ボクと異能と召喚獣 りめいく   作:アルス@大罪

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10話が1文字も書けてないですが投稿します。


Aクラス対Fクラス 最終戦後編です! by翡翠

ー第三者sideー

 

ーーーあっぶなー……こういうときだけ観察処分者で良かったと思う。そうじゃないと歯で白刃取りみたいなことはできなかったよ……

 

明久は召喚獣の歯を翡翠の召喚獣の刀から話して距離を取りながら内心ドヤ顔を決める。

 

ーーーあんな技があるなんて聞いてない!ズルいよアキ兄!

 

『情報は武器なんですよ、少年』とドヤ顔していたクセに情報収集力の無さを披露した翡翠は、焦りながら噛まれた刀を振り、刀についた明久の召喚獣の唾液を飛ばす。召喚獣はあくまでデータでしかないので唾液がついているはずはなく、実際にもついていないのだが。

 

「刀噛むとかバカなの!?アキ兄のばーかばーか!」

 

理不尽な怒りを明久にぶつけるが、明久は秒もかからず無視することにした。

その様子に翡翠は頬を膨らませて怒りをアピールし、両手の刀を鞘に収めて叫ぶ。

 

想造(クリエイト)!」

 

直後、翡翠の召喚獣の前が青白く発光。

腕輪の力と判断した明久は、フィールドの限界まで退がる。

青白い光が消えると、翡翠の召喚獣の両手には、白と黒の大剣が。鍔はなく、グリップ部分は刃に対して垂直となっている独特のフォルムだ。

 

「ちょっ、翡翠、それって……!」

大罪武装(ロイズモイ・オプロ)悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)!」

 

明久が大剣、悲嘆の怠惰について問い詰めようとするが、翡翠はそれを無視して大剣の刃を背中の方向へ向ける。

AクラスもFクラスも刃を何故後ろに向けるのかと疑問するが、直後にその疑問も晴れた。

青く発光する砲台が大剣の柄の先に現れたからだ。

砲台の先からいくつもの黒い手が放たれ、明久の召喚獣を襲う。

 

「遠距離攻撃はズルいよぉぉぉおお!!」

 

必死に召喚獣を走らせる。召喚獣の顔も必死だ。

 

「ボクの腕輪は『想造』。イメージした武器を作る能力だよ!大罪武装級に強力だと消費点数も大きいけどね!」

 

世界史

 

Fクラス 吉井明久 502点

 

VS

 

Aクラス 相坂翡翠 458点

 

確かに点数は200点減っているようだが、砲撃によって点数を消費したのかはわからない。ここで点数を消費したか否かによって戦い方は多少変わる。

砲撃を躱しきった明久は、召喚獣を翡翠の召喚獣に向かって走らせる。

 

ーーー悲嘆の『掻き毟り』を封じる手は僕にはほとんどない。腕輪を使うと点数でまた負ける。なら接近して『掻き毟り』を封じる!

 

現在は操作経験、点数で勝る明久はこのアドバンテージを維持しつつ、砲撃『掻き毟り』を封じる手を数秒で決定する。

 

ーーー『掻き毟り』を封じに来た。さっきからアキ兄がいじわるしかしてこない……

 

勝負にいじわるも何もないのに自分本位な考えをする翡翠も、『掻き毟り』を止め接近戦に切り替える。

剣のリーチは翡翠の方が長い。つまり間合いもそれだけ広いということだ。

翡翠の召喚獣の間合いに明久の召喚獣が入る直前に、右手に持った悲嘆を左に振るう。

明久はそれを読んでいたのか、はたまた偶然か召喚獣をしゃがませて右回転。

刃が頭上を通過して、回転の勢いを合わせて翡翠の召喚獣の脇腹に木刀を叩き込む。

 

「スフィア!」

 

回避されたと判断した翡翠はすぐさま叫ぶ。

すると、翡翠の召喚獣の制服から4つの光球が現れ、明久の召喚獣に向けて光線を放つ。

 

「ぐっ!?」

 

Fクラス 吉井明久 320点

 

回転の途中だったのが幸いしたのか、光線は左肩に直撃して戦闘不能を回避。しかし点数は大きく削られ、吹き飛ばされる。

 

「まさか同時に複数の武器を作れる腕輪なんてね……」

「?スフィアは元々ある武器だよ?」

 

『えっ?』と小さく呟いた明久だったが、翡翠から答えが来ることはなく、

 

「行けっ!スフィア!」

 

代わりに光球からの連続攻撃が来た。

前から2発の光線が連続して明久の召喚獣の足元を襲い、それをバックステップで回避する。続いて左前方から地面に対して水平にやってくる光線を前に出てやり過ごす。それを翡翠は読んでいたのか、右から頭めがけて光線がやってくる。

前に出た勢いのまま前転して回避するが、立ち上がったところを前から光線がやってきて素早く左へ避ける。

 

ーーー翡翠の召喚獣が攻撃してこないのが救いだけど、反撃どころか接近も腕輪も使えない……!

 

前と左右を集中して光線が明久の召喚獣に向かい、接近するどころか腕輪を使う暇さえ無い。

 

ーーー右、前、前、左、前、右、えっとぉ、えっとぉ!

 

対する翡翠は光球を操作するのに必死だった。召喚獣を動かすことは放置してしまうので、基本的には接近させないように光球を動かして戦う。

 

ーーーイチかバチか、翡翠の召喚獣の喉目がけて……!

 

このままではいずれ捕まると判断した明久はここで賭けに出た。

木刀を逆手に握り直し、光線を回避しながら翡翠の召喚獣の身体の正面に移動し、

 

「いっけぇぇぇ!!」

 

全力で木刀を投げた。

しかし、木刀を投げたことで身体の位置が1秒以上その場に留まる。その隙に光線が明久の召喚獣を襲う。

 

「ぐぁああああああ!!」

 

一方、明久が投げた木刀は狙った場所には行かず、翡翠の召喚獣の左脚の脛に当たる。

 

「たぁっ!?」

 

世界史

 

Fクラス 吉井明久 DEAD

 

VS

 

Aクラス 相坂翡翠 DEAD

 

両者が同時に倒れ、消滅した。

 

ー第三者side outー

 

 

 

ー明久sideー

 

頭を狙われなかった分は楽だったけど、すぐに終わらなかったから結局拷問だと思いました吉井明久です。

 

「両者同時に戦死しました。映像を確認するのでしばらくお待ちください」

 

高橋先生がノートパソコンを操作している間に翡翠に拷問された仕返しをする方法を左足首あたりを押さえて床を転がっている翡翠を見ながら考える。

晩御飯抜きはもう宣言したから却下。となると部屋の目覚まし時計の電池を、切れたやつと交換してやるか、冷蔵庫にあるチョコを取ってやるか……

 

「結果が出ました」

 

真剣に仕返しを考えていると、勝負の結果が出た。

 

「結果は同時に戦死。引き分けです」

 

ー明久side outー




次回は戦後対談です。

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