ディテクター事件―――
パラダイス事件―――
今、この時間を生きるものならば、ほとんどの人が知っているだろう。
これほどまでに、有名な事件はない。
その事件を戦った者も、同時に有名となった。
―――世界を救った子供たちの、リーダー的存在・山野バン。
―――サブリーダー的な少年・大空ヒロ。
―――空手少女・花咲ラン。
―――ほかにも、この事件の1年前の“イノベーター事件”で、活躍した海道ジン、灰原ユウヤ、青島カズヤ、川村アミ。
―――優秀なLBXプレイヤーの古城アスカ、ジェシカ・カイオス。
―――そして、大空ヒロの妹・大空ミク。
この物語は、そんなヒロの妹・ミクが、神威大門統合学園で繰り広げる物語―――。
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ミゼル事件後、平穏な日々が戻りつつあった。
「お兄ちゃん、それ、私のゲームっ!」
「お願い、ちょっとだけ!!」
「んも~、仕方がないなぁ~!」
大空家では、お兄ちゃんのヒロと、私、ミク兄妹の口論が、繰り広げられている。毎日のことだけどね。
「これじゃあまるで、ミクのほうが、お姉さんね。10歳なのに」
「えへへ、確かにねっ!」
「ちょ、お母さん!」
そこにやってきたのは、私たちのお母さん、大空遥。
すごい科学者で、パラダイス事件ではいろいろあったけど、今はもう落ち着いている。
幸せだなぁ・・・って、思います。
「あ、お兄ちゃん、アキレスD9、オタクロスからもらってきたよ」
「本当?うわ・・・直ってる」
私たちは、たくさんの大会に出る。でも、お兄ちゃんと私は、同じ大会には出ない。
なぜなら、決勝戦で当たっちゃうから。それは嫌だもん。
「ミク、今度はミクが出るんだ。頑張るんだよ?」
「うんっ!ありがとう、お兄ちゃん!」
お兄ちゃんは、とっても優しいの。
私は、お兄ちゃんと同じ髪の色で、瞳はピンク色。ぱっちり開いてる、ってよく言われる。
前髪は切りそろえてて、長いウェーブのかかった髪は、高い位置で、ピンクのリボンでツインテールにしてるの。
袖の膨らんだピンク色のブラウスに、ベージュのスカートをはいてる。お気に入りなの。
「ミクー、早くやろう?」
「あ、うん!待ってねっ!」
リビングを見たら、お母さんとお兄ちゃんが、テレビの前に座ってた。
相変わらず、準備が早いんだからぁ・・・。
「今日は、貴方達が勝てたら、クッキーをあげるわ」
「本当っ!?よーし、お兄ちゃん!頑張ろうっ!!」
「うんっ!」
―――平穏で幸せな日々。
そんな生活が変わったのは、私が12歳になった時だった。
「ミク、手紙だよ?」
「えー?私に・・・?」
もうすぐ中学生で、どこへ行こうか悩んでた私に届いたのは、日本付近に浮かぶ島“神威島”にある、LBXプレイヤーのあこがれ―――・・・
・・・―――“神威大門統合学園”の特待生としての、入学の手紙だった。