キーンコーンカーンコーンとチャイムの音が響き渡る。
それを合図に授業が終わり僕が席を立とうとすると後ろから衝撃が来た。
「カム。それは止めてって言った」
「良いじゃん良いじゃん!そうしないとお前は止まらないだろ?」
「いや、この場合は零次の方が正しいと思うぞ?」
僕の背中にぶつかってきたのは『小林可夢偉』僕らはカムと呼んでいる。
綺麗な金髪と本人の容姿、そしてその性格からか男女問わず友達は多いけど彼女が何故か出来ないらしい。
もう一人、僕に賛同してくれたのが『近衛一騎』スポーツ万能でこちらも容姿は良いけどラブレターより決闘状の方が多く下駄箱に入れられる。
本人曰く「俺を好きになる物好きはいないだろ」とのことだ。
そんな一騎を好きになる人は多いけど一騎は「良いぞ?どこのデパートだ?」と聞くほどだ。
正直に言ってあれは無いと思った。
三人で話していると教室の扉が勢い良く開いた。
「れいじ遅い!さっさと屋上に来てよ!ご飯食べれないじゃん……って何だ何時ものあれか」
「紅葉ごめんすぐに行く」
先ほど教室の扉を勢い良く開けた人物の名は『里村紅葉』。
容姿は良いけどその性格故に彼氏が出来ない残念美少女。
一騎とカムの幼馴染らしいけど扱いはかなり酷い。
そして、紅葉の後ろで立っているのは『鈴白なぎさ』。
紅葉の親友で剣道部副主将。
だけど運動音痴。
剣道以外の運動はダメダメで普段も転ばないかみんなが心配してしまう。
「なぎさもごめん」
「ううん。大丈夫だよ零次君」
なぎさに謝ってからカムたちと屋上に行く。
屋上に着くと紅葉がスカートの中からビニールシートを取り出す。
……何処にビニールシートが入るんだろ?といつも思うけど聞かない。
聞いたら後が怖いから。
前にカムが聞いて紅葉がドロップキックして以降この話題は振らないと僕たちの中で暗黙の了解になっている。
「そう言えば最近になってから多くないか?霧の守り手とかの事件」
「確かにな。そのおかげで俺は決闘の時間が平日の放課後になるし」
「ふーん。まぁ確かに可笑しいよね」
「そうだね。なぎさ」
「なっ、何零次君」
「さっきから紅葉にオカズ取られてる」
「へ?……あぁー!」
「ありゃ?バレちゃった?」
いつも通りに騒がしくも楽しく昼食を食べていた時サイレンが聞こえた。
それと同時に携帯にも緊急警報を伝えるメールの音が。
「何だ〜?」
「この音って確か」
騒いでるカムやメールを確かめようとするなぎさをチラッと見てからフェンスの方に行く。
「カム。双眼鏡持ってる?」
「おう!バルーンとかも一通りな!」
「なら双眼鏡貸して」
「ほらよ」
カムから双眼鏡を受け取って周りを見る。
しばらく探していると付近の町が燃えていたのを見つける。
双眼鏡のレンズを調整してそこを見ると……いた。
黒いダンゴムシのような姿をしていることくらいしか分からない。
「零次!なんか煙が出てる場所がって……そっちもか!」
「カム。何処?」
「九時の方角!」
カムに言われた場所を見るとそこも同じようにダンゴムシの姿をしている奴に襲われていた。
……間違いないあれは。
「
僕がそう言うと同時に校内放送で避難警報が出された。
僕はそれを一応聞きながら……いや聞くことをせずにカムたちを止めた。
「何で止めるんだよ零次!」
「可笑しい」
「可笑しいって何がだ?」
「警報の音だけ鳴ってるけど先生の放送が聞こえない」
そう言うと全員ハッとした顔をした。
本来なら警報がなった後に先生からの指示が聞こえるはず。
なのに今のは警報だけが鳴ってる状態だ。
「おいおい、まさか」
「……放送室があるのは一階の中庭側。ここからはかなり遠い」
「……零次?」
「でも、アレを使えば、……カムワイヤー持ってる?」
「ああでも……まさか!?」
「そのまさかさ」
「……気をつけて行けよ?」
カムからワイヤーを受け取りながら話す。
紅葉たちはまだ僕が何をするかわかっていないようだ。
「カム。僕が跳んだら紅葉たちを連れて一応四階の空き教室の中に居て……絶対に二階より下には行っちゃダメだ」
「だろうな。紅葉たちに説明は?」
「しておいて」
「分かったよ。たっくお前は何時通りだな」
「よく言われる」
カムと軽口を叩けながらフェンスをよじ登ってフックをかける。
紅葉たちが後ろで何かを言ってるけど無視する。
そして、僕はそのまま飛んだ。
カムが作ったワイヤーは強度も長さも丁度いい。
これを作った理由が覗きをしたいからというのが残念だけど。
放送室の近くの窓から一階に入ると悲鳴が所々から聞こえてきた。
……避難してないのか?……いや違う出来ないんだ多分教員も自体を飲み込めていないんだ!
僕は急いで放送室の方に向かう。
放送室の近くまで来ると昔嗅いだことのある匂いー血の匂いがした。
僕は柱からそちらを見て固まった。
教員が倒れている。
そのどれもが頭か喉、左胸から血を流して。
……明らかに
放送室の扉の前まで行きちょっとずつ扉を開くとそこには……
そして、その右手には拳銃が握られている。
その際に拳銃が僕の近くに落ちる。
そこからは早かった。
僕は拳銃を拾うと近くの窓を開けて外に出た。
すると
中庭のすぐ近くにあるカムの作った落とし穴の場所に向かう。
どれほどの巨体でも落とし穴だったら時間はかけれる……はず。
僕は落とし穴の近くまで来ると横に向かって転がる。
僕はそれを見ると走って放送室の中に戻る。
……マイクは生きてる。
すぐにもう一度避難警報を鳴らす。
「校内にいる人はすぐに避難してください。
要点だけを言ってすぐに放送室から出ると同時にさっきの死体を漁る。
「見つけた」
財布の中に入っていた保険証の名前を覚える。
僕はカムたちのところに行こうとした時後ろから音が聞こえた。
振り返るとそこには
「安浩、何で?」
「零次!良かった!」
「…避難警報を聞いてなかったのか?」
「あれ流したのお前だろってなんだよこれ!!」
今更気づいたのかと思うと同時に安浩の手を引く。
するとさっきまで安浩がいた場所をあの
……通っていった?僕らを放置して?
そう思っていると安浩が慌てた様子で僕の肩を揺らす。
「まずいよ零次!あっちの方はみんなが避難してる!!」
「……それは本当?」
「うん!さっき見たから」
「その時に一緒に避難しとけばよかったじゃないか」
「お前たちが心配だったんだよ!!」
安浩と会話しながら走る。
今から放送を流しても遅い。
そのまま僕らが避難場所、体育館に向かうと悲鳴が聞こえた。
それを聞いて駆けつけようとする安浩を止める。
「零次!」
「君が行っても死人が増えるだけだ。ここから横に行けば小さい窓がある。そっちに行って注意を向ける方が最優先だ」
「……!悪い冷静じゃなかった」
安浩を連れてカムに教えてもらった窓の方に向かう。
窓から中を見るとまだ生存者はいるけど襲われている。
僕は拳銃を
すると放った弾丸は
そして
「安浩僕が引き付けるからその間に中の人達を」
「……分かった死ぬなよ」
「当然」
安浩と軽く会話をして校舎の方に走る。
僕は校舎に入ってすぐに階段を上ってすぐに息を殺す。
すると
……さっきも思ったけどもしかしてこの
だったら、やってみるか。
近くの石を掴んで
すると
「……ビンゴ……」
小さく呟いてから物音を立てないように四階の空き教室に向かう。
空き教室の中に入るとそこには紅葉たちの他にも何人か生徒がいた。
「……零次、どうだった」
「……予想していた通りだった」
「そうか」
「……手はあるのか?」
「……
「魔法使いが来るってのは?」
「多分、まだ時間がかかると思う」
これだけの数を対処しなくちゃいけないし何より此処は道が複雑すぎる。
来るのはかなり遅いと予想できる。
「……他に手はあるのか?」
「……一応」
そう会話をしていると外から悲鳴が聞こえた。
それと同時に中に入っている人の身体が震える。
僕は教室の扉に手をかけて外に出ようとするとカムが「俺も行く」と言ってきた。
僕はそれに何も言わないでカムと一緒に廊下に出る。
すると再び悲鳴が響く。
「下だな」
「急ごう」
急いで二階に行くとそこには安浩が居た。
安浩は僕らに気づくとこっちに向かって走ってくる。
それと同時に
僕は近くに置いてあった多分安浩が持ち出した酸素ボンベを掴んで投げる。
そして、こっちに向かいながら教えてもらったことを活かして拳銃を構える。
酸素ボンベを投げたのは窓の方。
あの
だったらより大きい音で
「安浩スライディングして!」
「へ?ああ?」
安浩がスライディングをしてこっちに来ると同時に酸素ボンベに向かって発泡する。
すると酸素ボンベは爆発して大きな音がここら一帯に響いた。
「いまだカム、安浩」
カムと安浩と一緒に奥の方に逃げる。
すると
……さっきのより早く。
しばらく走っているとピピピという音が聞こえた。
……まさか!?
「カム、安浩横に飛んで!!」
僕の声に安浩とカムが横に飛ぼうとした時下の何かが爆発した。
爆音と爆風が僕らを襲う。
「助けて零次!!」
安浩の悲鳴が聞こえた。
目を開けると目の前で安浩の身体が
そして、そのままこっちに向かってくる
僕は気絶したカムを背負ってそのまま近くの理科室の中に入った。
カムが呻き声を上げながら起きる。
「安浩は?」
「……」
「生きてるよな?」
「いや、死んだ」
「は?」
「僕の目の前で
カムはそれを聞くと手を強く握る。
安浩と一番仲が良かったのはカムだ。
僕より悲しんでるんだろう。
「なぁ、零次」
「止めといたほうがいい」
「……まだ何も言ってないぞ?」
「どうせあの
「……ああ」
「そんなことをしても死者は蘇らない」
「……ちげぇよ、仇を取りたいだけだ」
カムの目を見て無駄だと思った。
これはきっと僕が止めても一人でやろうとするだろうね。
「僕もやるよ」
「良いのか?」
「幸い、此処は二階で職員室の上」
「ああ」
「そして此処は理科室だ。手はある」
そう言いながら僕はなぎさにメールを打つ。
「あいつを倒すと同時に紅葉たちも避難させる」
「できるのか?」
「幸いここに必要なものはほとんど揃ってる」
「分かったやるよ」
「良いの?」
「ああ」
全ての準備を終えた僕は緊急避難用の梯子を出してメールをなぎさに送る。
これで……全ての準備は整った。
全て予想通りだったし後はカムの準備が終わり次第かな?
僕は携帯を通話状態にして机の上に置く。
三階に上がると同時に梯子の扉を閉じる。
そして、カムに合図を送る。
「来いよ!!」
『来いよ!!』
カムが大声を上げると同時に下の階に置いてあった僕の携帯からカムの声が聞こえる。
そして、それと同時に何かが壊れる音……よし、今だ。
カムと共に廊下に出てしばらく経ってから。
「カム、ラジコンを右に動かして」
「もうやった!」
それと同時に後ろの教室から爆発音が響いた。
僕がやったことは簡単だ。
まず下の職員室にいって先ほど拳銃を持っていた教員の机を見て爆弾があるかを調べた。
そして、その爆弾の設定を弄ってラジコンと連動するようにした。
そして、理科室に戻ると今度はガス栓を開けて理科室にガスを充満させ、携帯をセットし三階にあった酸素ボンベを下に降ろして爆弾を起動させた。
「これでやったか?」
「いや、まだだ」
「今度は何するんだ?」
「さっき飛ばした飛行機のラジコンにつけたカメラで奴の
「分かった」
カムに指示を出しながら双眼鏡で反対側を見る。
うん。ちゃんと移動してる。
「見つけた!4本目の足と目、あと後ろの爪と爪の隙間!」
「よし、落とし穴に向かおう」
「ああ!」
僕らは近くの窓から飛び降りて火薬に火をつける。
するとパンパンと大きな音を出す。
それを聞き
僕とカムはその場から動かない。
いや、動かなくて良い。
さっきの爆弾と共に取ってきた対
そして、
するとその傷口から霧が出てくる。
……よし、効いてる。
カムもそう思ったのか油断した時
「カム!」
「へ?うおっ!?」
まさか、防御を捨てたのか?
そう思っていると先ほどの鈍い動きは何だったのかと思うほどのスピードで穴から這い上がってくる。
そして、
カムは慌てて転がり何かが当たった場所を見る。
「ヤバイな」
「言ってる場合じゃない」
カムの軽口に返事をしたから発砲する。
でもそれはかわされる。
カムも続けて撃つけど当たらない。
そして
だけど、嫌な予感がする。
その予感は正しく。
放ったものは散弾のように広範囲に来た。
カムは慌てて避けるけど僕は間に合わない!
「零次!!」
左眼と右足、胸に衝撃が走る。
温かい何かが身体をつたっていきそれとは逆に僕の身体が冷たくなっていく気がした。
僕は死ぬのかなと思いながらそれを見る。
そして、