カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼ 作:サバ缶みそ味
少しばかり展開がゴリ押しなところだったり、知識不足な所、文章がイミフでちょっと引っかかるような所があります。(焼き土下座
「イヤッフーッ‼ぜっこうちょおぉ⤴っ‼」
「「FUuuuuuっ‼」」
タクトはふかふかのソファーの上で子供のようにはしゃぎながら歌いだす。カズキとヤンが悪乗りして車内は更に喧しくなる。
「お前ら楽しすぎだろ…」
ケイスケは疲れがドッと来たのかツッコミを入れる気力がなくベッドに横になりながらタクトとカズキの悪乗りにため息をつく。ナオトはいつの間にか鼻提灯を膨らませながら寝ていた。
「でもまあ…たっくんのおかげで結構いい移動手段を得たのはいいとするか」
ケイスケは苦笑いしながら水に流す様に一息入れる。今、カズキ達はフリージャーナリストのフランク・ウェストのキャンピングカーに乗ってテキサス州の道路を進んでいた。
キャンピングカーの車種はFS-31タイプで中は大人数でも寛げるほどの広さで、これまでの移動の中で快適なものであった。快適すぎる為か、タクトに至っては当初の目的を忘れてしまうほどのようである。
「さあ、お前らついにテキサス州を抜けてオクラホマ州へ入るぞ!」
運転をしているフランクが後ろで寛いでいるカズキ達に知らせる。ついにオクラホマ州へ到達したのだが肝心のカズキ達は全く聞いておらず各々疲れを取るかのように寛いでいた。
「…ったく、本当に自由すぎる奴等だな。こいつらに大統領の護衛を任せていいのか?」
「ま、まあ…ああ見えてやる時はちゃんとやる4人組だし、ヨーロッパでは活躍してたぜ?」
呆れるフランクにカツェが笑いながらフォローを一応する。それなりにできるのだろうとフランクは考えつつちらりと大統領のマイケルの方に視線を向けた。
「それで、今度はどこに行けばその親友とやらに会えるんだ?」
「ここより東…コックソンヒルズステートゲーム保護区に向かってくれ。親友はそこにいるはずだ」
マイケルの言葉にフランクは意外そうな顔をした。次なる場所はオクラホマ州とアーカンソー州の境目付近にある山々が連なる所である。
「随分と奥まで進むんだな。それに保護区って、その親友はアウトドア派か?」
「ああ、あまり人と関わらないようにしているからね…」
オクラホマ州に入ってからマイケルがどこか不安そうな様子なことにフランクは気になっていた。肝心の護衛を務めている4人組は全く気にはしていないようで、一先ずコックソンへと向かう事にした。
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アマリロから車で6時間。荒野だった殺風景は次第に無くなっていき緑に生い茂った木々のある森林が見えるようになってきた。車窓から朝の陽ざしが射し、寝相が悪い4人組の目を覚まさせる。
「んー…後五分寝かせて…」
「んだよ…誰かカーテンを閉めとけよ」
「ねむい」
「おおい!見ろよお前ら‼マウンテンだ!マウンテンが見えるぜ‼むっちゃ茂ってるし‼茂子だぞ‼」
タクトは車窓からの景色が変わったことに目を輝かせてはしゃぐぎ未だに眠い3人を起こさせる。寝起きで機嫌が悪いのかカズキとケイスケは問答無用でタクトのボコスカと叩きだした。
「おら、起きろ。もうすぐで目的地に到着するぞ!」
カツェがため息をつきながら寝ぼけている3人を叩き起こしていく。カズキ達の眠気がようやく消え、殺風景だった景色が一変していることに今更ながら目を輝かせた。
木々に囲まれ、すぐ近くにはテンキラー湖が見える山、コックソン・ヒルズ・ステート・ゲーム保護区。適当な所でキャンピングカーを停め、カズキとタクトはウキウキしながら降り、ケイスケはまさかこの山を登るのかと嫌そうな顔をしていた。同じように山を登るのかと呟いたフランクは少し怪訝そうにマイケルに尋ねた。
「本当にこんな所にお前さんの助っ人となる親友とやらはいるのか?」
「ああ…最後に会ったのはここだからな。きっと居場所を変えずにひっそりと暮らしているはずだ」
「…そうかよ、じゃあ案内を頼むぜ」
フランクはお手上げの仕草をしてマイケルに案内を頼んだ。マイケルは無言で頷きカズキ達を先導しながら歩きだす。
「やったねたっくん!山だぜ、山‼」
「おうよ!こりゃあここをキャンプ地としなきゃな‼」
「キャンプする場合じゃねえだろ。さっさと行くぞ」
ケイスケがふざけているタクトとカズキを小突き、未だに寝ぼけているナオトにゲンコツを入れて大統領の跡に続けて保護区へと入って行った。
「しげしげし~げ♪もっりしっげる~♪」
「あぁー♪ケイスケの夢が崩れるー♪」
緑に生い茂る森の中を突き進んで数十分が経過、退屈だったのかタクトとカズキは突然歌いだした。テキサスで襲撃してきたスピッター達の様にジキル博士の刺客が潜んでいないか、またCIAやFBI等の追跡が来ていないか警戒して進んでいたカツェの集中が途切れてしまった。
「お前ら、もうちょっと緊張感とかを持てよ…」
「俺達がいつもそんなの持つと思うか?」
既に彼らの歌に慣れているケイスケは平然としており、ナオトに至っては我関せずのままで進んでいた。彼らに緊張感を持たせることは不可能だとカツェは項垂れる。お構いなしに歌い続ける二人にヤンはノリノリであった。
「あはは!ほんっと退屈しないわ。どう?いつか私達のチームと組んでみる?」
「いいとも!追うもの拒まず!」
「追うものだと拒めねえだろ」
ケイスケがタクトに細かいツッコミを入れる。そんなやり取りにヤンはクスクスと笑い、「そういえば…」と呟いた。
「たっくん達はその大統領の親友とやらに心当たりはない?」
「いや?全くナッシング。なんで?」
「ちょっと気になって…オクラホマ州に入ってから大統領の様子が何だか変に思えるの」
ヤンが気にしている通り、マイケルの表情は何か心配、或いは不安そうな様子が見えた。心なしかその友人に会うべきかどうかと悩んでいるのだろうかと思える。そんな疑問にカズキは笑いながら答えた。
「あれじゃね?貸しっぱなしのゲームを持ってくるのを忘れたとか」
「それはお前だけだ」
「もしかして‥‥友達のレアカードをこっそり盗んで持ち帰ったことがバレてないか気にしてるんだよ!」
「だからそれはお前だけだ」
「友達のサッカーボールをry」
「子供か!?」
後ろで五月蠅く騒いでいるタクト達にしびれを切らしたカツェが怒鳴りながらツッコミを入れた。ギャーギャーと騒ぎ出す後ろにフランクは肩を竦めてため息をついた。
「賑やかすぎる連中だな…よくここまで追跡を撒けたもんだ」
運がいいのか、悪運が強いのか、またはたゴリ押しで通り抜けていったのか、賑やかすぎるカズキ達に苦笑いする。
喧しく進みながら、奥へ奥へとどんどんと進んで行った。日が高くなるほどの時間を費やして進んでいくと、ようやく大統領の歩みが止まる。
「見えたぞ‥‥あれだ」
マイケルはゆっくりと指をさした。指をさしたその先には、古めかしい小さなログハウスが見えた。あまりにも古く、人が住んでいるのかどうか怪しく見える。
「おおーっ‼あんな所に一軒家がある。さっそくお邪魔しようぜ!」
やっと到着できたことにタクトは喜びの声をあげて我先にとログハウスへと駆けだした。すると、ずっと眠たそうにしていたナオトが何かに気付いたのか目を見開いた。
「たっくん!ストップ‼」
ナオトが急いで駆けてタクトを引っ張って止めた。いきなり引っ張られてバランスを崩すが、それと同時に思い金属同士が強くぶつかる音が響いた。何事かと足下付近を見ると、生い茂る雑草の中に閉じた状態のトラバサミがあった。このまま突き進んでいたらトラバサミに足を取られていただろう。
「あ、あっぶねー…サンキューブラザー!」
「ここだけじゃない。他にも色んな所にトラバサミが仕掛けられてる」
ナオトは注意深く辺りを見回す。どうやらログハウスの周りにあちこち仕掛けられているようだ。自然地区の為クマかコヨーテなどの猛獣避けかと思ったが、まるでログハウスに一人たりとも入らせないかのように見える。
「その親友とやらは随分と来客を拒んでいるようだな…」
「‥‥」
フランクは少し皮肉を込めて大統領を見るがマイケルは無言のまま頷いただけであった。ましてや本当にこのログハウスの中にいるのだろうかとフランクは思えてきた。
「‥‥お前達、何者だ?」
ふと、茂みの中から男性の低い声が響いた。声色からかなり警戒をしているようだ。カズキ達は一斉に声のする方に視線を向けた。バキバキと小枝を踏む音を響かせながら茂みの中から白いタンクトップを着た、逞しい体格の茶髪で髭がモジャモジャの男性が出てきた。その男性の目つきは獣のように鋭く、相手を目で射殺す勢いで睨み付けていた。猛獣よりも恐ろしい視線で睨みつけているのでリサが思わず慌ててケイスケの後ろに隠れてしまった。男はカズキ達が銃を持っている事を見るとさらに殺気立てて睨み付けてきた。
「随分と大人数だな。猛獣狩りか?それとも‥‥俺を殺しに来たのか?」
さらに殺気を強く放ちながら睨み付けてくる。あまりの殺気の強さにカツェは緊張しつつ唾を飲む。ここまで獣のように殺気立つ男は初めて見る。この男はタダ者じゃないと確信した。
「大統領の親友に会いに来ましたっ!」
そんな殺気に恐れを知らないのか、タクトが元気よく手を挙げながら答えた。緊張感のなさにカツェが思わずこけてしまう。しかし男性の方は殺気を消すことなく睨みながら軽く首を傾げた。
「大統領‥‥?そんな奴なぞ知らんな」
「‥‥私だ」
マイケルが男性の前で変装用のカツラを取る。マイケルの姿に男性は一瞬目を丸くするがすぐに睨みなおした。マイケルはその男性との再会に軽く微笑んだ。
「久しぶりだな、ロー‥‥」
「ふん、俺は二度と会いたくなかったのだがな」
男性はマイケルを嫌そうに睨み付けて悪態をつく。マイケルは「やっぱりか…」と寂しそうに呟いて俯くと気を取り直して再び顔をあげた。
「今、私は『N』に追われ、一人の若者が無実の罪で囚われている。この事件にアメリカ中が騒がれている」
「‥‥」
「私は殺されそうになったが、日本から来た彼らに助けられた。私達は『N』の計画を阻止し、捕らわれている若者を助ける為にD.Cへと向かっているんだ」
「‥‥だから何が言いたい」
男性は牙をむく獣のように殺気立ちながらマイケルを睨んだまま見つめていた。マイケルはこぶしを握り締め、男性を見つめた。
「もう一度、お前の助けが欲しい…力を貸してくれ、ローガン」
「「ろ、ろ、ろ、ローガンンンンっ!?」」
男性の名を聞いたヤンとカツェがギョッと驚愕しながら叫んだ。ローガンとは何ぞやとカズキ達4人組は不思議そうに首を傾げる。
「誰?そのローソンって言う人?」
「バッ、おまっ、ローガンっていえば伝説級の戦士だぞ!?」
名前を間違えたカズキにカツェが慌てながら小突く。それでも尚カズキ達は頭にハテナを浮かべながら首を傾げたままだった。そんなカズキ達にヤンが一息入れてから話した。
「ローガン…またの名を『ウルヴァリン』。第一次世界大戦、第二次世界大戦、そしてあらゆる戦場でアメリカに勝利を貢献した英雄なの」
「それに過去の戦役に参戦し、眷属の戦況をかき乱した。アフリカの鬼や藍幇の猴とも互角に叩けるとんでもねえ奴だ」
「つまり…スーパーヒーロってわけだな!」
「だからそうだと言ってるじゃねえか」
その伝説級と謳われるローガンが大統領の親友だとは思いもしなかった。もし彼が仲間になってくれるのならばかなり心強い。男の正体がウルヴァリンであることにフランクは驚きと喜びが混じったため息をつきながらカメラを撮る。
「こいつはファンタスティックすぎるぜ…それで、ヒーローの答えはどうなんだ?」
フランクはずっと大統領を睨んでいるローガンに尋ねた。ローガンはマイケルをじろりと睨みながらゆっくりと口を開いた。
「断る。帰れ」
ローガンは悪態をつきながら踵を返した。まさか断るとは思わず、タクト達は残念そうに「エーッ!」と叫んだ。
「何で!もしかしてカズキのクソギャグが嫌いだったからか!」
「ちげえよ!ぜってーたっくんのせいだ!」
取っ組み合いながらギャーギャーと騒ぎ出し、ローガンはため息を深くついて振り向いた。
「マイケル…また、俺達を利用するつもりか?」
「‥‥」
「利用って、親友がそんな事をする訳がないだろ!」
タクトがプンスカしながら文句を言うと、ローガンはジロリと睨み、じっとカズキ達の顔を見つめた。
「何も知らないというのは羨ましいくらいだ‥‥教えてやろう。こいつが何をしたのか」
ローガンはマイケルを睨みながら話を続ける。その視線はかなりの私怨が込められているように見えた。
「こいつとは軍人の仲で、戦場で共に駆けて国の為に戦った盟友だった。俺は戦役の代表戦士として戦い、こいつは上層部へと昇進していた時、俺達は戦いの中で『N』という恐ろしい国際テロ組織がいることを知り、連中を捕える為にマイケルは俺達、異能の力を持つ者達に依頼し、戦った‥‥だが、俺達は『N』を舐めていた」
「暗躍した『N』は、ベトナム戦争を引き起こした…」
マイケルは視線を下へと向けて俯き、ローガンはマイケルに怒りを込めるように睨み続けた。
「多くの人の命が犠牲になっただけじゃない。この事件をきっかけに、マグニートーが反旗を翻し、異能者同士の殺し合いの戦いが始まった。マグニートーが死ぬまで、この戦いが終わるまで、多くの同胞や仲間が、異能者達が犠牲になった。この戦いをお前らは…なかった事した。沢山の血が流れたというのに、お前は見て見ぬふりをした!」
ローガンはマイケルの胸倉をつかみ、怒りを込めて睨み続ける。フランクやヤンは止めようとしたがマイケルは手で止めないでくれと伝えた。
「お前は争いを拒み、平和を望んでいるようだが、その足で仲間の死体と流れる血を踏み滲みながら大統領へと上り詰めた…!そんな男に力を貸す義理はねえ!」
「これも自業自得だとは分かっている‥‥あの時の私は無力だったというのは今でも噛みしめている…私の命はどうなってもいい。だが、ジーサードという若者の命を助ける為に力を貸してくれ…」
ローガンはふんと鼻で返すとマイケルを突き放し、悪態をつきながら踵を返した。
「失せろ、二度とその面を見せるな‥‥」
「ちょっと待った‼」
その時、タクトが大声でローガンを呼び止めた。ローガンは大きくため息をつきながら振り向く。
「なんだ‥‥」
「もうちょっと話し合ったら?ちゃんとマイケルが謝ろうとしてるんだから聞く耳持ったほうがいいぞ!」
「ちょ、おまっ、何てこと言ってんだよ!?」
タクトの発言にカツェが慌てて止めようとする。案の定、ローガンはギロリと視線を強くして睨んだ。
「お前に何が分かる‥‥」
「何もわからん‼」
率直で答えたタクトにカズキ達はこけそうになった。ローガンの威圧にも全く動じないタクトは話を続けた。
「でも、どんな思いでマイケルが会いに行こうかとかの覚悟はよーくわかる‼過去の事を省みて、あんたに怒られる覚悟で会いに来たんだからさ、もう一度、ちゃんと話し合った方がいいじゃないの?」
「‥‥」
ローガンは無言のままマイケルの方へと視線を向ける。無言のままこちらをじっと見つめているマイケルの拳は強く握り締められ、あまりの強さに手から血が少し流れていた。
「‥‥赤の他人であるお前がなぜそこまでする?」
「ローソンとマイケルはソウルメイトなんでしょ?大事な友達ならちゃんと仲直りしなきゃ‼」
タクトはニシシとローガンに向けて笑う。単純な答えにローガンは目を丸くした。彼との間にある溝は深い。けれども時間をかけていけばいつか必ず埋まり、手を取り合えることができると、ローガンは目の前にいる何を考えているのか分からない少年がそう言っているように感じた。
「ごめん、たっくん、言ってる意味がわかんない。どういうことなの?」
「おいい!?カズキ、お前空気よめよ‼」
「どうしてそこででしゃばる?分かんねえなら黙っとけ?」
「雰囲気ぶち壊し…!」
4人組がギャーギャーと騒ぎ出し、先ほどまでの重い空気が一瞬で崩れた。カツェが頭を抱え、ヤンは腹を抱えて爆笑する。ローガンは肩を竦めて大きくため息をついた。何を考えているのか、よく分からない。
「‥‥もう一度、か」
ローガンはちらりとマイケルの方に視線を向ける。どうして再び会いに来たのか、ようやくわかった。地位や名声などの考えは一切なく、本当に一人の親友として今一度会いに来たのだろう。その真意を聞くためにローガンはマイケルに尋ねようとした。
「ようやくお会いできたな、大統領」
ふと、大人びた少女の声が聞こえたと思うと、一気に周りの空気がズシリと重くのしかかるほどの威圧がビリビリと伝わりだした。それはローガンだけでなく、マイケルもヤンもフランクもカツェも伝わったようで声のする方にゆっくりと視線を向けた。
振り向いた先には古めかしい大きめの軍服を着た、水色のツインテールをした海よりも深い青い瞳の少女がいた。いつからそこへ来たのか、気配すら全く察することができなかった。それよりもその少女からはかなりの威圧を感じられた。そしてその少女の隣には白衣を着た、眼鏡をかけたぼさぼさの茶髪の男性がいた。
「おっ?大統領と一緒にいますは、かの英雄、ウルヴァリン殿ではあーりませんか!ネモ、これはラッキーだね!」
「…ジキル博士、お前は少し黙っていろ」
ネモと呼ばれた少女は頭を撫でようとするジキル博士の手を払いのけてゆっくりとマイケルの方へと視線を向けた。発言と態度からしてこの少女はかなりの実力者であることが伺える。
「初めまして…いや、久しぶりと言うべきかな?」
「‥‥そうか、君は『N』の…!」
ネモはゆっくりと頷きこちらにと手招きをした。
「長旅、ご苦労様であったな。大統領よ、そろそろこちらに来てもらおうか…」
ネモは静かにこちらを見つめている。彼女から放たれる威圧に大統領は耐えながら息を呑む。もしもの時にいつでも臨戦態勢を取れるようにしていたヤンとカツェは動けないでいた。ネモが一体何をしてくるか、手の内が読めないどころか、いつ動いても一瞬で殺されてしまうと感じさせるほどの殺気が静かに放たれていたのが伝わっていた。
「誰だアンタ?なんかアリアの2Pカラーみたいだな!」
「あっ!あの時のなんか変な博士がいるぞ!」
そんな空気さえも殴り飛ばすかの勢いでカズキ達が興味津々にネモ達を指さしていた。ジキル博士は「ヤッホー♪」と笑顔で手を振るが、ネモは静かにカズキ達に顔を向けた。
「
ネモは静かに名乗ったが、カズキ達は静寂を破り勢いで話し出した。
「え?ネギ?」
「馬鹿かお前、ちょっと痛い名乗りだけどちゃんと聞けよ。確か‥‥ハモだっけ?」
「ファインディング・ドリー」
「ごめん、誰だっけ?東方不敗マスターアジア?」
「‥‥‥」
ピクリとネモの眉毛が何度も動き、ジキル博士は腹を抱えて爆笑していた。恐らく、こんな緊縛した空気も、恐ろしい実力を持つ相手にも気にしないでふざける連中は過去にもこの先にも彼らだけなのだろうとカツェは確信した。
緋弾のアリアでは火野ライカのお父さん、火野バット…たぶんDCのバットマン(?)が出てたので、こちらではマーベルから、ウルヴァリンさんのご登場です。
ローガンことウルヴァリンを演じていたヒュー・ジャックマンさんがウルヴァリン役を卒業‥‥ちょっと背の高いウルヴァリンで違和感がなくてよかったのに…もし、今後のX-Menでウルヴァリンが登場したら誰が演じるのかな…