A smile of a goddess   作:御沢

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ミッション失敗を受けて、翌日―――日曜の朝っぱらから、小隊長会議。

 

ホント、皆まじめだよね。

 

私も、小隊に参加していないとはいえ、単独でもチーム、なんて考え方らしく、会議に参加中。

 

まぁ、会長ってのもあるらしいけど。

 

「ハルキー、起きたー?」

 

男子寮のハルキの部屋へ行く。

 

ちなみに、私は男子寮も行き来可能。許可も取得済み。

 

「今行く・・・」

 

ハルキの声は、少し元気がなかった。

 

 

“使用中”の看板のかかった部屋に、2人で入る。

 

「主役のお出ましだね」

 

すでに来ていたうち、ゲンドウ以外の3人は、ニヤニヤし始める。

 

「日曜の早朝から、小隊長会議なんて・・・」

 

「私、ユノと約束があるんだけど」

 

気にしないよう、平静を装う。ポーカーフェイス、苦手だけど・・・。

 

「お前が一番わかっているだろう」

 

ゲンドウって、結構いきなり核心をついてくる。

 

だから、ちょっと苦手。

 

 

「昨日のウォータイムのことでしょ?」

 

私が、そう尋ねると、例の3人は得意げな顔をする。

 

「新入りくんたち、肝心なところで、命令をきかなくなるよね」

 

「それも、君のせい?」

 

ハルキは、黙りこくる。キャサリンが、ニヤニヤしながら

 

「あら、図星?」

 

なんていってる。

 

「キャサリン」

 

私が注意したら、キャサリンは黙ったけど、ハルキも黙りこくったまま。それに・・・

 

「ねぇ、ハルキ。明日のウォータイム、出れそう?」

 

「いや・・・わからない」

 

私のLBXは、めったに出撃しない。現に、1年生の時は、1回もウォータイムに参加しなかった。

 

でも、皆はほぼ毎日、ウォータイムがある。

 

 

ハルキは、難しい顔をしている。

 

「サクヤが全力で、修理している・・・」

 

「でも、LOST寸前だったんでしょ?直るの?」

 

キャサリンの言うとおり。

 

―――もし仮に直ったとしても、ちゃんと動くかどうか・・・。

 

 

そのあとは、食堂へと向かった。

 

私は基本、第一小隊とともに食事を取ることが多い。ううん、毎日かもしれない。

 

「あ・・・って、何してんの、アイツ・・・」

 

私の目に、さっそく飛び込んできたのは、ヒカルのソーセージを取ろうとしているアラタ。

 

呆れて、ため息しか出ない。

 

でも、ヒカルは状況をわかってるみたい。それに、深刻そうな顔。

 

「君は、昨日のことをどう思っているんだ?」

 

若干怒ってるっぽい。でも、2人とも悪くない。ムラクは、強すぎるから・・・。

 

 

私は、トレーを机に置きながら、話しかけた。

 

「負けたけど、考えすぎはよくないよ、ヒカル。でも、アラタも、少しくらいは考えること」

 

2人の関係は、よくならないものかなぁ・・・?

 

「そういや、サクヤは?寝坊か?」

 

アラタが、また笑いながら尋ねる。

 

そこに、ハルキがやってきた。

 

「昨日から修理している。LOST寸前だったからな」

 

「え?そんなの、ササッと直っちゃうんじゃないの?」

 

アラタのその考え方は、常々うらやましい。そんなに楽に考えられたら、なんてね。

 

「そう簡単には直んないよ。LOST寸前だったから、3日はかかるかも」

 

すると、アラタは立ち上がった。

 

「俺、手伝ってくる!」

 

「メカニックに任せろ!」

 

―――ハルキのその声は、アラタには届かなかった。

 

 

3人で食事を進める。

 

「ふ、2人とも、今日は何するの?」

 

ぎこちないなぁ・・・。

 

「別に」

 

「別に」

 

「・・・あ、はは」

 

私からは、乾いた笑い声しか出ない。ほかにも、いろいろ話題を考えるけど・・・

 

「しゅ、宿題教えて!」

 

「ミクのほうが、俺たちよりも頭いい」

 

「じゃ、LBXの基礎知識」

 

「ミクのほうが、知っている」

 

「過去の事件とか!」

 

「君は、経験者だろう」

 

・・・話題、見つかんないよ。

 

 

―――結局、アラタは戻ってこないし、サクヤはやってこないし、2人は黙ったままだしの、大変な朝食は、静かなまま終わった。

 

・・・私としては、仲良くしてほしいんだけどなぁ。

 

たくさん失敗して、一緒に悩んで、一緒に解決していく・・・。

 

そんな素敵な―――バンさんやお兄ちゃんたちのような、素敵な“仲間”になれたらなぁ・・・。

 

 

 

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