ボクと異能と召喚獣 りめいく   作:アルス@大罪

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2ヶ月ぶりの投稿です。
戦闘内容はリメイク前と異なりますが、ご了承ください。(覚えてる人いるのかな……)


Aクラス対Fクラス 最終戦前編 by明久

ー明久sideー

 

「5人目の方、前へ」

 

Aクラス対Fクラス最終戦。

Fクラスからは僕が。

Aクラスからは代表であるアイツが出てくるはず。

確信しながら前に出ると、Aクラスからは誰も出ていない。家は出たから、来てないってことはないんだけど……

 

「…………す」

「ん?」

 

少しすると、Aクラスの人達の奥から小さな声が聞こえた。たぶん奥にいるから来れなかったんだろう。

 

「んっ……んにっ……にぃぃぃぃ……ふにゃぁっ!?」

 

Aクラスの人達の間から無理矢理に出て来たせいで勢い余って転んだAクラス代表。

肩までかかるくらいの黒髪にエメラルドグリーンの瞳のちびっ子がAクラスの代表だ。

 

翡翠(ひすい)、大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ……アキ兄(・・・)

 

お互いの名前を呼んだことで高橋先生以外の人が驚いたように左右前後の人と話しだした。

そして動揺したような表情で雄二がこっちに来た。

 

「あ、明久……あのチビのこと知ってるのか?」

「うん。僕の従弟だよ」

「ボクはチビじゃないです!相坂翡翠ってお母さんとお父さん、もしかしたらお爺ちゃんかお婆ちゃんがつけてくれた名前があるんです!」

 

『チビ』に反応したのか両腕を上げて怒りを表す翡翠。しかし、雄二は翡翠を無視して翡翠と僕の関係に驚いていた。

 

「まだ12才なんだけど、なんか飛び級の試験的導入だとかなんとかでこっちに来てるんだ。ついでに家に居候してる」

 

翡翠の母親である叔母さんが詳しく教えてくれたんだけど、途中で眠くなって寝ちゃったんだよね。叔母さんが。

 

「どうしてあのチビが代表だと教えなかった?」

「翡翠が教えてくれなかったから」

「情報は武器なんですよ、少年」

 

若干ドヤ顔なのがムカつくけどとりあえず、お前の方が少年じゃないかと心の中で突っ込んでおく。

 

「とにかくそういうことだから、雄二は下がってて」

 

納得はしてないみたいだけど、渋々戻る雄二。それを見届けたあと、翡翠に向き直る。

 

「高橋先生、世界史をお願いします」

「世界史ですね。承認します!」

 

高橋先生によって、世界史のフィールドに変化する。こと勉強においては翡翠には勝てない。たまに小学生に教わる高校生の図が家で発生するくらいだから。

だから総合科目は点差を広げるだけ。なら僕が得意な教科で、かつ腕輪が使える科目に絞って戦うべきだ。

 

「アキ兄、ちゃんとテストはしてきた?」

「うん。やってきたよ」

 

Fクラスに行くために点数を調整して、あとでまたテストを受けるのは面倒だったけど、楽しかったから良しとしよう。

 

『試獣召喚!』

 

2人同時に召喚する。

僕の召喚獣は改造制服に木刀といったシンプルな装備。

対する翡翠の召喚獣は制服の肩と肘から手の甲、膝から足先に銀色の装甲をつけ、赤い柄の刀と青い柄の刀の二刀流。

見た目だけだと攻撃の手数、防御力共に僕が不利だ。

あとは肝心の点差だけど……

 

世界史

 

Fクラス 吉井明久 548点

 

VS

 

Aクラス 相坂翡翠 769点

 

相変わらず化け物みたいな点数を取る。

翡翠が勉強できるのは僕とAクラスの人と雄二、秀吉、ムッツリーニしか知らないから、Fクラスの皆が驚くのはわかるけど、Aクラスの人達が驚いているのはなんでだろう?

 

「ご、500点オーバー!?」

「吉井って観察処分者だろ!?バカの中のバカのはずなのに、なんであんな高得点なんだ!?」

 

僕の点数に驚いていたみたいだ。僕だってちゃんと勉強してるよ。じゃないと姉さんが襲ってくるから……

 

「500点ってなんだよ500点って!吉井のクセに!」

「まさか、カンニング……」

『それだっ!!』

 

僕が高得点なのが信じられないのか、Fクラスからカンニング疑惑が浮上した。まさか味方に疑惑を持たれるとは思わなかった。まるであの本の人達のようだ。

Fクラスから出たカンニング疑惑にAクラスもまさかと騒ぎだした。

 

「カンニングはありません。吉井君がこの点数を取ったときは私とそう……西村先生でしたので」

 

ああ、そういえば鉄人に回復試験を頼んだのに、何故か高橋先生も来てたっけ。別に良かったけどさ。微妙に鉄人と高橋先生の距離が物理的に近かった気もしたなぁ。

高橋先生によってカンニング疑惑が晴れたので、翡翠に意識を切り替える。

 

「……なんでボクの召喚獣の装備は防御力が低そうなんだろう……武器も刀だけ……頑張ってこんな点数取ったんだから自動で動く盾とかつけてくれてもいいのに……」

 

翡翠は僕のカンニング疑惑はどうでもいいのか、贅沢なことを言っている。

 

「翡翠、今日の晩御飯は抜きだ」

「なっ!?ず、ズルいよアキ兄!ボクの夕食代を削って自分だけ贅沢しようなんて!」

 

別に贅沢はしないけど、僕のこと擁護してくれてもいいじゃないか。だから晩御飯は抜き。

 

「代表!アタシの家に来たら秀吉のご飯をあげるわよ!」

「行ったら変なことされそうで怖いです!」

 

木下さんからの誘いを速攻で拒否した翡翠。木下さんのことかな?翡翠が言ってた『ちょっと気になる人』って。でも誘いには乗らなかったし……子供はよくわからない。

 

「…………早く勝負を始めてもらえますか?」

『あっ、すみません』

 

翡翠と一緒に謝って互いに意識を集中させる。

数秒後、僕と翡翠の召喚獣は同時に駆け出した。

 

ー明久side outー

 

 

 

ー第三者sideー

 

明久は接近しながら戦い方を決める。

 

ーーー翡翠の武器は二刀流。なら鍔迫り合いはできない。ヒットアンドウェイで戦うしかない!

 

刀と木刀による鍔迫り合いをしている間に、翡翠の第二の刀が明久の召喚獣を倒しにくることが目に見えている。

だから連続攻撃ではなく、回避と攻撃を繰り返して少しずつ翡翠の点数を削ることにした。

 

ーーーこうかな?それとも……うー、ちょっと難しい。

 

対する翡翠は初めて動かす召喚獣に若干苦戦していた。思ったより速度が出ない、しかし練習している暇を明久は与えてくれないだろうとわかっている。

前回の試召戦争で召喚しておけばよかったと後悔しながら明久の召喚獣と激突する。

 

先に攻撃したのは翡翠の召喚獣。

右手に持った赤い柄の刀を左に振り明久の召喚獣の首を狙う。

対する明久は召喚獣の身体を反らせて紙一重で回避するようにその場で宙返りし、サマーソルトキックで翡翠の召喚獣の顎を蹴り上げる。

翡翠はダメージは免れないと判断し、右肘を突き出してダメージを軽減しながら左の刀を突き出してカウンター。

明久の召喚獣の右腰を掠めた。

 

Fクラス 吉井明久 502点

 

VS

 

Aクラス 相坂翡翠 750点

 

最初より点差が広がるのは点数差による攻撃力の差か。

フィードバックによる痛みが襲い、思わず腰を抑える明久。

 

---それでも!

 

自分に言い聞かせるように思考し、前に出る。

全身の加速を乗せた突きを放つ。

翡翠は確実な防御をと刀を交差させて正面から受ける。

木刀は刀の刃に削られながらも突き進む。

しかし、喉を貫くかと思われた木刀は、翡翠のとっさの判断で刀を翡翠の右に逸らしながら首を左に捻ることで回避され、首の横を通り過ぎるだけに終わった。

 

「まだ!」

 

叫ぶ明久。突撃した速度のまま腹に膝蹴りをぶち込む。

 

Aクラス 相坂翡翠 658点

 

防具がほとんど無いと言っていい腹部への一撃により、点差が一気に100点近く縮んだ。

しかしそれで安心せず、すぐに退がって翡翠の間合いから出る。

 

「逃さない!」

 

翡翠もやられっぱなしではない。攻撃を受け、一瞬硬直した召喚獣に突進させる。

高速で近づいて右手の刀を左腰に回してから右に斬りはらう。それを明久は回避不可と判断して木刀を縦向き、切っ先を下にして受け止める。

カシャァッ!と木と鉄がぶつかり、擦れる音が教室に響き、明久の召喚獣の身体が開く。

すぐさま左手の刀で突きを繰り出す。目標は顔。身体を狙えば手首の回転で木刀による防御をされると判断したからだ。

 

ガチッ!

 

妙な音が聞こえた。直後、翡翠の口から『にゃっ!?』という声が出た。明久が召喚獣の首を左に倒し、歯で翡翠の刀を受け止めたからだ。

 

ー第三者side outー




次回は後編です。
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