カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 アメリカ編…国も、土地も、町も、かなり広いので一つ一つ練るのも大変(白目)
 もしかしたらイギリス編よりも時間が掛かりそうかも…頑張る‼


91話

「ねーケイスケ、いつになったらオクラ州に着くんだ?」

「だからオクラホマ州だつってんだろ。というかまだまだだと何べんも言わすな」

 

 トヨタランドクルーザーを運転しているケイスケはこれで何回目かのタクトの質問に苛立ちながら答える。タクトに至ってはかなり退屈そうに車窓の景色を眺めていた。ケマードの喫茶店を出てから見えるはずっと荒野ばかりで飽きてしまっていた。

 

「たっくん、仕方ないって。こっからテキサスに入るまで6時間以上もかかるんだぜ?」

「うぇえっ!?6時間も!?ヤダヤダー‼」

 

 カツェが退屈だと騒ぐタクトを宥めさせようとしても逆効果のようで更にタクトは騒ぎ出す。彼にとって退屈は天敵なのかもしれない。

 

「カズキなんか面白い事して‼マンボウのマネとか」

「しょうがねえなー…じゃあスーパームーン音頭アメリカバージョンを歌っちゃうぞー‼」

 

「スーパームーン音頭したらお前だけ降ろすからな」

 

 ケイスケに釘を刺されカズキはよっぽどの自信があったのだろうか、かなりしょんぼりと肩を落とした。先程から緊張感のない彼らのやり取りを見ているマイケル・セガールは昔を懐かしんでいるように頷いていた。

 

「…君達を見ていると、まだまだ若かった頃が懐かしい。将兵時代によく仲間達と面白騒がしくしていたな…」

「マイケルには親友がいたの?」

 

 大統領を普通にマイケルと呼び捨てしているタクトにカツェとリサはギョッとしていたが、マイケルは全く気にせずに笑顔で頷いた。

 

「ああ。沢山いたよ…共に戦場を駆けた仲間達が。けれど今は皆それぞれの道を進んで行った…」

「でもソウルメイトならずっともだね!」

 

 『ソウルメイト』という聞いたことがない言葉にマイケルはハテナと首を傾げた。タクトはニシシと笑いながら話を続ける。

 

「ソウルメイトはサイキョーの絆で結ばれた言わば宇宙ヤバイくらいのズットモさ‼」

 

「だな!俺とナオトみたいな感じでさ」

「…そうか?」

「おおい!?そこは合わせろよ‼」

 

 ギャーギャーと騒ぐカズキ達の様子を見てマイケルは納得したように頷き、羨ましそうに微笑んだ。

 

「成程、君達が羨ましいな。私もそのような友がずっと傍にいてくれれば…」

 

 それはどういう事かカズキとタクトは首を傾げた。気になって尋ねようとしたが、ケイスケの突然の舌打ちに遮られた。ケイスケとカツェは車のラジオを聞いて深刻そうに睨んでいた。

 

「まずいな…大統領の誘拐事件で大騒ぎだぞこれ」

「さっそく先手を打ってきたってわけか…」

 

 ラジオから流れているニュースによると、ジーサードとその仲間達が大統領を誘拐し何処かへ監禁、若しくは拘束したまま移動をしており、アメリカの全州の警察、公安、武偵が一斉捜索を行っている。そして大統領らしき人物を目撃したら即通報をするようにとの内容であった。

 

「ケイスケ、そんなに機嫌を悪くするなよ。ラジオの調子が悪いからって物にあたるのはよくないぞー?」

「というかさっきから流れているラジオって何語?」

「宇宙人みたい」

 

「そんな気がした!お前等イギリスで英会話できるようになったのにもう忘れてやがる‼リサ、このバカ共に教えてやってくれ」

 

 英語のニュースを聞いてチンプンカンプンなカズキとタクトとナオトはリサに教えてもらい、やっとその内容に驚いていた。

 

「アメリカ全土ってかなりの大規模じゃん…やばくね?」

「しかも警察や公安、武偵だけじゃねえ。恐らくFBIやCIA、軍といったアメリカの全兵力を注いで探しているだろうな」

「ちょ、それってやべえじゃねえか!?」

 

 ケイスケは焦りだす。今現在大統領と共にオクラホマ州へ向かっているのだが、彼らはジーサードの仲間達と見なすだろう。もし大統領だとバレてしまったら自分達も指名手配される。

 

「なーるほど、俺達ってもうアメリカで有名人になっちゃったわけか‼」

「…たっくん、そういう問題じゃない」

 

 意味を理解していないタクトは褒められたかのように照れているが、そういう問題ではない。ここから先は慎重に進まなければならない。

 

「いいか?大統領だとバレねえように辺りを警戒しつつ進むぞ。それから都市は既に捜査網が広がっているだろうし、極力避けて行こう」

 

 カツェの案にカズキ達は頷く。警察や武偵ならまだしもFBIやCIAといった警察機関や諜報機関に睨まれたらひとたまりもないだろう。カズキ達はそれらにどう対処していくのか、カツェは色んな意味で心配をした。

 

___

 

 ニューメキシコ州の荒野の道を通ってどれくらい時間が経過したのだろうか。今の所、警察や武偵に遭遇することなくただ只管に道なりに進んでおり何事もなかった。彼らと一緒にいて何事もないという事はないはずなのだが、とカツェは気になりだす。このまま順調に進んでいけばいいと考えていたが、そう思った矢先に事態は起こった。

 

「‥‥たっくん、やけに静かじゃね?」

 

 それはナオトのふとした一言で起きた。ナオトの言う通り、いつになったら到着するのか、退屈だと騒いでいたタクトが沈黙をしていたのだ。タクトが騒がずに黙っているのは珍しい、カツェはちらりとタクトの様子を伺う。

 

 タクトは菩薩の様な顔をして正面を向いたまま沈黙していた。その眼は何処を見つめているのか、どこか遠くを見つめているような眼をしている。

 

「た、たっくん?どしたの?」

 

 ずっとこの表情になったいるタクトにカズキは気になって尋ねた。退屈を通り越した状態なのか、またはた何か面白い事を思いついたのかと考えていたが、タクトはゆっくりとカズキの方に顔を向けて見つめてきた。

 

「…かずき、俺達親友だよな?」

 

 それは沈痛な面持ちでタクトは尋ねてきた。カズキはそれがどういう意味なのかと首を傾げるがすぐにその意味を理解してギョッとした。

 

「たっくん‥‥も、もしかして」

 

「‥‥お腹痛い。つか噴火しそうでヤバイ」

 

「「「はああああっ!?」」」

 

 まさかのタクトの腹痛にカズキ達は呆れと驚きと焦りの混ざった声を上げた。

 

「ちょ、お前マジか!?マジなのか!?」

「ここでやらかしたら色んな意味でマズイ‼け、ケイスケ、トイレとか無いのか!?」

「こんな道にあるわけねえだろ!」

 

 このままではタクトと車内が非常にまずい事になる。ケイスケは急ぐようにアクセルを踏んで車をとばす。

 

「ホントは行きたくねえが…アルバカーキまでぶっ飛ばすからな‼たっくん、それまで耐えろよ‼」

 

 この辺りで近くにある町だとこの先に進んだ先にあるアルバカーキだけである。猛スピードで飛ばせば1時間ぐらいで到着するだろう。それまでにタクトが我慢できるかどうか、時間の問題だ。

 

「さ、三十分ぐらいなら‥‥」

「落ち着いてリラックスをすればいいんじゃ?」

「ナオト、それだ‼たっくん、俺に合わせて呼吸をするんだ‼ひっひっふー、ひっひっふー」

「それは出す方だろ‼」

「た、タクト様‼整腸剤がありますのでどうぞ…‼」

「ドクターから聞いたことがあるがら腹痛を抑えるツボがあるらしいぞ」

 

 タクトを色んな意味で落ち着かせようとやんややんやと車内は騒ぎ出す。やっぱり彼らにいるとトラブルはつきものだとカツェは苦笑いしてため息をついた。

 

__

 

 ニューメキシコ州の中央部にある州最大の商業都市、アルバカーキ。街並みはアメリカンハウスではなく、スパニッシュ系の建物やネイティブ系の赤土の建物が多い。ケイスケが猛スピードで運転し、リサのくれた下痢止めのおかげでタクトは何とか耐えることができた。カズキとナオトの応援の歌は余計だったようだが、オールドタウンにあった小さなショッピングモールに駐車してタクトはトイレへと駆けこんでいった。絶対に迷ってしまうだろうとカズキとカツェとナオトとマイケルが同伴していった。一先ず事なきを得たとケイスケは大きくため息をついた。そんなくたびれているケイスケにリサは優しく労いの言葉とコーヒーを送った。

 

「お疲れ様です、ケイスケ様」

「だからあれほどシェイクを飲みすぎるなって言ってたのによ…」

 

 ケイスケは疲れたようにコーヒーを啜りながら愚痴をこぼすが、すぐに切り替えた。この街からいち早く出る必要がある。もしかしたらもうすでに刺客かもしくはCIAかFBIの追手が来ているかもしれない。

 

「兎に角、たっくん達が戻ってきたらすぐに発つぞ。しばらくずっと車の旅になるから今のうちに食い物とか水を買っとくか」

 

 食糧も欲しいがあとは情報が欲しい。ジーサードが今どこにいるのか、ニューメキシコからその先はどれくらい捜査網が広がっているのか、色々と集めてまとめなければならない。その情報をどう集めていくか考えていると、リサが辺りを警戒して見回しているのに気づいた。

 

「ケイスケ様、こちらを見ている方々がいるようです…」

「まじかよ。もう来やがったってのか…‼」

 

 ケイスケは舌打ちして悪態をつく。辺りを注意深く見まわすと、駐車した場所から離れた場所で何台かの黒のベンツが取り囲むように停まっており、半開きの窓からこちらを伺っているのが見えた。いつからつけて来ていたのだろうか、このまま待ちぼうけしているとまずい。車のバックスペースからケイスケはそれぞれの武器が入ったケースを急いで取り出していきいくつかはリサに渡した。

 

「このまま気づいていないふりをしてあいつらの所に急ぐぞ…」

 

 小声でリサに指示を出してそそくさと早足でショッピングモールへと向かう。ちらりと後ろを見ると黒のベンツから黒のスーツを着た男達が次々に降りて来た。内心ぎょっとしたケイスケとリサは足を速めた。

 

__

 

「俺、再臨‼」

 

 タクトはトイレから意気揚々と出てきた。どうやらすっきりして満足したようである。一先ずこれで安心だとカズキはほっと息をついた。

 

「いやー…一時はどうなるかと思ったぜー」

「今の俺はハイパー無敵スッキリエディション‼これでもう負ける気がしないぜ‼」

「腹痛には負けかけてたけど」

 

「彼らは面白いな…この先どうなるか楽しみだ」

 

 マイケルは面白そうにカズキ達のやり取りを見ていた。そんな大統領にカツェは肩を竦めて呆れながらカズキ達を見つめる。

 

「そのままいくと楽しみどころじゃなくなるぜ?あいつら世界遺産を壊しかけてたし」

 

 まだまだ序盤だというのにこの調子だと目的地に着くまで大分時間かけてしまうだろう。ここで時間をかけるわけにはいかないというわけでカツェは彼らに急ぐように告げようとした。

 

「いた!お前等急いでこっから出るぞ‼」

 

 ケイスケとリサが急ぎ足でこちらに向かってきているのが見た。荷物をまとめて持ってきていることからカツェはもう追手が来たという事に気付く。

 

「えー、ケイスケ、まだおやつ買ってねえぞ!」

「そうだぞ。皆で来たんならまずはショッピングするべきだ!」

 

「そんな暇あるか‼」

「ケイスケの言う通り、そんな余裕はないみたいだぞ…」

 

 ケイスケの後ろの先から黒のスーツを着た男達がぞろぞろとこちらに向かってきているのが見えた。副大統領とネモの刺客か、またはた諜報機関の連中かケイスケとカツェは警戒する。下手に逃げると触発されるだろう。

 

「…君達に少し聞きたいことがあるのだが、いいかね?」

 

 そのスーツを着た男達の先頭にいた金髪で口の周りに薄っすらとヒゲを生やした中年ぐらいの男性がカズキ達に話しかけた。ケイスケは警戒して、カズキは焦って、ナオトは首を傾げて黙っていたがタクトが興味津々にその男性に尋ねた。

 

「おじさん‼まずはどちら様なのか自己紹介するのが大事だってイギリスのレディに言われるぜ!」

「…ふ、そうだったな。失礼した」

 

 タクトのジョークが通じたのかその男性はふっと笑うと胸ポケットから手帳を取り出してカズキ達に見せた。手帳には白頭鷲と星の紋章が描かれていた。

 

「私はCIA捜査官のケビン・レフナーだ」

 

 まさかのCIAの登場にカツェはごくりと生唾を飲んだ。緊張しているカツェとは反対的にタクトとカズキは全く恐れずにいた。

 

「俺はアメリカの大地に舞い降りし、ハイパー無敵エディション武偵マスター、菊池タクトだぜ!」

「それで…そのシーモアーの人が俺達に何か用があるの?」

 

 どうしてこんな場面でも間違えるのかとこけそうになった。ケビンは冷静に口を開く。

 

「実は我々はある事件の捜査を行っていたのだが…」

「それって大ry」

 

 タクトが大統領だという前にケイスケがタクトの足を思い切り踏んで遮る。相手はこちらがぼろが出るのを伺っている。下手するとここで捕まるか、この先狙われてしまう。悶えているタクトに代わってケイスケが尋ねた。

 

 

「それってどんな事件なんだ?」

「すまないがそれを教えることはできない。質問に答えてもらおうか?君達が乗っていた車の事なのだが…あの車はどこで手に入れた?」

 

「‥‥何故、それを聞くんだ?」

 

 恐る恐るケイスケが尋ねるが、ケビンは即答をする。

 

「その車は我々が探している人物の専用の車なんだ。車のナンバーが奇しくも一致しているのでね」

 

 しまったと、ケイスケは心の内で舌打ちをする。一体そんな情報はどこから入って来たのか、いや副大統領の差し金か、と考えるが今はそれを考えている場合ではないと首を振る。

 

「なぜ、君達がその車を持っているのか詳しい話を聞きたい」

「生憎だけど…あたし達にそんな暇はなry」

「ホワイトマウンテンブラストー‼」

 

 カツェが言い終わる前にタクトがポーチから発煙手榴弾を投げつけた。いっきに白い煙が巻き上がりケビン達の視界を遮らせる。

 

「ちょ、たっくん!?なにしてんの!?」

「あいつら追手なんでしょ?ここでマイケルが捕まったらやばいじゃん!」

「たっくんのいう事もわかるけど相手はCIAだぞ!?」

 

「どちらにしろチャンスだ‼こっからすぐに出るぞ‼」

 

 まさかの発煙手榴弾にケビン達CIAが意表を突かれ隙ができている。カツェの合図にカズキ達は出口とは反対の方向へと走りだす。

 

「今まで乗ってた車は!?」

「んなもん目がつけられちゃダメに決まってんだろ!撒いてから新しいのを探す!」

「いやっほー‼逃げるが勝ちだぜ‼」

 

 カズキ達はケビンからCIAを撒くために走り出していった。漸く煙が薄くなって離れて行ったカズキ達にケビンはサングラスを外してしかめっ面をする。

 

「最近の武偵は色々と問題を起こすのが流行りなのか…!彼らは重要な手がかりだ、彼らを捕まえるぞ‼」

 

 ケビンは部下達に指示を出して走らせる。

 

「彼らも指名手配に出しますか…?」

「むぅ…そうしたいのも山々だが今はジーサードが指名手配されていることに混乱が起きている。余計な刺激になるやもしれん」

 

 各地の市民や兵士達が副大統領のジーサードを指名手配するという声明に猛反発している。余計な混乱を巻き起こり兼ねない。そしてもう一つ理由があった。ケビンはCIAに全く恐れなかったタクトを思い出す。

 

「少し腑抜けているように見える彼らが、大統領の誘拐犯に見えるかね?」




 ちょっと曖昧だったり、ぐだったり、中途半端な感じになりました…(焼き土下座)

 ケビン・レフナーさんのモデルは俳優、ケビン・コ〇ナーさん。
 『ボディーガード』や『アンタッチャブル』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などに出演。
 ダンディなパパなCIAエージェントの役を演じた『ラストミッション』は個人的に好き
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