カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼ 作:サバ缶みそ味
しばらく時間が空いてしまうことがあるかもしれません。ご迷惑をおかけして申し訳ございません
ニューメキシコ州の境を通り越し、テキサス州へと入ったケイスケ達。クライスラー・プロウラーリムジンこと『キャノンボール』を飛ばして進んでいた。
「追跡を撒いたのはいいが…」
運転をしているケイスケは悩みながらつぶやいた。CIAの追跡を撒くことができたが、この先もCIAだけでなくFBIやら軍事組織やらの追跡は続くだろう。それに『キャノンボール』、確かに速いのだが、リムジンと形態がやたらと目立つ。JJ達には申し訳ないが大統領の親友とやらがいるオクラホマ州に着いたら乗り換えようかと考えた。そして、ケイスケの悩みはそれだけではない。
「…なんか臭くない?」
「ナオトー‼お前屁をこいただろ!」
「はあっ!?こんな狭い所でするなよ‼」
「ごめーん、俺だわー」
「たっくん‼あれだけ屁をこくなっていったでしょうが‼」
「じーんせーいらーくあぁりゃへーもでーるさー、プップー♪」
「…くさい」
後部座席にいるカズキ達が車内を喧しくする。その狭さ故、五月蠅さと暑苦しさが何倍に増しておりケイスケのイライラが段々と積み重なっていった。
「うるせええっ!少しは落ち着けよ‼」
「ケイスケー、まだ着かないの?」
「たっくん、まだ手羽先州についたばっかりだよ?」
「テキサス州な。このまま道なりを真っ直ぐ、アマリロを通過して突き進んで行けばオクラホマ州に入るぞ」
カツェの言う通り、ここから先は真っ直ぐ行けばテキサス州を通過できオクラホマ州へと入ることができる。しかし、カツェはどうしたものかとため息をついた。
「CIAに追われることになると多少面倒なことになっちまうな…」
「なんで?撒いたからもう追ってこないでしょ?」
首を傾げるタクトにカツェは首を横に振った。
「いや、まだまだだ。CIAは今度はFBI、各州の警察機関、そして軍と連携を取るだろうな。そうなると、包囲網を突き破って進むのは至難の技になる」
「なーんだ、簡単じゃん!俺達なら強行突破するぜ‼」
現状の厳しさを理解していないタクトはニシシと笑う。この4人組は壁を上るんじゃなくて壁をぶち壊して突き進むので絶対にごり押しでやらかすに違いないとカツェは肩を竦めて苦笑いをした。
「まあお前等なら大丈夫そうな気がしてきた…だが、どうするんだ?流石にこの車だと目立つぞ?」
「そこなんだよなぁ…スピードなら負けないが、数でこられたり先に待ち構えられていたらまずい」
ケイスケはどうしたものかとため息をついた。そんな時、タクトが思い出したかのようにケイスケに尋ねる。
「ケイスケー、武器の荷物は積めたとしても…他の荷物はどこ行ったの?」
「あっ…」
タクトのさり気ない一言にケイスケは思わずブレーキをかけてしまった。武器の入った荷物はバックスペースに押し込めることができたが、それ以外の荷物は入る事ができなかった。CIAの追跡がもう間近に迫って来ていたので焦ってそれらを詰め込む暇がなかったのだ。ましてや弾丸の補充分もこの先の戦いを考えると全く足りない。
「それを忘れてたぜ…」
「ええー‼それじゃあおやつがないってことかよ‼」
「…おやつは重要じゃないと思う」
「やむを得ない。この先にある街、アマリロで買い込んでおこう」
ここはマイケルの意見に従ってアマリロで途中止めて買い込んでおくしかない。それに燃料の補充もしておく必要がある。
「しゃあねえ、アマリロで一時休憩するぞ」
「いやっほー‼アロマリロード‼」
「アマロリロード‼」
やっと狭い空間から一時解放されることにカズキとタクトははしゃぐいだ。はしゃいでいる二人に対し、カツェはジト目で彼らを見つめる。
「一応言っておくが、車も目立つしあまり派手な行動はするなよ?」
「「いやっはぁーっ‼」」
「…ねむい」
「カツェ、俺らが派手な行動をしないことができると思うか?」
いつも通りの4人組にカツェはこいつら絶対にやらかすだろうなと遠い目をしながらため息をついた。
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ニューメキシコ州のアルバカーキから道なりに進むと行き着くテキサス州北部にある街、アマリロ。西に行けばニューメキシコ州、東へ進めばオクラホマ州と荒野で何もない区間の中間にあるため交通の要所となっている。また、旧ルート66ハイウェイの街で有名であり、旧西部の雰囲気を醸し出している街でもある。
その街角にある無人となった駐車場でクライスラー・プロウラーリムジンを停めてカズキ達を下した。タクトは背伸びをしてはしゃぎだす。
「ヒャッハー‼テキサスー‼」
「あのなたっくん、観光気分で来てる訳じゃないんだからな?」
ケイスケはため息をつきながら紙袋を渡す。紙袋の中にはカツラやらサングラスやらといった変装セットが入っていた。追跡してくる連中からは顔がわれているかもしれない、そこで変装して弾薬やら食糧やらを買い込んでいくのであった。
「まさかここでたっくんが理子から借りパクしてたものが役に立つとはな」
「おっ、なんかルパンっぽくて楽しそうだな!」
「変装なら任せろー!よく分からないだけど得意だぜ」
がさごそと紙袋の中身の変装セットを我先にと取ろうとするタクトとカズキとナオトの3人を他所にカツェは髪を結いながら段取りを説明した。
「いいか?まだまだ追跡の手があるからこの街で長居は禁物だ。素早く買い込んで30分以内にここに集合。最低でも10分までは待つ」
捜査網は既にここにも敷かれているだろう。下手に長く居座っていると見つかる可能性は高い。彼らの追跡の恐ろしさをカツェはよく分かっていたのだが、肝心のカズキ達はあまり人の話を聞いていないようであった。
「おい、お前等なんで同じカツラを被ってんだよ。ラーメンみたいだな」
「はっはー、どうだカッコイイだろ!」
「ラーメン兄弟爆誕だぜ‼」
全く同じチリチリした髪のカツラを被っているカズキとタクトはドヤ顔をする。ナオトはうどんみたいな髪のカツラを被ってご満足な様子になっており本当にこの状況を理解しているよりも楽しんでいるようだ。
買い出しは二組に分かれた。カズキ、タクトのラーメン兄弟とナオト、大統領のマイケルは食糧の買い出しを、ケイスケ、カツェ、リサは弾薬とガソリンの補充をする。
「いいか?30分以内には戻れよ?」
「任せろって、ラーメン兄弟に不可能はねえ」
「いくぜ兄弟‼」
「おれ、うどんなんだけど」
カツェが念を押して言ったものの、果たしてちゃんと聞いて戻って来てくれるだろうか、ちゃんと大統領の護衛ができるのだろうかと心配になって来た。
「ナオトとカズキがいるし、多少は大丈夫だろ。俺達も急ごう」
「ああ…最悪の場合、車は乗り換えることも考えておかねえとな…」
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「で、どこで買い物すればええのん?」
「「えぇぇぇえええっ」」
アマリロの街道をしばらく歩き続けて数十分、先頭を歩いていたカズキがふと振り返ってタクトとナオト尋ねてきた。二人はてっきりカズキが場所を知っているのであろうと思っていたので思わず甲高い声を上げて驚いてしまった。
「てゆうかここどこ?」
「はあ!?お前、ナオト並みに迷子じゃんか!」
道行く道を歩いていたため、自分たちがどの辺りにいるのかさえも把握できず、今の状況は完全に見知らぬ土地で迷子になっていた。カズキとタクトのラーメン兄弟はてんやわんやになっていたが、ナオトは落ち着いていた。
「慌てすぎでしょ。俺たちには大統領がいるじゃないか」
「「ナオト、お前天才か!?」」
ナオトの鶴の一声で希望に満ちた笑みをしながら目を輝かせる二人はさっそくマイケルの方へと視線を向ける。二人の特大な期待の眼差しにマイケルは苦笑いをしながら頷く。
「将校時代はこの辺りにも来ていたからね…多少昔と道や建物は変わっているようだが、ここからお店はそう遠くないよ」
マイケルが先導して進みなんとか買い物ができると3人は安堵していたが、交通が多いところではアメリカの探偵校の生徒達であろうか、何人もの武偵が辺りをうろついていたり聞き込みをしていた。
「うーん?心なしか武偵が多くね?」
「もうすでに操作網が敷かれているのかも・・・・」
CIAが情報を撒いたのかどうかは分からないが、下手に動くと怪しまれてしまう。ここは慎重に動かなければならないとマイケルはカズキ達に言おうとした。
「ちょっと待って、俺たちも武偵なんだし別に怪しまれずにすむんじゃね?」
「確かにー!だったらびびらずに正々堂々行こうぜ!」
「早くしないとケイスケが怒るし・・・・」
3人は慎重にするどころか全く警戒せずにずかずかと道を進んでいく。
「おーれたちラーメン兄弟♪サイキョームテキのラーメンがかがーやくー♪」
「ボクタチエイゴワカリマセーン。トムの勝デース」
「・・・・・」
カズキは突然よく分からない歌を歌いだすわ、タクトはよく分からない片言で語りだすわで進みだした。話しかけれないようにしているつもりのようだが逆に目立ってしまっている。ナオトに至っては我関せずと言わんばかりに無言で他人の振りをしていた。
「おい、そこで変に喚いているお前等、少しいいか?」
案の定、武偵に引き止められてしまった。その武偵は茶髪で体格が大きく、その後ろには3人ほどの同じ体格の仲間がいた。カズキ達はぴたりと止まって彼らのほうへ振り向く。
「へーい、俺たちラーメン兄弟に何の用だ?」
「俺たちラーメン兄弟!こう見えて俺たちは忙しいんだぜ・・・今夜のラーメンは塩にするか豚骨にするかでな!なあパパ!」
「えっ?あ、うん」
「おれうどん」
3人は関わらないようにとしているのだが全くの逆効果であった。茶髪の武偵は怪しそうにカズキ達を睨む。
「何言ってるのか意味が分からないが、怪しいな・・・」
「CIAの情報で大統領誘拐事件に関与してるかもしれない連中がテキサス州に入ったって聞いたからな。既にこの街に来ているかも知れねえ」
その言葉を聞いたカズキとタクトはドキリとして生唾を飲んだ。その事件に関与してるし、件の大統領はここにいるのだ。二人の一瞬の動揺を茶髪の武偵は見逃さなかった。
「おい・・・お前等怪しいな?もしかして、何か知ってるんじゃないのか?」
「い、いや!俺たちはラーメン兄弟だからラーメン以外は何も知らないぜ!」
「ラーメン兄弟は大統領誘拐事件と全くの縁がないぜ!麺だけに!]
「おれうどん」
なんとか誤魔化そうとしているのだが、かえって疑いの目が強くなっていた。
「やっぱり何か知ってるな?悪いがうちに来てもうらぞ?」
「抵抗するなら力尽くでも来てもらうからな?」
臨戦態勢に入った武偵達にカズキはどうするか悩んだ。このまま従ってはケイスケ達と合流することも叶わないどころか大統領が変装していることがばれてしまう。逆に抵抗して逃走してしまうと一斉にほかの武偵達に追跡されてしまう。カズキはちらりと横を見るとタクトがポーチから発煙手榴弾を取り出そうとしていた。ここはやはり逃走してケイスケ達と合流してさっさとこの街から出ようと決めた。
「Hey!ちょっといいかしら?」
カズキ達を連行しようとした武偵たちに豊かな金髪でスミレ色の瞳のした女性が声をかけてきた。その女性は茶色のウェスタンウェアーにホットパンツ、豊満な胸でグラマスなスタイルをしていた。武偵達は彼女を見るなり顔を引きつらせていた。
「あんた達、テキサスの武偵じゃないわね?どうせお手柄目当てで他の州から来たのでしょ?」
「お、俺達はシカゴから・・・こ、これも捜査のうちだ」
茶髪の武偵が言葉を濁しながら言い返すが、 金髪の女性はにっこりと笑ったと同時に茶髪の武偵の顔ギリギリのところで拳を止めた。
「私達のシマは私達でやる・・・手柄目当てのよそ者はご退場いただけないかしら?」
金髪の女性に睨まれた連中は顔を青ざめて一目散に去っていった。カズキ達はいったいどういうことなのかとポカンとしていた。金髪の女性は一息入れてカズキ達のほうへとにっこりと笑う。
「アメリカ全州の武偵校の生徒達がお手柄目当てで大統領誘拐事件の捜査を血眼でしているからね、こういった強引なやり方をする連中が多いのよ」
「すまない・・・助かったよ」
マイケルが頭を下げて感謝を述べたが、金髪の女性はくすくすと笑う。
「まあ絡まれるのは仕方ないわ。そのラーメンみたいなカツラを被ってたらすぐに変装してるってバレるわよ」
金髪の女性はカズキとタクトを指差してニシシと笑った。なぜ変装してるとバレたのかとカズキとタクトは首をかしげていた。
「おっかしいなー・・・ラーメン兄弟ならばれないと思ったのに」
「絶対にナオトが先にばれると思ったんだけどなー」
「二人ともうどんを馬鹿にしすぎだ」
そういう問題ではないのだがとマイケルは苦笑いをする。金髪の女性は笑い終えると一息入れてカズキ達に尋ねた。
「さてと、どうして変装をしていたのかしら?」
おそらく彼女も身なりは違うが同じ武偵なのだろう。ここで誤魔化してすぐにここから去るのも手だが、彼女からは一切敵意を感じられない。カズキは自分達の事を話していいかとナオトに目で伝えた。ナオトが無言で頷き、カズキは大統領のこと以外を話そうと決めた。
「俺は日本から来た武偵、吹雪カズキだぜ」
「江尾ナオト、同じチーム」
「そしてこの俺が深紅の稲妻の全自動味噌汁製造機で評定のある味噌汁マスター、菊池タクトだ!」
「ワオ、あなた達、武偵だったのね!しかも日本の!」
金髪の女性はドヤ顔するタクトとカズキに物珍しそうに目を輝かせる。
「それで・・・あなた達の後ろにいる男性は?」
「彼はマイケル。大統領ry」
「えっ?」
金髪の女性はきょとんとしていたが、カズキとナオトがタクトの足を思い切り踏んでタクトが悶えている間に訂正した。
「だ、大統領のファンなんだぜ!」
「ああそうなのね!でも大変ねー、大統領誘拐事件が起きてるさなかに日本から着たなんて・・・・もしかして、あなた達もその捜査をしてるの?」
「そうだぜ!俺達はスペシャリストだからやってきたのさ!でも、副大統領が怪しそうだからお忍びでホワイトハウスへ向かってる最中さ!」
タクトが本来の目的のことまで話してしまったことにカズキとナオトはぎょっとしていたが、金髪の女性は目を輝かせて頷いた。
「あなたもそう思うのね!私もあの副大統領が怪しいと思うのよ。ジーサードが大統領を誘拐するわけがないわ!よかったら一緒に捜査しない?」
「いいよ!」
「ちょ、たっくん!?決めるの速いよ!?」
金髪の女性の誘いに即答したタクトにカズキはツッコミを入れる。ましてや時間内にケイスケ達と合流しなければならない。金髪の女性は満足して頷きタクトに手を差し伸べた。
「あははは!あなた達なかなか面白いわね!私はヤン・シャオロン。普通にヤンって呼んでいいわ」
「よろしくな、ヤンちゃん!」
タクトはニシシと笑って手を差し伸べて握手を交わす。カズキもナオトも果たしてケイスケとの合流に間に合うのだろうかと考えなくなってきた。
「ヤンの他にもチームメイトはいるの?」
「妹とその友達がチームなんだけど・・・・今は別の件で出張中。私はこの事件を聞いて、ジーサードに借りがあるからそれを返すためにアメリカに戻ってきたの」
「それでヤン姐さん、どこへ行きやすか!」
「俺達ラーメン兄弟がお供しやす!」
「それじゃあ私についてこーい!」
ノリノリなカズキとタクトにヤンは楽しそうに笑って先導していく。ついていくカズキ達は買い物のことはもうすっかり忘れてしまっているとマイケルは苦笑いして後に続いた。
行き着いた場所はウェスタンチックなお店だった。牛とナイフとフォークの絵が描かれている看板からしてステーキハウスのようだ。
「姐御!まずは腹ごしらえってことですな!」
「あざっす、ごちになりやす!」
「まあ・・・それもそうなんだけど、もう一つは情報を得るためよ」
「情報?ここで得れるのか?」
ステーキハウスでより詳しい情報が得ることができるのだろうかとナオトは首をかしげていたがヤンはそんなナオトの疑問に答えるかのように話を続けた。
「確かに他の武偵やCIAといった所からも情報が得られるけど・・・ここにいる『彼」ならより詳しい情報も得ることもできるし、協力してくれるわ」
3人は首をかしげていたがマイケルは店の看板を見て目を丸くして驚いていた。
「この店は・・・・!」
「そう、この店長はジャーナリストもしているの。メディアの力も場合によっては頼りになるわよ?」
「それで誰に会いに行くの?」
マイケルの驚きようを見てタクトは首をかしげて尋ねた。
「世界最強のジャーナリスト、フランク・ウェスト。今回の事件はお金になるから協力してくれるかもしれないわ」
テキサス編ではアメリカのアニメ、RWBYからみんな大好き(?)ヤン・シャオロン。デッドライジングから絶対ゾンビ殺すマンでガムテープの錬金術師で最強ジャーナリスト、フランクさん。
RWBYは中二精神を注ぐアクションが好きです。あと金髪グラマスなヤン姐さんが好きです。
デッドラのゾンビ無双は気分爽快します・・・フランクさんつよすぎぃ!