぞ?」
「‥‥誰?」
「本当にぶれねえなおい!?」
カツェは平常運転の3人にツッコミを入れる。英国王子の時といい、どうしてこうも恐れを知らなすぎるのだろうか。
「で、ですがどうしてアメリカ大統領のお方がこんな所に…?」
リサは大統領であるマイケルの手当てをしつつ尋ねた。マイケルは静かに頷いて答えた。
「事情はかなり深刻なんだ…すぐにここから離れて、急いで戻らなければ。早くしないと彼が無実の罪を背負ったまま殺されてしまう」
マイケルからかなりヤバイ一件だと伺える。というよりもアメリカ大統領がこんな所に連れてかれて殺されかけるというので明らかに一大事である。
「…教えてくれ、一体何が起きているんだ」
もしかしたらニューヨークの空港が閉鎖したのもこの一件に関係あるのかもしれない。そして今このアメリカで何が起きているのかが知らなければならない。カツェはアメリカ大統領、マイケル・セガールに尋ねた。
「…ジーサードが大統領を誘拐し、殺人未遂を起こしたとされアメリカ全土に指名手配されている。これは全て副大統領、リチャード・フランプと‥‥彼と手を組んだ『N』の仕組んだ罠だ」
インディペンデンスデイ、エアフォース・ワン、ホワイトハウス・ダウン、メタルフルフカオス、セインツロウ…と大統領自ら戦う作品は好き(異論は認める)