「大丈夫?」
画面に向かって叫ぶと、アラタが出てきた。アラタの顔は、恐怖の顔だった。
「ミク、ありがとう」
「どういたしまして。さ、まだまだミッションの途中だよ!」
私はそういうと、バイオレットデビルを見据えた。
バイオレットデビルが、音のような速さで動くならば、私のアキレスS7は光のような速さ。
連続でアタックファンクションの、スイートハニーを繰り出して、ただひたすら同じ状況。
「ミク、大丈夫?」
サクヤの声だ。
「うん、大丈夫。ハルキたちは・・・?」
サクヤは、首を振った。その時だった。
「ミク、のいて!」
アラタの声がした。私は、バイオレットデビルから離れた。
そしてすぐだった。
『アタックファンクション、ハイパーエネルギーボム』
アラタの攻撃は、ヒカルの武器にあたって、壁を破壊。
それだけでなくって、バイオレットデビルに傷を負わせた。
―――アラタは、ムラクに一目、おかれるな・・・。
そしてすぐに、誰のかは分かんないけど、ジェノックのLBXがやってきた。
それとともに、私たちはエスケープスタンス。
「エスケープ完了」
サクヤが、胸をなでおろすのがわかった。私も、マイクに向かって、全部の機体に呼び掛ける。
「全機撤退!」
「今回は失敗」
「おとりがあれじゃあねぇ・・・」
皆は、第1小隊への不満をもらしまくり。私は、厳しい口調で告げる。
「他の小隊だったら、勝てたという可能性は、極めて少ないけどね」
その言葉に、皆は黙りこくる。
そして、私は微笑んで、アラタを見る。
「アラタ、あの対処法は良かった」
微笑んだものの、ウォータイムの疲れがあって、大変だった。
「それじゃあ、これで解散」
私はそういうと、皆を見送って―――
―――ドアに倒れこんだ。
「何あれ・・・怖いよ・・・」
ハルキは、あのとき、どれだけ怖かったことか・・・。
怖くなって、思わず携帯を手に取っていた。そして、電話をかけた。
「お、お兄ちゃん・・・」
『ミク・・・?どうしたんだ?』
私は、涙があふれてきた。
「お兄ちゃん・・・ごめんね、ちょっと怖かった。本当に死ぬみたいで・・・やだった。皆は、毎日してるのに・・・」
『ミク、大変だったね』
「お兄ちゃん・・・」
お兄ちゃんの声は、どこまでもやさしくて、正直言えば“孤独”だった私の心に、沁み渡った。
「ありがと・・・私、がんばるね」
『うん、応援してるよ』
「・・・じゃあね、皆によろしく」
そう言い終わると、私は名残惜しかったけど、携帯を切った。
「お兄ちゃんって・・・すごい・・・」
思わず、笑みと涙がこぼれる。
「・・・辛いなら、泣けばいいじゃないか」
「ッ!?」
誰もいないはずの部屋なのに、声が響いた。
大分聞きなれた、この声は・・・。
「ヒカル・・・」
呆れたようなヒカルがいたけど、ちょっと心配そうな顔だった。
「どうしているの?」
「一緒に帰ろうと思った」
ヒカルの手には、ヒカルと私分のかばんがあった。
「外で、4人が待っている」
そういうと、私のそばへやってきて、抱きしめた。
「ひ、ヒカッ・・・!?」
思わず、顔を真っ赤にしてしまう。恥ずかしい・・・っ。
「ミク、辛かったら泣けばいい。僕は君を応援するから。そして、君の仲間だから」
―――その言葉は、お兄ちゃんとおなじくらい優しくて、また涙が出てきた。
「・・・うんっ、じゃ、帰ろっか!」
私は無理やり笑って、ヒカルと一緒に門まで向かった。